問100-46 解説





問46 藥物の経口投与時における
バイオアベイラビリティを増加させるのはどれか。
1つ選べ。

1 消化管内での溶解性の低下
2 小腸上皮細胞における膜透過性の低下
3 小腸上皮細胞における薬物代謝酵素の誘導
4 肝臓における薬物代謝酵素の阻害
5 肝臓における胆汁中排泄の促進



選択肢 1 ですが
消化管内での溶解性が低下すると
溶けていない薬物はそのまま吸収されず
体外へ排泄されると考えられます。

すると、体内で利用される割合は下がるため
バイオアベイラビリティは、低下します。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが
膜透過性が低下すると
薬物が上皮細胞から吸収されず
そのまま体外へ排出されると考えられます。

すると、体内で利用される割合は下がるため
バイオアベイラビリティは、低下します。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
小腸上皮細胞において
薬物代謝酵素が誘導されると
薬物は代謝をより受けることになります。

小腸上皮細胞における薬物代謝により
血中への薬物移行は、抑制されると考えられます。

つまり、薬物代謝酵素が誘導されれば
より薬物が代謝され、血中への薬物移行が減少します。

すると、体内で利用される割合は下がるため
バイオアベイラビリティは、低下します。
(ページ末尾に、補足あり。)


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい記述です。

肝臓において代謝を受けなくなることで
薬物がそのまま利用されます。
つまり、バイオアベイラビリティが
増加すると考えられます。



選択肢 5 ですが
薬物を胆汁中へ排泄するというのは
薬物を体外へ排出する一つの経路です。

胆汁中排泄が促進すれば
それだけ薬物が体外へ排出されるということなので
バイオアベイラビリティは、低下します。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 4 です。



補足 (選択肢 3 の解説について)
「代謝を受けることで
吸収が増加することはないのか?」
と考えた人がいるかもしれませんので
以下、補足を加えます。


代表的な小腸上皮細胞における代謝酵素は
CYP3A4 であり、Ca拮抗薬の代謝酵素です。

一方で、よく知られているように
グレープフルーツジュース(GFJ)はCYP 3A4 
阻害します。

そして、GFJの併用により
Ca拮抗薬の血中濃度が上昇することが
知られています。

この事例から
薬物代謝酵素は、血中への移行を抑制している
と類推できるのではないかと思います。


もしくは
そもそもどっちかよくわからないから
正解にはならない、と判断するのも
試験の正解を見つけるためにはよいかと考えられます。

以上、補足でした。