※ 第100回 問41、第99回 問41、、、第100回 問42、第99回 問42、、、 という順番で並んでいます。 問41 弱酸性藥物の単純拡散による 消化管吸収に及ぼす管腔内 pH の影響として 正しい記述はどれか。1つ選べ。 ただし、藥物は全て溶解しているものとする。 1 pH が低下すると分子形分率が低下し、吸収が増加する。 2 pH が低下すると分子形分率が低下し、吸収が減少する。 3 pH が低下すると分子形分率が上昇し、吸収が増加する。 4 pH が低下すると分子形分率が上昇し、吸収が減少する。 5 pH の変化によって、吸収は変化しない。 . 単純拡散である ということは分子形がより通過する ということです。 (脂質二重膜 を単純に通過する時は、脂溶性の物質が通過しやすい。 また、イオン形は、水溶性 であるからです。) そして、弱酸性薬物である ということは HA という構造を持ち、電離度がそれほど高くはない ということです。 (CH3COOH のような薬物である と考えるとよいです。) このような薬物は周囲の pH が低くなる、つまり周囲の H+ 濃度が高くなる と 自分は 「H+ + A-」 の形に解離しにくくなります。 (周りに H+がいっぱいあるのにわざわざ増やす必要がないから) いいかえると、pH が低くなるほど薬物の分子形の割合が上昇します。 以上をふまえて、各選択肢を検討します。 選択肢 1,2 ですが、pH 低下で分子形分率は、上昇します。低下では、ありません。 よって、選択肢 1,2 は誤りです。 選択肢 3 は、正しい記述です。 選択肢 4 ですが 分子形分率上昇すると、膜通過しやすくなるため吸収は増加します。 吸収が減少では、ありません。 よって、選択肢 4 は誤りです。 選択肢 5 ですが pH が変化すると、分子形分率が変化し、吸収も変化します。 よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 3 です。 問41 肝初回通過効果を受ける可能性が高い投与経路はどれか。 1つ選べ。 1 経口投与 2 舌下投与 3 経皮投与 4 経肺投与 5 経鼻投与 . 投与された薬物がまず肝臓へ運ばれ代謝を受けることを 肝初回通過効果と呼びます。 肝初回通過効果を受けるかどうかは投与経路により異なります。 舌下投与、経皮投与、経肺投与、経鼻投与では 肝初回通過効果を避ける事ができます。 よって、正解は 1 です。 . 問41 胃内容排出速度を上昇させる薬物はどれか。 1つ選べ。 1 アトロピン 2 イミプラミン 3 プロパンテリン 4 メトクロプラミド 5 モルヒネ . アトロピン、イミプラミン、プロパンテリン、モルヒネは 抗コリン作用があります。 腸管において、抗コリン薬は、運動低下を引き起こします。 その結果、胃内容排出速度は、低下します。 メトクロプラミド(プリンペラン)は、D2 受容体遮断薬です。 脳幹の消化管中枢に作用することで、消化器の運動を改善します。 その結果、胃内容排出速度は、上昇します。 以上より、正解は 4 です。 ちなみに、メトクロプラミドは、吐き気を抑える作用もあります。 つわりの吐き気に対しても有効性が認められています。 . 問41 経口投与された薬物が吸収される過程はどれか。 1つ選べ。 1 小腸→全身循環系→肝臓→門脈 2 小腸→門脈→肝臓→全身循環系 3 小腸→肝臓→門脈→全身循環系 4 小腸→全身循環系→門脈→肝臓 5 小腸→門脈→全身循環系→肝臓 6 小腸→肝臓→全身循環系→門脈 . 経口投与された薬物は、崩壊・分散→溶解され、主に小腸から吸収されます。 小腸から吸収されると、門脈血液→肝臓→全身循環系という流れで吸収されます。 まずはじめに肝臓を通過する過程を、初回通過効果と呼びます。 以上より、正解は 2 です。 . 問42 血液脳脊髄液関門の実体を形成している細胞はどれか。 1つ選べ。 1 神経細胞 2 毛細血管内皮細胞 3 脈絡叢上皮細胞 4 アストロサイト 5 周皮細胞 . 血液脳脊髄液関門の実体は、脈絡叢上皮細胞です。 よって、正解は 3 です。 以下は補足です。 そもそも脳への薬物移行に関する重要な事項は『血液脳関門』です。 