100-326~100-345 解説一覧



問326 
医療スタッフの協働・連携による
チーム医療が推進されている。

病院内のチーム医療の中で
薬剤師が実施することが推奨されている業務として
適切でないのはどれか。 1つ選べ。

1 薬物療法を受けている患者への
薬学的管理を実施する。

2 薬物の血中濃度に基づき
投与量の変更を提案する。

3 医師の指示のもと
動脈留置カテーテルから薬剤を投与する。

4 副作用のモニタリングに基づき
薬剤の変更を提案する。

5 医師等と事前に作成・合意された
プロトコールに基づき薬剤を変更する。



選択肢 3 の
カテーテルから薬剤を「投与する」 という行為は
明らかに薬剤師の業務を逸脱しています。
適切では、ありません。


ちなみに、選択肢 5 については
PBPM と呼ばれるものです。
プロトコルに基づく薬物治療管理 のことです。



正解は 3 です。



問327
 病院内において薬剤師が行う
医薬品の管理に関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 医薬品管理の主な目的は
品質の保証された医薬品を安定供給することである。

2 ロット番号の管理は
健康被害拡大防止を目的とした医薬品の回収時に役立つ。

3 一定数量を病棟に配置し
使用分を補充する方法を発注点方式という。

4 経過措置品目に指定された医薬品は
告示された翌日から保険医療で使うことができない。



選択肢 1,2 は、正しい選択肢です。



選択肢 3 ですが
記述は、定数配置方式です。

発注点方式とは
在庫が発注点と呼ばれる一定量に達した時
発注をかける方式です。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
経過措置品目とは、需要がなく供給が停止されたり
医療事故防止などを目的として
表示変更された場合の、元の医薬品 などです。

医療機関の在庫や周知期間を考慮して
経過措置期間が設けられます。
この期間は、保険適用されます。
告示された翌日から保険医療で使うことができない
わけでは、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



以上より、正解は 1,2 です。




問328 
65歳女性。体重50kg。
絶飲絶食であり、維持期に用いる
1日当たりの高カロリー輸液の組成を
考えることになった。

この患者の1日当たりに必要な総エネルギー量は
予測式から基礎代謝量を求め
活動因子および障害因子を考慮して
算出したところ1400kcal であった。

高カロリー輸液組成において
非タンパクカロリー/窒素比(NPC/N)が
150になるようにしたい。

10%アミノ酸輸液の投与量として
最も近いものはどれか。1 つ選べ。

ただし、タンパク質には窒素が16%含まれるものとする。
また、20%脂肪乳剤250mL(500kcal)1本を
末梢静脈より投与する予定である。

1 50mL 
2 100mL 
3 300mL 
4 400mL 
5 500mL



解法 1  「選択肢から答えを仮定して、代入して確かめる」
10 % アミノ酸輸液 といえば、500mL なので
選択肢 5 が正解と仮定します。

(いきなり 5 ? と感じるかもしれませんが
病院実習の時に見た輸液パックを思い出すと
選択肢の中で、一番見覚えのあるサイズは
選択肢 5 ではないでしょうか。

違和感を覚える場合は、選択肢 1 から代入して
あたりをつけていってもよいと思います。)

10 % アミノ酸輸液が 500 mL だから
50mL がアミノ酸となります。
50mL のアミノ酸は、50 × 4 = 200 kcal です。
(1ml のアミノ酸が 4kcal というのは
知っている前提で計算しています。)
よって、NPC は、1400 - 200 = 1200 (kcal)です。


また
タンパク質には窒素が 16 % 含まれる 
という記述から、窒素量は
500×0.1×0.16=8 (g)です。


すると
非タンパクカロリー/窒素比(NPC/N)が
1200/8 = 150 となるので、選択肢 5 が正解です。



解法 2 「x と仮定して計算する」
10 % アミノ酸輸液が x mL とすると
0.1 x (mL) が、アミノ酸です。
すると、0.4 x kcal となります。
よって、NPC は 1400 - 0.4 x と表すことができます。


また、N は、0.1 x ✕ 0.16 = 0.016 x です。

(1400 - 0.4x)/0.016x = 150 を解くと
1400 - 0.4x = 150 × 0.016x
1400 = 2.8x
x = 500 となります。


