問306-307 32歳女性。 皮膚科より尋常性乾癖と診断を受け 以下の薬剤を初めて服用することになった。 なお、医師からは治療の説明を受けている。 エトレチナートカプセル 10mg 1回2カプセル(1日4カプセル) 1日2回 朝夕食後 14日分 問306 (実務) 薬剤師は 処方せん受付時に 患者が医師から受けた説明内容を確認した。 この薬剤を使用するにあたり 確認すべき項目のうち 優先度が高いものはどれか。2つ選べ。 1 日光浴 2 避妊 3 食事の回数 4 起床時間 5 献血 問307 (法規・制度・倫理) この患者に関する情報の 薬局における取扱いとして適切なのはどれか。 2つ選べ。 なお、必要な事項は薬歴に記載している。 1 患者から薬歴開示の求めがあったが 薬歴は薬局の情報であるという理由で 開示を拒否した。 2 患者が不慮の事故で亡くなったので 薬歴の情報を 家族の同意を得ずに 第三者に提供した。 3 患者の勤務先から 健康診断の準備のためとして 処方内容の問い合わせがあったが 患者の同意がないとの理由で 回答を拒否した。 4 処方せんに疑義が生じたため 患者の同意を得ずに 処方医に疑義照会した。 問308-309 病院では、医療法の規定に基づき 医療の安全管理体制を 確保することになっている。 問308 (法規・制度・倫理) 病院の管理者が 医療法の規定に基づいて 医薬品に係る安全管理体制の確保のために 講じなければならない措置はどれか。 2つ選べ。 1 従業者に対する研修の実施 2 医薬品購入に係る委員会の設置 3 情報の収集などの改善方策の実施 4 医薬品保管庫の保守点検の実施 問309 (実務) 医薬品安全管理のために 薬剤師が病棟における薬剤の在庫確認を行った。 内科病棟を巡回した際 医療安全の観点から、病棟に在庫することが 適切でない成分を含む注射剤として 指摘すべきものはどれか。 1つ選べ。 1 ペンタゾシン 2 ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム 3 L-アスパラギン酸カリウム 4 リドカイン塩酸塩 5 アドレナリン 問310-311 薬剤師が医師に同行して 糖尿病治療中の在宅患者を訪問した際 患者の家族より おしりが赤くなっていると訴えがあった。 医師が診察したところ 尾骨部周辺から多くの滲出液がでていた。 薬剤師は、医師から 「褥瘡になっている。 まず、外用剤に滲出液を吸収させたい。 適切な薬剤はないか。」 と相談された。 問310 (実務) 以下の製剤のうち 薬剤師が提案するものとして 最も適切なのはどれか。 1つ選べ。 1 白色ワセリン 2 親水クリーム(親水軟膏) 3 マクロゴール軟膏 4 単軟膏 5 吸水軟膏 問311 (法規・制度・倫理) 後日、この患者の処方せんを 薬局がファクシミリで受け取った。 薬剤師は、再度患者宅を訪問し 以下の業務を行った。 適切なのはどれか。 2つ選べ。 1 薬剤の効果を確かめるために 患者から同意を得た上で 採血を行い血糖を測定した。 2 患者が服薬しやすいように 服薬カレンダーに薬剤をセットした。 3 患者宅の残薬が服用可能であったため 薬剤師の判断で 処方された数量を変更して調剤した。 4 薬剤の効果が不十分と考えられたため 処方医に疑義照会した。 5 薬剤の副作用が 発現していると考えられたため 薬剤師の判断で 服用量の減量を指示した。 問312-313 73歳男性。 突然、下肢に力が入らなくなり、来院した。 検査の結果、ギランバレー症候群と診断され 医師より免疫グロプリン製剤を手配するよう 院内の薬剤部に依頼があった。 問312 (実務) 免疫グロプリン製剤を管理する上で 行わなければならないのはどれか。 2つ選べ。 1 製造番号又は製造記号の記録 2 冷凍保管 3 献血、非献血に分けて保管 4 使用した患者の氏名及ぴ住所の記録 5 施錠できる場所に保管 問313 (法規・制度・倫理) 免疫グロプリン製剤等の 血漿分画製剤の 国内自給を推進するために必要とされている 国の方針でないのはどれか。 1つ選べ。 1 必要な献血量の確保 2 原料血漿の有効利用 3 国内製造品の製造費用の補助 4 医療関係者に対する意義の啓発 5 適正使用の推進 問314-315 50歳男性。 がんによる疾痛を緩和する目的で 在宅にてオキシコドン塩酸塩水和物徐放錠と 非ステロイド性抗炎症薬で 治療を行っている。 