※ 第100回 問71、第99回 問71、、、第100回 問72、第99回 問72、、、 という順番で並んでいます。 問71 薬剤師を「医療の担い手」と 明記している法律はどれか。 1つ選べ。 1 薬剤師法 2 医薬品医療機器等法(旧称:薬事法) 3 医療法 4 健康保険法 5 国民健康保険法 薬剤師を「医療の担い手」と明記しているのは 医療法です。 ちなみに 薬局を「医療提供施設」と位置づけているのも この医療法です。 以上より、正解は 3 です。 問71 希少疾病用医薬品の指定の条件において 我が国におけるその用途に係る対象者数として 規定されているのはどれか。1つ選べ。 1 5,000人未満 2 10,000人未満 3 50,000人未満 4 100,000人未満 5 200,000人未満 50,000人未満 です。 正解は 3 です。 参考)希少疾病用医薬品 概要 (厚生労働省の HP へ) 問71 薬事法で薬局の管理者の義務とされているのはどれか。 1つ選べ。 1 薬局開設許可証を掲示すること 2 薬局の業務内容について都道府県知事に報告すること 3 薬局の管理に関する事項を記録するための帳簿を備えること 4 勤務する薬剤師その他の従業者を監督すること 5 薬局の休止、廃止又は再開に関する届出をすること 薬局の管理者は、例外なく薬剤師です。管理薬剤師と呼ばれます。 薬局の管理者は、勤務する薬剤師その他の従業者を監督し 薬局の構造設備及び医薬品その他の物品を管理し その他薬局業務につき、必要な注意をしなければなりません。 又、薬局開設者に対し、必要な意見を述べる必要があります。 以上より、正解は 4 です。 問71 薬剤師が倫理的に配慮すべき事項として、ふさわしくないのはどれか。1つ選べ。 1 職務上知り得た患者の秘密を守る。 2 薬剤師職能間の相互協調に努める。 3 医薬品の安全性の確保に努める。 4 地域医療の向上のための施策に協力する。 5 社会全体の医薬品消費量の増加を促す。 薬剤師倫理規定第 9 条において 薬剤師は職務上知り得た患者等の秘密を、正当な理由なく漏らさないとあります。 薬剤師倫理規定第 5 条において 薬剤師は、医療の担い手として、常に同僚及び他の医療関係者等と協力し 医療及び保健、福祉の向上に努め、患者の利益のため職能の最善を尽くすとあります。 薬剤師倫理規定第 6 条において 薬剤師は、常に医薬品の品質、有効性及び安全性の確保に努める。 また、医薬品が適正に使用されるよう、調剤及び医薬品の供給に当たり 患者等に十分な説明を行うとあります。 薬剤師倫理規定第 7 条において 薬剤師は、地域医療向上のための施策について、常に率先してその推進に努めるとあります。 以上より、正解は 5 です。 参考)薬剤師倫理規定 問72 薬剤師免許に関する記述のうち 正しいのはどれか。 1つ選べ。 1 未成年者、成年被後見人 又は被保佐人には、免許は与えられない。 2 免許の申請書は 卒業した大学を経由して厚生労働大臣に提出する。 3 免許の効力は 申請者が免許証を受け取った時から生じる。 4 免許を取り消されても 免許証を厚生労働大臣に 返納する必要はない。 5 免許証が破れたという理由では 再交付を申請することはできない。 選択肢 1 は、正しい記述です。 免許の絶対的欠格事由です。 ちなみに、かつては 視覚・聴覚・発話障害者も絶対的欠格事由でしたが 現在は、絶対的欠格事由に含まれていません。 また、相対的な欠格事由としては 麻薬・大麻・あへん中毒者 や、心身障害により 判断能力が欠如している者 などがあります。 選択肢 2 ですが 免許の申請書は、都道府県知事経由で 厚生労働大臣へ提出します。 卒業した大学経由では、ありません。 よって、選択肢 2 は誤りです。 選択肢 3 ですが 免許の効力は、試験合格後、免許申請を行い 薬剤師名簿に登録されることにより生じます。 いいかえると、名簿に登録されれば 免許証をまだ受け取っていなくても 免許の効力は生じます。 よって、選択肢 3 は誤りです。 選択肢 4 ですが 免許を取り消された時は 都道府県知事を経由し、5 日以内に 厚生労働大臣に返納する義務があります。 よって、選択肢 4 は誤りです。 選択肢 5 ですが 免許は、き損したり、亡失した場合 再交付できます。 免許証が破れた、という理由は き損した場合に該当するため 再交付できます。 よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 1 です。 問72 薬剤師法に定める薬剤師の 任務又は業務でないのはどれか。1つ選べ。 1 調剤 2 医薬品の供給 3 処方せん中の疑わしい点の意思、歯科医師又は獣医師への照会 4 調剤した薬剤についての患者等への情報提供 5 検査のための採血 選択肢 1 ~ 4 は 薬剤師法に定める薬剤師の任務又は業務です。 参考) 薬剤師法 (選択肢 1,2 は、第 1 条選択肢 3 は、第24条 選択肢 4 は第25条 を参照) 選択肢 5 ですが 検査のための採血は 薬剤師法に定める薬剤師の任務又は業務では ありません。 以上より、正解は 5 です。 問72 医薬品製造販売業の許可を得るために適合する必要がある基準はどれか。 1つ選べ。 1 GCP(Good Clinical Practice) 2 GLP(Good Laboratory Practice) 3 GVP(Good Vigilance Practice) 4 GMP(Good Manufacturing Practice) 5 GPSP(Good Post-marketing Study Practice) GCPは、医薬品の臨床試験(治験)の実施の基準です。 