100-246~100-265 解説一覧


問246 (実務)
薬剤師が来局者に説明する内容として
適切でないのはどれか。
2つ選べ。


1 二コチンパッチは
高用量から開始し、段階的に減らします。

2 ニコチンパッチは
妊婦にも使用できます。

3 ニコチンガムは
コーヒーや炭酸飲料を飲んだあとは
吸収がよくなります。

4 ニコチンガムは
むかつきやのどへの刺激が
起こることがあります。

バレニクリン酒石酸塩錠は
喫煙に代わってニコチンを補充する薬剤
ではありません。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。
禁煙補助薬は、だんだん減らしていきます。



選択肢 2 ですが
胎児死亡増加などのおそれから
妊婦及び授乳婦に対して投与禁忌です。

ちなみに、非喫煙者に対しても
使用不必要であることから、投与禁忌です。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
コーヒーや炭酸飲料(他にはビール・ワインなど)を
飲んだ後は
口の中が酸性になるため
吸収が低下するため
しばらく使用を避ける必要があります。

吸収がよくなるわけでは、ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4,5 は、その通りの記述です。
ちなみに
バレニクリン(商品名:チャンピックス)は
ニコチンを補充するのではなく
ニコチン受容体 部分アゴニストです。



以上より、正解は 2,3 です。



問246-247 
32歳女性。
喫煙歴5年、禁煙を試みたいと薬局を訪れた。

現在、不眠症
ゾピクロン錠を不眠時に服用している。
禁煙のためにニコチンガム、ニコチンパッチ
バレニクリン酒石酸塩錠の
いずれかを使用するか悩んでいるとのことだった。


問247 (薬理)
この患者に関連する
薬物依存・耐性の記述のうち
正しいのはどれか。
2つ選べ


1 ゾピクロンとニコチンは
いずれも精神的依存を起こすが
身体的依存は生じない。

2 ゾピクロンとニコチンは
いずれも耐性を生じない。

3 ニコチンは
中脳辺縁ドパミン神経系を活性化する。

バレニクリン
ニコチン性アセチルコリン受容体の
部分刺激薬であり

ニコチン依存症の喫煙者の
禁煙による退薬症候を軽減する。



選択肢 1 ですが
ゾピクロンとニコチン共に
身体的依存を生じます。

(ゾピクロンは
依存症・耐性がおきにくいように
改良された薬ですが
不適切な量や期間における使用下において
依存を生じない、とはいえません。)


よって、選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 ですが
ゾピクロンとニコチン共に
耐性を生じます。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3,4 は、正しい選択肢です。