疼痛はコントロールできており 重篤な副作用もみられなかった。 昨晩より 突発性の疼痛が発現したとの訴えが主治医にあり 今回、オキシコドン塩酸塩水和物散が 臨時追加投与されることとなった。 問314 (実務) オキシコドン塩酸塩水和物散の 服薬指導に関する記述として 誤っているのはどれか。 1つ選べ。 1 今まで処方されている鎮痛剤 (非ステロイド性抗炎症薬〉は 今後も服用してください。 2 以前よりも 便秘症状がひどくなることがあります。 3 食事に関係なく服用しても大丈夫です。 4 オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠との 服用間隔は 2時間以上あけてください。 5 この薬剤の追加投与で ウトウトすることがあります。 問315 (法規・制度・倫理) オキシコドンは麻薬として規制されている。 麻薬に関する規制のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。 1 薬局の開設者は 特段の申し出がない限り 麻薬小売業者の免許を受けた者とみなされる。 2 麻薬小売業者が 麻薬処方せんを受け付ける場合は 麻薬施用者の医師免許番号が 記載されていることを 確認しなければならない。 3 麻薬小売業者は 麻薬の滅失等の事故が生じたときは すみやかに都道府県知事に 届け出なければならない。 4 麻薬小売業者は 特段の許可なく 別の麻薬小売業者に 麻薬を譲渡することができる。 5 麻薬小売業者は 年に1回 1年間に譲渡、譲受した麻薬の品名及ぴ数量を 都道府県知事に届け出なければならない。 問316-317 タイル職人が、タイルの汚れを落とす目的で 薬局に塩酸を買いに来たので、販売することにした。 問316(実務) 塩酸(塩化水素35%含有)使用時の 注意事項の説明として正しいのはどれか。 2つ選べ。 1 屋内での使用時は換気を行ってください。 2 漂白作用を強める場合、塩素系漂白剤と混ぜて使用してください。 3 強い刺激臭があるので吸い込まないよう注意してください。 4 皮膚に付着した時は、すぐにアルカリ液で中和してください。 問317(法規・制度・倫理) 塩酸(塩化水素35%含有)は 毒物劇物取締法により劇物に指定されている。 毒物、劇物の取扱いについて正しいのはどれか。 2つ選べ。 1 薬局開設者は、特段の申し出がない限り 毒物劇物営業者とみなされる。 2 毒物又は劇物の販売業の登録には 一般販売業、農業用品目販売業及び 特定品目販売業の3種がある。 3 毒物劇物営業者は、毒物を貯蔵する場所に 「医薬用外」及び「毒物」の文字を 表示しなければならない。 4 毒物劇物営業者は 20歳未満の者に、毒物又は劇物を交付してはならない。 5 毒物劇物営業者における 販売又は授与にかかる書面の保存義務期間は 2年間である。 問318-319 30歳女性。 薬局に便秘薬を求めて来局した。 会話の中からこの女性は授乳中であることがわかった。 問318(実務) 一般用医薬品に含有される成分のうち この女性が、授乳している期間は使用しないか 使用中は授乳を避けるべきものはどれか。 1つ選べ。 1 日本薬局方センナ末 2 ピコスルファートナトリウム水和物 3 ビサコジル 4 水酸化マグネシウム 5 日本薬局方グリセリン 問319(法規・制度・倫理) この女性から 購入した一般用医薬品の外箱に表示された 「医薬品副作用被害救済制度」について質問された。 この制度の説明として正しいのはどれか。 2つ選べ。 1 救済の内容としては 医療費、医療手当、障害年金などの給付があります。 2 医療用医薬品も対象となりますが 一部、この制度の対象とならないものもあります。 3 副作用被害が生じた場合 担当医師が独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に対して 医療費等の給付の請求を行うことになります。 4 製造販売業者の賠償責任が 明らかな健康被害が生じた場合でも この制度による救済が行われることがあります。 5 海外で買ってきた 外国でのみ製造販売承認を受けた医薬品も この制度の対象になります。 問320-321 咳込み状態が改善しないため 医療機関を受診した患者が 以下の処方せんを持って保険薬局に来局した。 その際、後発医薬品変更について 教えてほしいと説明を求められた。 