GLPは、試験検査の業務管理基準です。 GVPは、製造販売後安全管理基準です。 GMPは、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準です。 GPSPは、医薬品製造販売後調査・試験の実施基準です。 医薬品製造販売の許可を得るための要件は、GVPです。 ちなみに、GPSPは、製造販売後の時の調査・試験において適合すればよいので 製造販売の許可を得る時に適合が必要というわけではありません。 又、GMPは、製造業の許可を得る時の要件です。製造販売業の許可要件ではありません。 よって、正解は 3 です。 薬剤師のみが資格要件を満たすのはどれか。1つ選べ。 1 薬局の管理者 2 店舗販売業の店舗管理者 3 医薬部外品製造販売業の総括製造販売責任者 4 生物由来製品の製造管理者 5 麻薬管理者 薬局の管理者には、薬剤師しかなることができません。 よって、正解は 1 です。 ちなみに、店舗管理者には、登録販売者もなることができます。 医薬部外品製造販売業の総括製造販売責任者は 薬学又は化学に関する専門の過程を修了したもの等もなることができます。 ※医薬品の総括製造販売責任者は、原則薬剤師です。 例外があるのは、生薬か医療用ガスを扱う場合です。 生物由来製品の製造管理者には、医師、細菌学を専攻した歯科医師などもなることができます。 麻薬の管理者には、医師、歯科医師、獣医師などもなることができます。 問73 医療法において 医療提供体制の確保を図るための計画 (医療計画)を定めると 規定されているのはどれか。 1つ選べ。 1 国 2 都道府県 3 市町村 4 医療法人 5 保健所を設置する市又は特別区 医療法 第三十条の四 によれば 都道府県は・・・(・・「医療計画」・・)を定める・・・。 とあります。 よって、正解は 2 です。 厚生労働大臣が、医療提供体制確保のための 基本方針を策定し 都道府県がそれにもとづき医療計画を策定し公示する。 という点をおさえておくとよいです。 さらに、この医療計画とは、具体的には 医療連携体制 生活習慣病等について 救急医療等確保事業 その他 について定めています。 以下 補足 ----- 一例として 千葉県保険医療計画 へのリンクを貼っておきます。 総論をざっと眺めたり 別冊を軽く見てみると 雰囲気がつかめるのではないかと思います。 公務員として働くと、医療計画のような 全体的観点から医療に携わることができる という一つの魅力があると思います。 補足 以上----- 問73 医療法において、地域医療支援病院の要件に 該当しないのはどれか。1つ選べ。 1 救急医療を提供する能力 2 原則として200床以上の病床 3 他の医療機関から紹介された患者に対する医療の提供 4 医薬品情報管理室の設置 5 高度な医療技術の開発を行う能力 選択肢 1 ~ 4 は 地域医療支援病院の要件です。 参考) 医療法 (第 4 条 を参照。) 参考) 厚生労働省 省令 (法4条及び、法4条が参照する、法22条についての 具体的内容を定義) 選択肢 5 は 特定機能病院の要件の1つです。 地域医療支援病院の要件には該当しません。 よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 5 です。 問73 薬剤師免許に関する記述のうち、正しいのはどれか。 1つ選べ。 1 免許を取り消された経歴を持つ者には与えられない。 2 米国の薬剤師免許を有していれば、我が国の免許が与えられる。 3 免許証の再交付申請中は、薬剤師業務に従事することはできない。 4 現住所を変更した場合は、免許証の訂正を申請しなければならない。 5 薬剤師名簿に登録されて免許が発効する。 薬剤師法第8条によれば、免許を取り消された者も、その取消理由に該当しなくなれば 再免許を与えることができるとあります。 よって、選択肢 1 は誤りです。 薬剤師法第3条によれば、薬剤師の免許は、薬剤師国家試験に合格した者に対して与えるとあります。 米国の薬剤師免許を有しているからといって、免許が与えられるわけではありません。 よって、選択肢 2 は誤りです。 免許証の再交付とは、免許証をなくしたり、汚したり、破損した時に、もう一度免許証を交付してもらうことです。 再交付申請中も、業務に従事することはできるので、選択肢 3 は誤りです。 薬剤師免許証の記載事項は、本籍都道府県、氏名、生年月日、性別です。 これらに変更が生じた時は、届出が必要です。 現住所を変更した場合は、免許証の訂正は、必要ありません。 よって、選択肢 4 は誤りです。 ※保険薬剤師登録の訂正などは必要です。 薬剤師免許は、薬剤師名簿に登録されることによって初めて取得されます。 以上より、正解は 5 です。 問73 薬剤師免許の絶対的欠格事由に該当するのはどれか。一つ選べ。 1 成年被後見人 2 視覚障害者 3 精神機能障害者 4 麻薬中毒者 5 罰金以上の刑に処せられた者 薬剤師法第 4 条によれば 薬剤師免許の絶対的欠格事由は 未成年、成年被後見人、被保佐人であることです。 以上より、正解は 1 です。 問74 医師法、歯科医師法、薬剤師法の 第一条によって定められる 医師、歯科医師、薬剤師の 共通の任務はどれか。 1つ選べ。 