問286-287 76歳男性。体重72kg。 先週より腰痛があり、整形外科を受診し 神経障害性廃痛の診断を受けた。 同日保険薬局を訪れ 処方せんをお薬手帳と共に 保険薬局の薬剤師に手渡した。 手帳には以下の記載があり 約 2 週間前から 胃潰瘍治療薬を服用していることを 薬剤師は確認した。 (お薬手帳) 年月日 平成27年2月16日 処方内容 処方1) ファモチジン口腔内崩壊錠 10 mg 1回1錠 1 日 1回 夕食後 30日分 処方2) アズレンスルホン酸Na ・Lグルタミン配合穎粒 1回 0.5g 1日3回 毎食後 30日分 厚生消化器内科医院 厚生次郎 平成 27 年 2 月 2 日の検査結果 AST 30 IU/L、ALT 25 IU/L r-GTP 20 IU/L、 BUN 50 mg/dL 血清クレアチニン 3.0 mg/dL 今回の処方せんは以下のとおりであった。 (処方) プレガパリンカプセル 25mg 1回 2 カプセル(1日2カプセル) 1日1回 就寝前 14日分 問287(実務) 薬剤師が プレガパリンカプセルの添付文書を 確認したところ クレアチニンクリアランス(mL/min) ≧60 の場合の初期投与量 「1回75mg、1日2回」 ≧30-< 60の場合の初期投与量 「1回75mg、1日1回」 ≧15-< 30の場合の初期投与量 「1回50mg、1日1回」と記載されていた。 この患者の薬物治療に対する 薬剤師の対応として最も適切なのはどれか。 1つ選べ。 1 お薬手帳の処方 1 の薬剤と プレガパリンとの併用は禁忌であると考えて お薬手帳に記載された内科医に 疑義照会した。 2 お薬手帳の処方2の薬剤と プレガバリンとの併用は禁忌であると考えて 今回の処方医に疑義照会した。 3 プレガバリンの投与量が少ないと考えて 今回の処方医に疑義照会した。 4 プレガバリンの投与量が少ないと考えて お薬手帳に記載された内科医に疑義照会した。 5 適切な用量の処方であると判断して 調剤を行った。 選択肢 1,2 ですが プレガバリンと併用禁忌の薬は ありません。 (第 100 回 国試出題時点) よって、選択肢 1,2 は誤りです。 選択肢 3 ~ 5 の正誤を判断するために 患者のクレアチニンクリアランスを計算します。 Cockcroft & Gault 式によれば クレアチニンクリアランスは なので、数値を代入すると Weight と 分子の 72 がちょうど約分されて 64/3 ≒ 21 となります。 すると確認した添付文書から 「1回50mg、1日1回」 が 初期投与量として適切である、とわかります。 処方は プレガパリンカプセル 25mg 1回 2 カプセル(1日2カプセル) 1日1回 です。 つまり 1回 50 mg 、1日1回であり 適切であるとわかります。 以上より、正解は 5 です。 |