101-304~101-325 解説一覧


問304-307 
64歳男性。BMI 28.5。
糖尿病で近医に通院中であった。

全身倦怠感を訴
浮腫も認められたため
精査目的で入院となった。

入院時の持参薬と検査データ
以下の通りである。

(持参薬)
グリメピリド錠 1mg 
1回2錠(1日1回) 朝食後

ロサルタンK錠 50mg 
1回1錠(1日1回) 朝食後

メトホルミン塩酸塩錠 250mg 
1回2錠(1日3回) 朝昼夕食後
プラバスタチンNa錠 10mg 
1回1錠(1日1回) 夕食後


(検査データ)
BUN 49.8mg/dL、血清クレアチニン4.38mg/dL
血圧152/93mmHg、Hb8.5g/dL
Alb 2.7g/dL

Na 140mEq/L、K 4.9mEq/L

空腹時血糖224mg/dL、HbA1c7.1%

低密度リポタンパク質
コレステロール(LDL-C)99mg/dL
高密度リポタンパク質
コレステロール(HDL-C)48mg/dL
トリグリセリド(TG)120mg/dL

尿タンパク(3+)


問304(法規・制度・倫理)
病棟の担当薬剤師は
入院直後にこの患者と面談し
持参薬と服薬状況を確認した。

薬の飲み残しが多かったため
薬剤師が治療についての考えを聴いたところ
次のような発言があった。

「ちゃんとやらなければ
ならないことは分かっていますし
自分なりにやろうと努めていますが
なかなか実践できません。」

この発言から、男性は
行動変容ステージモデルの
どの段階にあると考えられるか。
適切なのを1 つ選べ。

1 無関心期
2 関心期
3 準備期
4 実行期
5 維持期


問304 解説
行動変容ステージモデルとは
人が行動を変える場合に
5つのステージを通る というモデルです。
選択肢 の 5 つです。
順番もその通りです。

選択肢 1~3 までが
行動を変えていない時期です。
必要性を感じているか否かで
1 かどうかを分類します。

いつ頃行動を変えようとしているかで
2 と 3 を分類します。

選択肢 4 以降は
行動を変えてからの時期です。
継続している期間により分類します。


本症例では
「自分なりにやろうと務めている」という表現から
まだ行動を変えてはいません。

しかし、今にでも変えようとしている
ということが読み取れます。


以上より、正解は 3 です。


どのステージかに対応して
働きかけのポイントが変わります。

この時期の働きかけとしては
「関心を持っていること」に
肯定的声掛けをしつつ
「主体的に行動を変化できた自分を
イメージ」できるような働きかけが
効果的とされています。

一例としてですが
「やろうと思っても
なかなか一歩目を踏み出せない
はがゆい気持ちを
お持ちなのですね。(今を肯定 という意図。)

少しずつ服薬を
継続できるようになって
だるさやむくみを
もっとコントロールできるように
なるといいですよね。
(そりゃそうだ、という未来のイメージを提案。)」

ぐらいではないかと思います。


以下は、個人的補足ですが

少しずつ服薬を・・・
のくだりの発言に対しては
「そう簡単にいけばいいけどさ」
みたいな漠然とした
反発、違和感も生まれるはず。

イメージさせただけでは
多分行動変容には、つながりづらい。
と、感じます。

そこでさらに
「どのような点を意識すると
うまくいった、ということがあれば
ぜひお教えくださいね。
(教えていただきたい という提案により
「それなら、教えることができるように
何か工夫してみよう」みたいな
意欲の動機になればという狙い。)」

といったお声がけが
できればどうかと思います。

以上、個人的補足。


問305(実務)
検査データに基づいて
薬剤師は薬物治療のアセスメントを行った。
以下の検査データのうち
正常値の範囲に入っていないのはどれか。
2 つ選べ。

1 HbA1c
2 血圧
3 LDL-C
4 血清カリウム
5 TG


問305 解説
血圧が 収縮期 140、拡張期 90  
を超えており、高値です。

また
HbA1c が 6.5 % 以上なので
高値です。

以上より、正解は 1,2 です。


ちなみに、検査値の目安として
脂肪関連(L-cho,H-cho,TG)は
目安として 「150,50,150 上限付近」 
と覚えておくと、ざっと判断しやすいかも
しれません。

