100-121~100-140 解説一覧


121 
エネルギー代謝に関する記述のうち
正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 非タンパク質呼吸商の値から
脂質と糖質の燃焼割合が推定できる。

2 基礎代謝量は
安静時エネルギー消費量とも呼ばれる。

3 糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼価を
四捨五入して得られた整数値は
Atwater 係数と呼ばれる。

4 基礎代謝基準値は
年齢や性別にかかわらず一定である。

5 成人の推定エネルギー必要量は
基礎代謝量に身体活動レベルを乗じて
算出される。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。

(例えば
非タンパク質呼吸商が 1 であれば
完全に糖質です。
また
非タンパク質呼吸商が 0.7 であれば
完全に脂質です。)



選択肢 2 ですが
基礎代謝量は、生命活動維持のため必要な
最小限のエネルギー消費量です。

一方、安静時エネルギー消費量は
安静な状態におけるエネルギー消費量です。

安静時エネルギー消費量は
基礎代謝量の約 120 % であるといわれています。

基礎代謝量と安静時エネルギー消費量は
同じものでは、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼価について
吸収されない分や、排出される分を補正した上で
整数値にしたものが
Atwater 係数 です。

物理的燃焼価を、四捨五入して得られた整数値
では、ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
基礎代謝基準値は、年齢、性別によって
異なります。

よって、選択肢 4 は誤りです。


ちなみに、基礎代謝基準値は
男女とも1~2歳で最大値を示します。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。



以上より、正解は 1,5 です。




参考)
(基礎代謝量、呼吸商、エネルギー所要量)



問122 
ある食品に含まれる
食品添加物を分析したところ

我が国では
使用が禁止されている着色料が検出された。
検出された禁止着色料はどれか。
1つ選べ。




各選択肢の構造 に対応する
化合物の名称を、以下に列挙します。

1:トリス(4 - アミノフェニル)メタノール
2:ニューコクシン(赤色 102 号)
3:ローズベンガル(赤色 105 号)
4:インジゴカルミン(青色 2 号)
5:ファストグリーン(緑色 3 号)


この中で、使用が禁止されている
(=食品添加物として指定されていない)
化合物は、1です。


よって、正解は 1 です。




123 
平成 20 年に
数種の有害化学物質で汚染された事故米を
食用の米と偽って転売する事件が起こった。

この事例に見られるように
米は化学物質による汚染が
較的多い食品である。

米を汚染する可能性が高い
有害化学物質はどれか。
2つ選べ。


1 ベンゾ[α]ピレン
2 アフラトキシン B1
3 パツリン
4 パラジクロロベンゼン
5 メタミドホス



選択肢 1 ですが
ベンゾ[α]ピレンは、不完全燃焼の過程で生じる
発がん性物質です。

米を汚染する可能性が高いとは
いえません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。

アフラトキシンは、カビ毒の一種です。
ナッツ類に生じるカビによる毒として
有名です。

問題文にあった事故米を汚染していた
化学物質の一つです。



選択肢 3 ですが
パツリンは、カビ毒の一種です。
りんご製品でリスクの高いカビ毒として
知られています。

米を汚染する可能性が高いとは
いえません。


よって、選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが
パラジクロロベンゼンは
防虫剤や消臭剤に用いられる
化学物質です。

米を汚染する可能性が高いとは
いえません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。

問題文にあった事故米を汚染していた
化学物質の一つです。



以上より、正解は 2,5 です。




124 
図の A 及び B は
我が国における出生や死亡に関わる
人口動態指標の1950年以降の年次推移である。

この図に関する記述のうち
誤っているのはどれか。
1つ選べ。


1 A の値が低下傾向を示す一因に
晩婚化に伴う出産開始年齢の高齢化があげられる。

2 A の値は
総人口と出生数のみから求めることができる。

3 A の値が
1971年から1974年にかけて高い値を示すのは
第1次ベビーブーム世代の女性が
出産適齢期にさしかかったことによる。

4 B の値が
1983年頃から緩やかな上昇傾向を示しているのは
人口の高齢化の影響によるものである。

5 B の値は
人口の年齢構成の影響を受けるが
A の値は影響を受けない。



A が 1965 年付近に急落している点と
A と B が近年が逆転している点に注目します。

さらに
縦軸が 人口 千対 となっていることから

A が出生率
B が死亡率 と考えられます。
(急落は、ひのえうま の影響と考えられます。)

