100-286~100-305 解説一覧


問286-287 
76歳男性。体重72kg。
先週より腰痛があり、整形外科を受診し
神経障害性廃痛の診断を受けた。

同日保険薬局を訪れ
処方せんをお薬手帳と共に
保険薬局の薬剤師に手渡した。

手帳には以下の記載があり
約 2 週間前から
胃潰瘍治療薬を服用していることを
薬剤師は確認した。


(お薬手帳)
年月日     
平成27年2月16日

処方内容
処方1)
ファモチジン口腔内崩壊錠 10 mg 
1回1錠 1 日 1回 夕食後 30日分

処方2)
アズレンスルホン酸 Na
・Lグルタミン配合穎粒 
1回 0.5g 1日3回 毎食後 30日分
厚生消化器内科医院 厚生次郎

平成 27 年 2 月 2 日の検査結果
AST 30 IU/L、ALT 25 IU/L
r-GTP 20 IU/L、
BUN 50 mg/dL
血清クレアチニン 3.0 mg/dL


今回の処方せんは以下のとおりであった。
(処方)
プレガパリンカプセル 25mg 
1回 2 カプセル(1日2カプセル)
1日1回 就寝前 14日分


問286(病態・薬物治療)
腎機能を評価する上で
糸球体ろ過量(値または率、GFR)を
最も正確に評価できるものはどれか。
1つ選べ。

1 血清クレアチニン値
2 血中尿素窒素(BUN)値
3 イヌリンクリアランス値
4 尿中β2 ミクログロプリン値
5 PSP値 (フェノールスルホンフタレイン試験)



GFR の
最も信頼性の高い測定法は
イヌリンクリアランスです。


イヌリンは
糸球体において完全にろ過され
腎尿細管において
分泌をうけず
かつ、再吸収されることもありません。


そのため
イヌリンを投与し、イヌリンクリアランスを測定すれば
GFR を正確に測定することができます。



よって、正解は 3 です。



ちなみに
イヌリンクリアランス測定は
正確なGFRが測定できるという長所の反面
時間がかかる上に
患者負担も大きいという短所もあります。

(患者負担の具体例としては
・正確な測定のために 検査当日 絶食
・採尿にある程度の飲水量が必要 など)


そのため、採血を行い
血清クレアチニン値から推測するという
簡便な方法等が
一般的に用いられています。




問286-287 
76歳男性。体重72kg。
先週より腰痛があり、整形外科を受診し
神経障害性廃痛の診断を受けた。

同日保険薬局を訪れ
処方せんをお薬手帳と共に
保険薬局の薬剤師に手渡した。

手帳には以下の記載があり
約 2 週間前から
胃潰瘍治療薬を服用していることを
薬剤師は確認した。


(お薬手帳)
年月日     
平成27年2月16日

処方内容
処方1)
ファモチジン口腔内崩壊錠 10 mg 
1回1錠 1 日 1回 夕食後 30日分

処方2)
アズレンスルホン酸Na
・Lグルタミン配合穎粒 
1回 0.5g 1日3回 毎食後 30日分
厚生消化器内科医院 厚生次郎

平成 27 年 2 月 2 日の検査結果
AST 30 IU/L、ALT 25 IU/L
r-GTP 20 IU/L、
BUN 50 mg/dL
血清クレアチニン 3.0 mg/dL


今回の処方せんは以下のとおりであった。
(処方)
プレガパリンカプセル 25mg 
1回 2 カプセル(1日2カプセル)
1日1回 就寝前 14日分



問287(実務)
薬剤師が
プレガパリンカプセルの添付文書を
確認したところ

クレアチニンクリアランス(mL/min)
≧60 の場合の初期投与量
「1回75mg、1日2回」
≧30-< 60の場合の初期投与量
「1回75mg、1日1回」
≧15-< 30の場合の初期投与量
「1回50mg、1日1回」と記載されていた。

この患者の薬物治療に対する
薬剤師の対応として最も適切なのはどれか。
1つ選べ。

1 お薬手帳の処方 1 の薬剤と
プレガパリンとの併用は禁忌であると考えて
お薬手帳に記載された内科医に
疑義照会した。

2 お薬手帳の処方2の薬剤と
プレガバリンとの併用は禁忌であると考えて
今回の処方医に疑義照会した。

3 プレガバリンの投与量が少ないと考えて
今回の処方医に疑義照会した。

4 プレガバリンの投与量が少ないと考えて
お薬手帳に記載された内科医に疑義照会した。

5 適切な用量の処方であると判断して
調剤を行った。



選択肢 1,2 ですが
プレガバリンと併用禁忌の薬は
ありません。
(第 100 回 国試出題時点)