ただし、処方1~3は先発医薬品 処方5は後発医薬品名である。 問320(実務) 後発医薬品への変更についての記述のうち 適切でないのはどれか。 1つ選べ。 1 処方1について 後発医薬品に変更できないのでこのまま調剤する。 2 処方2について 後発医薬品の説明を行ったうえで 患者が希望した場合は、後発医薬品を調剤する。 3 処方3について 後発医薬品の説明をするが 患者が先発医薬品を希望する場合は そのまま調剤する。 4 処方4について 一般名処方なので先発医薬品で調剤する。 5 処方5について 在庫がないので、患者の了解が得られれば 医師に確認しないで同一金額以下で 同一成分の別銘柄の後発医薬品を調剤する。 問321(法規・制度・倫理) この患者は、後発医薬品への切り替えを希望した。 当該患者への後発医薬品に関する説明のうち 正しいのはどれか。2 つ選べ。 1 後発医薬品は、先発医薬品の 再評価が終了した後に市場で提供されます。 2 後発医薬品は、先発医薬品と 同等の臨床効果、作用が得られる医薬品です。 3 後発医薬品は、先発医薬品と比べて 多くの場合、価格が安くなります。 4 後発医薬品に含まれる添加剤は どれも先発医薬品と同一です。 5 日本は欧米諸国に比べて 後発医薬品の使用割合が高い状況です。 問322-323 30歳女性。 片頭痛のため リザトリプタン安息香酸塩錠(以下「薬剤1」とする)が 処方され、保険薬局を訪れた。 この女性の姉(32歳)も 昨年より片頭痛のため、当薬局から クリアミン配合錠A 1.0(以下「薬剤2」とする)の 投薬を受けている。今日は付き添いで一緒に来局した。 注)薬剤2:エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・ イソプロピルアンチピリン配合錠 問322(実務) この姉妹から、これらの薬について説明を求められた。 薬剤師が行った説明の中で適切でないのはどれか。 1つ選べ。 1 薬剤1は、定期的に服用して下さい。 2 薬剤1は、服用しても痛みが治まらない時は 2時間以上あければ追加して服用できます。 3 薬剤2は、片頭痛の予兆や前兆が現れた時にも 服用してください。 4 薬剤2は、妊婦又は妊娠している可能性のある女性は 服用できません。 5 姉妹間での薬のやり取りはしないで下さい。 問323(法規・制度・倫理) これらの2つの薬剤の効果と費用は いずれも異なっている。 薬剤師は、エルゴタミンを含む配合剤に対する リザトリプタン安息香酸塩錠の費用対効果を 評価した資料を調べた。 この資料では、質調整生存年(QALY)を用いた 効果の期待値と費用の期待値から 増分費用効果比が算出されていた。 この薬剤経済分析の手法として 最も適切なのはどれか。1つ選べ。 1 費用最小化分析 2 費用効果分析 3 費用効用分析 4 費用便益分析 5 費用感度分析 問324-325 80歳女性の家族より 「一昨日、処方せんにより調剤してもらった薬を 服薬してから母親の体のふらつきがひどくなり 今朝転倒した。」と薬局に連絡があった。 調剤した薬剤師が確認したところ 薬剤量を誤って多く調剤した可能性が疑われた。 問324(実務) この時点での当該保険薬局における対応として 適切でないのはどれか。1 つ選べ。 1 本人の状況・状態を確認する。 2 家族を安心させるため 補償を約束する旨を伝える。 3 状況を管理薬剤師・開設者に報告する。 4 確認した事実関係を隠さないで 患者側に説明する。 5 他の患者への事象拡大を 防止するための策を講じる。 問325(法規・制度・倫理) 処方された薬剤の用量を誤って調剤した場合 医療事故につながる可能性がある。 下図は 公益財団法人日本医療機能評価機構で収集した 医療機関におけるヒヤリ・ハット事例の 報告件数に基づいて作成されている。 図のア~オに入る語句として 適切なのはどれか。1つ選べ。 なお、この報告件数には 以下の①~③に該当する事例が含まれている。 ① 医療に誤りがあったが 患者に実施される前に発見された事例。 ② 誤った医療が実施されたが 患者への影響が認められなかった事例 又は軽微な処置・治療を要した事例。 ③ 誤った医療が実施されたが 患者への影響が不明な事例。 データの出所:公益財団法人日本医療機能評価機構 医療事故情報収集事業平成24年年報 (注)当事者とは、当該事象に関係したと 医療機関が判断した者であり、複数回答が可能である。 |