これをふまえて、各選択肢を
以下、検討します。


選択肢 1 ~ 4 は、その通りの記述です。



選択肢 5 ですが
B の値、すなわち死亡率は
人口の年齢構成の影響を受けます。
(例) 高齢化が進めば、上昇する)

A の値も同様に
人口の年齢構成の影響を受けます。
(高齢化が進めば、減少する)


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 5 です。


参考)
(厚生労働省の資料 PDF ファイルへ。
一度リンク先のファイルの表に目を通しておくと
イメージがわきやすいと思います。)




問125 
図は
我が国の平均寿命の
年次推移を示したものである。

1947年から1960年にかけての
平均寿命の著しい延伸の主な原因はどれか。
2つ選べ。


1 0-4 歳の
感染性疾患による死亡率の低下

2 10 歳代の
不慮の事故による死亡率の低下

3 20 歳代の
結核による死亡率の低下

4 40 歳代の
脳血管疾患による死亡率の低下

5 50 歳代の
胃がんによる死亡率の低下



1947 ~ 1960 年は、戦後間もない時代です。

この時代の平均寿命の延伸の理由は
医療の進歩や衛生状態改善に伴う
乳幼児の死亡率の減少 及び 
感染症などの急性期疾患の減少です。


従って、本問の選択肢で該当するのは
1 と 3 です。


正解は 1,3 です。




126 
ある疾患を有する患者と
健常人から得られたゲノムDNAを使用し
疾患原因の候補遺伝子の
一塩基多型(SNP)と疾患との関連について
検討したところ記の結果を得た。

この疾患の発症に関して
遺伝子型TTの
その他の遺伝子型に対するオッズ比に
最も近い値はどれか。
1つ選べ。

1 0.5
2 1.3 
3 6.8 
4 9.1 
5 12


表より
TT あり→ 20,2    
TT なし→218,198

※疾患がある人、ない人 という順番で数字を並べます。

オッズ比の求め方は
左上を a ,右上を b ,左下を c ,右下を d とした時
ad/bc です。


従って
20×198/2 × 218 ≒ 9.1 


以上より、正解は 4 です。



(症例対照研究、オッズ比)




127 
肝炎ウイルス感染症に関する記述のうち
正しいのはどれか。
2 つ選べ。

1 肝細胞がんによる死亡者の多くは
C 型肝炎ウイルスの
持続感染者(キャリア)である。

2 B 型肝炎及ぴ C 型肝炎は
輸血によりまん延したことがある。

3 A 型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリア)は
B 型肝炎や C 型肝炎に比べて多い。

4 B 型肝炎ウイルスは
失活しやすく感染力が弱いため
医療施設内で感染することはない。

5 E 型肝炎ウイルスは
主に輸血により感染する。



選択肢 1,2 は、正しい選択肢です。



選択肢 3 ですが
A 型肝炎ウイルスのキャリア化は
ほとんどおきません。

ちなみに、B型肝炎のキャリアは100 万人強
C 型肝炎のキャリアは 約 200 万人 程度と
推定されています。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
B 型肝炎ウイルスは、針刺し事故等により
感染することがあります。
医療施設内で感染することがないとはいえません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
E 型肝炎ウイルスは、ウイルスに汚染された
飲料水及び食物を介して感染します。
主に輸血では、ありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,2 です。




128 
「感染症の予防及び
感染症の患者に対する医療に関する法律
(感染症法)」に関する記述のうち

正しいのはどれか。
2つ選べ。


1 1 類感染症の対象疾患は
すべてウイルスが病因の疾患である。

2 3 類感染症の対象疾患は
すべて細菌が病因の疾患である。

3 1~ 4 類感染症は
すべて全数把握対象疾患である。

4 1~ 4 類感染症の患者は
すべて特定業種への就業が制限される。

5 4 類及び 5 類感染症の対象疾患は
いずれも人から人へ直接感染することはない。



選択肢 1 ですが
一類感染症において、ペストのみ細菌が原因です。
従って、すべてウイルスが原因では、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。




選択肢 2,3 は、正しい選択肢です。



選択肢 4 ですが
就業制限を受けるのは、一類~三類感染症です。
一~四全てでは、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
一例としては、五類感染症にインフルエンザがあり
人と人の間で直接感染します。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2,3 です。



(一~五類感染症)