よって、選択肢 1,2 は誤りです。



選択肢 3 ~ 5 の正誤を判断するために
患者のクレアチニンクリアランスを計算します。

Cockcroft & Gault 式によれば
クレアチニンクリアランスは


※Scr は、血清クレアチニン のこと。

なので、数値を代入すると
Weight と 分子の 72 がちょうど約分されて
64/3 ≒ 21 となります。

すると確認した添付文書から
「1回50mg、1日1回」 が
初期投与量として適切である、とわかります。


処方は
プレガパリンカプセル 25mg 
1回 2 カプセル(1日2カプセル) 1日1回 です。

つまり
1回 50 mg 、1日1回であり
適切であるとわかります。


以上より、正解は 5 です。



問288-289 
66歳男性。
高血圧、心房細動とアレルギー性鼻炎のため
内科から下記の薬剤が処方されていた。

最近、歩行すると足が痛くなるようになったため
外科を受診したところ、下肢静脈癌と診断され
1ヶ月後に手術を行うことになった。

(処方1)
ジソピラミドリン酸塩徐放錠 150 mg 
1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 14日分

(処方2)
ワルファリンカリウム錠 1mg 
1回2錠(1日2錠)

ランソプラゾール口腔内崩壊錠 15mg 
1回1錠(1日1錠)

ニフェジピン徐放錠 20 mg (24時間持続) 
1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 14日分

(処方3)
レボセチリジン塩酸塩錠 5mg 
1回1錠(1日1錠)
1日1回 就寝前 14日分


問288 (実務)
外科の担当医より
手術前のワルファリンの休薬期間と
その代替薬について
外科病棟担当薬剤師に質問があった。

以下の組合せのうち、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。

  術前休薬期間  代替薬
1 24時間 - へパリン
2 24時間 - シロスタゾール
3 4日 - ヘパリン
4 4日 - シロスタゾール
5 14日 - ヘパリン
6 14日 - シロスタゾール



抗血栓治療中の患者が
出血を伴う処置前に休薬し
より作用時間の短いヘパリンに
薬を置換する事を、ヘパリン置換といいます。
休薬期間は、ワルファリンの場合、3~5日です。


以上より、術前休薬期間は 4 日
代替薬はヘパリン が適切です。


よって、正解は 3 です。



問289(病態・薬物治療)
上記の処方薬剤に関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ジソピラミドリン酸塩徐放錠は
不応期を短縮させ房室ブロックに用いる。

2 ワルファリンカリウム錠は
血栓形成を抑制し、脳梗塞の発症を予防する。

3 ランソプラゾール口腔内崩壊錠は
併用薬の酸化的分解の抑制のため用いる。

4 ニフェジピン徐放錠は
労作時狭心症発作時の治療に用いる。

5 レボセチリジン塩酸塩錠は
鼻汁分泌を抑制し
アレルギー性鼻炎に用いる。



選択肢 1 ですが
ジソピラミドは、クラス Ⅰa の抗不整脈薬です。
不応期を延長します。短縮では、ありません。
また、房室ブロックは注意すべき副作用です。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。



選択肢 3 ですが
酸化的分解をする薬は
併用薬の中にはありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
ニフェジピンは、Ca 拮抗薬です。
狭心症の発作時に用いる薬では、ありません。
代表的な発作時に使用する薬としては
硝酸薬があります。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。



以上より、正解は 2,5 です。




問290-291 
74歳女性。
糖尿病を患っており
在宅での治療のため
インスリン製剤の白己注射を行っていた。

本日、患者より
投薬を受けている薬局に電話があり
「昨日から下痢が続き
食事が普段の半分くらいしか摂れないため
主治医に連絡した
休診で連絡が取れないので
生活面でどのようにしたらよいか。」
との質問があった。


問290 (病態・薬物治療)
質問を受けた時点で
薬剤師が患者に確認するべき事項として
優先度の高いものはどれか。1つ選べ。

1 前回外来受診持の尿タンパク量
2 前回外来受診時の血糖値
3 前回外来受診時のHbAlc 値
4 直近の血糖自己測定値
5 肥満度



質問から
シックデイが疑われます。


シックデイとは
糖尿病患者の治療中における
熱・下痢・吐気などの体調不良のことです。
この時、血糖コントロールが難しくなります。

具体的には
病気に対するホルモン分泌で
治療に用いるインスリンの働きが抑制され
血糖値が上がったり
食事を取らない影響で
血糖が下がったりするため、コントロール不良の
おそれがあります。


