問170 タクロリムスの治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。
1 血液中の赤血球画分に多く分布するため、測定サンプルとして血清ではなく全血を使用する。 2 腎障害の発現を回避するために、血中濃度のピーク値を20ng/mL以下に維持することが望ましい。 3 主に未変化体として胆汁中に排泄されるため、肝機能が低下した患者では血中濃度が高くなる。 4 CYP3A4やP-糖タンパク質を誘導する薬物を併用している患者では、血中濃度が高くなる。 5 血中濃度が治療域に維持されていても十分な効果が得られない場合には、シクロスポリンの併用を検討する。
問171 ある薬物を含む散剤(薬物100mg/g)を繰り返し経口投与し、定常状態における平均血中濃度を2.0μg/mLとしたい。投与間隔を8時間とするとき、1回あたりの散剤の投与量(g)として最も適切なのはどれか。1つ選べ。 ただし、この薬物の体内動態は線形1-コンパートメントモデルに従い、全身クリアランスは120mL/min、この散剤における薬物のバイオアベイラビリティは80%とする。
1 0.18 2 0.36 3 0.92 4 1.2 5 1.4
問172 以下のア、イ、ウで示される物質を様々な濃度で水に溶解し、一定温度下で濃度と表面張力の関係を調べたところ、下図に示すⅠ、Ⅱ、Ⅲのようになった。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 曲線Ⅰを示す物質は「ア」である。 2 曲線Ⅰにおいて、C1より高い濃度では水相表面における物質の濃度(吸着量)は飽和して一定である。 3 曲線Ⅱを示す物質は「ウ」である。 4 曲線Ⅰ、Ⅱのように右下がりの曲線となるような物質の水相表面への吸着様式を正吸着という。 5 曲線Ⅲを示す物質は「イ」であり、水中より水相表面の濃度が低くなる。
問173 高分子及び高分子水溶液に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 天然高分子の分子量は不均一であるが、合成高分子は重合度が均一で分子量の分布はない。 2 高分子の性質は、高分子を構成するモノマーの種類や比率によって決まり、直鎖状、分枝状などの構造による影響を受けない。 3 等電点付近のpH領域において、タンパク質は分子が広がった状態となるため、溶液の粘度が高くなる。 4 高分子溶液のコアセルベーションは、相分離により高分子の濃厚な相と希薄な相に分かれる現象である。 5 極限粘度(固有粘度)は、高分子水溶液の還元粘度を濃度に対してプロットし、濃度→0となるように外挿した時の切片の値である。
問174 25℃の水溶液中における薬物A及び薬物Bの濃度を経時的に測定したところ、下図のような結果を得た。次に、両薬物について同一濃度(C0)の水溶液を調製し、25℃で保存したとき、薬物濃度がC0/2になるまでに要する時間が等しくなった。 C0(mg/mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。
1 2.40 2 3.60 3 3.75 4 9.60 5 10.0
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