以上より、正解は 3,4 です。



問248-249

17 歳男性。
高等学校での授業中に
黒板の文字が見えにくくなり眼科を受診した。
仮性近視であると診断され
以下の薬剤が処方された。

お薬手帳を確認したところ
整形外科で湿布薬を
処方されていることがわかった。

(処方) 
トロピカミド点眼液 0.4 % 5mL 1本
1回1滴 1日1回就寝前 両眼点眼



問248(実務) 
この点眼剤に関する記述のうち
適切でないのはどれか。
2つ選べ。


1 緑内障の患者には
禁忌である。

2 点限後、しばらくは
強い光を直接見ないように注意する。

3 湿布薬の揮発性成分の影響があるので
開封した湿布薬と一緒に保管しない。

4 容器に記載されている使用期限は
開封後の品質を保証するものである。

5 指示通りに使用すると
約 1 週間で無くなる量である。




選択肢 1 は、適切な選択肢です。

トロピカミドは、抗コリン薬の一種です。
そして
緑内障の患者には、抗コリン薬が禁忌です。



選択肢 2 は、適切な選択肢です。

トロピカミドは、散瞳薬です。
瞳が開き、普段よりまぶしく見えます。
そのため
強い光を直接見ないように注意するよう
指導します。


選択肢 3 は、適切な選択肢です。

揮発成分が目薬に浸透し
刺激を感じることがある
といった理由です。



選択肢 4 ですが
開封後ではなく
開封前の品質を保証するものです。
開封後は、なるべくすみやかに使用します。


よって、選択肢 4 は
適切な選択肢ではありません。



選択肢 5 ですが
約 20 滴で、1mL です。 

1日 1回 1滴 ですので 
1日量が、約 0.05 mL です。

よって、約 100 日で無くなる量です。
約1週間では、ありません。


よって、選択肢 5 は
適切な選択肢ではありません。



以上より、正解は 4,5 です。



問248-249

17 歳男性。
高等学校での授業中に
黒板の文字が見えにくくなり眼科を受診した。
仮性近視であると診断され
以下の薬剤が処方された。

お薬手帳を確認したところ
整形外科で湿布薬を
処方されていることがわかった。

(処方) 
トロピカミド点眼液 0.4 % 5mL 1本
1回1滴 1日1回就寝前 両眼点眼


問249 (薬理)
トロピカミドによる
仮性近視改善に関わる機序はどれか。
1 つ選べ。



1 ムスカリン性
アセチルコリン受容体の刺激により
毛様体筋が収縮し
水晶体の厚さが増して
屈折率が上昇する。


2 ムスカリン性
アセチルコリン受容体の刺激により
毛様体筋が弛緩し
水晶体は扁平化して
屈折率が減少する。


3 ムスカリン性
アセチルコリン受容体の遮断により
毛様体筋が収縮し
水晶体の厚さが増して
屈折率が上昇する。


4 ムスカリン性
アセチルコリン受容体の遮断により
毛様体筋が弛緩し
水晶体は扁平化して
屈折率が減少する。


5 コリンエステラーゼの活性化により
毛様体筋が収縮し
水晶体の厚さが増して
屈折率が上昇する。


6 コリンエステラーゼの活性化により
毛様体筋が弛緩し
水晶体は扁平化して
折率が減少する。



トロピカミドは、抗コリン薬です。
アセチルコリン受容体を遮断します。

その結果
毛様体筋
水晶体の厚さを調節する筋肉)が弛緩し
水晶体は扁平化します。
屈折率は減少します。


よって、正解は 4 です。



補足 近視について

ちなみに
近視とは、光を屈折しすぎていて
焦点が網膜よりも近くになっている
という状況といえます。

(イメージは下図)

(「仮性」近視 というのは
眼の使いすぎ などが原因で
「一時的に」
毛様体筋が過剰に緊張し
水晶体が厚くなったままになったために
近視になっている
ということを表しています。)


そのため
屈折率を減少させる方向に作用する薬で
近視が改善されます。


補足 終わり




問250-251 
66歳男性。
パーキンソン病と診断され
以下の薬剤で治療してきたが
最近、薬の効果持続時間が短縮してきた。


(処方)
レボドパ100mg  ・ カルビドパ配合錠
1 回 1 錠( 1日3錠 )

トリヘキシフェニジル塩酸塩錠 2mg
1 回 1 錠( 1日3錠)

1 日 3 回  朝昼夕食後   30日分


問250(実務)
この患者の薬物治療の対応策として
ふさわしくないのはどれか。
1つ選べ。

1 レボドパ 100mg・カルビドパ配合錠を増量する。

2 プラミペキソール塩酸塩水和物徐放錠を追加する。

3 エンタカポン錠を追加する。

4 セレギリン塩酸塩錠を追加する。

5 チアプリド塩酸塩錠を追加する。



選択肢 1 ~ 4 は、ふさわしい対応策です。

パーキンソン病は
ドパミン作動性神経の変性により
ドパミン系とアセチルコリン系の
バランスの崩れにより症状が表れます。

レボドパ・カルビドパ配合錠は
ドパミンを補充することにより
バランスを整えます。


プラミペキソールは
ドパミン作動薬です。
ドパミン側からバランスを整えます。


エンタカポンは
COMT 阻害薬です。
セレギリンは
MAO-B 阻害薬です。

共にドパミン代謝を抑制することで
間接的にドパミン側からバランスを整えます。



選択肢 5 ですが
チアプリドは
ドパミン拮抗薬です。
パーキンソン病の薬物治療としては
不適切であると考えられます。



以上より、正解は 5 です。



問251
処方薬および前問中の藥物に
関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 カルビドパは
末梢性芳香族 
L - アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害薬で
レボドパが末梢でドパミンに変換されるのを
抑制する。

