101-1~101-5 解説一覧


問1 
同圧下で最も沸点の高いのはどれか。
1つ選べ。

1 HF
2 HCl
3 HI
4 H2O
5 H2S


沸点は、原則として
分子量が高いほど高くなります。

例外として
水素結合を形成することができる分子は
同じ分子量でも、沸点が高くなります。

水素結合を形成する分子の中でも
「水素を2つ持っている」点 及び
「O の電気陰性度がかなり高い」点から
正解は 4  であると考えられます。


ちなみに
「水が、分子量の割に、異常に沸点・融点が高い」
という知識から 4 と考えてもよいと思われます。


参考)
(化学結合のなりたち)



問2 下図のような反応において
E3 が示すものはどれか。1つ選べ。
1 活性化エネルギー
2 活性化自由エネルギー
3 活性化エンタルピー
4 活性化エントロピー
5 反応熱



E1,E2 は、活性化自由エネルギー(選択肢 2 )
E3 は、ΔG もしくは反応熱(選択肢 5)です。

正解は 5 です。


ちなみに
選択肢 1 ですが
活性化エネルギー(Ea)とは
反応速度と温度の関係 を表した
アレニウスの式に出てくるパラメータです。


選択肢 3,4 ですが
自由エネルギーと
エンタルピー、エントロピーの間には
G=H-TS の関係が成り立ちます。

活性化自由エネルギー(ΔG)も同様に
ΔG = ΔH - T ΔS が成り立ちます。

言い換えると
活性化自由エネルギーの値は
活性化エンタルピー(ΔH)の寄与 と 
活性化エントロピー(ΔS)の寄与 に
分けて考えることができます。




問3
示強性状態関数の熱力学的パラメータはどれか。
1つ選べ。

1 ギブズ自由エネルギー(G)
2 エンタルピー(H)
3 圧力(P)
4 エントロピー(S)
5 内部エネルギー(U)


示強性とは
「全く同じ条件の系を
2つ考えて、1つに合わせたり

1つの系を半分ずつに分けて
そのうち1つに注目したりした時に

変化しない」ようなパラメータのことです。


例としては、温度や圧力があります。


以上より、正解は 3 です。



ちなみに、自由エネルギーについては
1mol なら、x のエネルギーがあったとすると
2 mol あれば、2 倍のエネルギーになるので
示強性では、ありません。(示量性と呼ばれます。)

エンタルピー、エントロピー
内部エネルギーも同様に、示量性です。



問4
クロマトグラフィーで用いられるパラメータのうち
クロマトグラム上のピーク相互の
保持時間の関係を示す値はどれか。
1つ選べ。

1 分離係数
2 シンメトリー係数
3 保持容量
4 理論段数
5 理論段高さ



クロマトグラムにおける
基本的な注目する場所を
以下にまとめました。


カラムに試料を流して
ピークが出始めるまでの時間と
ピークの幅・高さ に注目します。

後は、基本的用語の定義を
一言で思い出せるようにするとよいです。

本問の選択肢は、全て
クロマトグラムの基本的な用語と
考えてよいです。


選択肢 1 は、正しい選択肢です。
分離係数とは
複数の試料がある時の
tR -t0 の比 です。
式で表すと、以下のようになります。




選択肢 2 ですが
シンメトリー係数とは
ピークの対称性を示すパラメータです。
要は、ぱっと見での線対称具合です。
W0.05h (ピークの1/20 高さ)と
f の2倍(= 2f ) の比です。
式で表すと、以下のようになります。


選択肢 3 ですが
保持容量とは、保持時間を
流した液量で表したものです。

単位を体積に変えた
保持時間のようなものです。



選択肢 4,5 ですが
理論段数 はカラム性能の指標です。
大きい値の方が、優れた分離系です。

優れた分離系という表現を
より具体的に表すと
「保持時間に対して
ピークがシャープに出る」カラムです。
式で表すと、以下のようになります。

そして、理論段高さとは
カラムの長さを L とした時
L÷理論段数 のことです。

カラムを階段のように例えて考えると
イメージしやすいと思います。



以上より、正解は 1 です。



問5
pH メーターを用いた pH 測定に
最も関係する物理定数はどれか。
1つ選べ。

1 アボガドロ定数
2 ファラデー定数
3 プランク定数
4 ボルツマン定数
5 リュードベリ定数


pH メータを用いた pH 測定の原理は
「ガラス電極を隔てた溶液間の電位差」
による測定です。

電位差、つまり電気的な概念と
最も関係する物理定数は
ファラデー定数であると考えられます。

よって、正解は 2 です。


ちなみに
アボガドロ定数とは
原子の個数 と mol を対応させる数です。
約 6.0 × 1023 のことです。

「原子の個数を考える時に出てくる数!」です。
(これを含む以下の文中 「 」 の中身は
それぞれの物理定数に関する
大雑把な理解のための表現です。)


ファラデー定数とは
1 F = 96500 C のことです。
電子の物質量あたりの電荷
にあたる定数です。

「電気化学のこと(+とか-とか)を
考える時に出てくる数!」 です。


プランク定数とは
約 6.6 × 10-34 のこと。
光子の持つ、とびとびの(量子的)
エネルギーの値を定義づける
比例定数のことです。

「すごく小さい、量子とかの話で出てくる数!」です。


ボルツマン定数(k)とは
約1.38 × 10-23 ぐらいの数のことです。

統計力学において
状態数とエントロピーを関係づける数です。

また、気体の分子運動を考えた時に
エネルギーと温度の関係において
比例定数として現れます。

「乱雑な運動 を考える時に出てくる数!」です。


リュードベリ定数(R)とは
1.1 × 107(/m) ぐらい。

「吸収スペクトルの式に出てくる数!」です。