問100-78 解説





78
国民医療費に関する記述のうち
正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 一般用医薬品の購入費用は含まれない。
2 財源の80%以上は、保険料である。
3 薬局調剤医療費は、近年横ばい傾向にある。
4 薬剤料が占める割合は、50%を超えている。
5 国民所得に占める割合は、1%以下である。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。

一般用医薬品というのは
ドラッグストアで売っているかぜ薬などです。
この購入時には、保険証を見せても安くならないように
国民医療費には、含まれません。



選択肢 2 ですが
国民医療費の財源の内訳ですが
保険料は、50 % 弱です。
残りは、自己負担と、公費となります。
80 % 以上 を保険料が占めているわけでは、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
薬局調剤医療費は、増加傾向にあります。
近年横ばいでは、ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



以下、雑感 -----(国試には、不要です。)

この「調剤医療費の増加傾向」については
「だから医療費増加の原因は、薬局が儲け過ぎ」という
話につながりやすい事実であるといえます。


しかし、伸びを分析してみると
処方箋1枚あたりの薬剤料は伸びておらず
処方箋枚数の増加が主な原因であるという分析があります。

仮にそうであれば
処方箋の枚数は、薬局が自由に決定できることではなく
医療構造全体の問題といえます。


さらに、高額な薬剤が増えている中で
後発医薬品の使用推進に取組んだ結果として
薬剤料抑制に貢献しているという評価もあります。
(だから、処方箋1枚あたりの薬剤料は
高額薬剤が増えているけれども、抑えられている
ということです。)


少子高齢化の進展と、高額薬剤の増加 の下で
医療費削減 が求められている背景から
わかりやすく 「悪者」を見つけて、そこに焦点を絞って
批判が集まることがありえます。
(そのような流れを、個人的には感じます。)


その際、当事者である薬剤師が
問題意識、分析力を持たず、漫然と過ごしていては

好き放題言われたあげく
自分たちの仕事に誇りを持つことができなくなり
国民の健康のため、適切な薬物使用に貢献するという職務に
全力を注ぐことが難しくなるかもしれません。


もちろん、過度な反応を示すことは
自分の身を守ろうとしているだけ という印象しか
与えない懸念を覚えます。


しかし、自分なりの意見を、根拠を持って
胸に抱いておく必要は、これからの薬剤師一人一人に
あるのではないかと感じます。


国試対策を通じて、学んだことをきっかけとして
一歩深く自分なりに学ぶ ということを合格後に意識できれば
学習の意義も大きいのではないかと考えます。

以上 雑感 -----



選択肢 4 ですが
国民医療費に占める薬剤費の割合は
約 20 % 強 です。
50 % を超えているということは、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
国民医療費の国民所得に対する比率は
約 10 % です。
 1 % 以下 では、ありません。



よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1 です。