よって、正解は 5 です。




問329 
20%ブドウ糖液を調製して
末梢静脈から点滴投与する
注射処方せんが発行された。

薬剤師は高浸透圧による
静脈炎が発生する可能性があると判断し
処方医に疑義照会した。

20%ブドウ糖液の血漿に対する浸透圧比として
最も近いのはどれか。1つ選べ。
なお、血漿の浸透圧を290mOsm/L とし
ブドウ糖の分子量は180とする。


1 2.1 
2 2.6 
3 3.2 
4 3.8 
5 4.2


Osml/L は、mol/L と考えればよいです。

20 % ブドウ糖液なので
1L あれば 200g がブドウ糖です。

ブドウ糖の分子量が 180 なので
200/180 で、約 1.1 mol/L です。 
mmol になおすと、約 1100mmol/L です。


血しょうの浸透圧が 290 mOsm/L なので
1100/290 ≒ 3.8 です。


以上より、正解は 4 です。




問330 
非小細胞肺がん患者への
処方1~3に関する薬剤師の対応として
適切でないのはどれか。 2 つ選べ。

(処方1)
ドセタキセル注100mg
5%ブドウ糖注射液250mL
60分間で点滴静注

(処方2)
生理食塩液500mL
90分間で点滴静注

(処方3)
シスプラチン注125mg
5%ブドウ糖注射液500mL
120分間で点滴静注


1 体重と年齢から
投与量を計算して確認した。

2 ドセタキセルは希釈せずに
急速静注投与するよう疑義照会した。

3 シスプラチンは
生理食塩液で希釈するよう疑義照会した。

4 処方監査時に血液学的検査値を確認した。

5 処方監査時に体温を確認した。



選択肢 1 ですが
体表面積から投与量を計算します。
つまり、必要なのは体重と年齢ではなく
体重と身長です。


よって、選択肢 1 は適切ではありません。



選択肢 2 ですが
ドセタキセルは、適用上の注意として
必ず1時間以上かけて点滴静脈内投与する 
という注意があります。

従って、急速静注するよう疑義照会する
必要はありません。

ちなみに、急速静注してしまうと
投与後すぐに起こる副作用(じんましん、浮腫、血圧低下など)が
出現するリスクが高まります。


よって、選択肢 2 は適切ではありません。



選択肢 3 ~ 5 は、正しい選択肢です。


選択肢 4,5 は
ドセタキセルに関して
副作用として、重篤な骨髄抑制(主に好中球減少)が
知られており

血液学的検査値から
重篤な骨髄抑制が見られたり

発熱を有し
感染症の疑われる患者に対しては

投与しないなどの対応が必要であるため
処方鑑査時に確認が必要です。



以上より、正解は 1,2 です。




問331 
院内の安全対策研修会で
下記の事例をもとに医療事故の対応を
多職種で議論した。

事例
60歳女性。
関節リウマチの診断で今回より初めて
メトトレキサートカプセル2mg 3カプセルが
4週間分処方された。

本来、週1回服用のところ
連日服用で28日分調剤された。
服用開始18日目に
倦怠感、食欲不振、歯肉出血が出現したた
自己判断で服用を中止した。

その3日後に外来受診し
検査の結果、口腔粘膜障害、胃腸障害
肝機能障害、骨髄抑制が認められたため
緊急入院となった。

議論の中で、この患者への処置について
薬剤師が意見を求められた。
この薬剤の特徴から考えて効果的なのはどれか。
2 つ選べ。

1 ホリナートカルシウムの投与
2 ビタミンK製剤の投与
3 薬用炭の投与
4 炭酸水素ナトリウム注射薬の投与



選択肢 1 は、正しい選択肢です。

ホリナートは、葉酸の活性型製剤です。
メトトレキサートによって生じる
副作用の回避のために用いられます。



選択肢 2 ですが
ビタミンK製剤は、抗生物質服用に伴う
腸内細菌叢の変化による、ビタミン K 産生不足
などに対して用いられます。

本症例に対しての使用は効果的ではないと
考えられます。


選択肢 3 ですが
薬用炭は、中毒物質の吸収を減少させることによる
解毒に用いられる薬剤です。

本症例では、すでに18日間投与が行われており
薬用炭投与は、効果的ではないと考えられます。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。