K 値は
3 って低くない?6 って高くない? という
感覚があると、判断しやすいかも
しれません。


問306(実務)
この患者の検査データ及び病態を考慮し
薬剤師が医師に変更あるいは追加を
案する治療法として
適切なのはどれか。1 つ選べ。

1 グリメピリド及びメトホルミンの増量
2 カリウム製剤の追加
3 フロセミドの追加
4 コレスチラミンの追加
5 ベザフィブラートの追加


問306 解説
主訴として
だるくて、むくんでいる。

糖尿病で通院中 に加え
血圧が高く、血糖値のコントロール不良
尿タンパクが出ている。

以上から
腎臓への負担増による
腎機能の低下 と推測されます。

K の値が低値でもないので
浮腫の改善、血圧コントロールの改善を意図し
ループ利尿剤の追加などが
適切であると考えられます。

選択肢から選ぶと
正解は 3 です。


ちなみに、本症例のような
糖尿病患者の血圧コントロールは
通常より厳格な 130/80 mmHg 未満 が
推奨されている点に留意が必要です。
(高血圧治療ガイドライン より)


問307(病態・薬物治療)
この患者は、ある臓器の障害により
浮腫を生じていたが
その後、同じ臓器の障害による貧血を生じた。
この貧血の機序として
正しいのはどれか。1 つ選べ。

1 トランスフェリンの産生が抑制されるため。
2 血尿が生じるため。
3 エリスロポエチンの分泌が減少するため。
4 内因子の分泌不全が起こるため。
5 ヘモグロビンの消費が増加するため。


問307 解説
これまでの解説から
ある臓器とは、腎臓であると考えられます。
よって、この貧血は、腎性貧血です。
原因は、エリスロポエチンの分泌減少です。

以上より、正解は 3 です。



問308-309 
62歳男性。

切除不能の再発直腸がんに対して
カペシタビンとオキサリプラチン
併用化学療法を開始することになった。

外来化学療法室の薬剤師は
男性には循環器内科の受診歴があり
以下の薬剤を服用中であることを確認した。

メチルジゴキシン錠0.1mg 
1回1錠(1日1回) 朝食後

ワルファリンK錠1mg 
1回2錠(1日1回) 朝食後

カンデサルタン錠4mg 
1回1錠(1日1回) 朝食後


問308(実務)
薬剤師は以下の検査データを確認した。
化学療法の開始に伴う
相互作用による重篤な副作用を回避するため
定期的にモニタリングすべき
検査データとして
特に重要なのはどれか。1 つ選べ。


1 クレアチニンキナーゼ値
2 PT-INR 値
3 血清カリウム値
4 血糖値
5 白血球数



カペシタビン(ゼローダ)には
CYP 2C9 合成系に影響することによる
酵素活性低下にもとづく
ワルファリンカリウムの作用増強が
知られています。

従って、PT - INR 値 に
特に注意する必要があります。


メチルジゴキシンが使われているから
血清カリウム値にも注意は必要です。
低 K の時、中毒を起こす恐れがあります。
「化学療法の開始に伴う
相互作用による、、、」とあるため
PT - INR が、より適切な選択肢です。


以上より、正解は 2 です。


問309(法規・制度・倫理)
カペシタビンは添付文書に
休薬期間を設けるように記載されているが
休薬期間を設けない処方がなされた。

薬剤師が疑義照会をせずに
そのまま調剤をしたた
患者に健康被害が生じた。

薬剤師が問われる可能性のある
法的責任として誤っているのはどれか。
1 つ選べ。

1 民法に基づく不法行為責任
2 刑法に基づく業務上過失傷害罪
3 薬剤師法に基づく薬剤師業務の停止
4 薬剤師法に基づく戒告
5 医療法に基づく罰金刑


調剤過誤に伴う法的責任は
大きく分けて 3 つあります。
民事責任、刑事責任、行政責任です。


民事責任とは
加害者が、被害者に損害賠償する責任です。
不法行為責任などがあります。


刑事責任とは
加害者が刑に処される責任です。

調剤過誤の場合
業務上過失致死傷罪に問われることが
あります。


行政責任とは
免許の取り消しなどの処分を受ける責任です。


選択肢 5 の医療法は
医療全体についての法律であり
「調剤過誤を行った場合の刑」 
といった規定はありません。

つまり
調剤過誤によって生じた健康被害について
医療法に基づく罰金刑としての形で
法的責任を問われる可能性は、ありません。


以上より、正解は 5 です。




問310-311 
20代女性。
下肢のむくみによる不快感を訴え来局した。
仕事で1日中立っていることが多く
特に夕方に下肢に重みを感じている。

問310(実務)
薬剤師はこの女性からの情報をもとに
要指導医薬品である
「赤ぶどう葉乾燥エキス混合物」
製剤を販売することになった。
薬剤師の対応として
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 説明を要しない旨の申し出があったので
適正使用のための情報提供を省略した。

