衛生 必須2 問題解説まとめ





※ 第100回 問21、第99回 問21、、、第100回 問22、第99回 問22、、、
という順番で並んでいます。


問21
「化学物質の審査及ぴ製造等の規制に関する法律」(化審法)において
難分解性、高蓄積性及ぴヒト又は高次捕食動物への
長期毒性を有する化学物質の分類はどれか。1つ選べ。


1 監視化学物質
2 優先評価化学物質
3 特定毒物
4 第一種特定化学物質
5 第二種特定化学物質



問題文にある
難分解性、高蓄積性及ぴ
ヒト又は高次捕食動物への
長期毒性を有する化学物質とは
第一種特定化学物質のことです。


よって、正解は 4 です。


以下、補足ですが
第一種特定化学物質は
H26 年度時点で 30 種
指定されています。


代表的なものは

・ポリ塩化ビフェニル
・ポリ塩化ナフタレン
・ヘキサクロロベンゼン

・アルドリン
・ディルドリン
・エンドリン

・DDT 
・クロルデン
・ビスオキシド

などです。



ちなみに、似ている単語である
第二種特定化学物質(選択肢 5)の定義は
ほぼ第一種特定化学物質と同じです。
ただし
高蓄積性は、ない という点が特徴です。


代表例は

トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
四塩化炭素 です。



つまりまとめると 
「特定化学物質」は
環境に残留(難分解)し
かつヒトの健康被害リスクあり です。

そして、高蓄積性の有無で
さらに一種、二種に分類されています。



ちなみに
選択肢 1 の
監視化学物質の特徴は
難分解性、高蓄積性があるが
ヒトの健康被害リスクが「わからない」 という点です。
(だから、とりあえず監視しておこう という物質である
といえます。)


また
選択肢 2 の
優先評価化学物質は
ヒトの健康被害リスクが「疑われる」 という点が
特徴です。



最後に
選択肢 3 の
特定毒物ですが
これは化審法に基づく物質では、ありません。
毒劇物取締法に基づく物質の分類です。

毒物のうち
著しい毒性を有するもの です。
代表例は、四アルキル鉛 です。



問21 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」
によって規制されている第一種特定化学物質はどれか。
1つ選べ。

1 塩化トリフェニルスズ  2 トリクロロエチレン  3 ポリ塩化ビフェニル
4 ポリ塩化ジベンゾフラン  5 ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン



第一種特定化学物質とは
難分解性、高蓄積性を持ち、かつ
長期毒性 or 慢性毒性を有する物質で
指定を受けたものです。

PCB によるカネミ油症事件が契機となり
制定された化審法により、指定されています。



第一種特定化学物質は
全部で H24 年度時点で 28 種指定されています。

代表的なものは

ポリ塩化ビフェニル
ポリ塩化ナフタレン
ヘキサクロロベンゼン
アルドリン、ディルドリン、エンドリン
DDT 
クロルデン
ビスオキシド

などです。



ちなみに
似た名前で、しっかり覚えておくとよいのは
第二種特定化学物質(高蓄積性は、ない。)の

トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
四塩化炭素

です。



ちなみに

選択肢 1 のトリフェニルスズは
内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)の一種です。


選択肢 4,5 は、ダイオキシン類です。
ダイオキシン類は、特別な措置法により
規制されています。



以上より、正解は 3 です。



問21

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に定められ
た感染症のうち、平成23 年以前に国内においてヒトでの報告例がないのはどれか。
1 つ選べ。

1 コレラ
2 レジオネラ症
3 細菌性赤痢
4 つつが虫病
5 鳥インフルエンザ( H5Nl )



鳥インフルエンザ(H5N1)は、日本では、ヒトへの感染報告例はH23年以前においては
ありません。

よって、正解は 5 です。


ちなみに、コレラは、年間30人以下程度で、日本で今も発生しています。
レジオネラ症は、年間数百人程度で、日本で今も発生しています。
細菌性赤痢は、年間100例前後で、日本で今も発生しています。
国外感染例が過半数を占めているという特徴が挙げられます。
つつが虫病は、年間数百人程度で、日本で今も発生しています。

感染症に関する統計などに関しては



問21
癌抑制遺伝子はどれか。
1つ選べ。

 1 src    2 fos    3 kit    4 H-ras    5 p53





正常細胞のがん化を引き起こす遺伝子をがん遺伝子
がん化を抑えている遺伝子をがん抑制遺伝子と呼びます。

代表的ながん遺伝子としては、erbB1 , src , H-ras が挙げられます。
代表的ながん抑制遺伝子としては、RB , p53 , APC などが挙げられます。