問129 
予防接種法に基づく
定期予防接種に関する記述のうち
正しいのはどれか。
2つ選べ。


1 学校内での集団感染を防ぐため
インフルエンザワクチンは 6 歳で接種する。

2 ワクチン接種により起こる
痛み、腫れ、発赤等の軽度な副反応は
完全には防ぐことができない。

3 麻しん及ぴ風しんは
中学校就学以降に感染しやすいため
そのワクチンは11 ~12歳で接種する。

乳児や小児の間で流行する
感染症の定期予防接種は
母子免疫が消失する前の
生後早い時期に設定されている。

5 BCG ワクチンは
予防効果を高めるため 1 歳と 5 歳で接種する。



選択肢 1 ですが
インフルエンザは、予防接種法の対象疾病において
二類疾病に分類される、唯一の疾病です。

そして、二類疾病の予防接種目的は
個人の発病又は重篤化の防止です。
集団感染を防ぐためではありません。

ちなみにですが
インフルエンザワクチンの予防接種を行うのは
60歳以上の方です。

(60~64歳は、条件に該当する方が対象。
65歳以上はみんな対象。)



よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。



選択肢 3 ですが
麻しん、風疹は混合ワクチン
(MR)
1歳から2歳までに1回と
小学校に入る前に1回うけます。
11 ~12歳で接種するわけでは、ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。



選択肢 5 ですが
BCG ワクチンは、生後 1 歳までの接種です。

ちなみに、選択肢の記述は
麻しん・風しん混合ワクチン(MR)についてであると
考えられます。



よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2,4 です。




問130
生体内での次の反応のうち
シトクロム P450 による酵素反応が
関わらないのはどれか。1つ選べ。



P450 といえば、まず酸化であり
選択肢 2,5 は、P450が関わるだろうと
考えられるのではないでしょうか。
これをふまえて、残りの選択肢について
以下、説明を加えます。



選択肢 1 ですが
これはP450にしては珍しい
還元反応です。(脱ハロゲン化。)
知らなかった場合は、ぜひ覚えておきましょう。



選択肢 3 ですが
これは、まずα位が酸化され
α水酸化体が不安定であるため
結果として、脱アルキル化される、という
P450 が関与する反応です。



選択肢 4 は
エステラーゼという酵素による、加水分解です。
従って、P450は関与しません。



以上より、正解は 4 です。




131 
Trp - P - 2 (下図)は
シトクロムP450で酸化された後
第Ⅱ相反応を経て活性化される。

この代謝的活性化に関わる
第Ⅱ相反応はどれか。
2つ選べ。



1 グルクロン酸抱合
2 硫酸抱合
3 グルタチオン抱合
4 グリシン抱合
5 アセチル抱合



Trp-P-2 は
ヘテロサイクリックアミンの一種です。

ヘテロサイクリックアミンは
芳香族アミンと同様に

まず、ヒドロキシルアミン(N-OH)となり
N-アセチル化、O-アセチル化 
および 硫酸抱合を受け

ニトレニウムカチオンとなり
DNA と結合することで発ガン性を示します。


従って、代謝活性化に関わる第Ⅱ相反応は
硫酸抱合と、アセチル化です。



以上より、正解は 2,5 です。




132 
化学物質とその毒性に関する記述のうち
正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 ハロタンは
アレルギー反応を引き起こし
肝毒性を発現する。

2 ホルムアルデヒドは
紫外線による活性化を受けて
皮膚毒性を発現する。

3 カルパリルは
活性酸素種の産生を介して
肺毒性を発現する。

4 ジクロルボスは
シトクロム c オキシダーゼに結合し
神経毒性を発現する。

5 アニリンとニトロベンゼンの血液毒性発現には
共通の代謝物の生成が関与する。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。



選択肢 2 ですが
ホルムアルデヒドといえば、シックハウス症候群です。
シックハウス症候群には、皮膚刺激も含まれることから
紫外線による活性化を受けなくても
皮膚に対する毒性があると考えられます。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
カルバリルは、カルバメート系殺虫剤の一種です。
コリンエステラーゼ阻害剤です。
毒性としては、変異原性や発ガン性の疑いがあります。

活性酸素種の産生を介して
肺毒性を発現する、という記述は
パラコートに関するものであると考えられます。



選択肢 4 ですが
ジクロルボスは、有機リン系の殺虫剤です。
コリンエステラーゼ阻害作用があります。
シトクロム c に結合して神経毒性を示すわけでは
ありません。

シトクロム c オキシダーゼに結合し
神経毒性を発現するという記述は
シアン化物に関するものであると考えられます。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。

