問326 医療スタッフの協働・連携による チーム医療が推進されている。 病院内のチーム医療の中で 薬剤師が実施することが推奨されている業務として 適切でないのはどれか。 1つ選べ。 1 薬物療法を受けている患者への 薬学的管理を実施する。 2 薬物の血中濃度に基づき 投与量の変更を提案する。 3 医師の指示のもと 動脈留置カテーテルから薬剤を投与する。 4 副作用のモニタリングに基づき 薬剤の変更を提案する。 5 医師等と事前に作成・合意された プロトコールに基づき薬剤を変更する。 問327 病院内において薬剤師が行う 医薬品の管理に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 医薬品管理の主な目的は 品質の保証された医薬品を安定供給することである。 2 ロット番号の管理は 健康被害拡大防止を目的とした医薬品の回収時に役立つ。 3 一定数量を病棟に配置し 使用分を補充する方法を発注点方式という。 4 経過措置品目に指定された医薬品は 告示された翌日から保険医療で使うことができない。 問328 65歳女性。体重50kg。 絶飲絶食であり、維持期に用いる 1日当たりの高カロリー輸液の組成を 考えることになった。 この患者の1日当たりに必要な総エネルギー量は 予測式から基礎代謝量を求め 活動因子および障害因子を考慮して 算出したところ1400kcal であった。 高カロリー輸液組成において 非タンパクカロリー/窒素比(NPC/N)が 150になるようにしたい。 10%アミノ酸輸液の投与量として 最も近いものはどれか。1 つ選べ。 ただし、タンパク質には窒素が16%含まれるものとする。 また、20%脂肪乳剤250mL(500kcal)1本を 末梢静脈より投与する予定である。 1 50mL 2 100mL 3 300mL 4 400mL 5 500mL 問329 20 %ブドウ糖液を調製して 末梢静脈から点滴投与する注射処方せんが 発行された。 薬剤師は高浸透圧による静脈炎が 発生する可能性があると判断し 処方医に疑義照会した。 20%ブドウ糖液の血漿に対する浸透圧比として 最も近いのはどれか。 1つ選べ。 なお、血漿の浸透圧を290mOsm/L とし ブドウ糖の分子量は 180 とする。 1 2.1 2 2.6 3 3.2 4 3.8 5 4.2 問330 非小細胞肺がん患者への 処方1~3に関する薬剤師の対応として 適切でないのはどれか。 2 つ選べ。 (処方1) ドセタキセル注100mg 5%ブドウ糖注射液250mL 60分間で点滴静注 (処方2) 生理食塩液500mL 90分間で点滴静注 (処方3) シスプラチン注125mg 5%ブドウ糖注射液500mL 120分間で点滴静注 1 体重と年齢から 投与量を計算して確認した。 2 ドセタキセルは希釈せずに 急速静注投与するよう疑義照会した。 3 シスプラチンは 生理食塩液で希釈するよう疑義照会した。 4 処方監査時に血液学的検査値を確認した。 5 処方監査時に体温を確認した。 問331 院内の安全対策研修会で 下記の事例をもとに医療事故の対応を 多職種で議論した。 事例 60歳女性。 関節リウマチの診断で 今回より初めてメトトレキサートカプセル2mg 3カプセルが 4週間分処方された。 本来、週1回服用のところ 連日服用で28日分調剤された。 服用開始18日目に 倦怠感、食欲不振、歯肉出血が出現したため 自己判断で服用を中止した。 その3日後に外来受診し 検査の結果、口腔粘膜障害、胃腸障害 肝機能障害、骨髄抑制が認められたため 緊急入院となった。 議論の中で、この患者への処置について 薬剤師が意見を求められた。 この薬剤の特徴から考えて効果的なのはどれか。 2 つ選べ。 1 ホリナートカルシウムの投与 2 ビタミンK製剤の投与 3 薬用炭の投与 4 炭酸水素ナトリウム注射薬の投与 問332 6歳女児。 高熱とひどい咳のため受診し マイコプラズマ肺炎と診断され 以下の薬剤が処方された。 (処方) クラリスロマイシンシロップ用10% 1回1.5g(1日3g) 1日2回朝夕食後7日分 服用開始3日目に オレンジジュースに混ぜて服用させたところ 子供が苦くて飲めないと連絡があった。 苦みが増したのはオレンジジュースの どのような要因によるものか。 