問41 弱酸性藥物の単純拡散による 消化管吸収に及ぼす 管腔内 pH の影響として正しい記述はどれか。 1つ選べ。 ただし、藥物は全て溶解しているものとする。 1 pH が低下すると分子形分率が低下し、吸収が増加する。 2 pH が低下すると分子形分率が低下し、吸収が減少する。 3 pH が低下すると分子形分率が上昇し、吸収が増加する。 4 pH が低下すると分子形分率が上昇し、吸収が減少する。 5 pH の変化によって、吸収は変化しない。 単純拡散である ということは 分子形がより通過する ということです。 (脂質二重膜 を単純に通過する時は 脂溶性の物質が通過しやすい。 また、イオン形は、水溶性 であるからです。) そして、弱酸性薬物である ということは HA という構造を持ち 電離度がそれほど高くはない ということです。 (CH3COOH のような薬物である と 考えるとよいです。) このような薬物は 周囲のpHが低くなる、つまり 周囲の H+ 濃度が高くなる と 自分は 「H+ + A-」 の形に解離しにくくなります。 (周りに H+がいっぱいあるのに わざわざ増やす必要がないから) いいかえると、pH が低くなるほど 薬物の分子形の割合が上昇します。 以上をふまえて、各選択肢を検討します。 選択肢 1,2 ですが pH 低下で分子形分率は、上昇します。 低下では、ありません。 よって、選択肢 1,2 は誤りです。 選択肢 3 は、正しい記述です。 選択肢 4 ですが 分子形分率上昇すると、膜通過しやすくなるため 吸収は増加します。 吸収が減少では、ありません。 よって、選択肢 4 は誤りです。 選択肢 5 ですが pH が変化すると、分子形分率が変化し 吸収も変化します。 よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 3 です。 問42 血液脳脊髄液関門の実体を形成している細胞はどれか。 1つ選べ。 1 神経細胞 2 毛細血管内皮細胞 3 脈絡叢上皮細胞 4 アストロサイト 5 周皮細胞 血液脳脊髄液関門の実体は 脈絡叢上皮細胞です。 よって、正解は 3 です。 以下は補足です。 そもそも 脳への薬物移行に関する重要な事項は 『血液脳関門』です。 すなわち 血中薬物のような異物が、脳にだだ漏れだと 脳の機能が維持できません。 そこで、そもそも漏れ出ることがないように 脳の毛細血管は、内皮細胞がぎゅっと詰まっていて 変なものがもれないような構造になっています。 これが、『血液脳関門(BBB)』です。 しかし 脈絡叢という、脳脊髄液が産生される部分では この毛細血管が、すかすかなのです。 すると、血中薬物→脳脊髄液→脳 という薬物の流れが 成立してしまい、BBBがあっても意味がないのではないか という話になってしまいます。 そこで、脈絡叢にも関門があります。 その関門が、何と何を遮っているかといえば 血液と、脳脊髄液なので 『血液脳脊髄液関門(BCSFB)』 と呼ばれます。 BCSFBの実体は、脈絡叢の外側 つまり、脈絡叢上皮細胞となります。 「血管の、内皮細胞 が BBB」 「脈絡叢の、上皮細胞が BCSFB」 という所を 間違いなく思い出せるようにするとよいと 思います。 問43 グルクロン酸抱合反応に関する記述のうち 誤っているのはどれか。 1つ選べ。 1 UDP - グルクロン酸転移酵素により触媒される。 2 シトクロムP450による酸化的代謝物にのみ起こる。 3 UDP-グルクロン酸が必要である。 4 薬物のフェノール性水酸基にも起こる。 5 主に細胞のミクロソーム画分に活性がある。 グルクロン酸抱合反応は 代謝の第 2 相反応 の1つです。 小胞体(ミクロソーム)において行われ 補酵素として、UDP-α-グルクロン酸が必要です。 反応を触媒するのは グルクロン酸転移酵素(UGT) です。 -OH、-SH、-NH2、-COOH などの官能基に、グルクロン酸が転移されます。 (参考 グルクロン酸の構造 グルコースと類似している点 と カルボキシル基(COOH)がある点を 意識しておくとよい と思います。) 以上をふまえて、以下、各選択肢を検討します。 選択肢 1 は、正しい記述です。 選択肢 2 ですが シトクロムP450による酸化的代謝物 とは 第 1 相反応を受けた物質 ということです。 第 1 相、第 2 相 というのは 反応の分類です。 分子量が大きく増加するかどうか で 分類されます。(第 2 相が、大きく増加。) 第 1 相反応を受けた物質でなければ 第 2 相を受けない ということは、ありません。 よって、選択肢 2 は誤りです。 選択肢 3 ~ 5 は、正しい記述です。 以上より、正解は 2 です。 問44 腎尿細管上皮細胞刷子縁膜に存在し 藥物の尿細管分泌に関与する 一次性能動輸送体はどれか。 1つ選べ。 1 H+/ペプチド共輸送体 2 Na+,K+ - ATPase 3 H+/有機カチオン逆輸送体 4 Na+/グルコース共輸送体 5 P-糖タンパク質 一次性能動輸送体とは ATP を用いて 直接、濃度勾配に逆らい物質輸送を行う 輸送体のことです。 本問の選択肢の中では 2と5になります。 (ちなみに、選択肢1,3,4の輸送体は 二次性能動輸送体です。) 薬物の尿細管分泌に関与する という記述から P-糖タンパク質が正解と考えられます。 P-糖タンパク質は、様々な場所に発現し 薬物を始めとした物質の細胞外排出を 主に担います。 (ちなみに、選択肢 2 の Na+,K+ - ATPase の役割は 細胞内外のNa+、K+ 濃度差 を保つことです。) 以上より、正解は 5 です。 補足 ちなみに、実際に国家試験を解く時に 全ての輸送体について 一次、二次が分類できる必要はないと思われます。 「ATPase」 とあれば、一次 と考える。 「P糖タンパク質が 一次性能動輸送体であることは 重要事項として覚えておく」 「P糖タンパク質の役割については 重要事項として理解しておく」 といった点が、回答には必要かつ十分 ではないかと考えられます。 その上で、余裕があれば 各選択肢の輸送体について 代表的な基質などを確認することで 理解を深めるとよいと思います。 問45 プロベネシドの併用によって メトトレキサートの血中からの消失が 遅延する主要な原因はどれか。 1つ選べ。 1 肝代謝の阻害 2 肝取り込みの阻害 3 血漿タンパク結合の阻害 4 脳移行の阻害 5 腎排泄の阻害 プロベネシドが関与する 代表的な薬物相互作用は 排泄における相互作用です。 尿細管に薬を排出する分泌作用を 抑制するのが、プロベネシドの作用となります。 そして、メトトレキサートは 腎排泄型の薬です。 従って、メトトレキサートの腎排泄が プロベネシドによって抑制されることにより メトトレキサートの血中からの消失が 遅延することになります。 以上より 主要な原因は腎排泄の阻害です。 正解は 5 です。 問46 藥物の経口投与時における バイオアベイラビリティを増加させるのはどれか。 1つ選べ。 1 消化管内での溶解性の低下 2 小腸上皮細胞における膜透過性の低下 3 小腸上皮細胞における薬物代謝酵素の誘導 4 肝臓における薬物代謝酵素の阻害 5 肝臓における胆汁中排泄の促進 選択肢 1 ですが 消化管内での溶解性が低下すると 溶けていない薬物はそのまま吸収されず 体外へ排泄されると考えられます。 すると、体内で利用される割合は下がるため バイオアベイラビリティは、低下します。 よって、選択肢 1 は誤りです。 選択肢 2 ですが 膜透過性が低下すると 薬物が上皮細胞から吸収されず そのまま体外へ排出されると考えられます。 すると、体内で利用される割合は下がるため バイオアベイラビリティは、低下します。 よって、選択肢 2 は誤りです。 選択肢 3 ですが 小腸上皮細胞において 薬物代謝酵素が誘導されると 薬物は代謝をより受けることになります。 