メトトレキサートは
腎排泄型、弱酸性薬物です。

尿の pH をアルカリ側に変化させることで
尿に溶けやすくなり、尿中への排出量が増加します。
排出増加により
速やかに副作用の軽減を期待できます。



以上より、正解は 1,4 です。




問332 
6歳女児。
高熱とひどい咳のため受診し
マイコプラズマ肺炎と診断され
下の薬剤が処方された。

(処方)
クラリスロマイシンシロップ用10% 1回1.5g(1日3g)
1日2回朝夕食後7日分

服用開始3日目に
オレンジジュースに混ぜて服用させたところ
子供が苦くて飲めないと連絡があった。

苦みが増したのはオレンジジュースの
どのような要因によるものか。 1つ選べ。

1 酸性
2 アルカリ性
3 フラボノイドを含有
4 カリウムを含有
5 ナトリウムを含有



マクロライド系の薬は
酸性の飲み物と混ぜると、極めて苦くなります。
これは、コーティング成分がはがれるためです。

チョコレートやバニラアイス などに
混ぜて飲ませたり

補助ゼリーなどを用いて飲ませると
よいと考えられます。


正解は 1 です。




問333 
64歳女性。
本日、以下に示す皮膚科の処方せんを持って
保険薬局を訪れた。

(処方)
ヒルドイドソフト軟膏0.3% (注) 100g
1日3~4回手足のカサカサ部に塗布
(注:ヘパリン類似物質を主成分とする外用剤)

服薬指導時に、抗がん剤を服用していることがわかった。
その抗がん剤を服用し始めてから
手のひらと足の裏が赤くなり痛みが生じるとともに
かかとがカサカサするようになったと訴えた。
見せてもらうと色素沈着も認められた。

皮膚科の医師からは
抗がん剤の副作用を抑えるための軟膏であると言われている。
この副作用を引き起こす薬物として
最も想定されるのはどれか。 1 つ選べ。

1 イマチニブ
2 ソラフェニブ
3 ゲフィチニブ
4 ダサチニブ
5 ニロチニブ



本問の症状は
手足症候群であると考えられます。

選択肢の中で
手足症候群を起こす可能性がある
代表的な薬は、ソラフェニブです。


ちなみに
その他の代表的な薬としては

注射剤として
フルオロウラシル、ドキソルビシンリポソーム注射剤、ドセタキセル

経口剤として
カペシタビン
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム
テガフール・ウラシル
スニチニブ などがあります。


手足症候群を引き起こす薬剤を
大きく分類するなら

5-FU 系
分子標的薬系(ソラフェニブ、スニチニブ 共に腎がん等に使用)
その他

とまとめておくとよいかもしれません。



以上より、正解は 2 です。




問334 
65歳男性。体重72kg。
非弁膜症性心房細動との診断で
下記の処方薬を服用していた。

数日前から、めまい、ふらつき、冷汗
手の震え、軽度の意識障害にて昨日入院となった。

本日病室を訪問した薬剤師は
下記の処方薬を日頃欠かさず服用していたことを
付添いの家族から聴取した。

また、カルテから入院時検査結果が
清クレアチニン値は2.0mg/dL
BUN は39mg/dL
空腹時血糖は40mg/dL であることを確認した。

シベンゾリンコハク酸塩錠100mg 1回1錠(1日3錠)
ベラパミル塩酸塩錠40mg 1回1錠(1日3錠)
ニコランジル錠5mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回朝昼夕食後

ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル110mg
1回1カプセル(1日2カプセル)

ニフェジピン徐放錠10mg(12時間持続) 1回1錠(1日2錠)
1日2回朝夕食後

担当の薬剤師は
入院時の不快症状と検査値から薬の副作用を疑い
医師に薬剤の変更を提案しようと考えた。
該当する薬剤はどれか。1つ選べ。

1 シベンゾリンコハク酸塩錠
2 ベラパミル塩酸塩錠
3 ニコランジル錠
4 ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル
5 ニフェジピン徐放錠



