102-182 解説


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22歳男性。1ヶ月ほど前から体に違和感があり、「就職したばかりで慣れないので緊張しているのかな?」と思っていた。「少し前にショックな出来事があり、その事を引きずっているのかな?」とも思っていた。

数日前、「背後で上司が自分の事を非難する声」が聞こえてきた。その声は毎日のように続き、そのことを考えると不眠となった。受診の結果、統合失調症と診断され、薬物治療が開始されることとなった。

この症例に関し、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 統合失調症の発症は、思春期から青年期ではまれである。

2 急性期の治療には非定型抗精神病薬の多剤併用療法が推奨される。

3 定型抗精神病薬による治療を開始した際の注意すべき副作用に悪性症候群がある。

4 多元受容体作用抗精神病薬(MARTA)による治療では、体重増加に注意する必要がある。

5 錐体外路症状の発症予防のため、レボドパの併用が推奨される。



統合失調症とは

思考や行動、感情を、目的に沿ってまとめる(統合する)

能力の長期間に渡る低下のことです。


特に緊張が高まった環境と

発症の関連が指摘されています。


好発は10代~20代半ばです。

生涯有病率は、ほぼ世界共通に1%程度です。

単剤治療が優先されます。



以上をふまえて各選択肢を検討すると

選択肢 1,2 は誤りです。



選択肢 3,4 は、正しい記述です。

定型抗精神病薬とは

クロルプロマジンなどの D 遮断薬です。


悪性症候群とは

発熱、意識障害などを伴う副作用の一つです。

頻度は極めてまれですが

急な薬の増減などがきっかけになりえるので

注意が必要です。


MARTA では

体重増加の副作用が知られています。

そして、太ってしまうような薬ということで

自己中断のおそれがあります。

従って、体重増加に注意する必要があります。



選択肢 5 ですが

錐体外路症状をおこしにくい

非定型の薬を用いることで発症予防が期待できます。


本症例のような

治療初期におけるレボドパの併用は推奨されていません。



以上より、正解は 3,4 です。