102-136~140 解説一覧


136

放射線の線量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 実効線量とは、物理的な測定値ではなく、放射線による発がんと遺伝的影響を評価するために用いられる線量である。

2 実効線量を求めるのに用いられる組織荷重係数は、肝臓が最も大きい。

3 等価線量を求めるのに用いられる放射線荷重係数は、α線の方がγ線より大きい。

4 等価線量を表す単位としてグレイ(Gy)、実効線量を表す単位としてシーベルト(Sv)が用いられる。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。



選択肢 2 ですが

組織荷重係数とは

各組織、臓器における放射線の影響度の指標です。

これが高い方が、大きな影響を受ける組織、臓器であるということです。


生殖腺や骨髄の係数が高いです。

肝臓が最も高いということはありません。

よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。

γ 線 を1とした時、α 線は 20 です。

ちなみに、β 線、X 線は 1 です。



選択肢 4 ですが

等価線量、実効線量共に単位は、シーベルトです。


放射線、放射能の単位といえば

ベクレル、グレイ、シーベルトが頻出です。

これらの違いについて、とてもわかりやすいのが

以下のサイトの図です。ぜひ一度見ておくとよいと思います。

http://www.rikuden.co.jp/housyasennokoto/tani.html




以上より、正解は 1,3 です。






137

水の浄化法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 普通沈殿-緩速ろ過は、我が国で最も利用されている浄化法である。

2 緩速ろ過は、水中の有機物の除去率において、急速ろ過に比べて劣る。

3 薬品沈殿とは、凝集剤として硫酸アルミニウムを添加することにより、負電荷を持つ汚濁粒子を電気的に中和し、凝集塊として沈殿させる方法である。

4 急速ろ過では、主に生物化学的作用により、ろ過を行う。

5 緩速ろ過、急速ろ過のいずれを用いても、我が国の水道水では塩素剤による消毒が義務付けられている。



水の浄化法とは

原水を浄化する方法についてです。

いわゆる上水道についての問題です。



選択肢 1 ですが

我が国における一般的な浄化法は

薬品沈殿-急速ろ過です。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが

緩速ろ過では

砂層を通過させてろ過します。


この砂層に生物ろ過膜ができるので

急速ろ過よりも、有機物などが効果的に除去されます。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。



選択肢 4 ですが

生物化学的作用があるのは、緩速ろ過です。

急速ろ過では、ありません。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。




以上より、正解は 3,5 です。



類題
(塩素消毒について)






138

6種類の有機化合物を水に溶解し、生物化学的酸素要求量(BOD(注1及び2種類の測定法による化学的酸素要求量(COD)を求めた。下表は、このBODCODを、理論的酸素要求量(注2に対する割合(%)として示したものである。

この表から考えられる記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 


1 BODCODの間には、有機化合物の種類にかかわらず、比例関係が認められる。

2 酸性高温過マンガン酸法では、糖質はカルボン酸やアミノ酸に比べ、酸化されにくい。

3 2種類のCODの測定法のうち、二クロム酸法の方が有機化合物の種類にかかわらず、強い酸化力を示す。

4 この実験に用いた植種水中の微生物は、6種類の化合物のうち、酢酸に対して最も高い酸素消費量(gO/g)を示す。

5 湖沼から採取した試料水にグリシンが大量に含まれる場合には、酸性高温過マンガン酸法によるCODが、その試料水の酸素消費量を最も良く反映する。



BOD とは

20℃、5 日間で培養した時の酸素要求量 のことです。


COD とは

化学的に色々薬品を入れて計算してわかる

酸素要求量のことです。

方法がいくつかあります。



選択肢 1 ですが

例えば酢酸とプロピオン酸に注目すると

BOD が 減少している一方で

COD は、方法によらず増加しています。

明らかに、比例関係は認められません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが

酸性高温過マンガン酸法の列に注目すると

数値が高いのはグルコース、及びラクトースです。

つまり糖です。


数値が高いということは

酸素消費量が多いということなので

酸化されやすいと考えられます。


よって、選択肢 2 は誤りです。




選択肢 3,4 は、正しい記述です。

COD の測定法において

ニクロム酸法の酸化力が最も高い ということは

ぜひ覚えておくとよいです。




選択肢 5 ですが

グリシンに対する

酸性高温過マンガン酸法の数値は 3 です。

この方法では

十分に酸化させることができていないと考えられます。


従って

グリシンを大量に含む場合、酸性高温過マンガン酸法で評価すると

実際に必要な酸素消費量よりも少なく見積もってしまうと考えられます。


ちなみに

グリシンは、アミノ酸です。

N を含みます。


酸性高温過マンガン酸法は

N 化合物を酸化しにくい、という特徴があります。

以上より、選択肢 5 は誤りです。



正解は 3,4 です。







139

光化学オキシダント及びその測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 光化学オキシダントの大部分はオゾンであるが、一部にペルオキシアセチルナイトレート(PAN)も含まれる。

2 光化学オキシダントの環境基準達成率は、一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局いずれにおいても低い水準となっている。

3 光化学オキシダントは、微量の硫酸を含む過酸化水素水を吸収液として用いる溶液導電率法により測定される。

4 光化学オキシダントの発生には、空気中の硫黄酸化物が関与している。

5 光化学オキシダントの発生量は、オゾン層の破壊により減少している。



光化学オキシダントとは

二次汚染物質の一種です。


すなわち

化石燃料の使用等により発生した汚染物質(一次汚染物質)が

大気中に拡散し、化学反応を起こして生成する物質です。

オゾンやパーオキシアシルナイトレートなどの総称です。


光化学オキシダント濃度が高い状態を

光化学スモッグと呼びます。



選択肢 1,2 は、正しい記述です。


選択肢 2 は

光化学スモッグの注意報がしばしば出ることから

環境基準達成がそれほど高くないと考えると

判断できるのではないでしょうか。



選択肢 3 ですが

光化学スモッグの測定法は

中性ヨウ化カリウム法です。

溶液導電率法は、硫黄酸化物の測定法です。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが

光化学オキシダントは

化石燃料の使用等に伴う

不飽和炭化水素や揮発性有機化合物(VOC)の存在下において

窒素酸化物から二次的に生じるものです。


空気中の硫黄酸化物の関与 という記述は

適切ではないと考えられます。



選択肢 5 ですが

光化学オキシダントの発生は

紫外線が関与します。


オゾン層の破壊で

地表に降り注ぐ紫外線は増加するので

発生量は増加すると考えられます。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,2 です。




類題
(大気中の硫黄酸化物の測定について)





140

シックハウス症候群の原因物質として厚生労働省が定めた指針値があるのはどれか。2つ選べ。




シックハウス症候群とは

新築の住居などで起こる、呼吸器疾患などの症状による

体調不良のことです。



代表的な原因物質としては


ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド

トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン

パラジクロロベンゼン

クロルピリホス

フタル酸ジ- n -ブチル などがあります。



選択肢 1 ~ 5 の構造式はそれぞれ

1:ベンジルアルコール

2:ヘキサクロロシクロヘキサン

3:ホルムアルデヒド

4:二酸化窒素

5:パラジクロロベンゼン です。


以上の中で

代表的シックハウス原因物質は

ホルムアルデヒドと

パラジクロロベンゼンです。


従って

選択肢 3,5 が正解と考えられます。



類題)

99-25