すなわち 血中薬物のような異物が、脳にだだ漏れだと脳の機能が維持できません。 そこで、そもそも漏れ出ることがないように 脳の毛細血管は、内皮細胞がぎゅっと詰まっていて 変なものがもれないような構造になっています。これが、『血液脳関門(BBB)』です。 しかし 脈絡叢という、脳脊髄液が産生される部分では、この毛細血管が、すかすかなのです。 すると、血中薬物→脳脊髄液→脳 という薬物の流れが成立してしまい BBBがあっても意味がないのではないかという話になってしまいます。 そこで、脈絡叢にも関門があります。その関門が、何と何を遮っているかといえば 血液と、脳脊髄液なので『血液脳脊髄液関門(BCSFB)』 と呼ばれます。 BCSFBの実体は、脈絡叢の外側つまり、脈絡叢上皮細胞となります。 「血管の、内皮細胞 が BBB」 「脈絡叢の、上皮細胞が BCSFB」 という所を 間違いなく思い出せるようにするとよいと思います。 . 問42 薬物の血漿タンパク結合の解析に用いられる式はどれか。 1つ選べ。 1 Henderson - Hasselbalch 式 2 Langmuir 式 3 Augsberger 式 4 Arrhenius 式 5 Cockcroft - Gault 式 . 選択肢 1 ですが Henderson-Hasselbalch の式とは pH と、pKa 、及び分子形、イオン形の濃度の関係を表した式です。 以下のような式になります。
薬物の血漿タンパク質結合の解析には用いられません。 よって、選択肢 1 は誤りです。 選択肢 2 ですがLangmuir 式 とは 単分子層の吸着量に関する方程式です。以下の式です。 ※ f は最大吸着量に対する吸着量の割合、※ aは定数、pは圧力 タンパク質と薬物の結合の解析に用いられます。 選択肢 2 は正しいです。 選択肢 3 ですがAugsberger 式とは小児薬物量の推定式です。 (年齢 × 4 + 20) / 100 × (大人量) で表されます。 薬物の血漿タンパク質結合の解析には用いられません。 よって、選択肢 3 は誤りです。 . 選択肢 4 ですがArrhenius 式は 一般的な医薬品の分解反応における 温度と反応速度定数の間にある関係を表す式です。式は以下のような形です。 又は両辺の自然対数をとって ※ k は反応速度定数、Eaは、活性化エネルギー R は気体定数、A は頻度因子という名前のパラメータ定数 です。 薬物の血漿タンパク質結合の解析には用いられません。 よって、選択肢 4 は誤りです。 選択肢 5 ですが Cockcroft - Gault 式は クレアチニンクリアランスの推定式です。 クレアチニンクリアランスとは、血中からクレアチニンが どの程度の速度で尿中に排出されるかを表す数値です。 簡易的に採血のみでクレアチニンクリアランスを推定する式として以下の ※Scr:血清クレアチニン、Age:年齢、Weight:体重 ※上の式は男性。女性は上の式に 0.85 をかけます。 筋肉量を反映させる係数が 0.85 です。 が用いられます。 タンパク結合の解析には、用いられません。 よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 2 です。 . . 問42 アルブミンに最も結合しやすいのはどれか。 1つ選べ。 1 イヌリン 2 ゲンタマイシン 3 ワルファリン 4 クレアチニン 5 リチウム . アルブミンは、血中で最も大きな割合を占めるタンパク質です。 アルブミンには、大きく3つ、薬物結合サイトが存在します。 サイト I は、ワルファリンサイトです。 ここには、ワルファリン、フロセミド、インドメタシン、フェニトイン、トルブタミドなどの 薬物が結合します。 サイト II は、ジアゼパムサイトです。 ここには、ジアゼパム、フルルビプロフェン、イブプロフェンなどの 薬物が結合します。 サイト III は、ジギトキシンサイトです。 ここには、ジギトキシンや、ジゴキシンなどの 薬物が結合します。 これらのサイトに結合する薬物は、比較的、アルブミンとの結合率の高い薬物です。 