問101-300301 解説


問300-301 
71歳男性。
50年前から喫煙習慣がある
(喫煙指数:1200)。
階段歩行時に息切れを訴え近医を受診し
慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断され
以下の処方が出された。

(処方1)
チオトロピウム臭化物
水和物吸入用カプセル18μg
1回1カプセル
1日1回吸入
全56カプセル

(処方2)
テオフィリン徐放錠 200mg
(12~24時間持続) 
1回1錠(1日2錠) 
1日2回朝食後・就寝前
56日分

(処方3)
フドステイン錠200mg 
1回2錠(1日6錠)
1日3回朝昼夕食後
56日分


問300(実務)
処方1の薬剤を使用するにあたり
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 前立腺肥大症があるかを確認する。

2 口腔内カンジダ症予防のため
チオトロピウムの吸入後は
よくうがいをするよう患者に伝える。

3 フドステインの併用により
チオトロピウムの作用が増強するおそれが
あることを患者に伝える。

4 喫煙者は
チオトロピウムの作用が増強する
おそれがあることを患者に伝える。

5 副作用として
口渇が現れることがあることを
患者に伝える。


まず、喫煙指数とは
1日 a 本 × 喫煙年数 のことです。
大体タバコ1箱は 20 本です。
この患者は
1日 24 本、50 年間吸ってきたということです。

次に処方ですが
チオトロピウムは 「トロピ」があるので
抗コリン薬です。
気管支を広げてくれます。

主な副作用は、口渇です。
禁忌が閉塞性緑内障
前立腺肥大症で排尿障害がある場合 
です。


以上より、正解は 1,5 です。


ちなみに
選択肢 2 ですが、うがいは推奨されます。
口渇などの副作用軽減が期待されます。

カンジダ予防は、ステロイド吸入に関してです。
チオトロピウム吸入に関してでは、ありません。


選択肢 3 ですが
フドステインは、去痰薬です。
カルボシステインなどと
同様のカテゴリーの薬です。

チオトロピウムとの相互作用は
特にありません。


選択肢 4 ですが
喫煙によって
チオトロピウム作用増強はありません。

喫煙といえば、CYP 1A2 の誘導 です。
この知識との混同を狙った選択肢かと
思います。


問301(病態・薬物治療)
上記の患者に関連した記述のうち
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 フドステインは
去痰の目的に用いられている。

2 気管支ぜん息と異なり
禁煙は治療に影響を与えない。

3 病状が増悪するので
インフルエンザワクチン接種は
禁忌である。

4 テオフィリンにより
尿閉の副作用が出やすいので
注意が必要である。

5 改善が見られなければ
サルメテロールキシナホ酸塩の
追加を考慮する。


選択肢 1 は、正しい選択肢です。


選択肢 2 ですが
禁煙により、肺機能の低下を
抑えることができます。
禁煙が、治療に大きく影響します。

よって、選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
COPD 患者は、呼吸器感染症が
重症化しやすいことが知られています。

そのため
インフルエンザワクチンの接種は推奨されます。

よって、選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが
尿閉の副作用があるのは
チオトロピウムです。
テオフィリンでは、ありません。

よって、選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 は、正しい選択肢です。



以上より、正解は 1,5 です。