2 プラミペキソールは
ドパミン神経からのドパミン遊離を促進する。

3 エンタカポンは
ドパミン D2 受容体を刺激する。

4 セレギリンは
モノアミン酸化酵素 B を阻害することにより
ドパミンの代謝を阻害する。

5 チアプリドは
カテコール - O - メチルトランスフェラーゼ(COMT)を
阻害する。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。



選択肢 2 ですが
プラミペキソールは
ドパミン作動薬です。
ドパミン受容体に働きかけます。

ドパミン神経からのドパミン遊離を
促進するわけでは、ありません。
(これはアマンタジンに関する記述です。)


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
エンタカポンは、COMT 阻害薬です。
D2 受容体を刺激するわけでは、ありません。
(これはプラミペキソールに関する記述です。)


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。



選択肢 5 ですが
チアプリドは、ドパミン拮抗薬です。
COMT阻害薬では、ありません。
(これは、エンタカポンに関する記述です。)




以上より、正解は 1 ,4 です。




問252-253 
28歳女性。
統合失調症と診断され
今回、初めて以下の薬剤が処方された。

(処方1)
リスペリドン口腔内崩壊錠 1mg
1 回 1 錠 (1日2錠)
1 日 2 回  朝夕食後   14 日分

(処方2)
ブロチゾラム口腔内崩壊錠 0.25 mg  
1 回 1 錠 (1日1錠)
1 日 1 回  就寝前   14日分



問252 (薬理)
処方された薬物に関する記述として
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 γーアミノ酪酸 GABAA 受容体の働きを高め
睡眠を誘発する。

2 ドパミン D2 受容体を刺激し
運動機能の低下をもたらすことがある。

3 セロトニン 5-HT2 受容体を遮断し
統合失調症の陰性症状を改善する。

4 モノアミン酸化酵素 B (MAO-B)を阻害し
下垂体からのプロラクチン遊離を促進する。

5 セロトニン 5-HT1A 受容体を遮断して
抗不安作用を示す。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。
ブロチゾラムに関する記述です。



選択肢 2 ですが
処方された薬物に
ドパミン刺激薬はありません。

ちなみにですが
運動機能の低下は、ドパミン拮抗薬の
副作用であると考えられます。

ドパミン刺激薬の代表的な副作用は
嘔吐・悪心です。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。
リスペリドンに関する記述です。



選択肢 4 ですが
処方された薬物に
MAO-B 阻害薬はありません。

ちなみにですが
MAO-Bの阻害は、ドパミンを間接的に増加させます。
その結果、プロラクチン分泌は抑制されます。
遊離が促進では、ありません。


選択肢 5 ですが
処方された薬物に
セロトニン拮抗薬はありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,3 です。