1 医療を効率的に提供する体制の確保 2 国民の健康な生活の確保 3 医療を受ける者の利益の保護 4 各職種間の業務連携 5 生命の尊重と個人の尊厳の保持 薬剤師法の第一条を引用すると 「薬剤師は、調剤、医薬品の供給 その他薬事衛生をつかさどることによつて 公衆衛生の向上及び増進に寄与し もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」 とあります。 よって、正解は 2 です。 問74 ヒト乾燥硬膜の使用により発現した疾患であって 薬事法に生物由来製品に関する規定が設けられる契機となったのは どれか。1つ選べ。 1 B型肝炎 2 無菌性髄膜炎 3 ギラン・バレー症候群 4 クロイツフェルト・ヤコブ病 5 後天性免疫不全症候群 ヒト乾燥硬膜の使用により発現した疾患は クロイツフェルト・ヤコブ病です。 よって、正解は 4 です。 問74 医療法で規定する医療提供の理念に該当しないのはどれか。 1つ選べ。 1 生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とする。 2 医療を受ける者の意向を十分に尊重する。 3 国民自ら健康の保持増進に努める。 4 医療の担い手の地位向上に努める。 5 医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係を基本とする。 医療法第1条によれば ・医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、、、医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき 、、、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなくては ならない。 ・医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、、、 医療提供施設の機能に応じ効率的にかつ、福祉サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図りつつ 提供されなければならない。 とあります。 よって、医療の担い手の地位向上に務めるという理念はないので、選択肢 4 は誤りです。 以上より、正解は 4 です。 問74 医療法に基づく医療の基本理念に含まれていないのはどれか。1つ選べ。 1 生命の尊重 2 個人の尊厳の保持 3 相互信頼 4 包括医療 5 安楽死 医療法第一条によれば、医療は生命の尊重(選択肢 1)と 個人の尊厳の保持(選択肢 2)を旨とし・・・ 医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき(選択肢 3)・・・ 内容は単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む 適切なものでなければ(選択肢 4)・・・とあります。 よって、正解は 5 です。 問75 次の物質の原体のうち 覚醒剤原料として規制されているのはどれか。 1つ選べ。 1 リゼルギン酸 2 フェニルプロパノールアミン 3 サフロール 4 アンフェタミン 5 無水酢酸 選択肢 1 ですが リゼルギン酸は、特定麻薬向精神薬原料です。 覚せい剤原料では、ありません。 よって、選択肢 1 は誤りです。 選択肢 2 は、正しい選択肢です。 選択肢 3 ですが サフロールは、特定麻薬向精神薬原料です。 覚せい剤原料では、ありません。 よって、選択肢 3 は誤りです。 選択肢 4 ですが アンフェタミンは、覚せい剤です。 覚せい剤原料では、ありません。 よって、選択肢 4 は誤りです。 選択肢 5 ですが 無水酢酸は、特定麻薬向精神薬原料です。 覚せい剤原料では、ありません。 よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 2 です。 問75 □ に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則において 保険薬局が担当する療養の給付及び被扶養者の療養は 薬剤又は治療材料の支給並びに □ における薬学的管理及び 指導とされている。 1 居宅 2 病院 3 診療所 4 介護老人保健施設 5 調剤を実施する薬局 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 第 1 条によれば、□に入るのは 「居宅」 です。 参考) よって、正解は 1 です。 問75 麻薬及び向精神薬取締法で規制される麻薬はどれか。 1つ選べ。 1 オキサゾラム 2 メタンフェタミン 3 ブプレノルフィン 4 フェニルプロパノールアミン 5 コカイン 麻薬及び向精神薬取締法により規制される、代表的な麻薬は モルヒネやコカインです。 オキサゾラムは、第3種向精神薬です。 麻薬及び向精神薬取締法により規制される向精神薬です。 メタンフェタミンは、覚せい剤です。 覚せい剤取締法により規制される覚せい剤です。 ブプレノルフィンは、第2種向精神薬です。 麻薬及び向精神薬取締法により規制される向精神薬です。 フェニルプロパノールアミンは、覚せい剤原料です。 覚せい剤取締法により規制される覚せい剤原料です。 コカインは、麻薬です。 麻薬及び向精神薬取締法により規制される麻薬です。 以上より、正解は 5 です。 問75 医療法に規定される病院の病床の種別に該当しないのはどれか。1つ選べ。 1 精神病床 2 感染症病床 3 救急病床 4 療養病床 5 一般病床 医療法第 7 条によれば、精神病床、感染症病床、結核病床、療養病床、一般病床の 5 つです。 よって、正解は 3 です。 |