2 友人の分も購入したいと申し出があったので
症状を詳しく聞いたうえで販売した。

3 販売した薬剤師の
氏名、薬局名、薬局の連絡先を伝えた。

4 販売後、品名、数量、販売日時等を
書面に記録し保管した。


選択肢 1 ですが
要指導医薬品なので
適正使用のため、指導が必要です。

説明を要しない という申し出があっても
必要な情報提供は必要なので
省略はできません。

本問の医薬品は、アンチスタックスです。
妊娠の有無、血液をサラサラにする薬の
服用の有無などを確認すると共に
かぜ薬、解熱鎮痛剤は服用中避けるように
伝える必要があります。

よって、選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 ですが
要指導医薬品は、本人でなければ
購入できません。

よって、選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3,4 は、正しい選択肢です。


以上より、正解は 3,4 です。


問311(法規・制度・倫理)
要指導医薬品に関する記述のうち
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 容器等に「要指導医薬品」の
文字が記載されている。

2 薬局医薬品である。

3 需要者が選択して購入する。

4 特定販売(いわゆる
インターネット販売など)が可能である。

5 貯蔵する場所には
かぎをかけなければならない。


選択肢 1 は、正しい選択肢です。


選択肢 2 ですが
薬局医薬品とは
医薬品医療機器等法
第 4 条 の定義によれば 
「要指導医薬品 及び 一般用医薬品
以外の医薬品」 という定義です。

つまり、要指導医薬品は
薬局医薬品には、入りません。

よって、選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 は、正しい選択肢です。


選択肢 4 ですが
要指導医薬品は、ネット販売が不可です。

よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
特に貯蔵について制限はありません。
「陳列」は、鍵のかかる設備に
行われていると思います。
しかし、それは貯蔵ではありません。)

よって、選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1,3 です。




問312-313 
50代男性。
いままで頭痛を感じたことはなかったが
しばらく前から違和感をおぼえ

妻が持っていた
アセトアミノフェン(300mg/1錠)を
主成分とした一般用医薬品
(第2類)を1週間前より服用している。

1回1錠、1日2回服用
症状は和らいではいるものの
いまだに軽度の頭痛を感じる。

半月後には時間も取れるので
受診するつもりだが
それまでの間、一般用医薬品で
対応したいと思
相談のため来局した。


問312(法規・制度・倫理)
図は男性が服用している
アセトアミノフェン製剤の直接の
被包(外箱)を示したものである。

図中の表示以外に
記載が法令で義務付けられているのはどれか。
2 つ選べ。
ただし、省略等の表示の特例の
適用はないものとする。

1 「第2類医薬品」の文字
2 使用上の注意
3 保管上の注意
4 製造番号又は製造記号
5 価格


これは、実際に
ドラッグストアで、医薬品を買うときを
想像するとよいと思います。

注意事項については
箱の「中」の添付文書に
いろいろと書いてあります。

また、価格については
値札として、容器ではなく
陳列棚に POP などの形で表示されます。

以上より
選択肢 2,3,5 は、誤りです。


従って、正解は 1,4 です。


問313(実務)
薬剤師の対応として
最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 このまま服用して
しばらく様子をみてください。

2 1日3回まで服用できるので
昼食後も服用してください。

3 安全性の高い医薬品なので
1回2錠に増量して服用してください。

4 半月後といわず
すぐに受診してください。

5 軽度の痛みなので
イブプロフェンを主成分とした
一般用医薬品に変更してください。


OTC の効果が期待されるのは
軽度偏頭痛、反復性緊張型頭痛です。

まず、生命の危機がある
二次性頭痛は除外します。
(「かつてない頭痛ではないか」
「どんどん痛く・辛くなっていないか」)

