間110 構造式AとBで示される タンニンに関する記述として正しいのはどれか。 2つ選べ。 1 化合物 A 及び B は 塩化鉄(III)試液で呈色する。 2 化合物 A は シキミ酸と酢酸ーマロン酸の 複合経路で生合成される。 3 化合物 A に合まれる糖は Dーマンノースである。 4 化合物 B は 加水分解型タンニンである。 5 化合物 B は 1ーブタノール中で塩酸と加熱すると 赤色を呈する。 選択肢 1 は 正しい選択肢です。 フェノール性 OH が存在すると 塩化鉄(Ⅲ)試液で呈色されます。 化合物 A 、及び B にはそれぞれ フェノール性 OH が見られます。 選択肢 2 ですが シキミ酸経路で合成されると C6-C3 単位の フェニルプロパン構造が見られます。 化合物A には、C6-C3 単位が 見受けられません。 又、酢酸-マロン酸経路で合成されると C=Oが多く見られる、ポリケタイド構造が 見られます。 化合物 A には、C=Oが複数見られる ということはありません。 従って、選択肢 2 は誤りです。 選択肢 3 ですが 化合物 A の真ん中当たりの糖部分において Oの上下に注目すると きれいに交互になっています。 マンノースは グルコースの 2 位のエピマーです。 2位と3位が共に上向きとなるため きれいに交互にはなりません。 従って、選択肢 3 は誤りです。 選択肢 4 ですが 加水分解型タンニンには エステル結合部分 ((C=O)-O部分)があります。 化合物 B には、エステル結合部分が 見られません。 よって、選択肢 4 は誤りです。 選択肢 5 は 正しい選択肢です。 アントシアニジンと呼ばれる色素が 生成されることにより呈色されます。 以上より、正解は 1,5 です。 |