入院時の不快症状と検査値から疑われるのは
低血糖です。

また、血清クレアチニン、BUN が高めであり
腎機能が低下していると考えられます。


処方薬の中で、低血糖の副作用が疑われるのは
シベンゾリンです。


シベンゾリンは、クラス Ia 群の抗不整脈薬です。
腎排泄型の薬です。

クラス Ia 群の中で、ジソピラミドとシベンゾリンは
副作用として、低血糖が知られています。

これは、ATP 感受性 K チャネルに作用することで
インスリン分泌が促進されるためです。

腎機能の低下に伴い、排泄能が低下した結果
血中濃度が上昇して、副作用が発現していると
考えられます。



以上より、正解は 1 です。




問335 
漢方処方とその主な効能・効果の組み合わせのうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 半夏厚朴湯- 下痢、腸閉塞予防
2 小青竜湯- 気管支喘息、鼻炎
3 六君子湯- 花粉症、アトピー性皮膚炎
4 抑肝散- 神経症、不眠症
5 大建中湯- 腰痛、筋肉痛


選択肢 1 ですが
半夏厚朴湯の主な効能・効果は
不安、神経性胃炎 などです。

下痢や腸閉塞予防は、大建中湯が適切ではないかと
考えられます。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。



選択肢 3 ですが
六君子湯は、消化不良や食欲不振などが
主な効能・効果です。

記述は荊芥連翹湯や温清飲が
適切ではないかと考えられます。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。



選択肢 5 ですが
大建中湯の主な効能・効果は、下痢や腸閉塞予防です。
記述は、痛散湯が適切ではないかと考えられます。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2,4 です。




問336 
市立病院に勤務する新人薬剤師が
はじめて病棟で患者を担当することになった。

59歳男性。
前立腺がんが原発であったが
骨に転移し激しい痛みを伴っており
がんに対する化学療法と
痛みに対する緩和ケアが必要とされる。

そこで、この薬剤師は
患者への介入を考えるため、患者のカルテを閲覧した。
薬剤師の行動として通常許容されるのはどれか。 1 つ選べ。

1 患者氏名をイニシャル化し
私的所有のUSB メモリに患者情報を記録し
宅に持ち帰った。

2 患者の氏名と使用医薬品名をノートに記録し
製薬企業の学術担当者に見せて相談した。

3 他院の友人に依頼して
類似症例のカルテのコピーを入手し、参考にした。

4 大学の図書館で調べものをするので
患者個人情報を持ち出した。

5 薬剤部内の症例検討会で発表するために
カルテに基づく資料を匿名化したうえで作成した。


患者のプライバシー保護
という観点に注意して、各選択肢を検討します。



選択肢 1 ですが
自宅に泥棒が入って USB を失ったとします。
患者氏名のイニシャル化では、患者特定のおそれが
残っていると考えられます。

(患者プライバシー保護の観点から
論文などにはイニシャルを記載しないようになっています。
つまり、イニシャル化は、プライバシー保護の観点から
不充分と考えられます。)

従って、行うべきではない行動です。



選択肢 2 ですが
患者情報が、他人に特定される形で伝わっており
プライバシー保護の観点から、不適切な行動です。



選択肢 3 ですが
カルテのコピーには、個人情報が記載されており
これを入手することは、患者のプライバシーを損ねると
考えられます。

従って、不適切な行動です。



選択肢 4 ですが
カルテをコピーして、大学の図書館に持って行って調べ物をする
といった行動だと考えられます。

これは、図書館において
無関係の人に資料を見られるかもしれないことや
紛失する可能性を考えると
不適切であると考えられます。

(必要な部分のみを、個人情報が特定されないように
印刷などして、調べ物をすべきであると思われます。)



選択肢 5 は、正しい記述です。
症例検討では、関係者のみが当事者です。
また、匿名化されていれば、個人の特定はできません。




以上より、正解は 5 です。




問337 
3歳男児。
急性中耳炎に対し、以下の薬剤が処方された。この事例に対応した
薬剤情報提供として適切でないのはどれか。2 つ選べ。

(処方)
デキサメタゾンエリキシル0.01% 1回1.33mL(1日4mL)
単シロップ1回0.67mL(1日2mL)
以上、混合して1剤とする。1日3回朝昼夕食後4日分