その上で注意すべきは
薬物乱用頭痛 の防止です。
これは、薬物の利用により
むしろ頭痛の頻度や程度が
悪化する症状です。

頭痛薬使用の目安とは
月 10 日以内です。

効果なく漫然と使用している患者に対しては
医師の指導のもとの治療を推奨すべきです。

本症例は、正に漫然とした使用であり
医師への受診勧告が適切な事例です。

その際、頭痛を今のうちに
適切に対処することが
将来に大きく影響することをぜひ親身に伝え
行動変容につなげたい所です。

(とはいえ
緊急を要する、というわけではなく
たとえばこれで救急車を呼ぶ、などは
やりすぎだと考えられます。)


以上より、正解は 4 です。




問314-315 
肺炎球菌感染症予防のための
ワクチン(23価肺炎球菌莢膜
ポリサッカライドワクチン)の
接種にあたり

薬剤師が病院のスタッフに対して
このワクチンに関する情報を提供した。


問314(実務)
薬剤師が提供する情報として
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 高齢者にのみ接種できる。
2 不活化ワクチンである。
3 すべての肺炎に対して予防効果がある。
4 品質が変化する可能性があるので凍結させない。
5 製造番号、投与日、投与対象者
などの記録を20年間保管する。


選択肢 1 ですが
肺炎球菌ワクチンは
65歳以上の方や
COPD など慢性の持病を
持つ人の接種が推奨されています。

高齢者にのみ接種できる
ということはありません。

よって、選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 は、正しい選択肢です。
他には、ポリオ、インフルエンザ
B型肝炎、百日ぜき などのワクチンが
不活化ワクチンです。


選択肢 3 ですが
肺炎の原因ウイルスは
肺炎球菌だけでは、ありません。
従って、すべての肺炎予防効果は
ありません。

よって、選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 は、正しい選択肢です。

以下 補足:
不活化ワクチンの多くは
タンパク質だから凍結を避ける と
考えてもいいと思います。

ただし
日本脳炎、狂犬病、A型肝炎は
不活化ワクチンだけど、凍結可能 なので
注意が必要です。

選択肢 1,3,5 が消しやすい問題なので
あくまでも補足としての考え方です。

補足 以上


選択肢 5 ですが
記述は「特定生物由来製品」についてです。
つまり、血液製剤などについての記述です。

ちなみに
ワクチンは「生物由来製品」です。

よって、選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 2,4 です。



問315(法規・制度・倫理)
肺炎球菌ワクチンは
生物由来製品として指定されている。

生物由来製品に関する記述のうち
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 製造販売業者が、その製品等の
感染症に関する知見に基づいた評価を
定期的に報告する制度がある。

2 遺伝子組換え技術を応用して
製造される生物由来製品の添付文書には
その旨を記載しなければならない。

3 製造業者が自らその製造を
実地に管理しようとするときは
都道府県知事に届け出なければならない。

4 生物由来製品を廃棄する場合は
あらかじめ都道府県知事に
届け出なければならない。


選択肢 1,2 は、正しい選択肢です。


選択肢 3 ですが
製造業者が、自ら
製造を管理しようとする場合には

製造所ごとに
厚生労働大臣の承認を受けて
医師や細菌学的知識を有する技術者を
置かなければなりません。

都道府県知事に届け出なければ
ならないわけでは、ありません。

よって、選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが
生物由来製品の廃棄には
感染性廃棄物となるかに留意して
適切に廃棄する必要があります。

とはいえ、あらかじめの届け出は
不要です。

よって、選択肢 4 は誤りです。



以上より、正解は 1,2 です。




問316-317 
60歳男性。
多発性骨髄腫の診断により
治療を受けている。

今回、サリドマイドカプセル100mg
1日1回の経口投与を開始することになった。

サリドマイド製剤は
希少疾病用医薬品であるとともに
副作用防止体制がとられている。


問316(実務)
本剤に関する記述のうち
適切でないのはどれか。1 つ選べ。

1 製造販売業者による
安全管理体制が構築されている。

2 再審査期間は20年とされている。

3 女性にも投与が可能である。

4 承認時に、全症例の
製造販売後調査を実施することとされた。

5 多発性骨髄腫への使用は
再発又は難治性の場合に限られる。


サリドマイド製剤は
かつて、副作用のアザラシ肢症が
問題となり、販売中止になった薬剤です。

しかし、薬効の研究は続けられ
多発性骨髄腫に有効とされ
国際的に使用されてきました。

日本では、まず個人輸入で用いられ
その後製薬会社により製造販売が
行われるようになりました。
再発や難治性の多発性骨髄腫に
用いられます。

このような経過から
厳重な安全管理体制が構築されています。

使用者及び患者は、登録が必要であり
妊娠する可能性のある女性は
他に治療方法がない場合を除き
登録対象には、なりません。

(いいかえると、女性でも
妊娠可能性がなかったり
治療の選択肢がなければ
使用できます。)