よって、血糖コントロールの状況を
第一に確認しなければなりません。


以上より、確認すべき事項として
優先度が高いのは
直近の血糖自己測定値であると
考えられます。


正解は 4 です。



問291 (実務)
薬剤師は、患者宅を訪問して対応することとした。
患者の質問に対する
現状での回答内容として
適切なのはどれか。2つ選べ。

1 食事が摂れなくても
インスリン製剤の使用は続ける。

2 下痢をしていない時の
食事内容を続ける。

3 野菜スープなど
ミネラル分を合むものを中心に
水分摂取を心掛ける。

4 炭水化物の摂取は
下痢をしていない時の食事よりも少なくする。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。
食事をどれぐらい摂っていないかや
用いている薬剤の種類により、シックデイの対応は異なるため
自己判断での中止・減量をしてはいけません。



選択肢 2 ですが
食欲がなくても、絶食はせず
消化がよく、食べやすいもので
いつもの摂取カロリーの維持に努めることが
推奨されます。


とはいえ、体調のよい時の食事内容を
あえて続ける必要はありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。



選択肢 4 ですが
炭水化物は、すぐにエネルギーとなり
減らす必要はありません。

また、摂取量が少ないと、脂肪がエネルギー源として
用いられることにより、ケトアシドーシスにつながる
危険性があります。

そのため、炭水化物の摂取を、いつもより
少なくする、というのは適切ではありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



以上より、正解は 1,3 です。




問292 - 293 
2歳女児。体重10kg。
1 日数回の
全身強直間代性けいれんを発現し
オクローヌスてんかんと診断され
バルプロ酸ナトリウムシロップの投与が
開始された。

投与開始 3 ヶ月頃
呼びかけに反応しないなどの意識障害が
頻固に見られたため入院加療となり
バルプロ酸の血漿中トラフ濃度と
血漿アンモニア窒素値が測定された。


問292 (実務)
バルプロ酸の血漿中トラフ濃度は
60 μg / mL であった。

測定結果の判断として、
適切なのはどれか。1つ選べ。

1 有効安全濃度域下限の約 1/10 であった。
2 有効安全濃度域下限の約 1/5 であった。
3 有効安全濃度域内にある。
4 有効安全濃度域上限の約 5 倍であった。
5 有効安全濃度域上限の約 10 倍であった。



バルプロ酸の治療域の血中濃度は
てんかん治療ガイドライン 2010 によれば
50 ~ 100 μg/mL です。

従って、有効安全濃度域内 にある
と考えられます。


よって、正解は 3 です。




問292 - 293 
2歳女児。体重10kg。
1 日数回の
全身強直間代性けいれんを発現し
オクローヌスてんかんと診断され
バルプロ酸ナトリウムシロップの投与が
開始された。

投与開始 3 ヶ月頃
呼びかけに反応しないなどの意識障害が
頻固に見られたため入院加療となり
バルプロ酸の血漿中トラフ濃度と
血漿アンモニア窒素値が測定された。


問293 (病態・薬物治療)
この患者の血漿アンモニア窒素値は
180μg/dL (正常値12-66 μg/dL)であった。

この原因として、最も可能性が高いのはどれか。
1つ選べ。

1 ミオクローヌス発作にともなう筋障害
2 ミオクローヌス発作にともなう低酸素血症
3 ミオクローヌス発作にともなう腎血流の低下
4 バルプロ酸による肝実質細胞の障害
5 バルプロ酸による尿素サイクルの阻害
6 バルプロ酸による腸内のウレアーゼの阻害



バルプロ酸ナトリウムの副作用として認められる
高アンモニア血症の機序については

代謝過程で
プロピオン酸、バルプロイル CoA が増加
→尿素サイクルにおける重要な酵素
(カルバミルリン酸合成酵素-Ⅰ)
が阻害される


という機序が、1つの原因として
考えられています。


従って、正解は 5 と考えられます。



小児の急性脳症 の対応マニュアルです。
p11 に関連記述 )




