102-121~125 解説一覧


121

下図は、午前に1回だけ(午前78時)食事を摂取した際に考えられる血糖値と血中インスリン濃度の経時変化(午前0時~午後1時)を示したものである。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 


1 Aの時点の血糖値は、主に筋肉から放出されたグルコースに由来する。

2 Bの時点の血糖値の上昇には、小腸粘膜上皮細胞のSGLT1によるグルコースの取り込みが関与している。

3 Bの時点において、インスリンは膵臓から十二指腸の管腔内に分泌され、グルコースの腸管での吸収を促進する。

4 Cの時点において、インスリン依存的に活性化されたGLUT4により筋肉にグルコースが取り込まれている。

5 Cの時点において、インスリン依存的に肝臓でのグリコーゲンの分解が促進されている。



選択肢 1 ですが

A の時点は睡眠中と考えられます。


従って

食事由来ではなく、貯蔵しているグリコーゲン分解により

血糖値が調節されていると思われます。


グリコーゲンは

主に肝臓及び筋肉に貯蔵されていますが

筋肉のグリコーゲンは

筋肉を動かすためのものです。

従って、肝臓由来であると考えられます。

選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。



選択肢 3 ですが

インスリンは血糖値を下げる「ホルモン」です。


ホルモンは

内分泌腺から「血中」に放出されます。

従って

十二指腸の管腔内に分泌されるわけではありません。

選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。



選択肢 5 ですが

インスリンは血糖値を下げるホルモンです。


肝臓でのグリコーゲン分解を促進すると

血中グルコースは上がります。


Cの時点では、血糖値は減少過程にあります。

従って、明らかに記述は誤りです。

.


以上より、正解は 2,4 です。






122

食品表示法に基づく食品表示に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 n-3系脂肪酸、ビタミンK及びカリウムは、栄養機能食品の栄養成分として栄養機能表示が認められている。

2 特定保健用食品において、疾病リスク低減表示が認められている関与成分には、葉酸、カルシウム及びへム鉄がある。

3 機能性表示食品では、科学的根拠を有する関与成分について、企業の責任において疾病リスク低減表示が認められている。

4 食品に含まれるナトリウムは、食塩相当量ではなく、ナトリウム量として表示する。

5 特定原材料又はL-フェニルアラニン化合物を含む加工食品では、表示可能面積が小さくても、これを含む旨の表示を省略してはいけない。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。


n-3 系脂肪酸には

皮膚の健康維持を助ける と表示を認められています。


ビタミンKは

正常な血液凝固能を維持する栄養素 と

表示を認められています。


カリウムには

正常な血圧を保つのに必要な栄養素 と

表示を認められています。



選択肢 2 ですが

疾病リスク軽減表示が認められている関与成分は

この試験実施時において、Ca 及び 葉酸のみです。

ヘム鉄が誤りです。


ちなみに、Ca は

骨粗しょう症のリスク軽減表示が認められています。


葉酸は

神経肝障害のリスク軽減表示が認められています。



選択肢 3 ですが

機能性表示食品は

機能性(例)血圧上昇抑制作用)を表示できますが

疾病リスク軽減表示は、認められていません。



選択肢 4 ですが

食品表示法の改正により、ナトリウム量は

食塩相当量で表示されるようになりました。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。



以上より、正解は 1,5 です。






123

50歳代の夫婦が、家庭菜園で栽培したナスを入れたスパゲティーを食べたところ、ふらつき、ろれつがまわらない、意識混濁などの症状を呈し、救急外来を受診した。摂取したナスは、チョウセンアサガオに接木して栽培したとのことであった。このナスに含まれるチョウセンアサガオ由来の有害成分として考えられるのはどれか。2つ選べ。

 

1 アコニチン

2 アミグダリン

3 スコポラミン

4 チャコニン

5 ℓ-ヒヨスチアミン



本問の事例は

10年前に実際にあったケースとして

報告されています。


ふらつき、ろれつがまわらない、意識混濁 というのは

「すごい眠気」と考えれば

抗コリン作用と読み取れるのではないかと思います。



アコニチンは

イオンチャネル活性化により

嘔吐、痙攣、心臓発作などを引き起こします。



アミグダリンは青酸配糖体です。

アンズ、ウメ、モモなどのバラ科の植物に含まれます。

ナス、アサガオとは関係ないと考えられます。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。



選択肢 4 ですが

チャコニンは

ジャガイモの芽などに含まれる天然毒素です。

ソラニンとセットで覚えておくとよいです。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。

ちなみに

ヒヨスチアミンのラセミ体が、アトロピンです。



以上より、正解は 3,5 です。





124

以下の表における観察集団(1)及び観察集団(2)の人口統計についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 


1 粗死亡率は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い。

2 老年人口割合は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い。

3 65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が低い。

4 基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、観察集団(1)では41より小さな値になる。

5 基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い値を示す。

 

選択肢 1 ですが、粗死亡率とは

一定期間の死亡数を、単純に人口で割った割合です。

年齢調整をしていません。

(そのため「粗」という接頭語がついています。)


観察集団1、2共に粗死亡率は

41/1000 = 0.41 % で、等しいです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。

300/1000と、400/1000 を比べると、400/1000 の方が高いです。



選択肢 3 ですが

30/41 と、32/41 を比べると、 32/41 の方が高いです。

よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。

基準集団は、若者が多く、年寄りが少ない集団です。

そのため、この集団に合わせて調整すれば

もともと高齢者が多い場合、死亡率が下がります。

そのため、41よりも小さくなると考えられます。



選択肢 5 ですが

もともとの高齢者の割合が、観察集団(2)の方が多いので

調整をした時により死亡率が下がるのが、(2)の方です。

従って、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2,4 です。







125 

喫煙者と非喫煙者における脳血管疾患の年齢階級別発生率を調べ、喫煙と脳血管疾患との関係を調べたところ、表に示す結果が得られた。この結果に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 この表は、症例-対照研究の結果を示している。

2 この表における相対危険度は、喫煙をやめることによって脳血管疾患発症数がどれくらい減少できるかを示している。

3 全ての年齢群のうち、5559歳の群は、喫煙が脳血管疾患を発症させるリスクが最も高いと考えられる。

4 6569歳の群の相対危険度の値が全ての年齢群の値より低いのは、加齢によって脳血管疾患の発症率が喫煙の有無にかかわらず高くなるためであると考えられる。

5 喫煙と脳血管疾患発症率との関係を解析する上で、年齢が交絡因子となっている。



選択肢 1 ですが

症例対照研究とは

ある疾病をもつ患者群ともたない患者群に対して

特定の要因への暴露状況を調査・比較することで

要因と疾病の関連を評価する研究手法のことです。

別名後ろ向き研究とも呼ばれます。


症例対照研究では、オッズ比がわかります。

相対危険度はわかりません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが

記述は、寄与危険度についてです。

よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが

非喫煙者と比較した時

一番脳血管疾患の発生「率」が上昇しているのは

相対危険度が最も高い 45~49 歳です。


よって、55~59歳の群が、喫煙による

脳血管疾患発症リスクが最も高いとは

いえません。


従って、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4,5 は、正しい記述です。


ちなみに、交絡因子とは

因果関係「AならばB」を考えた時に

AにもBにも影響を与えるような

別の因子Cのことです。


本問で言えば

年齢が高いとタバコを吸うし

年齢が高いと脳血管疾患になりやすい

といった影響を与えていると考えられます。



以上より、正解は 4,5 です。