100-141~100-150 解説一覧


問141

医薬品の製造
又は製造販売に関する記述のうち
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 製造業の許可は
製造しようとする医薬品の
品目ごとに受けなければならない

2 業として
医薬品の小分けを行おうとする者は
製造業の許可を受けなければならない。

3 製造業の許可の申請を行った場合
許可基準への適合の有無についての
調査が行われる。

4 第一種医薬品製造販売業の
許可を受ければ
すべての医療用医薬品を
製造販売することができる。

5 日本薬局方に収載されている医薬品は
承認審査を受けずに
製造販売することができる。



選択肢 1 ですが
製造業の許可は、製造する品目に応じた
区分の許可を取得する必要があります。
品目ごとに許可が必要では、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2,3 は、正しい選択肢です。



選択肢 4 ですが
製造販売業の許可の種類は
第一種と第二種があります。
取り扱う品目に応じた種類の
製造販売許可を取得する必要があります。

一種の許可を受ければ
すべての医療用医薬品を
製造販売(市場へ業として出荷)できるわけでは、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
承認審査については、薬事法 14 条 1 項より
厚生労働大臣が指定したものについては
不要です。

しかし、指定されたものは
薬局方に収録されているものから
更に選別されており

日本薬局方に収録されていれば
必ず承認審査を受けずに
製造販売することができるというわけでは、ありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2,3 です。



問142 
医薬品医療機器等法(旧称:薬事法)で
規制される指定薬物に
関する記述のう
正しいのはどれか。1つ選べ。

1 指定薬物を合有する植物は
すべて指定薬物として規制される。

2 指定薬物の製造、販売等が認められる
「医療等の用途」とは
疾病の診断、治
又は予防の用途及び
犯罪鑑識の用途のみである。

3 指定薬物の広告に関する規制はない。

4 厚生労働大臣は
医薬品医療機器等法(旧称:薬事法)の
規定に違反して販売された指定薬物を
薬事監視員に回収させることができる。

5 医薬品医療機器等法(旧称:薬事法)の
規定に違反して
指定薬物を販売した者に対する罰則は
罰金のみである。


選択肢 1 ですが
指定薬物を含有する物は指定薬物とされますが
元来指定薬物を含有する植物については
法の規制の対象外となっています。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが
「医療等の用途」には
国の機関などによる学術研究 又は試験検査の用途
が含まれます。

他にも、物質によっては
化学反応に用いる用途 が認められています。

さらに、厚生労働大臣が認めた
人の身体に対する危害発生のおそれがないと
認めた用途 を含みます。
選択肢にあげた用途のみでは、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
指定薬物に関して、広告等は禁止されています。
さらに、広告中止命令を行うことができるなどの
規制があります。


よって、選択肢 3 は誤りです。


以下 雑感 -----

H26年の、旧薬事法一部改正により
指定薬物のみならず
「同等以上に精神毒性を有する蓋然性が
高い物である疑いがある物品」についても
広告等が禁止される 等
危険ドラッグ問題に関して 法改正が順次行われています。

薬学に関する知識が立法に活用されることにより
適切な規制を実現できる法体系が構築される過程に
そして、その過程を職務として担っている人達に
敬意を払わずにはいられません。