294-295 
84歳女性。
女性の家族が
近所の保険薬局に処方せんを持参した。

最近になって
女性の記銘力低下(物忘れ)が気になり
脳神経外科を受診したとのことであった。

医師により
軽度のアルツハイマー型認知症と診断され
今回が初回投薬となった。
その処方内容は次の通りであった。

(処方1)
ドネペジル塩酸塩錠 5mg 
1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 7日分

(処方2)
レパミピド錠 100 mg 
1回1錠(1日3錠)
1日3回 報昼夕食後 7日分


問294 (実務)
薬剤師が
この処方せんを確認して調剤を行う場合
その対応として最も適切なのはどれか。
1つ選べ。

なお、ドネベジル塩酸塩錠は
3 mg、5 mg、10 mg 錠が
製品化されている。


1 ドネペジル塩酸塩錠は
3mg から開始するので
医師に疑義照会した。

2 ドネペジル塩酸塩錠は
5mg が維持量なので
問題はないと判断した。

3 ドネペジル塩酸塩錠は
初回負荷量として 10mg を投与するので
医師に疑義照会した。

4 ドネペジル塩酸塩錠と
レパミピド錠の併用は禁忌なので
医師に疑義照会した。

5 レパミピド錠は
神経系の副作用軽減を目的とすることを
説明した。



ドネペジルの初回投与量は
3mg です。

目的は、消化器系副作用の発現を抑えることです。
有効容量ではないため
原則として、1~2週間を超えて使用しないよう
注意が必要です。


本問症例では
初回投薬にもかかわらず
ドネペジル 5 mg が投与されています。
よって、疑義照会を行うことが
適切であると考えられます。


 
従って、正解は 1 です。



ちなみに、レバミピドは
消化器系副作用軽減を目的として
投与されています。


294-295 
84歳女性。
女性の家族が
近所の保険薬局に処方せんを持参した。

最近になって
女性の記銘力低下(物忘れ)が気になり
脳神経外科を受診したとのことであった。

医師により
軽度のアルツハイマー型認知症と診断され
今回が初回投薬となった。
その処方内容は次の通りであった。

(処方1)
ドネペジル塩酸塩錠 5mg 
1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 7日分

(処方2)
レパミピド錠 100 mg 
1回1錠(1日3錠)
1日3回 報昼夕食後 7日分


問295 (病態・薬物治療)
アルツハイマー型認知症の
病因・病態として、正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 脳内コリン作動性神経系の
著しい亢進を認める。

2 前頭葉を中心として
全般的脳萎縮を認める。

3 アミロイド β オリゴマーが
神経細胞周囲に蓄積する。

4 大脳皮質を中心に
老人斑と神経原線維変化を認める。

5 中核症状として徘徊がある。



選択肢 1 ですが
アルツハイマー型認知症においては
コリン作動性神経の
著しい低下が認められます。
亢進では、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが
アルツハイマー型認知症では
主に側頭葉(海馬 を含む部位)や
頭頂葉を中心に脳萎縮が認められます。
前頭葉を中心としてでは、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3,4 は、正しい選択肢です。



選択肢 5 ですが
アルツハイマー型認知症の中核症状は
記憶障害、見当識障害などです。
徘徊では、ありません。

(ちなみに、見当識障害とは
現在の時刻や、自分の居場所の把握
等に関する障害です。)


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 3,4 です。




問296 - 297 
今回、病棟薬剤師として
初めて精神科病棟を担当することとなった。
こで
病棟において使用されている薬剤のうち
特に副作用に注意しなけばならない薬剤を
リストアップすることにした。


問296 (実務)
以下の薬剤の中で
緊急安全性情報が発出された薬剤の
副作用発現を調べるため
血液の検査を行う必要のあるものはどれか。
2 つ選べ。

1 セルトラリン塩酸塩錠
2 オランザピン錠
3 ミルタザピン錠
4 リスペリドン錠
5 クエチアピンフマル酸塩錠


問297 (病態・薬物治療)
この副作用はどれか。1つ選べ。

1 肝機能障害
2 高血糖
3 高カリウム血症
4 腎機能障害
5 横紋筋融解症



問296 の選択肢の薬剤の中で
緊急安全性情報が発出された薬剤は
オランザピン(ジプレキサ®) 及び
クエチアピンフマル酸塩錠(セロクエル®) です。
(それぞれ 2002 4/17, 2002 11/7 です。)


