問101-45 解説


問45
体内動態が
線形 1 - コンパートメントモデルに
従う薬物を経口投与した場合
最高血中濃度到達時間が遅延する
原因として正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 吸収速度定数の増大
2 投与量の低下
3 分布容積の低下
4 消失速度定数の低下
5 吸収率の増大


経口投与での
1-コンパートメントモデルなので
「吸収コンパートメント」 と
「中心コンパートメント」 が仮定されます。

はじめはどんどん
吸収→中心 へと薬物が移行します。
中心からは、薬物が少しずつ体外へ排出されます。

最高血中濃度に到達するのは
吸収コンパートメントにおいて
だんだん薬物が少なくなり
吸収側→中心側 へと薬物が移行する速度が
中心側→体外へ排出 する速度と等しくなる時です。

それ以降は
中心側→体外へ排出 する速度の方が大きくなり
血中濃度はだんだん減少していきます。

経口投与の1コンパートメントなので
『tmax = ln(ka/ke)/(ka - ke)』 が公式でポイントです。

式の中にある変数が ka(吸収速度定数), ke (消失速度定数)なので
ka,ke が変化した時に tmax は変化します。
以上をふまえて、各選択肢を検討します。


選択肢 2,5 は変化しない選択肢です。
投与量、吸収率が変化しても、ka,ke は変化しません。
よって、tmax も変化しません。
 

選択肢 1 ですが
ka が増えると tmax は減ります。
吸収速度定数が増えているのだから
急速に血中濃度が上がって、Cmax に到達するだろうと考えられるためです。
Cmax 到達が速くなれば、tmax は短くなります。


選択肢 3 ですが
CL = ke・Vd なので、Vd が低下すると、CL↓や ke ↑ が考えられます。
もしも ke↑となると、tmax は短くなります。
また、必ずしも ke ↑と判断することもできません。
よって、選択肢 3 は正解ではありません。


以上より、選択肢 4 が正解です。
ke が低下すれば、なかなか消失できないため、
吸収側→中心側 へと薬物が移行する速度が
中心側→体外へ排出 する速度と等しくなる時間が遅くなると考えられます。
すなわち、tmax が大きくなります。


以上より、正解は 4 です。