102-113 解説


113

ヒトの体内で働くタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 膵臓から分泌されるキモトリプシンは、タンパク質のC末端から順次アミノ酸を遊離する。

2 トリプシンの触媒作用には、その活性部位にあるセリン残基が関与する。

3 トリプシノーゲンは、十二指腸上皮細胞から分泌されるエンテロペプチダーゼ(エンテロキナーゼともよばれる)により小腸内でトリプシンに変換される。

4 アンチトロンビンは、主として血管内皮細胞から分泌され、トロンビンの活性を阻害する。

5 組織プラスミノーゲンアクチベーターは、血液凝固反応で形成されたフィブリンの分解反応を触媒する。



選択肢 1 ですが

キモトリプシンは、エンドペプチダーゼです。

すなわち

タンパク質「内部」のペプチド結合を切断します。


イメージとしては、ざく切りです。

とりあえず小さくする感じです。


一方

タンパク質「末端」から順次切断するのは

エキソペプチダーゼです。


イメージとしては、みじん切りです。

端っこから均等に切っていく感じです。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2,3 は正しい記述です。



選択肢 4 ですが

アンチトロンビンは

主として「肝臓」で作られます。

トロンビンの活性を阻害するという記述は正しいです。

よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが

組織プラスミノーゲンアクティベーター(tpa)は

フィブリン分解の触媒ではなく


プラスミノーゲンを活性化させることにより

活性型プラスミンを生成する反応の触媒として働きます。

この活性型プラスミンが、フィブリンを分解します。


つまり、フィブリン分解反応における

活性化エネルギーを低下させる(=触媒として働く)

わけではなく


フィブリンを分解させる物質の生成反応を

促進させる物質である、ということです。

従って、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2,3 です。