1 1回量は、2mL であることを伝えた。
2 感染を防止する作用があることを伝えた。
3 消化管障害が現れることがあることを伝えた。
4 説明する時間がなかったので添付文書を渡した。
5 エタノールが含まれることを伝えた。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。

1日分が 4mL のデキサメタゾンエリキシル と
1日分が 2 mL の単シロップ を混合して 1 剤なので
1 日分の総量は 6 mL です。
そして、 1 日 3 回なので、 1 回分は、2 mL です。



選択肢 2 ですが
デキサメタゾンは、ステロイドであり、炎症の防止作用です。
感染の防止ではありません。


よって、選択肢 2 は適切ではありません。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。



選択肢 4 ですが
時間がないから指導をせず文書だけ渡す のは
薬剤情報提供とはいえません。


よって、選択肢 4 は適切ではありません。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。
エリキシルとは、エタノールを含む澄明な内用液剤のことです。



以上より、正解は 2,4 です。




問338 
病棟で抽出された以下の問題点について
薬剤師の対応・判断として適切と考えられるのはどれか。
2 つ選べ。

1 アドヒアランス不良の患者に対し
薬剤情報提供書と薬剤実物を用いて指導を行った。

2 患者の薬識が低かったので
服用薬に対する理解度を高めるため、一包化調剤で対応した。

3 高血圧患者より2種類の内服薬の管理が
うまくできないとの申し出があり、
薬品情報を調査して配合剤への変更が可能かを検討した。

4 注射用セフェム系抗生物質投与時の
患者観察に関する看護師の相談に対して
初回投与時に問題が無かったので
同一薬剤2回目以降の観察は不要と回答した。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。

例えば、糖尿病患者で、複数の薬を飲んでいて
「いっぱい、わけわからない薬を飲むのはいやだ」 という理由で
アドヒアランスが不良になっていたとします。

薬剤情報提供書と、実物を用いて指導を行い
薬識を高めてもらうことが、服薬の意義を理解し
アドヒアランス向上につながると考えられます。



選択肢 2 ですが
一包化することと、服用薬に対する理解度は
関係がありません。


よって、選択肢 2 は適切ではありません。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。



選択肢 4 ですが
添付文書の重要な基本的注意によれば
副作用として、ショック、アナフィラキシー様症状があり
かつ、確実に予知できない ため
投与開始から投与終了まで、十分な観察が必要 と
されています。


よって、選択肢 4 は適切ではありません。



以上より、正解は 1,3 です。




問339 
薬局製造販売医薬品(薬局製剤)の
製造・販売に関する記述のうち
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 薬局における設備・器具で製造し
その薬局において直接消費者に
販売又は授与する医薬品である。

2 薬局製剤は
厚生労働大臣の承認・許可を受けた薬局でしか
製造・販売できない。

3 薬局製剤は
漢方薬を主体とした漢方製剤は含まれない。

4 薬局製剤は
薬局独自の品目を、独自の製法によって
製造することが可能である。

5 薬局製剤の製造販売にあたっては
添付文書を作成する。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。



選択肢 2 ですが
「厚生労働大臣の『承認』」を受けるのは
「品目ごと」であり
「薬局」に対してでは、ありません。

ちなみに
「厚生労働大臣の『許可』」として
「医薬品製造販売業の許可」 及び 
「医薬品製造業の許可」を
薬局が受けていないと
薬局製剤の製造、販売はできません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
安中散、黄連解毒湯、葛根湯 など
多数の漢方製剤が
薬局製剤には含まれます。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
薬局製剤とは何か という範囲は
「薬局製剤指針」に定められています。

薬局独自の品目を
独自の製法で製造できる
わけではありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。