このような立法を含めた政策立案に
薬学の専門的知識を活用するという事例に
興味・関心を覚える人は

国家公務員などの職も
進路の一つとして考えてみるとよいのではないか と
個人的に感じます。

そして、法規の勉強がそのようなきっかけとなるならば
とても有意義だなぁと思います。

以上、雑感 -----



選択肢 4 は、正しい選択肢です。


ちなみに、薬事監視員とは
薬務課や保健所に所属する、
薬事法に規定された指導などを行う、
任命された公務員のことです。



選択肢 5 ですが
指定薬物の販売に対する罰則は
罰金だけでなく、懲役もあります。

ちなみに、指定薬物は所持や使用
さらには購入についても、取り締まりの対象となっており
それらの罰則も、罰金だけでなく、懲役もあります。


よって、選択肢 5 は誤りです。




以上より、正解は 4 です。




問143
希少疾病用医薬品として
指定されたものに対して

国又は厚生労働大臣がとる施策として
医薬品医療機器等法(旧称:薬事法)に
規定されていないのはどれか。
1つ選べ。


1 製造販売承認の申請にかかる審査について
他のものに優先して行うことができる。

2 試験研究を促進するために必要な資金の確保に努める。

3 試験研究を促進するために必要な税制上の措置を講ずる。

4 製造所における製造管理又は品質管理の方法が基準に適合しているかの調査に
ついて、他のものに優先して行うことができる。

5 再評価制度の対象から除外する。



選択肢 1 ~ 4 は、その通りの記述です。


希少疾病用医薬品とは
対象患者数 5 万人以下、医療上特に必要性が高い などの
条件に合致するものとして、厚生労働大臣が指定する医薬品です。

必要性の高さから、優先審査が行われたり
患者数が少ないことから、利益がみこめず
企業により十分に研究開発が行われない点を考慮し
様々な優遇措置がとられます。

再審査期間の延長措置もあるのですが
再評価の対象から除外される、というわけではありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 5 です。




問144 
保険薬局及ぴ
保険薬剤師療養担当規則に関する
記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 保険薬局は
保険調剤に際して、患者に
被保険者証の提示を求めることはできない。

2 保険薬局は
後発医薬品の備蓄に関する
体制の確保に努めなければならない。

3 保険薬局は
保険医療機関との連携を強化するため
保険医療機関と一体的な経営を
行うよう努めなければならない。

4 保険薬局は
患者が不正行為により療養の給付を受けたときは
意見を付して、その旨を
全国健康保険協会
又は当該健康保険組合に通知しなければならない。



選択肢 1 ですが
薬担規則 3 条により
処方せん又は被保険者証による
確認義務が保険薬局にはあります。

被保険者証の提示を求めることは
できます。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。



選択肢 3 ですが
薬担規則第二条の三 一号において
保険医療機関と一体的な経営を行うことは
禁じられています。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。




以上より、正解は 2,4 です。




問145 
「医薬品◯◯」は
製薬企業 B が製造販売承認を得て
製造所 A が製造する一般用医薬品である。
下図は 「医薬品◯◯」の販売の流れを示している。

「医薬品◯◯」を販売するにあたり
医薬品の販売業の許可を得る必要があるものとして
正しいのはどれか。
1 つ選べ。



1 A ~ E のすべて
2 A ~ D のみ
3 C と D と E のみ
4 C とD のみ
5 D と E のみ
6 D のみ



一般用医薬品なので
ドラッグストアで売っている
アリナミンA錠などを考えると
イメージしやすいと思います。


製薬企業としては、武田製薬
卸企業としては、アルフレッサ
薬店としては、マツモトキヨシ、薬局としては、日本調剤
などをイメージするとよいと思います。


医薬品の販売業は
大きく 4 つに区分されます。
薬局(E)と、それ以外の3つ
(卸売販売業(C)
店舗販売業(D)
配置販売業(本問では、なし))です。

薬局では
一般用医薬品の取り扱いは、許可なく行えます。
ただし、販売・授与のために、文書の提出は必要です。

それ以外の販売業の形態では
販売業の許可が必要となります。


従って
Dは、含まれ、E は、含みません。
これで、正解は 2,4 に絞られます。


一方で
A(メーカー) → B(製造販売業) や
B(製造販売業) → C(卸業者) 間の販売において
販売許可は、不要です。


よって、正解は 4 です。




問146
医薬品の製造販売後安全対策に関する記述のうち
正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 医薬品の製造販売業者は
その製造販売した医薬品の
副作用によるものと疑われる症例等で

厚生労働省令で定めるものを知ったときは
その旨を厚生労働大臣
(情報の整理を独立行政法人
医薬品医療機器総合機構(PMDA)
に行わせることとした場合はPMDA)
に報告しなければならない。

2 再審査制度とは
過去に承認された医薬品について
現時点での医学・薬学等の学問レベルで
有効性、安全性等を再確認するものである。

3 医薬品リスク管理計画(RMP)は
開発段階から安全対策を実施することで
製造販売後の医薬品の
安全性の確保を図ることを
目的とするものである。

4 再評価制度とは
新医薬品の承認後一定の期間を定めて
有効性、安全性等の確認を行うものである。

5 市販直後調査とは
医薬関係者への
適正使用のための情報提供や
医薬関係者からの副作用情報の収集について
PMDAが実施するものである。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。