以上より、正解は 5 です。


ちなみに、fos はがん遺伝子です。



問22
放射線に対する感受性が
最も高い器官又は組織はどれか。
1つ選べ。

1 脂肪組織
2 皮膚
3 リンパ組織
4 肺
5 神経組織



選択肢 1,4,5 のような
分化が進んでいる組織は
一般に低感受性です。


選択肢 2 ですが
皮膚は中感受性です。

すなわち
細胞分裂がさかんな
リンパ組織、骨髄、脾臓、胸腺 など
と比べれば
感受性が低い組織です。

また
神経、脂肪組織、結合組織、筋肉など
と比べれば
感受性が高い組織です。



選択肢 3 のリンパ組織が
この選択肢の中では
一番感受性が高いと考えられます。


以上より、正解は 3 です。



問22 生体への影響を考慮した電離放射線の実効線量の単位はどれか。
1つ選べ。

1 クーロン  2 グレイ  3 シーベルト
4 ベクレル  5 カンデラ



放射能・放射線の単位として
よく用いられるのは
グレイ、シーベルト、ベクレル の3つです。


グレイは
物質 1kg あたりの吸収エネルギーを示します。


シーベルトは
放射線の種類を考慮した
人体への被曝影響を評価した数値を示します。


ベクレルは
1秒あたりの壊変数を示します。



よって、正解は 3 です。



ちなみに
クーロンは電気量を示す単位です。

カンデラは、光の強さを表す単位です。



問22

グリシン抱合を受ける化合物はどれか。
1 つ選べ。






選択肢 1 の化合物は、アセトアミノフェンです。
選択肢 2 の化合物は、フェノールです。
選択肢 3 の化合物は、2,4-ジニトロクロロベンゼンです。
選択肢 4 の化合物は、安息香酸です。
選択肢 5 の化合物は、イソニアジドです。


グリシン抱合は、馬尿酸の生成において行われます。
馬尿酸の生成までの経路は、以下のようになります。



よって、グリシン抱合を受けるのは、安息香酸です。


以上より、正解は 4 です。

参考)97-131 (リンク先は解説へとびます)



問22
メタロチオネインの構成アミノ酸のうち
約1/3を占めるのはどれか。
1つ選べ。

 1 グリシン   2 メチオニン   3 トリプトファン
 4 システイン  5 アルギニン





重金属や活性酸素による障害を防ぐための
代表的な生体防御因子の1つがメタロチオネインです。


メタロチオネインは金属結合性タンパク質です。
構成アミノ酸は61個であり、その約1/3がシステインです。



よって、正解は 4 です。




問23 温室効果を有するが
オゾン層を破壊しない物質はどれか。
1つ選べ。


1 クロロフルオロカーボン
2 パーフルオロカーボン
3 ハイドロクロロフルオロカーボン
4 ハロン
5 臭化メチル



選択肢 1 ですが
クロロフルオロカーボン(CFC)は
代表的なフロン類です。
温室効果を有します。
オゾン層を破壊する物質です。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。

(パーフルオロカーボン(PFC)は
炭素とフッ素のみからなる物質であるため
塩素を含まず、オゾン層破壊効果がありません。)



選択肢 3 ですが
ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)は
代替フロンの一種です。
温室効果を有します。
また、CFC よりは小さいのですが
オゾン層破壊効果を有します。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
ハロンは
臭素を含むハロゲン化炭化水素です。
温室効果を有します。
オゾン層破壊効果も有します。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
臭化メチルは、温室効果を有しません。
オゾン層破壊効果は有します。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2 です。



問23 水道水の総硬度を測定する試験法はどれか。
1つ選べ。

1 ジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)法
2 エチレンジアミン四酢酸(EDTA)による滴定法(エリオクロムブラックT法)
3 インドフェノール法
4 硝酸銀滴定法 (モール法)
5 オルトフェナントロリン法


選択肢 1 ですが
ジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)法は
残留塩素の測定法です。
総硬度の測定法では、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は正しいです。



選択肢 3 ですが
インドフェノール法は
アンモニアの測定法です。
総硬度の測定法では、ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
硝酸銀滴定法 (モール法)は
沈殿滴定の一種です。
塩化物イオンの測定法です。
総硬度の測定法では、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
オルトフェナントロリン法は
鉄の測定法です。
総硬度の測定法では、ありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 2 です。



問23

シアン中毒の解毒剤として用いられる薬物はどれか。
1 つ選べ。

1 チオ硫酸ナトリウム
2 プラリドキシムヨウ化物(PAM)
3 ナロキソン
4 デフェロキサミン
5 ジメルカプロール



シアン中毒の解毒剤として用いるのは、チオ硫酸ナトリウムです。
正解は 1 です。

ちなみに、プラリドキシムヨウ化物は、有機リン剤中毒の特異的解毒剤です。
ナロキソンは、麻薬拮抗剤です。
デフェロキサミンは、余分な鉄を除去するキレート剤です。
ジメルカプロールは、重金属中毒の解毒剤です。



問23
ジエチル-p-フェニレンジアミン (DPD) 法による水道水中の残留塩素の測定において
DPD と速やかに反応して赤色を呈するのはどれか。
1つ選べ。

 1 HClO  2 NH
2Cl  3 NHCl2  4 NCl3  5 CHCl3






残留塩素とは、遊離残留塩素及び結合残留塩素のことです。
遊離残留塩素とは、HClO(次亜塩素酸)、ClO(次亜塩素酸イオン)のことです。
結合残留塩素とは、クロラミン(アンモニアの水素原子を、塩素原子でおきかえた化合物のこと。NH
2Cl,NHCl2,NCl3)のことです。