以上より、正解は 1,5 です。



ちなみに
薬局製剤の利点としては

・原価が安く、利益率が高い
・記載事項などを遵守した上で
包装・価格など、自由に工夫することができ
薬局の独自性を打ち出す一つの方策となる

といった点があげられます。


欠点としては、事務処理が増えることや
副作用が生じた場合に責任が生じる点などが
あげられます。




問340 
卸業者から納品された
医薬品の外箱側面に下記の記載があった。
この医薬品の検収・保管に関する
記述のうち誤っているのはどれか。2つ選べ。



1 外箱に破損がないか
開封されていないか確認した。

2 納品伝票の内容が
外箱に書かれた記載と一致するか確認した。

3 第二種向精神薬の譲受簿に記録した。

4 盗難防止のため、麻薬金庫に保管した。

5 保管場所の温度は 25 ℃に設定した。


選択肢 1,2 は、正しい選択肢です。



選択肢 3 ですが
ジアゼパムは、第三種向精神薬です。
第二種では、ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
麻薬と向精神薬は、一緒に保管してはいけません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。

ちなみに
「室温」は、日本薬局方によれば
1 ~ 30 ℃ です。



以上より、正解は 3,4 です。




問341 
近隣の高齢者とその家族から
熱中症について薬局に質問があった。
薬剤師の説明として
適切でないのはどれか。1 つ選べ。

1 室内でも温度や湿度が高いと
発症することがあります。

2 初期症状としては
めまいや立ちくらみが現れることがあります。

3 意識障害が出ている場合
その場所で意識が戻るまで安静にさせて下さい。

4 のどが渇かなくても
こまめに水分摂取と適度の塩分補給が
必要です。

5 高齢者は、汗をかきにくく
発症しやすくなるので注意が必要です。



選択肢 1,2,4,5 は、正しい選択肢です。
・室内でも発症がある
・初期症状
・のどが渇かないうちからの水分・塩分補給の重要性
・高齢者の特性

といった点について
機会があるごとに注意をうながすことが
熱中症予防につながっていく と考えられます。


ちなみにですが
実際に、ドラッグストアで働いていると
夏場にお客様が経口補水 
(OS-1 や、メーカーのPB品) を見て

「どれがいいのかしら。熱中症が心配でね。」
という感じで声をかけられることは、本当によくあります。

その際、本問の内容を、さり気なくお伝えすることに
常に留意することは、有用であると考えられます。



選択肢 3 ですが
意識障害が出ていたら、直ちに救急車を呼びます。
その場所で安静にする、ではありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。


ちなみに
救急を呼ぶ時は住所が必要ですが
屋外では、電信柱や自動販売機を
探すと、スムーズにその場の住所がわかります。



以上より、正解は 3 です。




問342 
夏のある日曜日の午前中
薬局に男性から電話があった。
その内容は、「早朝からひどい水様便で
何度もトイレに行く状態だ。熱はない。
昨夜寝る前に冷たいビールを飲んだ。
これからそちらに行く。」とのことであった。

この男性に薦める一般用医薬品の成分として
適切なのはどれか。2つ選べ。

1 タンニン酸アルブミン
2 ピレンゼピン塩酸塩水和物
3 スクラルファート水和物
4 ロペラミド塩酸塩
5 大黄



選択肢 1 は、正しい選択肢です。
タンニン酸アルブミンは、下痢止めです。
男性の「ひどい水溶便」という内容と合致します。



選択肢 2 ですが
ピレンゼピンは、M1 ブロッカーです。
胃腸薬の成分です。
男性の発言に、胃腸薬を勧める根拠は
ないと考えられます。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
スクラルファートは、胃粘膜保護薬です。
選択肢 2 と同様、男性の発言から
この薬を勧める根拠はないと考えられます。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。
ロペラミドは、下痢止めです。
男性の「ひどい水溶便」という内容と合致します。



選択肢 5 ですが
大黄は、便秘に用いる生薬です。
下痢の男性に勧める根拠はないと考えられます。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,4 です。