問252-253 
28歳女性。
統合失調症と診断され
今回、初めて以下の薬剤が処方された。

(処方1)
リスペリドン口腔内崩壊錠 1mg
1 回 1 錠 (1日2錠)
1 日 2 回  朝夕食後   14 日分

(処方2)
ブロチゾラム口腔内崩壊錠 0.25 mg  
1 回 1 錠 (1日1錠)
1 日 1 回  就寝前   14日分


問253 (実務)
この患者への服薬指導および
処方薬に関する説明の内容として
適切でないのはどれか。1つ選べ。


1 月経不順となることがあります。

2 口渇が現れることがあります。

3 服用中は
自動車の運転など危険を伴う作業を
しないようにしてください。

4 リスペリドン口腔内崩壊錠は
通常、徐々に減量する薬剤です。

 5 ブロチゾラム口腔内崩壊錠は
服用後に
一時的な記憶の抜け落ちを
起こすことのある薬剤です。



選択肢 1 ~ 3 は、適切です。

リスペリドンの D2 遮断作用により
プロラクチンというホルモンの量が上がり
月経不順などが生じることがあります。

また、リスペリドンの
抗コリン作用による副作用として
口渇、眠気などがあります。

従って
その旨を伝え、服用中の運転などを避けるように
説明するのは、適切です。



選択肢 4 ですが
リスペリドンは、少量で開始し
漸増していいくのが一般的です。
通常、徐々に減量していく薬では
ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。



以上より、正解は 4 です。




問254-255 
64歳男性。
不安定狭心疾のため
PCI 
(経皮的冠動脈インターペンション)を受けた。

その後の治療薬として
新たに以下の薬剤が処方された。

(処方1)
アスピリン腸溶錠 100 mg 
1回1錠 (1日1錠)
1日1回  朝食後   14回分

(処方2)
チクロピジン塩酸塩錠 100 mg  
1回1錠(1回2錠)
1日2回  朝夕食後   14日分

(処方3)
ロスパスタチンカルシウム錠 2.5 mg 
1回1錠(1日1錠)
1日1回  朝食後   14日分



問254(薬理)
処方された薬剤に関する記述のうち
正しいのはどれか。.2つ選べ。

1 処方された用量のアスピリンは
血管内皮細胞の
プロスタグランジン I2 生成よりも

血小板の
トロンボキサン A2 生成を
より強く阻害する。

2 アスピリンは
ロスパスタチンによる筋肉痛を
緩和する目的で処方されている。

3 チクロピジンの活性代謝物が遮断する
ADP の P2Y12 受容体は
Gq タンパク質共役型受容体である。

4 チクロピジンの副作用として
血栓性血小板減少性紫斑病
無顆粒球症及び
篤な肝障害がある。

5 ロスバスタチンは
3-ヒドロキシ - 3 - メチル
グルタリル - CoA (HMG - CoA)
生合成を阻害し
血清中の低比重リボタンパク質(LDL)量を
減少させる。




選択肢 1 は、正しい選択肢です。



選択肢 2 ですが
低用量アスピリンは
抗血栓作用を期待して用いられます。

(ちなみに
痛み止めとしては、通常成人は 
1回 0.5 ~ 1.5g  1日 1.5 ~ 4.5g で 
使用されます。)


よって、選択肢 2 は誤りです。


補足
スタチン系を服用した時の筋肉痛は
横紋筋融解症の初期症状が疑われるため
痛み止めで止めるものではない と考えて
選択肢が誤りと判断してもよい、と思います。



選択肢 3 ですが
P2Y12受容体は、Gi タンパク質共役型です。
Gqでは、ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。




