問121 栄養素の過不足による疾病に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ビタミン A の摂取不足は 頭蓋内圧亢進による頭痛を引き起こす。 2 新生児ではビタミン K 欠乏性出血症が起こることがある。 3 妊婦のビタミン B6 の摂取不足により 胎児の神経管閉鎖障害が起こることがある。 4 カリウムの摂取不足は 血圧の低下を引き起こす。 5 甲状腺腫は、ヨウ素の過剰摂取によっても 摂取不足によっても起こりうる。 問122 40 歳女性。血圧が高めであるため、1 日に摂取する 食塩相当量を、食事摂取基準(2015 年度版) の目標量 (男性 8.0 g/日 未満、女性 7.0 g/ 日 未満)に抑えるように 気をつけている。 ある日、外出していたため朝食のおにぎりと 昼食の弁当を購入した。 成分表示を見ると、おにぎりには 「食塩相当量 1.4 g」、弁当には 「ナトリウム 1,100 mg」 との記載があった。 この日の夕食は食塩相当量として 何 g 未満にする必要があるか。最も近い値を 1 つ選べ。 ただし、Na 及び Cl の原子量を 23 及び 35.5 とし 3 食以外は食塩の摂取はないものとする。 1 6.3 2 5.3 3 3.8 4 2.8 5 1.6 6 0.65 問123 食品に由来する有害物質に関する記述のうち 正しいのはどれか。1つ選べ。 1 ポテトチップスを製造する際の加熱時に ジャガイモに多く含まれるアスパラギンが糖と反応して アクリルアミドが生じる。 2 魚の焼け焦げの部分に含まれる トリプトファン由来の変異原性物質は、トリプタミンである。 3 マーガリンやショートニングなどに含まれる トランス脂肪酸は発がん性を示すため 食品中含量の表示が義務づけられている。 4 魚に含まれる 2 級アミンが胃の中で 塩酸と反応することにより、ニトロソアミンが生じる。 5 輸入ピーナッツと同様に コウジ菌を用いる味噌・醤油についても 食品中のアフラトキシン濃度が重点的に 検査されている。 問124 食品の安全に関わる 法制度に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ポジティブリスト制度により 国内で流通しているすべての農薬について 食品中の残留基準が個別に設定されている。 2 HACCP とは、食品製造における 最終製品の抜き取り検査による 衛生管理の方法である。 3 特定保健用食品の 関与成分の健康影響は 食品安全委員会が評価を行う。 4 食品表示法は JAS 法、食品衛生法、健康増進法の 食品の表示に関する規定を統合して 包括的かつ一元的にしたものである。 5 食品添加物の規格や使用基準は 食品安全基本法で定められている。 問125 ウェルシュ菌及びウェルシュ菌による 食中毒に関する記述のうち 正しいのはどれか。つ選べ。 1 ウェルシュ菌は Clostridium botulinum という学名の 偏性嫌気性菌である。 2 最近(2011年以降)の 1年あたりの発生件数は 腸炎ビブリオによる食中毒より少ない。 3 最近(2011年以降)の 食中毒1件あたりの平均患者数は カンピロバクターによる 食中毒に比べて多い。 4 給食や学生食堂において 食肉を調理したカレーやシチューなどの 食品が原因となることが多い。 5 潜伏期間は3日~1週間と長く 主要症状は腹痛と水様性下痢である。 問126 合計特殊出生率及び 下図に関する記述のうち 正しいのはどれか。2 つ選べ。 1 合計特殊出生率は 15歳から39歳までの女性を 対象として算出する。 2 合計特殊出生率は 既婚女性のみを対象として算出する。 3 合計特殊出生率は 総再生産率の約 2 倍の値となる。 4 下図から、1960年には 夫婦一組あたりの平均子供数が 2人であったことがわかる。 5 下図から、合計特殊出生率の低下には 未婚率の上昇が影響している可能性が 考えられる。 問127 第二次世界大戦後 四日市地域ではコンビナート (火力発電、石油精製、石油化学の工場群)が 次々に操業を開始した。 