よって、選択肢の中からこれらのサイトに結合する薬を選ぶと、ワルファリンとなります。 よって、正解は 3 です。 . 問42 薬物の生体膜透過機構のうち、トランスポーターを介するが ATPの加水分解で産生されるエネルギーを必要としないのはどれか。 1つ選べ。 1 単純拡散 2 促進拡散 3 一次性能動輸送 4 二次性能動輸送 5 膜動輸送 . 細胞膜を介した物質の輸送形式は大きく受動輸送と能動輸送に分類されます。 受動輸送は、更に単純拡散と促進拡散に分類されます。 まとめると以下の表になります。 促進拡散とは、特定の物質を通すチャネルを介した拡散です。 これは、トランスポーターを介するが、ATPのエネルギーを必要としないものといえます。 以上より、正解は 2 です。 . 問43 グルクロン酸抱合反応に関する記述のうち 誤っているのはどれか。 1つ選べ。 1 UDP - グルクロン酸転移酵素により触媒される。 2 シトクロムP450による酸化的代謝物にのみ起こる。 3 UDP-グルクロン酸が必要である。 4 薬物のフェノール性水酸基にも起こる。 5 主に細胞のミクロソーム画分に活性がある。 . グルクロン酸抱合反応は、代謝の第 2 相反応 の1つです。 小胞体(ミクロソーム)において行われ 補酵素として、UDP-α-グルクロン酸が必要です。 反応を触媒するのはグルクロン酸転移酵素(UGT)です。 -OH、-SH、-NH2、-COOHなどの官能基に、グルクロン酸が転移されます。 (参考 グルクロン酸の構造 グルコースと類似している点 と、カルボキシル基(COOH)がある点を 意識しておくとよい と思います。)以上をふまえ、以下、各選択肢を検討。 選択肢 1 は、正しい記述です。 選択肢 2 ですが シトクロムP450による酸化的代謝物 とは 第 1 相反応を受けた物質 ということです。 第 1 相、第 2 相 というのは反応の分類です。 分子量が大きく増加するかどうか で 分類されます。(第 2 相が、大きく増加。) 第 1 相反応を受けた物質でなければ 第 2 相を受けない ということは、ありません。 よって、選択肢 2 は誤りです。 選択肢 3 ~ 5 は、正しい記述です。 以上より、正解は 2 です。 問43 遺伝子多型により、イソニアジドの体内動態に大きく影響を及ぼす 代謝酵素はどれか。1つ選べ。 1 CYP1A2 2 CYP2C19 3 CYP2D6 4 UGT1A1 5 NAT2 . イソニアジドは抗結核薬です。 イソニアジドは、肝臓でアセチル化を経て代謝されます。 この代謝酵素は、NAT 2 です。 患者により、NAT 2 によるイソニアジドの代謝速度が 大きく異なることがあり、体内動態に大きく影響を及ぼすことが知られています。 以上より、正解は 5 です。 . 問43 種々のシトクロム P450 分子種の発現を誘導する代表的な薬物はどれか。 1つ選べ。 1 イトラコナゾール 2 エリスロマイシン 3 セファレキシン 4 シメチジン 5 フェノバルビタール . シトクロムP450の発現を誘導する代表的な薬物は フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン、リファンピシンです。 よって、正解は 5 です。 ちなみに、シトクロムP450を阻害する代表的な薬剤は シメチジン、アゾール系抗菌薬、マクロライド系抗菌薬などです。 .問43 薬物の血漿タンパク結合の測定に際し 非結合形薬物を分離する方法として、一般的なのはどれか。 1つ選べ。 1 溶媒抽出法 2 塩析法 3 再結晶法 4 逆浸透法 5 限外ろ過法 . 薬物の血漿タンパク結合の測定は 以下の図に示した平衡透析法により行われます。 非結合型薬物を分離するとは ほかのタンパク質や、タンパク質と結合している薬物と分離するということです。 つまり、分子量に基づいて分離するということです。 溶媒抽出法は、溶媒への物質の溶けやすさを利用した分離法です。 塩析法は、主にタンパク質を対象とした分離法で タンパク質が高濃度の塩溶液に溶解しないことを利用した分離法です。 再結晶法は、溶媒に対する溶解度の差を利用し、不純物を取り除く分離法です。 