選択肢 2 ですが
これは、再「評価」制度についての記述です。

再審査制度とは
開発時のデータと、市販後の収集したデータを比較することで
再度医薬品の有効性、安全性を確認することを
目的とする制度です。

新医薬品の承認にあたり、承認の条件として
再審査を行うよう、指定がなされます。

再審査の期間は、承認の際に指示され
オーファンドラッグであれば10 年、などです。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。
RMP の具体例を、リンクから
どれでもいいのでちらっと見ておくと
イメージしやすいと思います。



選択肢 4 ですが
これは再「審査」制度についての記述です。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
市販直後調査を行うのは、製造販売業者です。
(具体的には、製造販売業者のMRが
医療機関や医師などを訪問し
情報提供、情報収集にあたります。)

PMDA では、ありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,3 です。




147 
治験に関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 治験の対象となる薬物について
初めて治験の計画の届出をした者は
届出の日から直ちに
治験を依頼することができる。

2 治験の計画を届け出た治験依頼者は
治験を行う医療機関を追加しても
治験計画の変更屈を提出する必要はない。

3 厚生労働大臣は
治験の依頼に関する基準に
適合しているかどうかを調査するため

当該職員に
治験薬を業務上取り扱う場所に立ち入り
検査させることができる。

4 治験依頼者は
治験薬の容器に治験用である旨
治験依頼者の氏名及び住所
化学名、用法又は用量、及び効能
又は効果を記載しなければならない。

5 治験依頼者は
治験薬の副作用によるものと疑われる
死亡につながるおそれのある症例を知ったときは

定められた期間内に厚生労働大臣
(情報の整理を独立行政法人
医薬品医療機器総合機構(PMDA)に
行わせることとした場合は、PMDA)
に報告しなければならない。



選択肢 1 ですが
治験計画制度において
初めての届出では

PMDA へ届出をした日から起算して
30 日経過した後でなければ
治験を医療機関に依頼したり
治験を開始してはならないこととされています。
(いわゆる 30 日調査の期間です。)


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが
届出事項に変更が生じた場合は
変更届を出さなければなりません。

(この選択肢は、知識として知らなくても
変更届を出さなくてよいとするとおかしい、と
考えることができると思います。

例えば
治験の対象者が急に少なくなったケースで
関連病院の患者を追加で対象者としたい時に
変更届を出さなくてよい、とすると

計画書に入ってないから、治験をしたかが追求できない
→何かあった時に、責任の所在が不明になる。
→患者の利益が担保されない可能性が生じる。
といった不利益が考えられます。
よって、変更届を出す必要があるだろうと
推測できるのではないでしょうか。)


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。



選択肢 4 ですが
治験薬の容器 又は被包には
治験用である旨、治験依頼者の氏名や住所
化学名 or 識別器号 製造番号 or 製造記号
貯蔵方法、必要なら有効期間等の内容
を記載しなければなりません。

また、予定される販売名、効能・効果、用法・用量は
記載してはいけません。

(これは、治験の中立性、正確性を担保するためです。
名前が「コリトレール」だったら
肩こり取れそうって思い込んじゃう といったことが
治験の結果に影響を与えてしまうことを避けるためです。)


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。



以上より、正解は 3,5 です。




問148 
文部科学省及び厚生労働省が定める
遺伝子治療臨床研究に関する指針におい
被験者の人権保護のために
規定されている事項はどれか。
2つ選べ。


1 被験者の選定に当たっては
病状、年齢、同意能力等を考慮し
慎重に検討しなければならない。

2 同意能力を欠くなど
被験者本人の同意を得ることが図難な場合は
実施機関が設ける審査委員会の承認があれば
同意に代えることができる。

3 被験者が
説明を受けたにもかかわらず
同意しなかった場合

何らかの不利益な扱いを受けても
やむを得ない。

4 文書により
自由意思による本人の同意がなされた場合
撤回できるのは
遺伝子治療が開始される前
までである。

5 被験者の同意を得るに当たっては
定められているすべての事項について
能な限り平易な用語を用いて
説明しなければならない。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。



選択肢 2 ですが
もしこの選択肢が正しいとすると
被験者の同意なく、家族ですらない第三者の集まりである
審査委員会の承認だけで治験を行えることになり
被験者の人権保護のための規定とは
考えられないと思われます。