選択肢 4 は、正しい選択肢です。



選択肢 5 ですが
ロスバスタチンは
HMG-CoA 還元酵素阻害薬です。

すなわち
HMG-CoA を、メバロン酸に変換する酵素を
阻害する薬です。

従って、HMG-CoAの生合成を阻害する
わけでは、ありません。



よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,4 です。



問254-255 
64歳男性。
不安定狭心疾のため
PCI (経皮的冠動脈インターペンション)を受けた。

その後の治療薬として
新たに以下の薬剤が処方された。

(処方1)
アスピリン腸溶錠 100 mg 
1回1錠 (1日1錠)
1日1回  朝食後   14回分

(処方2)
チクロピジン塩酸塩錠 100 mg  
1回1錠(1回2錠)
1日2回  朝夕食後   14日分

(処方3)
ロスパスタチンカルシウム錠 2.5 mg 
1回1錠(1日1錠)
1日1回  朝食後   14日分



問255 (実務)
この患者への説明および指導の内容として
適切なのはどれか。
2つ選べ。


1 アスピリン腸容錠は
術後の経過が良ければ
一週間程度で中止します。

2 チクロピジン塩酸塩錠には
狭くなった血管を拡げる作用があります。

3 定期的に
血液検査を必要とする薬剤が
処方されていますので
2週間後に受診してください。

4 筋肉痛や脱力感が起こることがありますが
一時的なものなので心配ありません。

5 出血しやすくなるので
歯肉や鼻などからの出血があれば
受診してください。



選択肢 1 ですが
アスピリンは
予防的な血栓形成の抑制を
期待して投与されます。

そのため原則として
アスピリンの服用は継続します。

経過が良いからといって
一週間程度で中止するわけでは、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが
チクロピジンは
血小板凝集を阻害する薬です。

血管拡張薬では、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。



選択肢 4 ですが
チクロピジンは肝障害、顆粒球減少
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)など
重篤な副作用が多く知られています。

そのため、初期症状には特に注意が必要です。


筋肉痛は、顆粒球減少に伴う風邪の症状等として
脱力感は、TTPに伴う症状等として 
注意喚起が必要です。

このような症状が見られた場合は
すぐに服薬を中止した上で、病院へ行くように
指導します。

一時的なもので、心配ない という指導は
適切では、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。


補足
ちなみに
チクロピジンによる
重大な副作用の 約 9 割が
服薬開始後 2 ヶ月以内に
発現することが知られています。

この期間は
2週に1回の血液検査の実施が
副作用発見のため重要です。
(そのため、原則として
1回の処方せんで、2週間分が処方されます。)



選択肢 5 は、正しい選択肢です。



以上より、正解は 3,5 です。




問256~257 
55歳女性。
気管支ぜん息のため
吸入ステロイド薬を用いて治療中である。
高血圧症となったため
降圧薬も用いることとなった。


256 (実務)
この患者に対して
禁忌である薬剤はどれか。
1つ選べ。

1 シルニジピン錠
2 イミダプリル塩酸塩錠
3 テルミサルタン錠
4 クロニジン塩酸塩錠
5 カルテオロール塩酸塩徐放性カプセル



選択肢 5 ですが
カルテオロールは、β遮断薬です。
ぜん息患者には、禁忌です。


よって、正解は 5 です。



ちなみに
シルニジピン(アテレック®)は、Ca拮抗薬です。
イミダプリル(タナトリル®)は、ACE 阻害薬です。
テルミサルタン(ミカルディス®)は、AT受容体拮抗薬です。
クロニジン(カタプレス®)は、α2 受容体刺激薬です。

どれも降圧薬として用いられる薬です。



問256~257 
55歳女性。
気管支ぜん息のため
吸入ステロイド薬を用いて治療中である。
高血圧症となったため
降圧薬も用いることとなった。



問257 (薬理)
前問の薬剤のうち
血管平滑筋細胞に直接作用して
血管を拡張させるのはどれか。
2つ選べ。

1 シルニジピン錠
2 イミダプリル塩酸塩錠
3 テルミサルタン錠
4 クロニジン塩酸塩錠
5 カルテオロール塩酸塩徐放性カプセル



選択肢 1 は、正しい選択肢です。
シルニジピンは、Ca 拮抗薬です。

血管平滑筋細胞の
膜電位依存性 Ca チャネルに結合して
作用し、平滑筋を拡張させます。



選択肢 2 ですが
イミダプリルは、ACE 阻害薬です。
酵素を阻害する薬であり
血管平滑筋細胞に
直接作用する薬では、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。
テルミサルタンは
アンギオテンシン II 受容体拮抗薬です。