ちなみに
共通の代謝物とは、メトヘモグロビンのことです。


以上より、正解は 1,5 です。




133 
ダイオキシン類に関する記述のうち
正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 ダイオキシン類は
コプラナ- PCBを除き
有機化合物の燃焼時や

2,4, 5-Tなどの
除草剤製造時の不純物として生成される
非意図的生成物である。

2 ダイオキシン類の内分泌かく乱作用は
ダイオキシン類が
アンドロゲン受容体
アンタゴニストとして結合することに基づく。

3 ダイオキシン類の毒性は
塩素の置換数が多いほど強い。

4 ある土壌試料について
ダイオキシン類を分析したところ
下表の結果を得た。
この土壌試料の毒性等量は
630pg - TEQ/ g である。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。
ちなみに、2,4,5-t とは
2,4,5 - トリクロロフェノキシ酢酸 の略称です。



選択肢 2 ですが
ダイオキシンは
芳香族炭化水素受容体(AhR)に対して
リガンドとして結合することが

内分泌かく乱作用のメカニズムの一つとして
知られています。

アンタゴニストとして
アンドロゲン受容体に結合する
というわけでは、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
ダイオキシン類の毒性は
2,3,7,8 - テトラクロロジベンゾジオキシン
(2,3,7.8 - TCDD)が
毒性が最も強く、基準(1 TEQ)とされます。

つまり、塩素の数が多いほど、毒性が強い
というわけではないということがわかります。
(塩素が4つしかついていない。)


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。

濃度と毒性等価係数を掛けた数字を
全てのダイオキシン類について足し合わせます。
すると

0.1 × 400 = 40
0.3 × 300 = 90
1 × 500 = 500 
であり、合わせると 630 です。



以上より、正解は 1,4 です。




134 
紫外線 UVA、UVB、UVCに関する記述のうち
正しいのはどれか。
2つ選べ

1 UVB は UVA より
皮膚透過性が高い。

2 UVB は UVA より
オゾン層の透過率が小さい。

3 UVB は
皮膚に色素沈着(サンタン)を引き起こすが
UVA はサンタンを引き起こさない。

4 UVB は皮膚の DNA に損傷を与える。

5 地上部での
光化学オキシダントの生成に寄与するのは
主に UVC である。



まず、基本知識として
UVA、UVB、UVCの順に
波長がだんだん小さくなります。
つまり、透過性がだんだん小さくなります。
これをふまえて、各選択肢を検討します。



選択肢 1 ですが
UVB の方が、波長が小さいため
透過性は小さくなります。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。



選択肢 3 ですが
UVB で、メラニンが生成され
UVA で、メラニンが酸化されて、褐色に変わります。

色素沈着(サンタン)とは
メラニンが酸化され、褐色になることですので
UVA により引き起こされます。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。



選択肢 5 ですが
UVC は、オゾン層によって散乱されて
通常大気まで届きません。

そのため、地上部の光化学オキシダントの
生成に寄与するのは主に UVC であるとは、いえません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2,4 です。




問135 
生態系を維持するための
施策及び、意義に関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ロンドン条約は
絶滅のおそれのある野生動植物種が
過度に国際取引に利用されることがないように
これらの種を保護することを目的としている。

2 カルタヘナ議定書は
遺伝子組換え技術により改変された生物による
生物の多様性の保全に及ぽす
悪影響を防止するための措置を規定している。

3  京都議定書(1997年)において
温室効果ガスの排出量の削減目標を設定したが
この値に森林吸収量や
他国での排出削減共同事業等による削減量は
考慮されなかった。

4  我が国では
特定外来種が在来種の生息・生育を脅かしたり
農林水産業に被害を及ぽすなど、様々な被害を及ぽす場合
国等が必要に応じて防除を実施することが
法令で定められている。

5  遺伝子組換え作物の環境に対する影響は
食品安全委員会が評価する。



選択肢 1 ですが
ロンドン条約は
海洋汚染防止が目的の国際条約です。

絶滅のおそれのある野生動植物に関する条約は
ワシントン条約です。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい記述です。
「カルタヘナ」と
「遺伝子組み換え、生物多様性」というキーワードを
しっかり対応させて覚えておくとよいです。



選択肢 3 ですが
京都議定書において
共同実施が認められています。

つまり、共同事業等による削減量は
認められます。

また、吸収源活動、すなわち
新たに植林をしたり
既存の森林を管理したりすることによる
CO2 吸収量増加分も
京都議定書において、考慮されます。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。
外来生物法と呼ばれます。
この法律において、特定外来生物が
指定されます。