希少疾病用医薬品であり
再審査期間は 最長の 10 年間です。

承認条件として
再審査のための
製造販売後調査において
全症例についての調査が
義務付けられました。

以上より
選択肢 1,3,4,5 は、正しい選択肢です。


従って、正解は 2 です。



問317(法規・制度・倫理)
希少疾病用医薬品の指定等に関する
手続きのうち、誤っているのはどれか。
1 つ選べ。

1 指定申請にあたっては
その用途に係る本邦における
対象者の数に関する資料が必要である。

2 指定にあたっては
薬事・食品衛生審議会の意見を
聴く必要がある。

3 指定が行われたときは
その旨が公示される。

4 指定を受けた者が試験研究を
中止しようとするときは
あらかじめ、届け出なければならない。

5 指定が取り消されたときは
その旨は公示されない。


希少疾病用医薬品とは
対象患者数 5 万人未満で
必要性が高いなどの条件を満たすとして
薬事・食品衛生審議会の意見を聴き
厚生労働大臣が指定するものです。
対象者数に関する資料が必要です。

指定を受けると
助成金交付、優先審査などの
優遇を受け、開発を促進できます。

指定や指定取り消しをすると
公示されます。
指定を受けてからの研究中には
届け出が必要です。
(医薬品医療機器等法 77 条)


以上より
選択肢 1 ~ 4 は正しい 選択肢です。


従って、正解は 5 です。




問318-319 
83歳男性。
血糖コントロール不良のため
在宅訪問による服薬管理を行ってほしいと
内科医から保険薬局に依頼があった。

保険薬剤師が男性宅を訪問したと
多くの糖尿病治療薬の飲み残しがあった。
また家族からの情報で
この男性は耳鳴りを訴え
耳鼻科からの投薬を受けていることを確認した。
認知機能の低下は顕著ではない。


問318
薬剤師は、この男性の
服薬アドヒアランス低下に関わる
問題点を確認した。
それに対する薬剤師の対応のうち
誤っているのはどれか。1 つ選べ。


選択肢 1,3,4,5 は、正しい選択肢です。


選択肢 2 ですが
休肝日とは違うのだから
休薬日を設けるよう、指導しては
いけません。

恐怖心を取り除くように説明する
という部分は、適切と考えられます。

怖いと思うようになった体験や
誰かから聞いた話による勘違いなどが
あるかもしれないため、詳しく話を
聞き出しつつ、行動改善につながるように
指導できるとよいと思われます。


正解は 2 です。



問319(法規・制度・倫理)
この男性は、介護保険の給付を
受けるために申請をすることになった。
介護保険制度に関する説明のうち
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 75歳以上の人は
自己負担金が免除されます。

2 要介護状態区分は
介護認定審査会が判定します。

3 要介護状態は
要介護1と2の2つに区分されています。

4 要介護認定を受けた場合
訪問による薬剤管理指導に係る給付は
医療保険が優先されます。

5 介護支援専門員は
サービス計画書(ケアプラン)の
作成などを行います。


選択肢 1 ですが
自己負担が所得に応じて、1割や2割
かかります。
75 歳以上は免除では、ありません。

よって、選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 は、正しい選択肢です。
介護認定審査会とは
市町村に設置された機関です。
5名程度の合議体で、複数設置も可能です。

かかりつけ医の意見を基に
要介護認定を行います。


選択肢 3 ですが
「要介護状態」は、区分1~区分5に
分類されます。1,2だけでは、ありません。
数字が大きいほど、介護が必要という区分です。

よって、選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが
要介護認定を受けた場合
介護保険優先の原則から
介護保険が優先されます。

よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。


以上より、正解は 2,5 です。




問320-321 
下図は、製造販売業者から
独立行政法人医薬品
医療機器総合機構(PMDA)へ報告された
一般用医薬品が原因と疑われる
副作用の数を円グラフで示したものである。


