100-71~100-80 解説一覧


71 
薬剤師を「医療の担い手」と
明記している法律はどれか。
1つ選べ。

1 薬剤師法
2 医薬品医療機器等法(旧称:薬事法)
3 医療法
4 健康保険法
5 国民健康保険法



薬剤師を「医療の担い手」と明記しているのは
医療法です。


ちなみに
薬局を「医療提供施設」と位置づけているのも
この医療法です。



以上より、正解は 3 です。



72
薬剤師免許に関する記述のうち
正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 未成年者、成年被後見人
又は被保佐人には、免許は与えられない。

2 免許の申請書は
卒業した大学を経由して厚生労働大臣に提出する。

3 免許の効力は
申請者が免許証を受け取った時から生じる。

4 免許を取り消されても
免許証を厚生労働大臣に
返納する必要はない。

5 免許証が破れたという理由では
再交付を申請することはできない。



選択肢 1 は、正しい記述です。
免許の絶対的欠格事由です。

ちなみに、かつては
視覚・聴覚・発話障害者も絶対的欠格事由でしたが
現在は、絶対的欠格事由に含まれていません。

また、相対的な欠格事由としては
麻薬・大麻・あへん中毒者 や、心身障害により
判断能力が欠如している者 などがあります。



選択肢 2 ですが
免許の申請書は、都道府県知事経由で
厚生労働大臣へ提出します。

卒業した大学経由では、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
免許の効力は、試験合格後、免許申請を行い
薬剤師名簿に登録されることにより生じます。

いいかえると、名簿に登録されれば
免許証をまだ受け取っていなくても
免許の効力は生じます。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
免許を取り消された時は
都道府県知事を経由し、5 日以内に
厚生労働大臣に返納する義務があります。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
免許は、き損したり、亡失した場合
再交付できます。

免許証が破れた、という理由は
き損した場合に該当するため
再交付できます。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1 です。



問73
医療法において
医療提供体制の確保を図るための計画
(医療計画)を定める
規定されているのはどれか。
1つ選べ。

1 国
2 都道府県
3 市町村
4 医療法人
5 保健所を設置する市又は特別区



医療法 第三十条の四 によれば
都道府県は・・・(・・「医療計画」・・)を定める・・・。
とあります。


よって、正解は 2 です。



この問題に関連するポイントとして
厚生労働大臣が、医療提供体制確保のための
基本方針を策定し
都道府県がそれにもとづき医療計画を策定し公示する。
という点をおさえておくとよいです。


さらに、この医療計画とは、具体的には
医療連携体制
生活習慣病等について
救急医療等確保事業
その他 について定めています。


以下 補足 -----

一例として
千葉県保険医療計画 へのリンクを貼っておきます。
総論をざっと眺めたり
別冊を軽く見てみると
雰囲気がつかめるのではないかと思います。


公務員として働くと、医療計画のような
全体的観点から医療に携わることができる
という一つの魅力があると思います。

補足 以上-----



74 
医師法、歯科医師法、薬剤師法の
第一条によって定められる
医師、歯科医師、薬剤師の
共通の任務はどれか。
1つ選べ。

1 医療を効率的に提供する体制の確保
2 国民の健康な生活の確保
3 医療を受ける者の利益の保護
4 各職種間の業務連携
5 生命の尊重と個人の尊厳の保持



薬剤師法の第一条を引用すると
薬剤師は、調剤、医薬品の供給
その他薬事衛生をつかさどることによつて

公衆衛生の向上及び増進に寄与し
もつて国民の健康な生活を確保するものとする。
とあります。


よって、正解は 2 です。



問75 
次の物質の原体のうち
覚醒剤原料として規制されているのはどれか。
1つ選べ。

1 リゼルギン酸
2 フェニルプロパノールアミン
3 サフロール
4 アンフェタミン
5 無水酢酸


選択肢 1 ですが
リゼルギン酸は、特定麻薬向精神薬原料です。
覚せい剤原料では、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。



