101-81~101-90 解説一覧


問81
「患者の生活の質 (quality of life)」を
改善するという明確な結果をもたらすために
とられる薬物療法を、責任をもって
遂行すること」と定義される

行動哲学を示す用語として
正しいのはどれか。1つ選べ。

1 care plan
2 evidence - based medicine
3 narrative - based medicine
4 pharmaceutical care
5 problem - oriented system


記述の内容は
ファーマシューティカルケア です。
正解は 4 です。


ちなみに
選択肢 1 のケアプランとは
介護の計画書のことです。

これからどのような生活を送りたいか
という目標を設定したうえで
どのようなサービスを利用するかという
計画書です。


選択肢 2 の
エビデンスベースドメディシンは
EBM と略されます。
根拠に基づいた医療 などに訳されます。

個々の患者のケアに関わる意思決定のため
最新、最良の根拠を、一貫性を持って
明示的な態度で、思慮深く用いる ような
医療のあり方 です。

重要なのは
患者とともに決定する、ということです。

文献を見つけて
その通りにやる医療というわけでは
ありません。
あくまでも、患者の意思決定のために
根拠を適切に用いる という医療のあり方です。


選択肢 3 の
ナラティブベースドメディシンは
物語に基づく医療 と訳されます。
患者の体験の語りを真摯に理解し
問題解決に向けた新しい物語を作り出すこと
といわれます。

EBM を補完するものとしての位置づけが
あるとされています。


選択肢 5 は、POS と略されます。
問題志向型システム と訳されます。

患者の医療上の問題に焦点を合わせ
解決するための一連のシステム、考え方
のことです。

具体的な手段として
SOAP 形式による記録 などがあります。


以上より、正解は 4 です。




問82
医薬品の使用によって健康被害が生じた場合に
医療従事者が厚生労働大臣(情報の整理を独立行政法人
医薬品医療機器総合機構(PMDA)に行わせることと
した場合には、PMDA)に提出するのはどれか。1つ選べ。

1 インシデント報告書
2 プレアボイド報告書
3 DI ニュース
4 安全性速報
5 医薬品安全性情報報告書


選択肢 1 ですが
インシデント報告書は、別名
ヒヤリ・ハット報告書です。

患者に障害を及ぼさなかったけれど
はっとした経験=インシデント に関する
報告書です。


選択肢 2 ですが
プレアボイド報告書は
薬剤師が薬物療法に直接関与し
薬学的ケアによって、患者の不利益を
回避・軽減した事例の報告書です。

日本病院薬剤師会が
報告を収集しています。


選択肢 3 ですが
DI ニュースは
各病院薬剤部などが
定期的に報告・公開しているものです。


選択肢 4 ですが
安全性速報(ブルーレター)とは
添付文書改訂の際
迅速に注意喚起等が必要な場合に

厚生労働省からの指示や
製薬企業の自主決定に基づき
作成される文書等です。



以上より、選択肢 1 ~ 4 は
誤りです。


よって、正解は 5 です。




問83
院内感染の原因菌の1つである
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の
主要な感染経路はどれか。1つ選べ。

1 空気感染
2 飛沫感染
3 接触感染
4 昆虫媒介感染
5 垂直感染


黄色ブドウ球菌の
主要な感染経路は、接触感染です。

感染の拡大を防ぐために
もっとも大切なのは、手洗い、手指の消毒です。

正解は 3 です。




問84 
卵白アレルギーのある患者に
禁忌である薬物はどれか。
1つ選べ。

1 リゾチーム塩酸塩
2 アンブロキソール塩酸塩
3 シプロヘプタジン塩酸塩水和物
4 ブロムヘキシン塩酸塩
5 プロカテロール塩酸塩水和物



リゾチームは
卵白から抽出した酵素です。

副鼻腔炎の緩解や
痰の切れをよくする薬です。

卵白アレルギー患者への投与は
禁忌です。


以上より、正解は 1 です。


ちなみに
選択肢 2 の
アンブロキソール(ムコソルバン) 及び
選択肢 4 のブロムヘキシンは
痰の切れをよくする薬です。


選択肢 3 の
シプロヘプタジン(ペリアクチン)は
抗ヒスタミン薬です。
アレルギー症状をおさえます。


選択肢 5 の
プロカテロール(メプチン)は
β 2 刺激薬です。
気管支拡張薬です。




問85 
血液凝固因子製剤を患者に使用した場合
血液製剤管理簿を作成する意義として
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。


