102-165~169 解説一覧


165

薬物の経口吸収に及ぼす食事の影響とそのメカニズムの組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。

 



選択肢 1 は、正しい記述です。



選択肢 2 ですが

エチドロン酸は吸収率の悪い薬です。


そのため

服薬方法に色々と制限があります。

吸収をよくするために

服薬後食事をとらないように指導する

という内容に、おぼえがあるのではないでしょうか。


食事によって

吸収率が下がってしまうことから

吸収量増大ではない と考えられます。

よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい記述です。



選択肢 4 ですが

メナテトレノンは

絶食下で吸収低下します。

食後で吸収量が増加します。

(そのため、食後の服用が重要です。)

従って、吸収量「低下」ではありません。

よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は

リボフラビンで、トランスポーターの飽和 

とくれば飛びつきたくなる選択肢です。


しかし、食事により GER は「遅延」します。

その結果、徐々に吸収部位にリボフラビンが到達します。


そのため、食後摂取で

トランスポーターの飽和を避けることができます。

吸収量は増大します。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,3 です。






166

ある薬物のアルブミンへの結合定数は10μmol/L-1、結合部位数は2である。この薬物のアルブミン結合に関するScatchardプロットを実線で表し、結合が競合的に阻害された場合を点線で表すとき、正しい図はどれか。1つ選べ。

ただし、図中のrはアルブミン1分子あたりに結合している薬物の分子数を、[Df]μmol/L)は非結合形薬物濃度を示す。



Scatchard プロットとは

r/Df = nK - Kr をグラフにしたもの のことです。

(これは知識として必要。)


ポイントは

r = n の時に y = 0 となる ということです。


言い換えれば

グラフを見て x 軸との交点の数値を読めば

それが n :結合部位数である、ということです。


結合部位数 n が 2 ということから

実線において、r/Df が 0 である時の r は

2 でなければいけません。


従って、正解は 2,4,6 のどれかです。



更に、競合阻害の場合

薬物濃度 Df が非常に大きくなれば

阻害の影響はなくなります。

(これは知識として必要。)


Df が大きい

→r/Df は 0 に近づく 

→y = 0 の付近で、Dfが大きいのだから、競合阻害の影響が小さい=点線と実線が一致していく

→選択肢 2,4 は誤り。



以上より、正解は 6 です。








167

薬物とその活性代謝物の組合せとして、誤っているのはどれか。1つ選べ。

 



各選択肢の薬物はそれぞれ

1:イミプラミン→三環系抗うつ剤

2:サラゾスルファピリジン→大腸

3:ニトラゼパム→Bz系

4:プリミドン→抗てんかん剤

5:モルヒネ→鎮痛剤 です。



選択肢 1,2,4,5 がある程度有名なので
知っていれば、それでよいのですが

確信を持って思い出せなくても
選択肢 3 に注目すると
ベンゾジアゼピン系の中でも
ニトラゼパムは中時間作用型
ジアゼパムは長時間作用型として知られています。

もしもニトラゼパムが
代謝されてジアゼパムになるとすれば
ニトラゼパムも長時間型でないとおかしいと
考えられます。

よって、選択肢 3 が誤りです。


ちなみに
ジアゼパムの主な代謝物は
デスメチルジアゼパムです。

ニトラゼパムの主な代謝物は
7-アセトアミドニトラゼパムです。



以上より、正解は 3 です。






168

抗不整脈薬の体内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

 

1 キニジンは、腎尿細管分泌によって大部分が未変化体のまま排泄されるため、肝障害が全身クリアランスに及ぼす影響は小さい。

2 心筋梗塞時にはα1-酸性糖タンパク質の血漿中濃度が減少し、ジソピラミドの全身クリアランスが上昇する。

3 ジルチアゼムは、腎臓からの未変化体の排泄率が高いため、腎障害時には全身クリアランスが低下する。

4 プロカインアミドは、腎尿細管において有機アニオン輸送系を介して分泌されるため、プロベネシドの併用により全身クリアランスが低下する。

5 心拍出量が減少したうっ血性心不全の患者では、健常人に比べ、プロプラノロールの全身クリアランスが低下する。



選択肢 1 ですが

キニジンは

CYP 2D6 阻害薬として知られています。 

肝代謝がメインの薬です。

そのため

肝障害が全身クリアランスに大きく影響します。


※ただし、OAT を介した尿細管分泌で

ある程度(20%程度)排泄されることも

キニジンについて重要なポイントです。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが

α1 酸性糖タンパク質 は

炎症や、組織の壊死等で増えるタンパク質です。

心筋梗塞時も「増加」します。

減少ではありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが

ジルチアゼムは

CYP 3A4 代謝を受けます。

肝代謝がメインの薬です。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが

プロカインアミドは

有機「カチオン」輸送系を介します。

「アニオン」ではありません。

よって、選択肢 4 は誤りです。


※プロベネシド併用で

有機アニオン輸送系を介する

尿細管分泌が抑制されることは

正しい記述です。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。

肝代謝を受ける薬において

血流依存の薬物といえば

プロプラノロール、リドカインなどがあります。




以上より、正解は 5 です。






169

薬物相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 シクロスポリンの併用により、プラバスタチンの肝臓への移行が阻害され、その血中濃度は上昇する。

2 ノルフロキサシンの併用により、フルルビプロフェンの肝臓での代謝が阻害され、その薬理作用は増強される。

3 アスコルビン酸の併用により、サリチル酸の尿細管からの再吸収が阻害され、その腎クリアランスは大きくなる。

4 セントジョーンズワートの長期摂取により、ワルファリンの消失半減期が延長し、出血傾向が引き起こされる。

5 エリスロマイシンは、CYP3A4を不活性化し、フェロジピンの血中濃度を上昇させる。



選択肢 1 は、正しい記述です。

OATP 1B1 阻害の影響です。



選択肢 2 ですが

ニューキノロン+フルルビプロフェンの

薬力学的相互作用です。

共に GABA 受容体阻害作用があります。


薬物動態的な相互作用ではないため

肝代謝の阻害 といったメカニズムではありません。

よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが

アスコルビン酸とは、ビタミン C です。

すっぱいことからわかるように

尿を酸性に傾けます。


サリチル酸は

酸性環境下において、より分子形をとります。


以下、補足

(酸なので R-H の形。

イオン形になるためには、この-Hが外れてH+になる必要がある。

でも、酸性なので周りにすでにH+がいっぱいなので外れにくい。

だから分子形が多い。と考えると確実に判断できると思います。


一方で

「似てる環境でおちつくから

酸性環境では酸は分子のまま」とかでもOKです。

以上、補足。)


従って再吸収は促進されます。

その結果、腎排泄、すなわち

腎クリアランスは小さくなると考えられます。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが

セントジョーンズワートは

CYP を「誘導」するサプリメントとして知られています。

代謝が促進され、半減期は短くなります。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、正しい記述です。




以上より、正解は 1,5 です。




類題

99-270