問169 新生児・小児の薬物動態に関する 記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。 1 新生児では成人に比べ 体重当たりの総体液量が多いので 水溶性薬物であるセフェム系抗生物質などは 体重当たりの投与量が 成人より多めに設定されることが多い。 2 新生児の体表面積当たりの 糸球体ろ過速度は成人の20~ 30%であり 成人と同程度になるには5~7年を要する。 3 フェニトイン代謝能は、生後、急激に上昇する。 4 一般に、硫酸抱合と比較して グルクロン酸抱合代謝能の発達は早い。 5 1~3歳児における テオフィリンの体重当たりのクリアランスは 成人より低い。 選択肢 1 は、正しい選択肢です。 赤ちゃんの方が みずみずしくプリっとしていることから 前半の記述(体重当たりの体液量が多い)を イメージするとわかりやすいかもしれません。 選択肢 2 ですが 新生児の糸球体ろ過速度は 生後半年弱で成人と同程度になります。 5~7年は要しません。 よって、選択肢 2 は誤りです。 選択肢 3 は、正しい選択肢です。 選択肢 4 ですが 硫酸抱合と、グルクロン酸抱合が逆です。 新生児の抱合能に関して グルクロン酸抱合能の発達は遅い という点を 特に意識して覚えておくとよいです。 (サリチル酸やアセトアミノフェンが 成人では、グルクロン酸抱合体として排泄されるが 10歳未満では、硫酸抱合体として排泄される といった違いに反映されます。) よって、選択肢 4 は誤りです。 選択肢 5 ですが 低いではなく、高いです。 小児の方が代謝活性が高い 代表的な薬物として フェノバルビタール、フェニトイン カルバマゼピン、テオフィリンなどがあります。 よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 1,3 です。 |