血管平滑筋細胞の
AT1 受容体という
アンギオテンシンⅡに結合する
に作用することで
血管平滑筋を拡張させます。



選択肢 4 ですが
クロニジンは
α2 受容体に作用することで
交感神経からの
神経伝達物質の遊離を抑制します。

その結果、交感神経を抑制することで
降圧作用を示す、中枢性の降圧薬です。

血管平滑筋に直接作用する薬では、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
カルテオロールはβ遮断薬です。

心機能抑制による降圧作用を期待して
用いられる薬です。
血管平滑筋に直接作用する薬では、ありません。

また
β遮断薬は、気管支平滑筋に作用し
平滑筋収縮をもたらすため
ぜん息患者には禁忌です。



以上より、正解は 1,3 です。




問258-259
55歳男性。
下記の処方せんを持って来局した。

患者は半年前に
へリコパクター・ピロリ菌が陽性と診断され
かかりつけ医にて一次除菌を行ったが
不成功であった。
今回、二次除菌療法を行うことになった。


(処方)
ラベプラゾールNa錠 10 mg 
1回1錠(1日2錠)

アモキシシリンカプセル 250mg 
1回3カプセル(1日6カプセル)

薬剤 Ⅰ 1回1錠(1日2錠)
1日2回  朝夕食後   7日分


問258 (実務)
二次除菌療法で使用される 薬剤Ⅰ として
適切なのはどれか。
1つ選べ。

1 クラリスロマイシン錠 200 mg

2 アジスロマイシン錠 250 mg

3 メトロニダゾール錠 250 mg

4 メベンダゾール錠 100 mg

5 アルベンダゾール錠 200 mg


問258 解説

二次除菌療法で使用される薬剤は
PPI+アモキシシリン+メトロニダゾール です。


従って、正解は 3 です。



ちなみに
選択肢 1 のクラリスロマイシンは
マクロライド系抗生物質です。


選択肢 2 のアジスロマイシンは
15 員環マクロライドです。


選択肢 4 のメベンダゾールは
駆虫剤です。
ATP 合成抑制作用により鞭虫に対して
駆虫作用を示します。


選択肢 5 のアルベンダゾールは
エキノコックス症(包虫症)の治療薬です。



問259 (薬理)
薬剤Ⅰ の作用機序として正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 ヒスタミン H2 受容体を遮断する。

