問100-336 解説




問336 
市立病院に勤務する新人薬剤師が
はじめて病棟で患者を担当することになった。

59歳男性。
前立腺がんが原発であったが
骨に転移し激しい痛みを伴っており
がんに対する化学療法と
痛みに対する緩和ケアが必要とされる。

そこで、この薬剤師は
患者への介入を考えるため、患者のカルテを閲覧した。
薬剤師の行動として通常許容されるのはどれか。 1 つ選べ。

1 患者氏名をイニシャル化し
私的所有のUSB メモリに患者情報を記録し
宅に持ち帰った。

2 患者の氏名と使用医薬品名をノートに記録し
製薬企業の学術担当者に見せて相談した。

3 他院の友人に依頼して
類似症例のカルテのコピーを入手し、参考にした。

4 大学の図書館で調べものをするので
患者個人情報を持ち出した。

5 薬剤部内の症例検討会で発表するために
カルテに基づく資料を匿名化したうえで作成した。


患者のプライバシー保護
という観点に注意して、各選択肢を検討します。



選択肢 1 ですが
自宅に泥棒が入って USB を失ったとします。
患者氏名のイニシャル化では、患者特定のおそれが
残っていると考えられます。

(患者プライバシー保護の観点から
論文などにはイニシャルを記載しないようになっています。
つまり、イニシャル化は、プライバシー保護の観点から
不充分と考えられます。)

従って、行うべきではない行動です。



選択肢 2 ですが
患者情報が、他人に特定される形で伝わっており
プライバシー保護の観点から、不適切な行動です。



選択肢 3 ですが
カルテのコピーには、個人情報が記載されており
これを入手することは、患者のプライバシーを損ねると
考えられます。

従って、不適切な行動です。



選択肢 4 ですが
カルテをコピーして、大学の図書館に持って行って調べ物をする
といった行動だと考えられます。

これは、図書館において
無関係の人に資料を見られるかもしれないことや
紛失する可能性を考えると
不適切であると考えられます。

(必要な部分のみを、個人情報が特定されないように
印刷などして、調べ物をすべきであると思われます。)



選択肢 5 は、正しい記述です。
症例検討では、関係者のみが当事者です。
また、匿名化されていれば、個人の特定はできません。




以上より、正解は 5 です。