選択肢 5 ですが
食品安全委員会が評価するのは
遺伝子組換え「食品」等です。

遺伝子組換え「作物」の
環境に対する影響の評価は

作物の開発者や輸入者等が
「生物多様性影響評価書」を提出し
農林水産大臣と環境大臣が

学識経験者から
意見を聴取した上で承認する、という手順で行われます。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2,4 です。




136 
以下は、水道水の水質基準項目の1つを
測定する試験法に関する記述である。

文中の( )に入れるべき試薬と字句の
正しい組令せはどれか。1つ選べ。

試験水に(ア)を含む反応液を加えて反応させ
対照と比べて、(イ)の有無を観察する。


  ア    イ
1 a  青色蛍光の増加
2 a  黄色発色の増強
3 a  赤色沈殿の生成
4 b  青色蛍光の増加
5 b  黄色発色の増強
6 b  赤色沈殿の生成



試薬 a は
「大腸菌」の検査で用いられる試薬です。
水質検査では「大腸菌」が「検出されない」ことが
必要です。

試薬 b は
「大腸菌群」の検査で用いられる試薬です。



大腸菌 及び 大腸菌群の検査についてですが
大腸菌 や 大腸菌群の持つ
特定酵素を利用して、検出します。

原理は
「配糖体が無色であるような
色が分かる物質や蛍光物質」を用意することで

大腸菌 や 大腸菌群が存在すると
菌の持つ酵素によって糖が分解されて
色の分かる物質や蛍光物質が生成され
呈色されるというものです。



以下では
各試薬について解説します。

試薬 a は、MUG (4-メチルウンベリフェリル- β - D - グルクロニド)
と呼ばれる試薬です。

「大腸菌」の存在下で
β - グルクロニダーゼによって分解され
4 - メチルウンベリフェロンが遊離し
培地に紫外線を当てると青色の蛍光を発します。


試薬 b は、ONPG(o - ニトロフェノール - β - D - ガラクトピラノシド)
と呼ばれる試薬です。

「大腸菌群」の存在下で
β - ガラクトシダーゼにより分解され
o - ニトロフェノール(黄色)が遊離します。



水道水の検査では、「大腸菌」の検査を行うため
用いる試薬は、 a です。
そして、青色蛍光の増加を観察します。


以上より、正解は 1 です。



問137 
下水処理で用いられる
活性汚泥法に関する記述のうち
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 下水処理工程の二次処理で用いられる。

2 第一(最初)沈殿池で得られた汚泥は
活性汚泥として利用される。

3 活性汚泥は静置した時
均一に分散しやすい特徴を有する。

4 汚水中の有機物の分解除去だけでなく
無機リンや窒素も除去される。

5 好気性微生物による酸化作用を利用している。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。

下水処理過程は
一次、二次、高度処理にわけられます。

一次処理が、物理的な処理であり
ろ過などのことです。

二次処理が、生物学的な処理であり
活性汚泥の利用などのことです。

高度処理では
それまでの処理で除去できなかった物質を
除去します。



選択肢 2 ですが
一次処理で得られる汚泥は
そのまま汚泥として処理されます。

活性汚泥として
利用されるわけでは、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
活性汚泥は、水より比重が大きく
静置すると、沈殿します。

この性質により、上澄みを処理水として
活性汚泥の塊(フロック)と分別することが
できます。

均一に分散しやすい特徴を有するわけでは
ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
活性汚泥法は、有機廃水処理の方法です。
下水処理過程で言うと、二次処理までを
行う方法です。

無機物やリンを除去するのは高度処理です。
活性汚泥法では、除去されません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。

好気性、つまり酸素を必要とする
微生物を利用しているため
空気を送り、酸素を供給する必要があります。

そのため、活性汚泥のある反応タンクは
曝気槽とも呼ばれます。



以上より、正解は 1,5 です。




138 
ある工場排水の
生物化学的酸素要求量(BOD)を測定するため
試料に希釈植種水を加えて10倍に薄めたところ

希釈15分後の溶存酸素は 9.0 mg/L であり
20 ℃で 5 日間培養した後には
溶存酸素は 5.0 mg/L となった。

希釈植種水は、BOD 20 mg/L の河川水を5%含み
植種水の希釈に用いた水の 
5 日間の溶存酸素消費量は 0.2 mg/L であった。

この排水のBOD (mg/L)に最も近い値はどれか。
1つ選べ。

1 20 
2 25 
3 30 
4 35 
5 40


BOD とは、20℃、5 日間で培養した時の
酸素要求量 のことです。

問題文より、用いられた水ごとに
BOD を整理すると、以下のようになります。

・工場の排水(BOD x mg/L)
・植種水(BOD 20mg/L)
・希釈に用いた水(BOD 0.2mg/L)