小腸上皮細胞における薬物代謝により 血中への薬物移行は、抑制されると考えられます。 つまり、薬物代謝酵素が誘導されれば より薬物が代謝され、血中への薬物移行が減少します。 すると、体内で利用される割合は下がるため バイオアベイラビリティは、低下します。 (ページ末尾に、補足あり。) よって、選択肢 3 は誤りです。 選択肢 4 は、正しい記述です。 肝臓において代謝を受けなくなることで 薬物がそのまま利用されます。 つまり、バイオアベイラビリティが 増加すると考えられます。 選択肢 5 ですが 薬物を胆汁中へ排泄するというのは 薬物を体外へ排出する一つの経路です。 胆汁中排泄が促進すれば それだけ薬物が体外へ排出されるということなので バイオアベイラビリティは、低下します。 よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 4 です。 問47 体内動態が 線形 1 - コンパートメントモデルに 伴う藥物において 全身クリアランスと分布容積が ともに 2 倍に上昇すると 消失半減期はどうなるか。 1つ選べ。 1 4 倍になる。 2 2 倍になる。 3 変化しない。 4 1/2 倍になる。 5 1/4 倍になる。 『 CL = ke × Vd ・CL・・・全身クリアランス ・ke ・・・排出速度定数 ・Vd ・・・分布容積 』 という関係より CL、Vd が共に 2 倍になると ke が変化しない、ということがわかります。 そして 半減期を T1/2 と表して 『T1/2 = ln2/ke』 と表されるのですが ke が変化していないのであれば T1/2 も変化しません。 以上より、正解は 3 です。 cf ちなみに、ln2 は 国家試験においては 0.7 と近似して、全く問題ありません。 計算問題などは、ぜひ 0.7 で計算することを おすすめします。 問48 藥物の経口投与量と 血中濃度時間曲線下面積(AUC) の関係が下図のようになる理由として 最も適切なのはどれか。 1つ選べ。 1 消化管吸収の飽和 2 消化管代謝の飽和 3 肝代謝の飽和 4 胆汁排泄の飽和 5 腎排泄の飽和 経口投与量を増やしていくというのは イメージとしては、薬の錠剤を 今日は1錠→明日は2錠→明後日は3錠・・・ と増やしていくということです。 すると、ある程度以上錠数を増やすと 薬が消化管で溶けきれなくなることが 想像できます。 消化管で溶けきれないと そのまま排泄されてしまうのですから 経口投与量を増やしても、ある程度以上 体内における薬物濃度は上昇しない ということになります。 そして、AUC というのは 横軸に時間、縦軸に血中濃度をとった時の面積 ですので 血中濃度が上がらなくなると、AUC も上がらなくなります。 以下がイメージです。 (数字は適当です。) 以上より AUC が図のように、つまり頭打ちになる理由は 消化管で薬が溶けきれなくなることです。 これは、いいかえると、消化管吸収の飽和です。 従って、正解は 1 です。 問49 一般に、薬物粉末の粒子径が小さいほど 薬物の溶解速度が大きくなる理由として 最も適切なのはどれか。 1つ選べ。 1 飽和溶解度の増大 2 比表面積の増大 3 粒子表面の拡散層の減少 4 薬物分子の拡散係数の増大 5 飽和層と内部溶液の薬物濃度差の減少 本問の解き方を、2つ紹介します。 1つめは、薬剤学で、溶解速度 と来たので ネルンスト-ノイエス-ホイットニーの式(下図参照)を 使う方法です。 左辺が溶解速度です。 右辺において D は、拡散係数 S は、固体の(比)表面積 V は、溶液の体積 δ は、拡散層の厚さです。 V や δ は溶液側の話なので 今回は無視します。 拡散係数 D は更に で表されます。 R、πは定数です。 ηは溶液の粘度なので、無視します。 Tは温度です。問題に記述がないので、無視します。 