選択肢 2 は、誤りです。



選択肢 3 ですが
同意しなかったら
不利益な扱いを受ける可能性がある
ということを許容すると

結局、同意を強要することになりかねず
被験者の人権保護には
つながらないと考えられます。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
治験への参加は
被験者の自由意志によるものであり
かつ、随時撤回できます。

治療が開始されたら、撤回できない 
ということはありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。

専門用語をまくし立てて
「もうよくわからないから
同意しておこう」と思わせて
同意させたりしてはいけないということです。



以上より、正解は 1,5 です。




問149 
50歳男性。
半年前に胃潰療と高血圧を指摘され
現在は、カルシウム拮抗薬を服用している。
本日の診察で糖尿病を指摘され
αーグルコシダーゼ阻害薬が処方された。

処方せんを持って保険薬局を訪ねたところ
薬剤師から症状について質問されたため
男性は
「胃潰療も治り、血圧も下がっています。
血糖値は高いのですが、症状は何もありません。
それなのにまた薬が追加になって
がっかりしています。」
と答えた。

この患者の気持ちに対する
共感的な発言として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。


1 「私も同じような経験があります。
心配ないですよ。」

2 「胃潰蕩と高血圧に加えて
糖尿病までかかられて、お気の毒です。」

3 「症状がないのに薬が追加されて
がっかりされているのですね。」

4 「薬を飲めば血糖値が下がりますから
がっかりする必要はありません。」

5 「なぜ、がっかりとした気持ちに
なったのでしょうか。」


共感的な発言 ということは
「あなたの気持ちを理解しています」という発言であり
具体的な手法としては
心情などが現れている発言をとらえ、繰り返すことにより
共感を示す という技法があります。


本問において
患者さんの心情が現れている部分とは
「それなのに、薬が追加されて、がっかりしています」
であると考えられます。


従って、その部分が
それまでの文脈をふまえ、まとめた上で
繰り返されている
選択肢 3 が正解であると考えられます。


以上より、正解は 3 です。



以下 雑感 ------

本問は、ペーパーテストとして出題されると
正直、なんて簡単なんだと思いました。

しかし、実務の場において
複数の作業に追われながら、職員とのやり取りも並行しつつ
目の前の患者さんに対して、このような態度を
取ることを心がけている薬剤師が
いったいどれぐらいいるものか。

ましてや、実際に行動に移すことができているのは
いかほどかと、疑問を覚えるのも事実です。

こういった問が、資格試験の一角を占めている ということは
大きな意義があるのではないかと、個人的には思います。

以上 雑感 -----




問150 
65歳女性。
検査目的で入院中であったが
本日、医師から膵臓がんの診断を告げられた。

病棟の担当薬剤師が
患者の様子を把握するために
病室を訪問したとこ

患者は笑顔で
「こうなったのは運命ですから、仕方ないです。
覚悟はできていますから、心配しないでください。」
と話した。

薬剤師はこの患者のふるまいは
「防衛機制」によるものと感じた。

防衛機制についての説明として
適切なのはどれか。1つ選べ。



1 心の安定を保つために
無意識に不安や苦痛を回避しようとする反応のこと

2 自らの可能性を実現して自分の使命を達成し
人格内の一致をはかること

3 良好な関係を構築するために
相手の心理状態をできるだけ正確に理解するこ

4 様々な外的刺激が加わった時に生じる
生体のゆがみのこと

5 病気になったことで
今まで当然のように行ってきたことが
できなくなること



選択肢 1 は、正しい選択肢です。


ちなみに、この患者のふるまいが
防衛機制である、と感じたとすれば
「現実を理解するのに、まだ時間がかかるはず」であり
「現実を受け入れるまで、綿密なフォローが必要」
である、といった点に留意する必要があり

担当看護師に、様子を可能な限り聞いてみたうえでの
様々な個別具体的対応などが求められると考えられます。



選択肢 2 ですが
これは、自己実現についての記述です。
防衛機制では、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
心理アセスメントについての記述であると考えられます。
防衛機制では、ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
これは、ストレスについての記述です。
ちなみに、外的刺激が、ストレッサー(ストレス因子)です。
防衛機制では、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
失行についての記述であると考えられます。
防衛機制では、ありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1 です。