問100-106 解説




問106 
カンデサルタンシレキセチルに関する
記述のうち誤っているのはどれか。
2つ選べ。


    


1 べンゾイミダゾール骨格をもつ。

2 テトラゾリル基は
カルボキシ基の生物学的等価体とみなされる。

3 シレキセチルはステムである。

4 経口投与後生じる活性代謝物
(カンデサルタン)には
不斉炭素原子が存在しない。

5 ビフェニル基は親水性を示す。


選択肢 1 について、べンゾイミダゾール骨格とは下図の左のような構造なので、これは正しいです。
ちなみに、イミダゾール骨格が下図右の構造なので、これを覚えておけばベンゾイミダゾールはすぐにわかります。

    


選択肢 2 は、テトラゾールという分子の構造が以下のものになります。
この構造を分子内に持った場合、テトラゾリル基になります。

    

これは、上図の2つの窒素に「δ-」を付けている通り、これらの窒素の求核性が高いので、
「δ+」を付けた水素が酸として機能します。
よって、テトラゾールがカルボン酸と同様の作用を持つために、選択肢 2 の記述も正しいといえます。


選択肢 3 で、医薬品には、構造が似ていて薬理学的にも近い作用を示すというケースが多くあります。
このようなとき、それらを同じグループとしてくくるために、名前の一部に共通のフレーズを入れます。
これが、「ステム」です(家族でいうと、苗字みたいなものです)。
「カンデサルタン シレキセチル」の場合は、「サルタン」がステムで、
これはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬に用いられます。
具体的には、ほかにロサルタンやバルサルタンなどがあります。


選択肢 4 で、カンデサルタン シレキセチルには紙面上側真ん中あたりに不斉炭素があります。
しかし、カンデサルタン シレキセチルは紙面左上のエステル結合が加水分解することによってカンデサルタンとなり、
これが薬効を示すのですが、このカンデサルタンには不斉炭素がありません。


選択肢 5 で、ビフェニル(bi + phenyl)基は芳香環が2つ並んだ構造なので、これが親水基というのは無理があります。
ビフェニル基は親水性は示しません。



以上より、正解は 3, 5 になります。