本問のイメージは、以下になります。


工場の排水は、10 倍に薄められているので
薄めた後の BOD は、 0.1 x mg/L となります。


次に、希釈植種水について考えます。

まず、希釈植種水を作成する際に
植種水は、20 倍に薄められているため
BOD は、1 mg/L となります。

植種水の希釈に用いた水は
20/19 倍に薄められているため
BOD は、0.18mg/L となります。


【20/19倍 について補足】
植種水 5% と問題文にあるので
希釈に用いた水が 95% です。
例えば 5g と 95g とすれば
合わせて 100g となります。

従って
濃度は100/95 = 20/19 倍に薄められます。
【補足 終わり】


合計すると、大体 1.2 mg/L です。
(選択肢から、少数第一位にこだわる必要がない
と判断して、四捨五入しています。)


さらに、希釈植種水と排水を混ぜることで
希釈植種水は、10/9 倍に薄められますから
1.08 mg/L ≒ 1.1 mg/L です。


以上より、希釈した排水の BOD は
0.1 x + 1.1 と表すことができます。


この排水の BOD は
溶存酸素が 9mg/L → 5mg/L となっているから
4mg/L です。


つまり
0.1 x + 1.1 = 4 です。
この式を満たす x に一番近いのは
x = 30 です。



よって、正解は 3 です。




問139
溶液導電率法を用いた
大気中の硫黄酸化物の測定に関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 二酸化硫黄 SO2 の
「大気汚染に係る環境基準」項目としての
測定法の 1 つとして定められている。

2 吸収液にはトリエタノールアミン溶液が用いられる。

3 試料大気中の SO2 が吸収液に吸収されると
亜硫酸イオン SO3- が生成するた
吸収液の導電率は増加する。

4 大気中の SO2 だけでなく
三酸化硫黄 SO3 も測定される。

5 アンモニアが共存すると干渉作用を起こすため
アンモニアの妨害除去の目的
アジ化ナトリウムを吸収液に添加する。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。



選択肢 2 ですが
溶液導電率法では、吸収液に H2O2 を用います。
これにより、空気中の SOx を、H2SO4 に酸化します。

その結果、溶液中に SO42- が増加し
導電率の変化として測定されます。
トリエタノールアミンでは、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。


ちなみに、やはりSOx の測定法として
トリエタノールアミン・パラロザリニン法
という方法があります。



選択肢 3 ですが
吸収液の導電率が増加するのは
SO42- の増加によります。
SO3- が生成するためでは、ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。




選択肢 4 は、正しい選択肢です。



選択肢 5 ですが
アンモニアは負の干渉を示します。
(実際の値より、低い値が出てしまいます。)
シュウ酸トラップで除去します。
アジ化ナトリウムでは、ありません。

ちなみに、アジ化ナトリウムは
ウィンクラー法と呼ばれる
溶存酸素の測定法において
亜硝酸塩などによる妨害を除去するために
用いられる試薬です。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,4 です。




問140 
騒音に関する記述のうち、
正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 人間が聴覚で感じる音の大きさは
同じ音圧レベルの音でも
周波数が変われば変化する。

2 現在、騒音レベルの単位には
デシベル(dB)が用いられている。

3 暗騒音とは
音として認識されない程度の
微小騒音の総和のことをいう。

4 騒音に係る環境基準は
騒音規制法により定められている。

5 新幹線鉄道騒音に加え
在来鉄道騒音に係る環境基準が定められている。


選択肢 1,2 は、正しい選択肢です。


選択肢 3 ですが
暗騒音とは
対象の騒音発生源以外の
全ての騒音のことです。

例えば、飛行機の騒音を測定する場合なら
飛行機が飛んでいない状態の騒音 ということです。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
騒音に係る環境基準は
環境基本法16条1項に基づき
「騒音に係る環境基準について」 という
告示により定められています。

騒音規制法により定められているわけでは
ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
新幹線鉄道騒音については
環境基準が定められています。

しかし
在来鉄道騒音に関しては
環境基準が定められていません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,2 です。