以上より、本問においてDに影響を与えるのは r 及び N です。 r は粒子の半径です。 N は粒子数です。 粒子径が小さくなると r が小さくなり、分母が小さくなるから 全体は大きくなります。 ですが、r が小さくなれば 粒子の数 N がその分増えているはずなので D はそれほど変化がないか むしろ大きくなっていると考えられます。 一方で、同じ重さの固体を考えると 粒子径を小さくして、小さなつぶをいっぱいにすれば (比)表面積 S は大きくなります。 以上より、溶解速度が大きくなる理由としては Sの増加、つまり比表面積の増加 が適切です。 以上より、正解は 2 です。 2つめの解き方としては 式で深く考えず 例えばコーヒー豆を挽いて粗くすると 水→コーヒーがあっという間なのはなぜか? 豆を挽いて表面積が多くなって 水といっぱい接触するから という感じで荒っぽく考えて 表面積の増加だから 正解は 2 と考えるという方法です。 どちらの考え方もできるようにしておくと 様々な問題に対応できるのではないかと思います。 問50 20 ℃の条件下で、表面張力が最も大きいのはどれか。 1つ選べ。 1 エタノール 2 クロロホルム 3 グリセリン 4 水 5 ベンゼン 身近なもので、表面張力が大きいものの 代表例が水なので、正解は 4 であろうと 考えればよいと思います。 もう少し、確信を得るために 「表面張力」 というキーワードから 『分子間力が強いほど、表面張力が強い』 という知識を思い出し 各選択肢を検討すると、自信を持って 正解を選ぶことができるかもしれません。 選択肢の分子構造を考えると O が 2 つあって しかも双極子モーメントに着目した時に 非対称な形である 水 が一番極性が高そう →分子間力が高そう →表面張力が最も高そう と考えられます。 最後に補足ですが 身近なもので 水よりも表面張力が(桁外れに)高いものとして 水銀があります。 関連づけて覚えておくとよいです。 問51 粉体の流動性を表す指標として 最も適切なのはどれか。 1つ選べ。 1 真密度 2 安息角 3 比表面積 4 形状係数 5 接触角 選択肢 1 ですが 真密度とは、密度を求める際の体積として 『まさにその固体自身が占める体積のみ』を 用いて計算する密度です。 粉体を、容器に入れると 隙間ができるのですが この隙間を体積として認めない ということです。 流動性を表す指標としては 適切では、ありません。 選択肢 2 は、正しい記述です。 ちなみに安息角とは 粉体を静かに落下させた時に 円すい形に堆積した時の 円すいの母線と、水平面のなす角です。 流動性、つまりさらさらしている度合いで こんもり積もるか、ぺしゃっと積もるかが変わるので 安息角もそれに伴い変化します。 選択肢 3 ですが 比表面積とは 単位質量あたりの表面積、又は 単位体積あたりの表面積です。 流動性を表す指標としては 適切では、ありません。 選択肢 4 ですが 形状係数とは、粒子の形を円や球などと比べた時 どれくらい複雑かを表す指標のことです。 流動性を表す指標としては 適切では、ありません。 選択肢 5 ですが 接触角とは、下図のθのことです。 地面のように表されているのが、粉末のイメージです。 ぺしゃっと乗っているのは、液体のイメージです。 粉末の上に、液体を垂らした時に 液体がどのくらい広がるか(ぬれ具合)を表す指標です。 流動性を表す指標としては 適切では、ありません。 以上より、正解は 2 です。 問52 ニュートン流体のせん断速度を縦軸に せん断応力を横軸になるよう 図を作成した。 得られた図に関する記述のうち 正しいのはどれか。1つ選べ。 1 粘度が大きいほど、直線の傾きは大きくなる。 2 縦軸との切片は降伏値を表す。 3 曲線はチキソトロピーを表す。 4 原点を通り、下に凸の曲線となる。 5 原点を通る直線となる。 選択肢 1 ですが せん断応力(S) は、ニュートン流体であれば 粘度に比例します。 