残留塩素が少なすぎると殺菌効果が低く、高すぎると嫌な臭いや味がします。

測定法はDPD(dietyl-p-phenylendiamine :ジエチル-p-フェニレンジアミン)法です。
速やかに反応するのは、遊離残留塩素です。

すなわち、HClO、ClO
です。


よって正解は 1 です。 



問24 「生活環境の保全に関する環境基準」項目のうち
閉鎖性海域における富栄養化の指標はどれか。
1つ選べ。

1 大腸菌群数
2 COD(化学的酸素要求量)
3 n - ヘキサン抽出物質
4 全リン
5 全亜鉛


富栄養化において重要な要因は
窒素 及び リン の濃度増加です。

指標として
全窒素 及び 全リン が
用いられます。

選択肢から考えて
全リンが正解です。



以上より、正解は 4 です。



問24 自然大気に占める体積比(%)の大きさの順序を
正しく表示しているのはどれか。
1つ選べ。


1 二酸化炭素>メタン>アルゴン
2 二酸化炭素>アルゴン>メタン
3 メタン>二酸化炭素>アルゴン
4 アルゴン>二酸化炭素>メタン
5 アルゴン>メタン>二酸化炭素



自然大気(いわゆる空気)の組成は
窒素が約8割、酸素が約2割で
それに加えて、微量に色々含まれています。


微量なもので、一番多いのは
Ar(アルゴン)です。
次に多いのが CO2 です。




よって、正解は 4 です。



問24

水道法施行規則に基づいてその含有量の下限値が定められている水道水成分はどれか。
1 つ選べ。

1 ナトリウム及びその化合物
2 残留塩素
3 カルシウム、マグネシウム等(硬度)
4 亜鉛及びその化合物
5 塩化物イオン



水道法施行規則によれば(第十七条)
残留塩素に関しての下限が定められています。
すなわち、給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/L(結合残留塩素の場合は、、、)
以上保持するように、、、場合の、、、残留塩素は0.2mg/L(結合残留塩素の場合は、、、
と定められています。

以上より、正解は 2 です。



問24
大気汚染に係る環境基準の項目として、設定されていないのはどれか。
1つ選べ。

 1 一酸化炭素    2 二酸化硫黄    3 浮遊粒子状物質
 4 二酸化窒素    5 二酸化炭素






大気汚染に関わる環境基準の項目は、環境基本法により定められています。
大気汚染に関する環境基準が定められている物質には
SO2、CO、NO2、光化学オキシダント、浮遊粒子状物質(SPM:Suspended Particulate Matter)
微小粒子状物質、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、ダイオキシンがあります。
※CO
2
は、ここに含まれません。



よって、正解は 5 です。



問25 大気汚染防止法で
「特定粉じん」に指定されている
物質はどれか。1つ選べ。

1 ディーゼル排気粒子
2 ばいじん
3 スギ花粉
4 鉛ヒューム
5 石綿



特定粉じん に指定されているのは
現在のところ、石綿のみです。


よって、正解は 5 です。




問25 シロアリ駆除剤として建材に用いられ
シックハウス症候群の原因物質の1つとされた化学物質はどれか。
1つ選べ。

1 パラジクロロベンゼン
2 フタル酸ジ-n-ブチル
3 アセトアルデヒド
4 ホルムアルデヒド
5 クロルピリホス 



シックハウス症候群とは
新築の住居などで起こる、呼吸器疾患などの症状による
体調不良のことです。


代表的な原因物質としては

ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン
パラジクロロベンゼン
クロルピリホス
フタル酸ジ- n -ブチル

などがあります。


シロアリ駆除に用いられるのは
クロルピリホスです。


以上より、正解は 5 です。



問25

環境基本法で規定された以下の公害のうち、環境基準が設定されていないのはどれか。
1 つ選べ。

1 騒音
2 振動
3 大気汚染
4 水質汚濁
5 土壌汚染



大気汚染に係る環境基準に関しては、SO2,CO、ベンゼンなどについて定められています。
騒音に係る環境基準に関しては、地域の類型及び時間帯に応じて、基準値が定められています。
水質汚濁に係る環境基準に関しては、微量元素などについて、基準値が定められています。
土壌汚染に係る環境基準に関しては、微量元素などについて、基準値が定められています。

詳しくは、環境省のホームページで公開されています。

以上より、正解は 2 です。




問25
医療機関より廃棄される“血液の付着したガーゼ(未滅菌)”が該当する区分として
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。

 1 産業廃棄物       2 特別管理産業廃棄物    3 事業系一般廃棄物
 4 家庭系一般廃棄物    5 特別管理一般廃棄物





廃棄物の分類は、以下のようになります。





医療廃棄物は、内容物により、一般廃棄物か産業廃棄物かに分類されます。
包帯、ガーゼなどに関しては一般廃棄物です。
廃油、ゴム手袋、注射針、ガラスなどは産業廃棄物です。

又、血液が付着していて未滅菌であることから、感染性があります。

以上より、該当区分としては特別管理一般廃棄物となります。



よって、正解は 5 です。