問98-102 解説



問102

以下の芳香族置換反応のうち、主生成物の構造を正しく示しているのはどれか。
2つ選べ。
ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施してある。

解説

選択肢1では、-OH基と-CH3基があります。
どちらも o,配向性を示しますが、-OH 基のほうがその影響力はずっと強いです。
よって、選択肢 1 の反応は、-OH 基からみて 位で置換反応が起きているので誤りです。

選択肢 2 について、OHは優れた求核試薬、-Cl は優れた脱離基なので求核置換反応が進行します。
よって選択肢 2 は正解です。

選択肢 3 では、-CH基は o,配向性、-NO基は 配向性を示します。
反応によりニトロ化された位置がちょうどその両方を満たしているので、これは正解です。

選択肢 4 はナフタレンのブロモ化ですが、生成物は 2-ブロモナフタレンではなく 1-ブロモナフタレンです。
ナフタレンの求電子置換反応は 2 位よりも 1 位よりも起こりやすいのですが
それは中間体の共鳴構造からわかります。


 1位への求核置換

    
2位への求核置換

    


上図をみると、1 位の中間体は 5 つのうち 2 つほど、芳香環を保っている構造があります。
一方、2 位の中間体では芳香環が成立しているものが 1 つしかないので、より不安定といえます。
以上より、より安定な 1 位への反応が優先されることになり、選択肢 4 が誤りであることがわかります。


よって、正解は 2,3 です。