そして、その副作用とは
血糖値上昇です。


以上より
問296 の正解は 2,5 です。
問297の正解は 2 です。




298-299 
64歳男性。

風邪気味のため近くの薬局を訪れ
薬剤師に一般用医薬品の相談をした。

男性が持参したお薬手l援には
以下の内容が記載されており
1 年以上継続して
服薬していることがわかった。

(お薬手帳)
年月日
平成 27 年 2 月10 日  

処方内容
夕ムスロシン塩酸塩カプセル 
0.2 mg 1回1カブセル
1 日 1 回 朝食後 14日分

テプレノンカプセル50mg 
1 回 1 カプセル
1日3回 毎食後 14日分
霞が関内科医院 厚生太郎


問298 (実務)
男性の症状を聴取したところ
喉がイガイガして痰のからむ咳があるが
鼻水、発熱および頭痛はないとのことであった。

薬剤師は
以下の成分を含む一般用医薬品の中から
この男性に適した薬剤を推奨することにした。
推奨する一般用医薬品の成分として
適切なのはどれか。
2つ選べ。

1 Lーカルボシステイン
ブロムヘキシン塩酸塩

2 アセトアミノフェン
エテンザミド

3 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
リゾチーム塩酸塩

4 ジメモルファンリン酸塩
ブロムヘキシン塩酸塩
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩

5 イブプロフェン
アリルイソプロピルアセチル尿素


299 (病態・薬物治療)
この患者に対して適切でないと
判断された一般用医薬品について
その理由にあてはまるのはどれか。
2つ選べ。

1 症状を改善させる成分が含まれていない。

2 現在使用中の薬物により代謝が阻害され
QT 延長を引き起こす成分が含まれている。

3 排尿筋を弛緩させ
排尿困難を悪化させる成分が含まれている。

4 腺細胞を増殖させ
排尿困難を悪化させる成分が含まれている。

5 尿道括約筋を弛緩させ
排尿困難を悪化させる成分が合まれている。



問298 の選択肢 1 は、適切です。
カルボシステインや
ブロムヘキシンは、痰を切る成分です。
本問の男性に適しています。



選択肢 2 ですが
アセトアミノフェンや
エテンザミドは、解熱鎮痛薬です。
発熱、頭痛の見られない
本問の男性には、適しません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。
デキストロメトルファンは
非麻薬性鎮咳薬です。
リゾチームは去痰薬です。
本問の男性に適しています。



選択肢 4 ですが
ジメモルファンは、非麻薬性鎮咳薬です。
ブロムヘキシンは、痰を切る成分です。
d -クロルフェニラミンマレイン酸塩は
くしゃみ、鼻水などを抑える抗ヒスタミン薬です。

鼻水がない本問の男性には不要な成分が
含まれています。

また、タムスロシン(選択的 α 1 遮断薬)を
服用していることから
前立腺肥大症による排尿障害の治療中と
推測されます。

従って
抗ヒスタミン薬により排尿筋の弛緩が生じ
それに伴う尿閉のおそれがあり
本問の男性には、適さないと考えられます。



選択肢 5 ですが
イブプロフェンは、解熱鎮痛薬です。
アリルイソプロピルアセチル尿素は
鎮静成分の一種です。鎮痛目的で配合されます。

発熱、頭痛の見られない
本問の男性には、適しません。



以上より、問298 の正解は 1,3 です



また
解説中にあった理由より
問299 の正解は 1,3 です。




問300-301 
54歳女性。
数年前から関節リウマチを患い
整形外科でメトトレキサートカプセルによる
治療を受けていた。

患者が処方せんを薬局に持参した際
「今までの薬だけでは改善しないので
次回から飲み薬に加えて
点滴する薬を新しく追加すると
医師から言われた。」
と薬剤師に話した。