その後、市への悪臭の苦情及び 汚染地域でのぜん息患者が増加したが これらの現象は コンビナート操業前には認められなかった。 そのため 1961年から5年間の 国民健康保険のレセプト (診療報酬明細書)をもとに 汚染地区と汚染がみられなかった地区 (対照地区)の住民約3万人について 二酸化硫黄による大気汚染と 地域住民の気管支ぜん息などの 健康被害の調査が行われた。 以下の図1~3は、その調査結果である。 この疫学調査に関する記述のうち 正しいのはどれか。2 つ選べ。 1 この調査は、症例対照研究である。 2 1961年の時点で、四日市市内では 頻繫に酸性雨が認められていた。 3 対照地区でも気管支ぜん息の 受診があったことから 二酸化硫黄が原因物質である 可能性は低いと考えられる。 4 1961年以降、汚染地区で 気管支ぜん息の受診割合が 対照地区に比べ多いことから 二酸化硫黄曝露と健康被害との間には 関連があると考えられる。 5 二酸化硫黄濃度が高くなると 気管支ぜん息の発作回数が増加する 傾向が認められる。 問128 コーヒー摂取と発がんとの 関係を調べるため 10,000人を対象として 10年間のコホート研究を行った結果 コーヒー摂取(1日4杯以上)の有無によって 肺がん発症率には差が見られない というデータが得られた(表1)。 そこで、コーヒーを多飲する人には 喫煙者が多いのではないかと考え さらに解析を行った(表2)。 この解析に関する記述のうち 正しいのはどれか。2 つ選べ。 1 喫煙(1日5本以上)による 肺がん発症の相対危険度は 6.0と計算される。 2 喫煙1日5本未満の者では コーヒー摂取(1日4杯以上)が 肺がん発症の相対危険度を 低下させることがわかる。 3 喫煙者(1日5本以上)の 肺がん発症の相対危険度に コーヒー摂取は影響を 与えないことがわかる。 4 コーヒー摂取1日4杯未満 かつ喫煙1日5本未満 である群が最も肺がんの 罹患率が低いことがわかる。 問129 エボラ出血熱とMERS (中東呼吸器症候群)の両方に あてはまる記述はどれか。つ選べ。 1 病原体はウイルスである。 2 自然宿主である 野生動物を介して感染が拡大する。 3 発症した際の致死率は5%未満である。 4 感染症法(感染症の予防及び 感染症の患者に対する医療に関する法律)で 一類感染症に分類される。 5 検疫感染症に指定されている。 問130 母子感染に関する記述のうち 正しいのはどれか。つ選べ。 1 妊娠初期に サイトメガロウイルスに初感染すると 母子感染を起こすことがある。 2 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の 母子感染を防ぐため ワクチンの接種が推奨されている。 3 B型肝炎ウイルスは 母体にワクチンを接種することにより 胎児への感染を防ぐことができる。 4 風疹は高率で胎内感染を起こすため その予防を目的に 妊娠前の抗体検査が推奨されている。 5 トキソプラズマ感染による先天異常は ワクチンにより防ぐことができる。 問131 体内からの化学物質の 排泄に関する記述のうち 正しいのはどれか。2 つ選べ。 1 尿や胆汁以外にも 唾液腺、汗腺、及び涙腺を介して 化学物質は排泄される。 2 血液への溶解度が高く かつ脂溶性が高い化学物質は 呼気中への排泄が速い。 3 化学物質の胆汁への排泄効率は その分子量に依存しない。 4 爪や毛髪も化学物質の 排泄経路とみなすことができる。 問132 発がん物質A~Eの代謝と 発がん作用に関する記述のうち 正しいのはどれか。2 つ選べ。 1 Aは、それ自身がDNA と反応する 一次発がん物質である。 2 Bの究極的代謝活性体は シトクロムP450による酸化を受けた後に 生成するメチルカチオンである。 3 Cの究極的代謝活性体は シトクロムP450による酸化を受けた後に 生成する 9,10-ジオール体である。 4 Dの代謝活性化には シトクロムP450と エポキシドヒドロラーゼが関わっている。 