つまり、同じせん断速度に対して(例えば、y = 10) 粘度が大きくなれば、せん断応力は大きくなります。 (例えば、 x = 10 → x = 20 へと変化) そうすると、直線の傾きは小さくなります。 よって、選択肢 1 は誤りです。 選択肢 2 ですが 降伏値、つまり 「力を加えていって初めて動き出す時の力の大きさ」 が存在するのは、非ニュートン流体の一種である 塑性流体においてです。 よって、選択肢 2 は誤りです。 選択肢 3 ですが チキソトロピーとは、かき混ぜたりすることで 粘度が下がり、しかも時間経過に伴い粘度が 元に戻る という現象のことです。 ニュートン流体において 図は原点を通る直線となり チキソトロピーを表す曲線ではありません。 よって、選択肢 3 は誤りです。 選択肢 4 ですが ニュートン流体において 図は原点を通る直線となります。 下に凸の曲線では、ありません。 よって、選択肢 4 は誤りです。 選択肢 5 は、正しい記述です。 以上より、正解は 5 です。 問53 カールフィッシャー法を用いて測定するのはどれか。 1つ選べ。 1 沈降速度 2 表面張力 3 水分 4 電気伝導率 5 密度 カールフィッシャー法は 水分の測定方法です。 反応式は、以下のようになります。 H20+I2+SO2+CH3OH+3RN → 2RN・HI+RN・HSO4CH3 以上より、正解は 3 です。 問54 以下の添加剤のうち、崩壊剤として 用いられるのはどれか。 1つ選べ。 1 カルメロースカルシウム 2 ヒプロメロースフタル酸エステル 3 乳酸・グリコール酸共重合体 4 エチルセルロース 5 ステアリン酸マグネシウム 選択肢 1 は、正しい記述です。 選択肢 2 ですが ヒプロメロースフタル酸エステルは 代表的なコーティング剤です。 胃酸で溶けない錠剤を作る といった目的で用いられます。 崩壊剤としては、用いられません。 よって、選択肢 2 は誤りです。 選択肢 3 ですが 乳酸・グリコール酸共重合体は 皮下注入型の放出制御製剤において 薬剤の分散に用いられます。 崩壊剤としては、用いられません。 よって、選択肢 3 は誤りです。 選択肢 4 ですが エチルセルロースは 徐放性コーティングに用いられます。 崩壊剤としては、用いられません。 よって、選択肢 4 は誤りです。 選択肢 5 ですが ステアリン酸マグネシウムは 代表的な滑沢剤です。 粉をさらさらにするために添加されます。 崩壊剤としては、用いられません。 よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 1 です。 問55 生体に投与後、長時間 0 次放出を示す 製剤はどれか。1つ選べ。 1 腸溶性高分子コーティング顆粒 2 胃溶性高分子コーティング顆粒 3 腸溶性高分子固体分散体顆粒 4 ワックスマトリックス型錠剤 5 浸透圧ポンプ型錠剤 0次 である、ということは 例えば 1時間に濃度が 2 ずつ 濃度に関係なく減っていく ということです。 つまり、投与後、ずっと一定の速度で 薬剤が放出されるような製剤である といえます。 選択肢1~3は 「腸溶」や、「胃溶」という言葉を含んでいるため 胃でどぱっと溶けたり 胃では溶けず、腸でどぱっと溶けたりするので 投与後ずっと一定とは考えられません。 選択肢 4 ですが マトリックス型製剤では 表面から徐々に薬物が放出されていきます。 そのため、薬物の拡散距離が時間とともに 段々長くなっていきます。 (Higuchi の式 が知られています。) つまり、時間がたつと、薬物の放出量が 減少していきます。 投与後、ずっと一定の速度で 薬物が放出されるわけでは、ありません。 よって、選択肢 4 は誤りです。 選択肢 5 は、正しい記述です。 ちなみに、浸透圧ポンプ型製剤においては 錠剤内への水の侵入に伴い、薬物が溶出します。 以上より、正解は 5 です。 問56~問70 解説一覧へ |