選択肢 3 ですが
サフロールは、特定麻薬向精神薬原料です。
覚せい剤原料では、ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
アンフェタミンは、覚せい剤です。
覚せい剤原料では、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
無水酢酸は、特定麻薬向精神薬原料です。
覚せい剤原料では、ありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2 です。



76 
次の薬物のうち
他の薬物との相互作用が原因となった
薬害事象を引き起こしたのはどれか。
1つ選べ。

1 サリドマイド
2 クロロキン
3 キノホルム
4 ソリブジン
5 アミノピリン



選択肢 1 ですが
サリドマイドは、睡眠薬として用いられたが
催奇形性があり、アザラシ肢症を引き起こした薬です。
他の薬物との相互作用が原因では、ありませんでした。


よって、選択肢 1 は誤りです。


ちなみに
近年、多発性骨髄腫の治療薬として認可されるなど
再評価されつつある薬でもあります。



選択肢 2 ですが
クロロキンは、抗マラリア薬の一つです。
クロロキン網膜症という副作用が報告され
使用中止になりました。
他の薬物との相互作用が原因では、ありませんでした。


よって、選択肢 2 は誤りです。


ちなみに、全身性エリテマトーデスなどの治療に
用いられることが、日本以外において見られます。


選択肢 3 ですが
キノホルムは整腸剤として用いられました。
スモンを引き起こした薬です。
他の薬物との相互作用が原因では、ありませんでした。


よって、選択肢 3 は誤りです。


ちなみに、キノホルムは
アルツハイマー病の有効薬としての可能性から
再評価されつつある薬でもあります。

さらに、キノホルムによるスモン薬害は
医薬品副作用被害救済制度発足の
直接の契機となった事案でもあります。


選択肢 4 は、正しい選択肢です。
5-FU との相互作用により
重篤な副作用が生じた薬学事例です。



選択肢 5 ですが
アミノピリンは、鎮痛、解熱作用を有し
かつてアンプル入りかぜ薬の成分として用いられました。

アミノピリンを含むアンプル入りのかぜ薬が原因で
薬害が発生したことがあります。
他の薬物との相互作用が原因では、ありませんでした。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 4 です。



77 
医療保険制度において
「療養の給付」に合まれないのはどれか。
1つ選べ。

1 診察
2 薬剤又は治療材料の支給
3 食事療養
4 処置、手術その他の治療
5 居宅における療養上の管理



「療養の給付」とは

・診察
・薬剤または治療材料の支給
・処置、手術その他の治療
・在宅療養の上での管理、世話、その他の看護
・病院、診療所への入院や療養のための世話、その他の看護

のことです。


よって、食事療養は、含みません。



イメージとしては
健康保険証を出さなければいけない治療かどうかを
考えるとよいと思います。


もしくは
入院中に「食事の給付」も受けることができるが
それは「療養の給付」とは別枠である、と覚えておけば
よいと思います。



以上より、正解は 3 です。



78
国民医療費に関する記述のうち
正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 一般用医薬品の購入費用は含まれない。
2 財源の80%以上は、保険料である。
3 薬局調剤医療費は、近年横ばい傾向にある。
4 薬剤料が占める割合は、50%を超えている。
5 国民所得に占める割合は、1%以下である。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。

一般用医薬品というのは
ドラッグストアで売っているかぜ薬などです。
この購入時には、保険証を見せても安くならないように
国民医療費には、含まれません。



選択肢 2 ですが
国民医療費の財源の内訳ですが
保険料は、50 % 弱です。
残りは、自己負担と、公費となります。
80 % 以上 を保険料が占めているわけでは、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
薬局調剤医療費は、増加傾向にあります。
近年横ばいでは、ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



以下、雑感 -----(国試には、不要です。)

この「調剤医療費の増加傾向」については
「だから医療費増加の原因は、薬局が儲け過ぎ」という
話につながりやすい事実であるといえます。


しかし、伸びを分析してみると
処方箋1枚あたりの薬剤料は伸びておらず
処方箋枚数の増加が主な原因であるという分析があります。

仮にそうであれば
処方箋の枚数は、薬局が自由に決定できることではなく
医療構造全体の問題といえます。


さらに、高額な薬剤が増えている中で
後発医薬品の使用推進に取組んだ結果として
薬剤料抑制に貢献しているという評価もあります。
(だから、処方箋1枚あたりの薬剤料は
高額薬剤が増えているけれども、抑えられている
ということです。)


