問101-112 解説


問112
下図はヒトの排卵周期を示している。
以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、男性においてホルモン A は精巣での
テストステロン合成を促進する。



1 排卵周期の約14日における
ホルモン A の大量分泌が排卵を引き起こす。

2 ホルモン B は黄体細胞に作用して
その細胞増殖を促進する。

3 ホルモン A の大量分泌に
先だったホルモン C の血中濃度の増加は
視床下部からの 性腺刺激ホルモン放出ホルモンの
分泌を抑制する。

4 排卵周期 14 日以降では
ホルモン D が子宮内膜からの
粘液の分泌を促進する。

5 ホルモン C の血中濃度の増加は
排卵周期 14 日以降の
基礎体温の上昇を引き起こす。


排卵については
前提として、卵巣という「現場」と
視床下部や下垂体がいる「会議室」という
2つのステージがあることをイメージすると
わかりやすいと思います。


そして、排卵に関連するホルモンも
大雑把に2つにまず分けるとイメージしやすいです。

1つめのグループは
「ボスである視床下部から
下垂体への指令」 により
下垂体から出される、二種類の
FSH(卵胞刺激ホルモン) 及び
LH(黄体化ホルモン) というホルモン です。

2つめのグループは
現場である「卵巣」から出される
二種類の
エストロゲンと、プロゲステロン というホルモン
です。


ちなみに、そもそも
「排卵を引き起こすホルモン」は、といえば
それは、「LH ホルモン」です。
LH サージと呼ばれる
LH ホルモンの急上昇が
排卵の引き金です。


エストロゲンとプロゲステロンは
大雑把にいうと
排卵という「イベント」を真ん中とした時
「前半」担当ホルモン=エストロゲン
「後半」担当ホルモン=プロゲステロンです。

エストロゲン急上昇
(排卵のための準備)
→排卵
→プロゲステロン(黄体ホルモン)急上昇
(排卵後の後処理。
ちなみに、この時期 基礎体温 上昇。)
という流れになります。


以上をふまえて
各選択肢の検討を行います。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。
混乱しやすいポイントなのですが
第一段階の
「視床下部による指令を受けて
下垂体が放出する FSH、LH」は
卵胞や黄体のない、男性でも放出されています。

対象臓器は睾丸です。
FSH → 精子形成促進
LH → 男性ホルモン合成促進 です。
従って、A の方が、LH です。

この知識がなくても
急上昇している方が、LH と判断できるとよいです。

そして、LH の大量分泌 が
排卵を引き起こします。


選択肢 2 ですが
ホルモン B は、FSH です。
「卵胞」に作用します。
「黄体」に作用では、ありません。

よって、選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
ホルモン C は
「前半」担当ホルモンです。

「前半」担当ホルモン急上昇
→準備OK!LH急上昇していいよ!
→了解です。じゃあ出して~。by 視床下部。
(この指令が、性腺刺激ホルモン放出ホルモン

という流れなので
抑制ではなく、促進です。


選択肢 4 は、正しい選択肢です。
「後半」担当のホルモン D が放出されることで
粘液分泌促進などの変化が促されます。


選択肢 5 ですが
基礎体温上昇を引き起こすのは
「後半」担当の、ホルモン D
つまり、プロゲステロンです。

よって、選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1,4 です。