問320(実務)
図のア及びイに入る薬効分類の組合せとして
正しいのはどれか。1 つ選べ。

   ア                    イ
1 総合感冒薬剤  漢方製剤
総合感冒薬剤 胃腸薬
胃腸薬    漢方製剤
胃腸薬    総合感冒薬剤
漢方製剤   胃腸薬
漢方製剤   総合感冒薬剤


一番副作用が多い ア は
一番使われている印象から
「総合感冒薬」と選べるのでは
ないでしょうか。

これにより、正解は 1,2 の
どちらかになります。


漢方製剤と、胃腸薬の
使用頻度については
なんとも判断しづらいと思います。
(知っていれば、それでOKです。)

そこで、副作用を考えてみると
偽グリチルリチン症や
肝障害がある漢方製剤 が

それほど目立った副作用が
うかびづらい胃腸薬 よりは
多いのではないかと
考えられるのではないでしょうか。


以上より、正解は 1 です。



問321(法規・制度・倫理)
医薬品による危害の発生又は
拡大の防止のために定められている
施策に関する記述のうち
正しいのはどれか。つ選べ。

1 患者が、直接、PMDA に
副作用を報告する制度はない。

2 医薬品の製造販売業者は
その製造販売をしている医薬品について
副作用等を知ったときは
内容にかかわらず30日以内に
厚生労働大臣に報告しなければならない。

3 国は、医薬品の使用による
保健衛生上の危害の発生及び
拡大の防止のための施策を
策定しなければならない。

4 薬剤師は
医薬品の製造販売業者が行う
適正な使用のために
必要な情報の収集に協力するよう
努めなければならない。

5 都道府県知事は
医薬品による保健衛生上の危害の発生
又は拡大を防止するた
必要があると認めるときは
製造販売業者に対して、当該医薬品の
販売の一時停止を命ずることができる。



選択肢 1 ですが
現在 PMDA は、試行的にWEBシステムで
患者から副作用情報を直接収集しています。

参考)PMDA 患者の皆様からの副作用報告

よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが
医薬品医療機器等法 
第68条の10  1項に基づき
施行規則228条の20が定めるところによれば

副作用等の内容や
医薬品の種類に基づき
15日以内、30日以内など
異なった期間が存在します。

よって、選択肢 2 は誤りです。


ちなみにですが
実際に製薬会社に勤めていて
報告事例と出会った時
「厚生労働大臣には
どう報告すればいいんだ?」
と考えるかもしれません。

同法第 68 条の13 によって
PMDA に情報の整理はまかせており
PMDA サイトに、書式は公開されています。
報告の宛先も PMDA となっています。


選択肢 3,4 は、正しい選択肢です。
内容があまり具体的でなく
そりゃそうだ、という内容だから
何となく誤りにはできない、程度での
判断でよいと思います。

選択肢 3 は、同法第1条
選択肢 4 は、同法第68条の2 に
規定されている内容です。



選択肢 5 ですが
「県知事」だと
何県の?という疑問が出てきます。

国全体での対応が
必要となることをふまえると
「厚生労働大臣」であると考えられます。

同法第69条の3 「緊急命令」に関する
記述です。

よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 3,4 です。




問322-323 
保険薬局の管理薬剤師が
新人の薬剤師に保険調剤
について指導を行った。

問322(実務)
管理薬剤師が説明する内容として
正しいのはどれか。2 つ選べ。

1 調剤を行う場合は
患者の服薬状況
及び薬剤服用歴を確認しなければならない。

2 調剤を行った場合は
その翌月末までに
当該調剤に関する必要な事項を
調剤録に記載しなければならない。

3 調剤済みとなった麻薬処方箋の
保管期間は、5年間である。

4 後発医薬品に変更可能な
処方箋を調剤するときは
患者に対して後発医薬品に関する
説明を適切に行わなければならない。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。



選択肢 2 ですが
薬担規則第10条によれば
「翌月末」まで、ではなく
「遅滞なく」です。

「遅滞なく」は
具体的な日数が決まっているわけでは
ありません。

よって、選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
薬剤師法第 27 条より
処方せんの保管期間は 「3」 年です。
「5年間」では、ありません。

よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。



以上より、正解は 1,4 です。



問323(法規・制度・倫理)
保険調剤は
「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」
に基づくものである。
の規則の根拠となっている法律はどれか。
1 つ選べ。

1 介護保険法
2 医療法
3 健康保険法
4 薬剤師法
5 医薬品医療機器等法



薬担規則と略される 本問の規則は
規則第 1 条によれば
「健康保険法の規定に基づき・・・
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則を
次のように定める
とあります。

従って、この規則の根拠は
健康保険法です。

この条文を思い出すことができなかったとしても
「薬局 及び 薬剤師」の規則なのだから
介護保険だけの話では、カバーしきれない。
薬剤師法だけでは、カバーしきれない。
医療機器の話ではない。

ということで、選択肢1,4,5 は誤りと
考えられます。

さらに「保険」という
キーワードが繰り返し出ていることから
「医療」という漠然としたものよりも
「健康保険」という名前がつく法律の方が
適切であると推測できるのではないでしょうか。


以上より、正解は 3 です。




問324-325 
25歳男性。19時に来局した。
男性は
「本日、夕方から咳こみがひどく
おなかの調子も良くない。
熱はないのでかぜの初期症状だと思う。
明日から始まる国体に選手として参加するのだが
夜間診療している医療機関に行く時間がない。
薬局で買えるかぜ薬と胃薬で早く対処したい。」
と訴えた。

問324(実務)
以下の成分を含む一般用医薬品のうち
ドーピング禁止物質※を
含まないのはどれか。2つ選べ。
(※ 世界アンチ・ドーピング機構が定める
禁止表に記載されている物質)



◯◯エフェドリンや、麻黄に注意が必要です。
興奮作用があるからです。
メトキシフェナミン、トリメトキノールもだめです。
β 2 刺激が、筋力増強を期待できてしまうためです。

生薬だと
ホミカエキス(ストリキニーネ含む)
カイクジン、ジャコウなどが注意です。

ステロイドやナファゾリンは
局所なら大丈夫です。

ちなみに、尿中濃度でドーピング判定するから
尿量が多いと、濃度を下げることができます。
そのため、利尿剤の使用は禁止されている点も
注意する必要があります。

以上をふまえ、各選択肢を検討します。


選択肢 1 ですが
「食べ過ぎ、飲み過ぎに」みたいなフレーズで
販売されている胃腸薬の一種です。
ホミカエキスが入っているので
禁止物質を含みます。


選択肢 2 ですが
「喘鳴を伴うせきに」みたいなフレーズで
販売されている咳止めの一種です。
メトキシフェナミンが入っているので
禁止物質を含みます。


選択肢 3 は
「つらいせきに」みたいなフレーズで
販売されている咳止めの一種です。
コデインやカフェインが、大丈夫なのか・・・?
と感じるかもしれませんが
この薬には、禁止物質は含まれません。



選択肢 4 ですが
「かぜで、のどがつらいあなた」みたいなフレーズで
販売されている総合かぜ薬の一種です。
◯◯エフェドリンが入っているので
禁止物質を含みます。



選択肢 5 は
胃のけいれんなどに用いられる
鎮痙薬の一種です。
禁止物質は、含まれません。

つい、抗コリン薬だから
「禁忌」を連想するかもしれませんが
ブチルスコポラミンや
喘息治療などに用いる
抗コリン薬などは
禁止物質には含まれていません。


従って、正解は 3,5 です。


問325(法規・制度・倫理)
この男性に対する薬剤師の説明として
適切なのはどれか。2 つ選べ。

1 漢方製剤であれば
どの製品でも使用できます。

2 健康食品・サプリメントの使用にも
注意が必要です。

3 かぜ薬と胃薬であれば
今晩使用した分は、明日の朝までに
体外に排出されます。

4 ドーピング禁止物質は
新しく追加されたり
変更されることがあります。


選択肢 1 ですが
麻黄など、禁止されている生薬成分があるので
「漢方ならば、OK」では、ありません。

よって、選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 は、正しい選択肢です。
サプリメントに
蛋白同化薬が含まれていた例など
があり、注意が必要です。



選択肢 3 ですが
ドーピング検査をパスできるレベルまで
体内の薬物を排出するには
1週間程度、また、それ以上の期間
かかることもあります。

今晩使用して、明日には大丈夫とは
いえません。

よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。
最新の情報に注意が必要です。



以上より、正解は 2,4 です。





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