問343 
次の5名の健康診断の情報から
メタボリックシンドローム
(内臓脂肪症候群)として

特定健康診査・特定健康指導を受けるように
強く指導すべき対象者の番号はどれか。
1 つ選べ。
ただし、対象者はすべて喫煙歴はないものとする。


メタボリックシンドロームとは
まず
男性は腹囲 85 cm、女性は腹囲 90 cm 以上であり

かつ
1:血圧 130 以上
2:血糖 110 以上
3:トリグリセリド 150 以上 または HDL コレステロール 40 未満

の3条件のうち、2つ以上を満たす ということです。



また、特定健康検査・特定健康指導とは
40歳以上、75歳未満が対象です。



選択肢 1,3 は、腹囲から除外されます。
選択肢 1,5 は、年齢から除外されます。
残りは、2か4です。


選択肢 2 ですが
中性脂肪は 150 に満たず
血圧も 140 より低いため、3条件のうち2つ以上を
満たしません。


よって、選択肢 2 は違います。



以上より、正解は 4 です。




問344 
65歳男性。身長178cm、体重75kg。
食道がんの術前・術後の栄養管理に
養サポートチーム(NST)が
関与することになった。

ただし
本患者の食道に通過障害はあるものの
水分摂取は可能で
食道以外に障害はなかった。
術後においても、水分摂取は可能であった。

この患者に対する栄養療法に関する記述のうち
切なのはどれか。
2 つ選べ。

1 術前の栄養管理は
経腸栄養療法は実施できない。

2 術後の栄養管理には
経腸栄養療法が適している。

3 末梢静脈栄養療法では
1日あたりに必要となる糖質量を
投与することができない。

4 経腸栄養剤としては
半消化態栄養剤よりも
成分栄養剤の方が適している。

5 経腸栄養療法よりも
中心静脈栄養療法の方が
感染性リスクは少ない。



選択肢 1 ですが
まず、栄養不良があると
手術後の合併症発生率や死亡率の上昇が
知られています。
そのため、術前の栄養管理が重要です。

そして、食道がんなどでは
通過障害のため
十分な経口摂取ができない場合が多いです。

そのため、経腸栄養療法も
術前の栄養管理において考量します。
つまり、術前の栄養管理で
経腸栄養療法が実施できない、ということはありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。

補足しますと
術後は、経口摂取は期待できません。
しかし、腸管は使用できます。

また「When gut works, use it」といわれるように
可能な限り腸管を使用することが
栄養管理では、推奨されます。

従って、術後の栄養管理には
経腸栄養療法が適していると考えられます。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。

補足しますと
末梢の静脈からでは
十分な栄養補給はできません。

不足分を補充する手法である
と考えればよいです。


選択肢 4 ですが
半消化態栄養剤とは
タンパク質や多糖類の形で
栄養素が含まれている栄養剤です。
体内での消化が必要な栄養剤です。
(例) エンシュア、アミノレバン)

成分栄養剤とは
アミノ酸などの形で
栄養素が含まれている栄養剤です。
ほとんど消化を必要としない栄養剤です。
(例) エレンタール)

これらは
消化管の残存能力などにより
使い分けます。
より食事に近い半消化態栄養剤が
適していることも十分考えられるため
成分栄養剤の方が適している
とはいいきれないと考えられます。


よって、選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 ですが
中心静脈栄養両方の方が
ダイレクトに血中に栄養を送り込むのですから
感染リスクはより高いです。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2,3 です。




問345 
ある日、以下の処方せんを持った
5歳男児の両親が保険薬局を訪れた。

この薬局には
ドライシロップの在庫が全くなく
医師に疑義照会して
オセルタミビルリン酸塩カプセル75mg を
脱カプセルして調剤することになった。

(処方)
オセルタミビルリン酸塩ドライシロップ3% 
1回1.3g (1日2.6g)
1日2回  朝夕食後  5日分

この処方を全量調剤するのに
必要なオセルタミビルリン酸塩カプセルの
最少数はいくつか。
1 つ選べ。


1 4カプセル
2 5カプセル
3 6カプセル
4 7カプセル
5 8カプセル



ドライシロップ 3% が
1日分だと 2.6 g 必要で、処方が 5 日分 なので
必要なドライシロップの全量は
2.6 ✕ 5 = 13.0 g 。


ドライシロップ 3%だから
13.0 g の粉(ドライシロップ)の中に入っている
オセルタミビルリン酸塩は
13.0 ✕ 0.03 = 0.39 (g) = 390 mg

カプセルは、1つで 75 mg なので
いくつカプセルが必要か、割り算を考えると
390 ÷ 75 = 5.2 

つまり
5 カプセルだと足りず
最低 6 カプセル必要であるといえます。


以上より、正解は 3 です。