1 在庫切れの防止
2 使用頻度の把握
3 購入価格の把握
4 有効期限切れの防止
5 保健衛生上の危害の発生又は拡大の防止


血液製剤管理簿とは
製品名、製造番号、患者の方の
氏名、住所、投与日を記録し
管理するものです。
少なくとも 20 年間の保管が
義務付けられています。

この目的は
万が一感染症が発生した場合の
遡及調査を容易に行うためです。

もちろん、血液製剤が医療機関に届くまで
種々の安全対策は施されています。

しかし
ウイルスの存在が
検査でわかるようになるまでの
ウィンドウ・ピリオド の存在などがあり
リスクはどうしてもわずかに存在します。

そこで、使用に関する管理も
種々の安全対策と共に
義務付けられています。


以上より、正解は 5 です。




問86 
熱に不安定な薬物の
水溶液を滅菌するのに
最も適した方法はどれか。
1つ選べ。

1 高圧蒸気滅菌
2 乾熱滅菌
3 ろ過滅菌
4 高周波滅菌
5 ガス滅菌



選択肢 1,2 は、熱に不安定な薬物を
分解してしまう危険があり、不適切です。


選択肢 3 は、正しい選択肢です。


選択肢 4 ですが
高周波では、熱が発生してしまうため
不適切です。


選択肢 5 ですが
ガスでは、水溶液の内部の滅菌ができず
不適切です。


以上より、正解は 3 です。




問87
下図は、ある生理食塩液製剤のラベルの一部を示したものである。
1の値として正しいのはどれか。1つ選べ。



1 23
2 58.5
3 77
4 154
5 308


mEq/L というのは
mmol/L のようなものです。
イオン濃度に対して用いられます。

また、生理食塩水というのは
0.9 % NaCl 水溶液です。

0.9 % NaCl 水溶液なので
100mL 中に 0.9g NaCl が入っています。

100 mL 中に、0.9g NaCl があれば
Na+ と Cl- は 完全に 1:1 に電離するので
NaとCl- は、同じ濃度になると考えられます。

よって、1の値は
Cl- の所と同じはずです。
つまり、154 です。


以上より、正解は 4 です。




問88 
「1件の重大事故の背後には
29件の小さな事故があり
その背景には300件の
事故に至らない事例がある」
という経験則はどれか。1つ選べ。

1 ドミノの法則
2 ハインリッヒの法則
3 マーフィーの法則
4 ムーアの法則
5 メラビアンの法則


選択肢 1 ですが
ドミノの法則とは
行動心理学では
「初めのいい印象が後々まで続く」
という法則です。


選択肢 2 が、正しい法則です。


選択肢 3 ですが
マーフィーの法則は
ユーモアあふれる本 及び
その中で記述される経験則です。


選択肢 4 ですが
ムーアの法則は
半導体の集積密度に関する法則です。

1.5 ~ 2 年で、集積度が 2 倍になる
という経験則です。



選択肢 5 ですが
メラビアンの法則は
コミュニケーションに関する
実験から得られたルールです。

メッセージが 
矛盾する2通りの解釈を可能な場合
例)「笑いつつ、叱る とか。」

受け手が重視するポイントが
「7=内容。
38=聴覚情報。口調、早さなど。
55=視覚情報。見た目。」 であった
という法則です。


以上より、正解は 2 です。




問89 
調剤録を作成するにあたり
該当する事項があった場合
記載が必要なのはどれか。
1つ選べ。

1 後発医薬品の使用に関する患者の意向
2 患者の身長及び体重
3 患者の副作用歴
4 疑義照会の結果
5 残薬の状況


実習において
本問の選択肢 1 ~ 5 の内容は
「薬歴」に記入した印象が
強いかもしれません。

ただ、疑義照会の結果だけは
「処方箋の余白部分に記入した」 という
経験があったのではないかと思います。

そして
処方箋余白部分だけでなく
調剤録にも、疑義照会の内容は
記載義務があります。

ただし
「処方箋の余白部分」に
疑義照会の内容を書き
「裏」に調剤録を印字したり
シールが貼ってあったり
という形だった場合は

処方箋か、調剤録のどちらか一方のみで
記載はよい、ということになっています。


以上より、正解は 4 です。




問90 
大雨の翌日
床上浸水の被害にあった男性が
汚水に浸かった室内を
消毒する目的で薬局を訪れた。

この男性に提案する消毒剤として
最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 グルタラール液
2 ベンザルコニウム塩化物液
3 ポピドンヨード液
4 アクリノール液
5 オキシドール


選択肢 1 ですが
グルタラールは毒性が強く
室内の消毒に適切とは
考えられません。


選択肢 2 ですが
ベンザルコニウム塩化物は
逆性せっけんです。
使用は適切であると考えられます。


選択肢 3,4 ですが
ヨードやアクリノールを使うと
色づいてしまうので
不適切と考えられます。


選択肢 5 ですが
オキシドールは
脱色作用があるので
選択は不適切と考えられます。


以上より
正解は 2 と考えられます。