少子高齢化の進展と、高額薬剤の増加 の下で
医療費削減 が求められている背景から
わかりやすく 「悪者」を見つけて、そこに焦点を絞って
批判が集まることがありえます。
(そのような流れを、個人的には感じます。)


その際、当事者である薬剤師が
問題意識、分析力を持たず、漫然と過ごしていては

好き放題言われたあげく
自分たちの仕事に誇りを持つことができなくなり
国民の健康のため、適切な薬物使用に貢献するという職務に
全力を注ぐことが難しくなるかもしれません。


もちろん、過度な反応を示すことは
自分の身を守ろうとしているだけ という印象しか
与えない懸念を覚えます。


しかし、自分なりの意見を、根拠を持って
胸に抱いておく必要は、これからの薬剤師一人一人に
あるのではないかと感じます。


国試対策を通じて、学んだことをきっかけとして
一歩深く自分なりに学ぶ ということを合格後に意識できれば
学習の意義も大きいのではないかと考えます。

以上 雑感 -----



選択肢 4 ですが
国民医療費に占める薬剤費の割合は
約 20 % 強 です。
50 % を超えているということは、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
国民医療費の国民所得に対する比率は
約 10 % です。
 1 % 以下 では、ありません。



よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1 です。



79
医薬分業率(%) を表す計算式はどれか。
1つ選べ。




医薬分業率とは
医療機関における処方せん発行件数のうち
薬局への処方せん(院外処方)の占める割合
のことです。

ちなみに、処方せんを患者に発行せず
お薬を渡すのは、院内処方です。



選択肢 1,2 ですが 
分母である「外来患者数」に注目すると
外来患者の中には、薬をもらわずに帰る人もいるはずなので
分母として、不適切であると考えられます。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。



選択肢 4 ですが
医薬分業率を考える時に
入院処方については考えません。
入院している場合は、当然院内処方であるからです。



選択肢 5 ですが

極端な例として、100医療機関があり
1医療機関(すごく大きい医療機関とする)が
処方せんを10000 枚、全て院内処方。

残りの99医療機関が
処方せんを990枚(各 10 枚)うけとっていて
全て院外処方。

この場合に
医薬分業率が 99 % となるけれど
ほとんどの処方せん(90 % 以上)は院内処方
ということになってしまい
不適切な式であると考えられます。



以上より、正解は 3 です。



問80 
ヘルシンキ宣言における
倫理的原則にあてはまらないのはどれか。
1つ選べ。

1 研究の実施内容を
研究計画書に明示すること

2 研究によって生じる
リスクを最小化させるための措置を講じること

3 被験者の
プライパシー及ぴ尊厳を守ること

4 被験者に
研究に関する十分な説明を行うこと

5 被験者の利益にかかわらず
研究目的の重要性を優先すること



ヘルシンキ宣言は、臨床試験に関する
国際倫理規範です。

被験者であるヒトを、守るための倫理的原則について
宣言したものであるといえます。



選択肢 1 ですが
研究の内容が明示されることにより
研究の透明性を保ち
非人道的な研究の防止につながります。



選択肢 2 ですが
倫理的原則として、宣言に含まれる内容です。

リスクの最小化のための措置とは
例えば、新治療法の臨床試験を行う場合に
「既存の最良の方法と、新治療法の比較」を行う
といったことです。



選択肢 3 ですが
倫理的原則として、宣言に含まれる内容です。

研究のために、自分の病気について
公開されてしまう、といったことがないようにする
といった内容です。



選択肢 4 ですが
倫理的原則として、宣言に含まれる内容です。
いわゆるインフォームド・コンセントの原則です。



選択肢 5 は、誤った選択肢です。
被験者の利益が優先される必要があります。



以上より、正解は 5 です。