5 Eの究極的代謝活性体は シトクロムP450により メチル基が酸化された後に N -脱メチル化で生成する メチルカチオンである。 問133 ある乱用薬物について 呈色反応に基づく簡易検査を行ったところ 以下の構造を有する化合物が生成し アルカリ性条件下で赤色を呈した。 この乱用薬物はどれか。1 つ選べ。 1 アンフェタミン 2 メタンフェタミン 3 メトカチノン 4 MDMA 5 4-メトキシアンフェタミン 問134 「残留性有機汚染物質に関する ストックホルム条約(POPs条約)」に 関する記述のうち 正しいのはどれか。2 つ選べ。 1 蓄積性がないものも 対象物質に含まれている。 2 対象物質は すべて長距離移動性を有する。 3 非意図的生成物である対象物質に対し その排出を削減することが定められている。 4 ヒトに対する長期毒性が 不明なものも対象物質に含まれている。 5 対象物質は、すべて 化学物質の審査及び製造等の 規制に関する法律(化審法) の規制対象物質である。 問135 ハロアルカン類の化合物には オゾン層破壊効果や温室効果を 持つものがある。 それらは、オゾン層破壊効果の 強弱に基づき3つの群に分類される。 下図は、冷媒として使用する ハロアルカン類の国内出荷量を 地球温暖化係数を用いて 二酸化炭素相当量に換算し その経年変化を表したものである。 ②群に分類される化合物の 構造式を2 つ選べ。 問136 環境中の水に関する記述のうち 正しいのはどれか。2 つ選べ。 1 水圏は、生態系の 構成要素の1つである。 2 海洋は、地球表面の 約90%を占める。 3 地球に存在する海水と淡水の 質量比率は約4:1である。 4 表層水は、地下水に比べ 我が国では水道水源としての取水量が多い。 5 地下水は、表層水に比べ 自浄作用が強く汚染されにくい。 問137 水中の溶存酸素(DO)の測定法 (ウインクラー法)に関する次の記述の a~ cに入るべき語句の 正しい組合せはどれか。つ選べ。 ウインクラー法では アルカリ性条件下で硫酸マンガンから 生じた水酸化マンガンと 試料中のDOが反応することにより 速やかに酸素が( a )され 亜マンガン酸の( b )沈殿を生じる。 次に、硫酸を加えることで DOと当量の( c )が遊離するので チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し DOを求める。 問138 大気汚染物質に関する記述のうち 正しいのはどれか。つ選べ。 1 硫黄酸化物の主な発生源は 自動車のガソリンエンジンである。 2 光化学オキシダントは 炭化水素と硫黄酸化物が 太陽光の作用により光化学反応して生成する。 3 浮遊粒子状物質には 発生源から直接排出された 一次生成粒子と 大気中でガス成分が反応して生じた 二次生成粒子がある。 4 炭化水素類を成分とする溶剤を 使用する工場、事業所は 非メタン炭化水素の 主な発生源の1つである。 5 窒素酸化物は 排煙を塩基性の水溶液に接触させることにより 効果的に除去することができる。 問139 下の図は ある晴れた風がない冬の日の早朝 ある町の風景を示したものである。 この町は平野にあり、左側には工場がある。 この工場の煙突からは煙が出ており ある高さから右の方にのびていた。 このときの気象条件に関する記述のうち 正しいのはどれか。2 つ選べ。 1 このときの大気の安定度は 非常に低い状態だったと推測される。 2 放射冷却が発生した可能性が高い。 3 煙突付近の気温が 地表付近の気温よりも高い可能性がある。 4 地表付近で汚染物質が発生しても その濃度は速やかに低下する。 問140 ある教室の室内環境について 以下の数値を得た。 アスマン通風乾湿計の 乾球温度21.0℃ アスマン通風乾湿計の 湿球温度15.0℃ 黒球温度計の示度22.5℃ 湿度図表から求めた 相当湿球温度16.0℃ (黒球温度に対応する湿球温度) 気動1.0m/sec これらの値と 以下の補正感覚温度 (CET)図表(座標軸のタイトルは表示し ていない)を用いて求められる 熱輻射を考慮した補正感覚温度 実効輻射温度の正しい組合せは どれか。1 つ選べ。 |