逆浸透法は、水は通すが、溶解している塩は通しにくいような半透膜を使った 塩の分離法です。 限外ろ過法は、分子ふるい効果に基づき 物質を分子量に基づき分離する分離法です。 以上より、正解は 5 です。 . 問44 腎尿細管上皮細胞刷子縁膜に存在し 藥物の尿細管分泌に関与する 一次性能動輸送体はどれか。 1つ選べ。 1 H+/ペプチド共輸送体 2 Na+,K+ - ATPase 3 H+/有機カチオン逆輸送体 4 Na+/グルコース共輸送体 5 P-糖タンパク質 . 一次性能動輸送体とはATP を用いて 直接、濃度勾配に逆らい物質輸送を行う輸送体のことです。 本問の選択肢の中では2と5になります。 (ちなみに、選択肢1,3,4の輸送体は二次性能動輸送体です。) 薬物の尿細管分泌に関与するという記述から P-糖タンパク質が正解と考えられます。 P-糖タンパク質は、様々な場所に発現し 薬物を始めとした物質の細胞外排出を主に担います。 (ちなみに、選択肢 2 のNa+,K+ - ATPase の役割は 細胞内外のNa+,K+濃度差 を保つことです。)以上より、正解は 5 です。 補足 ちなみに、実際に国家試験を解く時に全ての輸送体について 一次、二次が分類できる必要はないと思われます。 「ATPase」 とあれば、一次 と考える。 「P糖タンパク質が一次性能動輸送体であることは 重要事項として覚えておく」 「P糖タンパク質の役割については重要事項として理解しておく」 といった点が、回答には必要かつ十分ではないかと考えられます。 その上で、余裕があれば各選択肢の輸送体について 代表的な基質などを確認することで理解を深めるとよいと思います。 . 問44 腸肝循環を受けやすい薬物はどれか。 1つ選べ。 1 リチウム 2 ゲンタマイシン 3 セファレキシン 4 プラバスタチン 5 アシクロビル . 腸肝循環とは 肝臓で合成され、十二指腸に分泌された胆汁中の 胆汁酸の大部分が 小腸でもう一度吸収されて肝臓に戻ってくることです。 腸肝循環を受けやすい薬物としては クロラムフェニコール インドメタシン ジゴキシン、ジギトキシン モルヒネ ワルファリンなどが知られています。 ゴロで「黒い字、盛るわ」 で覚えると思い出しやすいかもしれません。 本問は 腸肝循環を受けやすい薬物に関する知識では答えることができません。 腎臓で主に排泄される代表的な薬物が リチウム、セファレキシン アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシンなど) アシクロビル 等であることから 消去法で選ぶことを期待されている問題ではないかと考えられます。 正解は 4 です。 . 問44 薬物の尿中排泄に重要な働きをする腎小体を 糸球体とともに構成しているのはどれか。 1つ選べ。 1 ヘンレ係蹄 2 ボーマン嚢 3 集合管 4 近位尿細管 5 遠位尿細管 . 腎臓は、ネフロンと呼ばれる構造的機能単位からなります。 ネフロンは、腎小体と尿細管からなります。 腎小体は、糸球体とボーマンのうからなります。 よって、正解は 2 です。 ちなみに、尿細管は、近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管からなります。 それぞれの概略図は、以下になります。 . 問44 ヒトの肝臓において 薬物の酸化、還元、加水分解、抱合の 全ての代謝反応が行われる細胞内小器官はどれか。 1つ選べ。 1 核 2 ゴルジ体 3 小胞体 4 ミトコンドリア 5 リソソーム . 薬物代謝酵素反応に関する酵素は主に、細胞を破砕して遠心分離した際における ミクロソーム画分と可溶性画分に存在します。 遠心分離による細胞の分画は、以下の図のように行います。 ミクロソーム画分に含まれる代表的な酵素は シトクロムP450、UDP-グルクロン酸転移酵素です。 それぞれ、第 I 相、第 II 相反応に関与します。 ちなみに、ミクロソームとは、細胞小器官でいう小胞体です。 以上より、正解は 3 です。 ちなみに、可溶性画分に含まれる代表的な酵素は アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素 その他の転移酵素(硫酸転移、グルタチオンS-転移 N-アセチル転移、メチル転移酵素)です。 .問45 プロベネシドの併用によって メトトレキサートの血中からの消失が 遅延する主要な原因はどれか。 1つ選べ。 1 肝代謝の阻害 2 肝取り込みの阻害 3 血漿タンパク結合の阻害 4 脳移行の阻害 5 腎排泄の阻害 . プロベネシドが関与する 代表的な薬物相互作用は 排泄における相互作用です。 尿細管に薬を排出する分泌作用を 抑制するのが、プロベネシドの作用となります。 そして、メトトレキサートは 腎排泄型の薬です。 従って、メトトレキサートの腎排泄が プロベネシドによって抑制されることにより メトトレキサートの血中からの消失が 遅延することになります。 以上より 主要な原因は腎排泄の阻害です。 正解は 5 です。 参考) 薬理学まとめました 1-1-6) (代表的な薬物相互作用の機序) . 問45 フェロジピン服用患者が避けるべき飲食物はどれか。 1つ選べ。 1 グレープフルーツジュース 2 牛乳 3 コーヒー 4 ブロッコリー 5 納豆 . フェロジピンは ジヒドロピリジン系 Ca 拮抗薬です。 降圧剤です。 CYP 3A4 で代謝されるため グレープフルーツジュース(GFJ)摂取を 避けるべきです。 (GFJ は、CYP を阻害する働きがあります。) 正解は 1 です。 ちなみに 牛乳 → テトラサイクリン系、ニューキノロン系 コーヒー → ジアゼパム、テオフィリン ブロッコリー → ワルファリン 納豆 → ワルファリン が、相互作用として知られています。 留意点として 相互作用があるから 絶対に一緒にとってはいけないものもあれば ある程度は許容できるものもある ということに、注意が必要です。 . 問45 ある薬物が併用薬物の体内動態を変動させる要因のうち 併用薬物の血中濃度を低下させるのはどれか。 1つ選べ。 1 消化管吸収の促進 2 肝代謝酵素の阻害 3 胆汁排泄の阻害 4 腎尿細管再吸収の阻害 5 腎尿細管分泌の阻害 . 消化管吸収の促進は、一般的に、血中への薬物移行が促進されるということなので 血中濃度は増加します。 よって、選択肢 1 は誤りです。 肝代謝酵素が阻害されれば、併用薬物の代謝が阻害されるので、血中濃度は上昇します。 よって、選択肢 2 は誤りです。 胆汁排泄が阻害されれば、併用薬物が胆汁から排泄される場合、排泄されなくなるので 血中濃度は上昇します。 よって、選択肢 3 は誤りです。 腎尿細管再吸収が阻害されると、血中への再吸収が阻害されるため、より尿中に薬物が排泄されることになります。 よって、血中濃度は低下します。 腎尿細管分泌が阻害されると、尿中への排出は阻害されることになるため 血中濃度は上昇します。 よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 4 です。 . 問45 主として未変化体のまま体内から尿中に排泄されるのはどれか。 1つ選べ。 1 ゲンタマイシン 2 テオフィリン 3 ニフェジピン 4 フェニトイン 5 リドカイン . 未変化体のまま体内から尿中に排泄されるということは、腎排泄の薬です。 ゲンタマイシンは、アミノグリコシド系抗生物質です。 副作用として腎障害が知られており、腎排泄の薬です。 テオフィリンは、気管支喘息薬です。 CYP1A2 により代謝されることが知られており、肝代謝を受ける薬です。 ニフェジピンは、ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬です。 CYP3A4 により代謝されることが知られており、肝代謝を受ける薬です。 フェニトインは、抗てんかん薬です。 CYP2C9 により代謝されることが知られており、肝代謝を受ける薬です。 リドカインはクラス Ib の抗不整脈薬です。局所麻酔薬としても用いられます。 CYP 3A4 により代謝されることが知られており、肝代謝を受ける薬です。 参考) 薬理学まとめました 2-4 1) 代表的な抗不整脈薬 より クラスIa,Ib,Icの影響をまとめた図 以上より、正解は 1 です。 |