問 1 次に示す単位のうち、SI 基本単位でないのはどれか。1つ選べ。 1 m (メートル) 2 kg (キログラム) 3 J (ジュール) 4 K (ケルビン) 5 s (秒) SI基本単位は、以下の 7 つです。 m (メートル) 長さ kg (キログラム) 質量 s (秒) 時間 A (アンペア) 電流 K (ケルビン) 温度 cd (カンデラ) 光度 mol (モル) 物質量 選択肢 3 の J (ジュール)は 7つの基本単位に入っていません。 以上より、正解は 3 です。 問 2 正逆反応とも 一次反応で進行する反応を考える。 k1 = 0.01 min -1、k-1 = 0.02 min -1 のとき 反応物 A と生成物 B の割合は 時間とともにどのように変化するか。 1つ選べ。 ただし 反応開始時の反応物 A の割合を 1 とする。 一次反応で進行する ということから A → Bの反応速度は v = k1 [A] つまり v = 0.01 [A] と表すことができます。 同様に B → Aの反応速度は v' = k-1 [B] つまり v' = 0.02 [B] と表すことができます。 v = v' つまり 0.01 [A] = 0.02 [B] となる時、見かけ上反応が止まります。 0.01[A] = 0.02[B] は 両辺を 100倍すれば [A] = 2[B] です。 つまり 反応が止まった時に [A] : [B] が 2:1 になっているグラフを 選べばよいということになります。 以下、各選択肢を検討します。 選択肢 1 は [A]:[B] が4:1なので、誤りです。 選択肢 2 は、正しい選択肢です。 選択肢 3 は [A]:[B] が 1:1なので、誤りです。 選択肢 4,5 は 反応が止まった時に Bの方が濃度が高くなっており、明らかに誤りです。 以上より、正解は 2 です。 問3 次に示す放射性核種のうち 放出される γ 線が診断に用いられるのはどれか。 1 つ選べ。 1 3H 2 14C 3 32P 4 90Sr 5 201Tl 選択肢 1,2,3,4 ですが 3H、14C、32P、90Sr は β-壊変で、e- を放出します。 γ線ではありません。 よって、誤りです。 選択肢 5 は、正しい選択肢です。 201Tl は、γ 線 を放出します。 塩化タリウム の形で 甲状腺腫瘍や 心筋 の測定に用いられる核種です。 以上より、正解は 5 です。 問4 分析法バリデーションにおいて 分析法で得られる測定値の 偏りの程度を示すパラメータはどれか。 1 真度 2 精度 3 特異性 4 直線性 5 検出限界 バリデーションとは、妥当性確認 と訳されます。 意味は、期待される結果を与えることを 検証し、文書化すること です。 分析法バリデーションとは 日本薬局方によれば 医薬品の試験方法に用いる分析法に関して 分析法の誤差による判定の誤りの確率が 許容できる程度であることの科学的立証である といえます。 以下、各選択肢を検討します。 選択肢 1 は、正しい選択肢です。 選択肢 2 ですが 精度とは 「均質な検体から採取した複数の試料を 繰り返し分析して得られる一連の測定値が 互いに一致する程度」 のことです。 よって、選択肢 2 は誤りです。 選択肢 3 ですが 特異性とは 「試料中に共存すると考えられる物質の存在下で 分析対象物を正確に測定する能力」 のことです。 よって、選択肢 3 は誤りです。 選択肢 4 ですが 直線性とは 「分析対象物の量又は濃度に対して 直線関係にある測定値を与える 分析法の能力」 のことです。 よって、選択肢 4 は誤りです。 選択肢 5 ですが 検出限界とは 「試料に含まれる分析対象物の 検出可能な最低の量又は濃度」 のことです。 よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 1 です。 問5 0.10 mol/L 塩酸水溶液の pH として 最も近い値はどれか。1つ選べ。 ただし、塩酸は完全に解離するものとする。 1 -0.10 2 0.00 3 0.10 4 1.0 5 2.0 pH = -log10[H+] です。 0.10 mol/L の塩酸 HCl が完全に解離すると HCl → H+ + Cl- なので [H+]も 0.10 mol/L となります。 すると、代入して pH = -log10(0.10) = -log10(10-1) = -(-1) = 1 つまり、選択肢 4 が正解です。 以上より、正解は 4 です。 |