100-6~100-10 解説一覧


問6 1828 年に、ウェーラー(Wöhler)によって
無機化合物(シアン酸アンモニウム:NH4OCN)から
始めて合成された有機化合物はどれか。
1つ選べ。




始めて無機化合物から合成された有機化合物は
尿素です。


選択肢 1 は、酢酸です。
尿素では、ありません。


選択肢 2 は、ホルムアルデヒドです。
尿素では、ありません。


選択肢 3 は、DMF
(N,N-ジメチルホルムアミド)です。
尿素では、ありません。


選択肢 4 は、尿素です。



選択肢 5 は、アセトンです。
尿素では、ありません。



以上より、正解は 4 です。



問7 非共有電子対(孤立電子対)が sp2 混成軌道に収容されているのはどれか。
1つ選べ。




選択肢 1 は、H3C≡N のように、C-N 結合が三重結合になっています。
よって、窒素原子の非共有電子対は sp 混成軌道となります。

選択肢 2 のフランは芳香族化合物です。
芳香族性を持つということは、π電子系に含まれる電子の数が 4n+2 (この問題では6)なので、
2つの二重結合で 4 電子、あとの2つは酸素原子上にある非共有電子対がこれに該当します。
よって、酸素原子上の2対の非共有電子対のうち、1対は sp2 混成軌道となります。

選択肢 3 のベンゼン環部分は sp2 混成軌道となっていますが、非共有電子対のある窒素原子は関係ありません。
よって、窒素原子についている非共有電子対は sp3 混成軌道となります。

選択肢 4 のピロールもフラン同様、芳香族化合物です。
しかし、こちらは窒素原子と水素原子をつなぐ共有電子対が sp2 混成軌道に入っているため、
窒素原子上の非共有電子対は p 軌道に入ることになります。

選択肢 5 は窒素原子に3つの置換基と1対の非共有電子対があるだけなので、これは sp3 混成軌道となります。


以上より、正解は 2 です。



問8 メソ化合物はどれか。1つ選べ。




メソ化合物とは、不斉中心があるけれどエナンチオマーを持たないアキラルな化合物のことです。
選択肢 3 はそもそも不斉中心がないので除外するとして、他の選択肢のエナンチオマーを考えたとき、
もともとの化合物と全く一緒になってしまったら、それはエナンチオマーとは呼べないので、
このような化合物がメソ化合物に該当します。

選択肢 5 の構造を下図の左側に、そのエナンチオマーを下図の右側に示します。

    


この右側のエナンチオマーを下図のように紙面上に乗せたまま180°回転させると、
上図の左側の化合物と全く一緒になることがわかります。

    
よって、この2つの化合物はエナンチオマーではなく、単一の化合物となります。


以上より、正解は 5 です。



(ラセミ体とメソ化合物)



問9 不対電子を 1 つもつのはどれか。
1 つ選べ。

1 NO+
2 NO
3 N2O
4 NO3-
5 HNO3



この問題では選択肢のそれぞれについてルイス構造式を書いても良いのですが、
不対電子を持つかどうかがポイントなので、(最外殻)電子の個数が奇数か偶数かを考えればよいです。
偶数であれば不対電子を持たず、奇数であれば不対電子を持つことになります。

N の価数は 5、O の価数は 6、H の価数は 1 なので、

選択肢 1 は、5+6=11 ですが、陽イオンのため電子を1つ除いて、電子は 10 個になります。
よって、偶数なのでこれは不対電子を持ちません。

選択肢 2 は、5+6=11 で奇数なので、不対電子を持っています。

選択肢 3 は、5×2+6=16 で偶数なので、不対電子を持ちません。

選択肢 4 は、5+6×3=23 ですが、陰イオンのため電子を1つ加えて、電子は 24 個になります。
よって、偶数なのでこれは不対電子を持ちません。

選択肢 5 は、1+5+6×3=24 で偶数なので、不対電子を持ちません。


以上より、正解は 2 です。



問10  IUPAC の置換命名法において
最も優先順位の高い官能基はどれか。
1つ選べ。

1 ケトン (-CO-)
2 アルコール (-OH)
3 エステル (-COOR
4 アミン (-NH2
5 チオール (-SH)



本問選択肢の中で
最も優先順位の高い官能基は
エステルです。


よって、正解は 3 です。


ちなみに、エステル以下の順位は
ケトン→アルコール→チオール→アミン
です。


(IUPAC命名法(ヘテロ))