2 DNA の二本鎖を切断する。

3 リボソームの 50S サブユニットと結合し
タンパク質合成を阻害する。

4 H+,K+-ATPase を非可逆的に陸害する。

5 ウレアーゼを阻害する。


問259 解説

メトロニダゾールは
還元を受けて、R-NO(ニトロソ化合物)に変化します。

このR-NOに加え
反応途中で生成した
ヒドロキシラジカルによるDNA 切断により
抗原虫 及び抗菌作用を有します。


従って、正解は 2 です。




問260-261
68歳男性。
骨転移のある前立腺がんと診断され
以下の薬剤が処方された。

(処方1)
ゴセレリン酢酸塩デポ 3.6 mg
1回 3.6 mg  4 週ごとに 1 回 前腹部に皮下注射

(処方2)
ゾレドロン酸水和物注射液 4 mg
1 回 4mg  4 週ごとに 1 回 点滴静注

(処方3)
ピカルタミド口腔内崩壊錠 80mg 
1回1錠  朝食後   14 日分

(処方4)
ジクロフェナク Na 坐剤 25 mg 
1回1個 痛い時 28 回分



問260(薬理)
以下の記述のうち、いずれの処方薬にも
該当しないのはどれか。
1つ選べ。

1 シクロオキシゲナーゼを阻害し
プロスタグランジンの生成を抑制する。

2 アンドロゲン受容体を遮断し
前立腺がん細胞の増殖を抑制する。

3 黄体形成ホルモン放出ホルモン
(LH-RH)受容体を競合的に遮断し
ゴナドトロピンの分泌を抑制する。

4 下垂体の機能を抑制し
精巣からのテストステロン分泌を抑制する。

5 骨吸収を抑制し
高カルシウム血症を改善する。


選択肢 1 は
処方 4 のジクロフェナク Na に関する記述です。


選択肢 2 は
処方 3 の ビカルタミド に関する記述です。


選択肢 3 ですが
いずれの処方薬にも該当しません。

LH-RH 受容体を競合的に遮断する薬としては
デガレリクス などがあります。


選択肢 4 は
処方 1 のゴセレリンに関する記述です。


選択肢 5 は
処方 2 のゾレドロン酸に関する記述です。



以上より、正解は 3 です。



問261 (実務
この患者への服薬に関する説明および
指導の内容として、適切なのはどれか。
2つ選べ。

1 処方 1 の薬剤を使い始めたころに
一時的に尿の出が悪くなることがあります。

2 処方 2 の薬剤使用中は
出血が止まりにくくなるので
抜歯などは控えてください。

3 処方 3 の薬剤は
痛みをやわらげたり
骨折を予防するのに有効です。

4 処方 4 の薬剤は
挿入による刺激で便意が起こることがあるので
できるだけ排便後に使用してください。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。
ゴセレリンは、LH-RH アゴニストです。
一時的に男性ホルモン放出が増加するため
尿閉が強まる可能性があります。



選択肢 2 ですが
ゾレドロンは、ビスホスホネート剤です。
前立腺がんの骨転移は、病的骨折などの原因となります。
これらの骨関連事象の発生の抑制に加え
疼痛管理にも有効であるため、使用が推奨されています。

注意事項としては
腎障害、低 Ca 血症、顎骨壊死などです。


ビスホスホネート系薬剤による額骨壊死は
予防が極めて重要であり
薬剤投与前に、抜歯などを含め、侵襲的な歯科治療は
終わらせておく必要があります。

さらに、投与前から投与後も継続して
歯周疾患に対する十分なケアが必要であるため
医師と歯科医師の連携が必要です。

そして、服薬指導においては
ビスホスホネート剤使用中であることを
歯科医に必ず伝えるように
指導しなければなりません。

抜歯などを控える理由は顎骨壊死を避けるためであり
出血が多いからでは、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
これは、処方 2 のゾレドロン酸に関する記述です。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、その通りの記述です。




以上より、正解は 1,4 です。




問262-263
66歳男性。
最近、腰痛が原因で、寝付きも良くないため
整形外科を受診した。
骨粗しょう症と診断され
処方せんを持って薬局を訪れた。

(処方1)

ラロキシフェン塩酸塩錠 60mg
1回1錠 (1日1錠)

アルファカルシドールカプセル 0.5mμg
1回1カプセル(1日1カプセル
1日1回 朝食後 14日分


(処方2)
L-アスパラギン酸カルシウム錠 200mg
1回2錠 (1日6錠)

メナテトレノンカプセル 15mg
1回1カプセル(1日3カプセル)
1日3回 毎食後 14日分


(処方3)
セレコキシブ 100mg
1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 14日分



問262(薬理)
処方された薬剤の作用機序として
正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 アンドロゲン受容体に結合し
タンパク質同化を促進する。

2 オステオカルシンのカルボキシ化を介し
骨形成を促進する。

3 カルシウムとリンの腸管からの吸収を促進する。

4 カルシトニン受容体に結合し
骨吸収を抑制する。

5 ヒドロキシアパタイトに結合し
骨吸収を抑制する。



選択肢 1 は
男性ホルモンの作用機序です。
処方の中には、男性ホルモン剤はありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。
メナテトレノン(®グラケー)の作用機序です。

オステオカルシンとは
骨芽細胞から分泌されるタンパク質です。

カルボキシラーゼという酵素により
ビタミン K2 を補酵素として
γ-カルボキシル化を受けて活性化します。
活性化されたオステオカルシンは
骨形成を促進させます。

メナテトレノンは
オステオカルシンのカルボキシル化を介して
骨形成促進作用を有します。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。
アルファカルシドールの作用機序です。