1つ選べ。 1 酸性 2 アルカリ性 3 フラボノイドを含有 4 カリウムを含有 5 ナトリウムを含有 問333 64歳女性。 本日、以下に示す皮膚科の処方せんを持って 保険薬局を訪れた。 (処方) ヒルドイドソフト軟膏0.3% (注) 100g 1日3~4回手足のカサカサ部に塗布 (注:ヘパリン類似物質を主成分とする外用剤) 服薬指導時に、抗がん剤を服用していることがわかった。 その抗がん剤を服用し始めてから 手のひらと足の裏が赤くなり痛みが生じるとともに かかとがカサカサするようになったと訴えた。 見せてもらうと色素沈着も認められた。 皮膚科の医師からは 抗がん剤の副作用を抑えるための軟膏であると言われている。 この副作用を引き起こす薬物として 最も想定されるのはどれか。 1 つ選べ。 1 イマチニブ 2 ソラフェニブ 3 ゲフィチニブ 4 ダサチニブ 5 ニロチニブ 問334 65歳男性。体重72kg。 非弁膜症性心房細動との診断で 下記の処方薬を服用していた。 数日前から、めまい、ふらつき、冷汗 手の震え、軽度の意識障害にて昨日入院となった。 本日病室を訪問した薬剤師は 下記の処方薬を日頃欠かさず服用していたことを 付添いの家族から聴取した。 また、カルテから入院時検査結果が 血清クレアチニン値は2.0mg/dL BUN は39mg/dL 空腹時血糖は40mg/dL であることを確認した。 シベンゾリンコハク酸塩錠100mg 1回1錠(1日3錠) ベラパミル塩酸塩錠40mg 1回1錠(1日3錠) ニコランジル錠5mg 1回1錠(1日3錠) 1日3回朝昼夕食後 ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル110mg 1回1カプセル(1日2カプセル) ニフェジピン徐放錠10mg(12時間持続) 1回1錠(1日2錠) 1日2回朝夕食後 担当の薬剤師は 入院時の不快症状と検査値から薬の副作用を疑い 医師に薬剤の変更を提案しようと考えた。 該当する薬剤はどれか。1つ選べ。 1 シベンゾリンコハク酸塩錠 2 ベラパミル塩酸塩錠 3 ニコランジル錠 4 ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル 5 ニフェジピン徐放錠 問335 漢方処方とその主な効能・効果の組み合わせのうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 半夏厚朴湯- 下痢、腸閉塞予防 2 小青竜湯- 気管支喘息、鼻炎 3 六君子湯- 花粉症、アトピー性皮膚炎 4 抑肝散- 神経症、不眠症 5 大建中湯- 腰痛、筋肉痛 問336 市立病院に勤務する新人薬剤師が はじめて病棟で患者を担当することになった。 59歳男性。 前立腺がんが原発であったが 骨に転移し激しい痛みを伴っており がんに対する化学療法と 痛みに対する緩和ケアが必要とされる。 そこで、この薬剤師は 患者への介入を考えるため、患者のカルテを閲覧した。 薬剤師の行動として通常許容されるのはどれか。 1 つ選べ。 1 患者氏名をイニシャル化し 私的所有のUSB メモリに患者情報を記録し 自宅に持ち帰った。 2 患者の氏名と使用医薬品名をノートに記録し 製薬企業の学術担当者に見せて相談した。 3 他院の友人に依頼して 類似症例のカルテのコピーを入手し、参考にした。 4 大学の図書館で調べものをするので 患者個人情報を持ち出した。 5 薬剤部内の症例検討会で発表するために カルテに基づく資料を匿名化したうえで作成した。 問337 3歳男児。 急性中耳炎に対し、以下の薬剤が処方された。この事例に対応した 薬剤情報提供として適切でないのはどれか。2 つ選べ。 (処方) デキサメタゾンエリキシル0.01% 1回1.33mL(1日4mL) 単シロップ1回0.67mL(1日2mL) 以上、混合して1剤とする。1日3回朝昼夕食後4日分 1 1回量は、2mL であることを伝えた。 2 感染を防止する作用があることを伝えた。 3 消化管障害が現れることがあることを伝えた。 4 説明する時間がなかったので添付文書を渡した。 5 エタノールが含まれることを伝えた。 問338 病棟で抽出された以下の問題点について 薬剤師の対応・判断として適切と考えられるのはどれか。 