問300 (病態・薬物治療) ※不適切問題として削除された。
この患者に新しく追加される点滴薬として
考えられるのはどれか。2つ選べ。

1 オマリズマブ
2 アダリムマブ
3 リツキシマブ
4 インフリキシマブ
5 セツキシマブ

解なし。



問301 (実務)
この患者から
「その点滴する薬を使用する前に
検査をして確認することがあると
医師に言われたが
何を検査するのか。」と質問された。

対応した薬剤師の回答として
適切なのはどれか。
2つ選べ。

1 リウマトイド因子
2 胸部レントゲン
3 血糖値
4 ヘモグロビン値
5 ツベルクリン反応



問300の中に、関節リウマチに対する
点滴静脈投与される薬が
インフリキシマブのみであるため

本問で点滴する薬としては
インフリキシマブであるとして、以下解説します。


インフリキシマブの投与により
結核、敗血症などの重篤な感染症の悪化が
副作用として報告されています。

インフリキシマブ投与に先立ち
結核に関する十分な問診、及び
胸部レントゲン検査 に加え

ツベルクリン反応などを行い
さらに適宜、胸部CT等を行うことで
結核感染の有無を確認するよう
警告されています。


以上より、検査するものとして適切なものは
胸部レントゲンと、ツベルクリン反応です。


正解は 2,5 です。




問302-303
地区の小学校の校長から
担当の学校薬剤師に連絡があり
「適切な手洗い方法を児童に指導して欲しい」
との依頼があった。


問302 (実務)
学校薬剤師は小学校を訪れて
児童に手洗いの指導を行った。

手洗いが不充分になりやすく
指導の優先度が高い部位は以下のどれか。
2つ選べ。


1 指先
2 手の甲
3 手のひら
4 指の付け根の間



手のひらや手の甲は意識しなくても
ごしごし洗います。


指先や、指の付け根の間 が
手洗いが不充分になりやすい部位です。



正解は 1,4 です。



問303 (病態・薬物治療)
手洗いが、感染防止に有効である
可能性の高い感染症はどれか。
2つ選べ。

1 C型肝炎
2 デング熱
3 インフルエンザ
4 日本脳炎
5 O - 157 感染症


選択肢 1 ですが
C 型肝炎の原因は、C 型肝炎ウイルスです。
感染している人の血液が、他の人の血液内に入ることにより
感染します。


手洗いでは
血液の体内への侵入を防止するのに
有効とは、いえません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが
デング熱は、蚊によって媒介される感染症です。

手洗いでは
蚊による感染を防止するのに
有効とは、いえません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。
手に付着したウイルスを除去することで
感染防止が期待されます。



選択肢 4 ですが
日本脳炎は、蚊によって媒介される感染症です。

手洗いでは
蚊による感染を防止するのに
有効とは、いえません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。
手に付着した大腸菌を除去することで
感染防止が期待されます。



以上より、正解は 3,5 です。




問304-305
25歳女性。
急性骨髄性白血病に対して
同種造血幹細胞移植術が施行された。

ある時期から
38℃以上の発熱が10日間以上続き
肺右下葉の気管支肺胞洗浄液の
所見に基づいて
侵襲性肺アスペルギルス症と診断された。

なお、この診断がなされた時点での
患者のクレアチニンクリアランス値は
20.5 mL / min であった。


問304 (病態@薬物治療)
肺アスペルギルス症に関する記述として
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 好中球減少症患者で
発症しやすい。

2 温泉や24時間入浴機器の使用が
感染源となりやすい。

3 空調機器等を介した院内感染に
注意が必要である。

4 グラム陰性桿菌の
感染症である。

5 血中(1,3)-β-D-グルカン濃度が
低下する。


問304 解説

選択肢 1 は、正しい選択肢です。
肺アスペルギルス症は、日和見感染症の一種です。
健康な人では、まず発症しません。


選択肢 2 ですが
この記述は、レジオネラ菌に関するものと考えられます。
肺アスペルギルス症の感染源であるアスペルギルスは
ほこりの中など、どこにでもいます。
特に温泉などが感染源となりやすい、ということはありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。



選択肢 4 ですが
真菌細胞は、グラム陽性に染まります。
アスペルギルスは、真菌(カビの一種)です。
従って、グラム陰性ではありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
(1,3) - β - D - グルカン は、真菌細胞の
主要構成成分です。
感染により、濃度が増加します。低下では、ありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,3 です。



問305 (実務)
この患者に対して
イトラコナゾール注射剤は使用できないと
病棟薬剤師は判断した。

その理由として、正しいのはどれか。
1つ選べ。

なお、イトラコナゾール注射剤には
1% イトラコナゾールの他に
添加剤として
ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン
ブロピレングリコール、塩酸を含む。

1 イトラコナゾールが
アスペルギルス症に対して無効であるため

2 イトラコナゾールが
腎排世型薬物であるため

3 イトラコナゾールが
肺に移行しないため

4 添加物が
腎機能を低下させるため

5 添加物が
造血幹細胞の増殖を抑制するため

6 添加物に催奇形性があるため



添付文書によれば
添加剤である、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンが
腎機能を低下させるためです。
ちなみに、この添加剤は、可溶化のために加えられています。



従って、正解は 4 です。