アルファカルシドールは
活性型ビタミン D3 製剤です。
カルシウムの吸収を促進することに加え
骨芽細胞を活発にして、骨形成を促進します。



選択肢 4 は
カルシトニン製剤の作用機序です。
処方の中にはありません。
代表例は、エルカルシトニンです。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は
ビスホスホネート製剤の作用機序です。
処方の中にはありません。
代表例は、エチドロン酸(®ボナロン)です。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2,3 です。



問263(実務)
薬剤師はこの処方に関して
医師へ疑義照会を行った。

疑義が生じた薬剤として
最も可能性が高いのはどれか。
1つ選べ。

1 ラロキシフェン塩酸塩錠
2 アルファカルシドールカプセル
3 L - アスパラギン酸カルシウム錠
4 メナテトレノンカプセル
5 セレコキシブ錠


ラロキシフェンは
選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)です。
閉経後の女性に対して用いられます。

本問の症例は男性であるため
疑義照会を行う必要が高いと考えられます。


よって、正解は 1 です。




問264-265 
65歳男性。
糖尿病性腎症により入院した。
血糖コントロールのためのインスリン製剤のほか
以下の薬剤が処方された。

(処方1)
球形吸着炭細粒分包 2g  
1回1包 (1日3包)
1日3回 朝昼夕食後2時間 7日分

(処方2)
ロサルタンK錠 50 mg 
1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 7日分

(処方3)
フェロジピン錠 2.5 mg 
1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 7日分

(処方4)
ダルベポエチンアルファ
(遺伝子組換え)注射液 20 μg  
1 回 20 μg 静脈内投与


問264(実務)
この患者への服薬説明および指導の内容として
適切なのはどれか。
2つ選べ。

1 処方1の薬剤は
小腸で吸収されて
血液中の有害物質を吸着して排泄させます。

2 処方2および3の薬剤は
いずれも血圧を下げます。

3 処方2の薬剤で
血清カリウム値が低くなることがあります。

4 グレープフルーツジュースは
処方 3 の薬剤の作用を増強する恐れがあります。

5 処方4の薬剤は
毎日注射しないと効果が得られません。



選択肢 1 ですが
処方1の薬剤(商品名:クレメジン など)は
体内で吸収されずに、そのまま糞便に排出されます。
小腸で吸収されるわけでは、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 は、正しい選択肢です。
ARB 及び Ca拮抗薬です。



選択肢 3 ですが
ARB の代表的な副作用は
高 K 血症です。
血清カリウム値が低くなることがある 
という説明は、不適切であると考えられます。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。



選択肢 5 ですが
ダルベポエチンは
最短でも、1週間に1回の投与で用いられる薬です。
毎日注射しなければ効果がえられない
ということは、ありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2,4 です。



問265 (薬理)

ダルベポエチンアルファの
薬理作用および副作用に関する記述のうち
正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 単球および単球系前駆細胞に作用して
増殖を促進する。

2 エリスロポエチン(EPO)の
EPO 受容体に対する親和性を高める。

3 エポエチンアルファと比較して
持続的な赤血球造血作用を示す。

4 血圧低下を起こしやすい。

5 血液粘稠度が上昇し
血栓塞栓症を誘発するおそれがある。



選択肢 1 ですが
ダルベポエチンは
遺伝子組み換えエリスロポエチン製剤です。

赤芽球系前駆細胞に直接作用し
造血効果を発揮します。
単球および単球系前駆細胞では、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが
本薬剤は、エリスロポエチン受容体に
直接結合することで作用します。
EPO の、受容体に対する親和性を高める という作用では
ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。

ダルベポエチンの特長は
EPO製剤のアミノ酸配列の一部を改変すると共に
新たな糖鎖を付加させることで、半減期を延長させ
持続的な赤血球増加作用を実現した点にあります。


選択肢 4 ですが
造血作用を示す薬であるため、副作用としては
高血圧がおこります。
低血圧では、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。



以上より、正解は 3,5 です。