2 つ選べ。 1 アドヒアランス不良の患者に対し 薬剤情報提供書と薬剤実物を用いて指導を行った。 2 患者の薬識が低かったので 服用薬に対する理解度を高めるため、一包化調剤で対応した。 3 高血圧患者より2種類の内服薬の管理が うまくできないとの申し出があり、 医薬品情報を調査して配合剤への変更が可能かを検討した。 4 注射用セフェム系抗生物質投与時の 患者観察に関する看護師の相談に対して 初回投与時に問題が無かったので 同一薬剤2回目以降の観察は不要と回答した。 問339 薬局製造販売医薬品(薬局製剤)の 製造・販売に関する記述のうち 正しいのはどれか。2 つ選べ。 1 薬局における設備・器具で製造し その薬局において直接消費者に 販売又は授与する医薬品である。 2 薬局製剤は 厚生労働大臣の承認・許可を受けた薬局でしか 製造・販売できない。 3 薬局製剤は 漢方薬を主体とした漢方製剤は含まれない。 4 薬局製剤は 薬局独自の品目を、独自の製法によって 製造することが可能である。 5 薬局製剤の製造販売にあたっては 添付文書を作成する。 問340 卸業者から納品された 医薬品の外箱側面に下記の記載があった。 この医薬品の検収・保管に関する 記述のうち誤っているのはどれか。2つ選べ。 1 外箱に破損がないか 開封されていないか確認した。 2 納品伝票の内容が 外箱に書かれた記載と一致するか確認した。 3 第二種向精神薬の譲受簿に記録した。 4 盗難防止のため、麻薬金庫に保管した。 5 保管場所の温度は 25 ℃に設定した。 問341 近隣の高齢者とその家族から 熱中症について薬局に質問があった。 薬剤師の説明として 適切でないのはどれか。1 つ選べ。 1 室内でも温度や湿度が高いと 発症することがあります。 2 初期症状としては めまいや立ちくらみが現れることがあります。 3 意識障害が出ている場合 その場所で意識が戻るまで安静にさせて下さい。 4 のどが渇かなくても こまめに水分摂取と適度の塩分補給が 必要です。 5 高齢者は、汗をかきにくく 発症しやすくなるので注意が必要です。 問342 夏のある日曜日の午前中 薬局に男性から電話があった。 その内容は、「早朝からひどい水様便で 何度もトイレに行く状態だ。熱はない。 昨夜寝る前に冷たいビールを飲んだ。 これからそちらに行く。」とのことであった。 この男性に薦める一般用医薬品の成分として 適切なのはどれか。2つ選べ。 1 タンニン酸アルブミン 2 ピレンゼピン塩酸塩水和物 3 スクラルファート水和物 4 ロペラミド塩酸塩 5 大黄 問343 次の5名の健康診断の情報から メタボリックシンドローム (内臓脂肪症候群)として 特定健康診査・特定健康指導を受けるように 強く指導すべき対象者の番号はどれか。 1 つ選べ。 ただし、対象者はすべて喫煙歴はないものとする。 問344 65歳男性。身長178cm、体重75kg。 食道がんの術前・術後の栄養管理に 栄養サポートチーム(NST)が 関与することになった。 ただし 本患者の食道に通過障害はあるものの 水分摂取は可能で 食道以外に障害はなかった。 術後においても、水分摂取は可能であった。 この患者に対する栄養療法に関する記述のうち 適切なのはどれか。 2 つ選べ。 1 術前の栄養管理は 経腸栄養療法は実施できない。 2 術後の栄養管理には 経腸栄養療法が適している。 3 末梢静脈栄養療法では 1日あたりに必要となる糖質量を 投与することができない。 4 経腸栄養剤としては 半消化態栄養剤よりも 成分栄養剤の方が適している。 5 経腸栄養療法よりも 中心静脈栄養療法の方が 感染性リスクは少ない。 問345 ある日、以下の処方せんを持った 5歳男児の両親が保険薬局を訪れた。 この薬局には ドライシロップの在庫が全くなく 医師に疑義照会して オセルタミビルリン酸塩カプセル75mg を 脱カプセルして調剤することになった。 (処方) オセルタミビルリン酸塩ドライシロップ3% 1回1.3g (1日2.6g) 1日2回 朝夕食後 5日分 この処方を全量調剤するのに 必要なオセルタミビルリン酸塩カプセルの 最少数はいくつか。 1 つ選べ。 1 4カプセル 2 5カプセル 3 6カプセル 4 7カプセル 5 8カプセル |