102-222225 解説


222-225

50歳男性。体重60kg。重症感染症のため一時的に高カロリー輸液ソフトバッグ製剤(1,003mL中にブドウ糖175g、総遊離アミノ酸30gを含有)を中心静脈から投与することになった。この男性の腎機能は正常である。

 

222(実務)

非タンパク質性カロリー(kcal/窒素(g)比(NPC/N)の値として最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、アミノ酸は16%の窒素を含むものとする。

 

1 125

2 150

3 175

4 200

5 225

 

非タンパク質性カロリーとは

タンパク質由来のカロリーを除くカロリーです。

 

タンパク質は分解されてアミノ酸になるので

実際の計算では

アミノ酸由来のカロリーを除きます。

 


カロリー計算は

Atwater 係数を用います。

すなわち

ブドウ糖 1g → 4 kcal

アミノ酸 1g → 4 kcal

脂肪 1g → 9 kcal です。

 

 

以上を前提として、本問を考えると

ブドウ糖が 175g なので

175 × 4 = 700 kcal です。

 

アミノ酸が 16 % の窒素を含むので

30 × 0.16 = 4.8g が窒素量です。

 

よって

NPC/N = 700/4.8 ≒ 150 です。



以上より、正解は 2 です。



223(物理・化学・生物)

グルコースとアミノ酸を混合した場合、化学反応が起こることがある。反応速度定数をkとするのような反応において、反応速度vのように表されるとき、以下の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。

ただしADは物質を、adは化学量論係数を表す。また、[A][D]はそれぞれADの濃度を表すものとする。


1 p=a, q=bの関係式が常に成り立つとは限らない。

2 p,qは必ず正の整数である。

3 各物質量の変化に注目すると下のような関係式が成り立つ。

4 kは反応条件によって変化するが、反応物の濃度には無関係な値である。

 

「化学反応式」から

反応速度式はわからない、という点が

ポイントになります。

 

「単純な反応であれば」

係数と速度のべき数が一致します。

 

 

選択肢 1 は、正しい記述です。


たとえば

加水分解反応 などを考えると

基質のみの濃度に反応速度が比例するので

b = 1 だが、q = 0 と表せるので

「p = a,q=b が 常に」成り立つとは、限りません。

 


選択肢 2 ですが

非整数の次数をとる反応もあります。

そのような反応は

複雑な様式であることが推測されます。


 

選択肢 3 ですが

-1/a d[A]/dt =-1/b d[B]/dt = … です。

係数が a,b,c,d ではなく

1/a,1/b,1/c,1/d と考えられます。

 

 

選択肢 4 は、正しい記述です。

 

 

以上より、正解は 1,4 です。


224(実務)

高カロリー輸液療法を施行するにあたって、高カロリー輸液の基本液として、糖質、電解質、アミノ酸及び総合ビタミンを含有するキット製剤を用いることとした。このとき、以下の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 高カロリー輪液を末梢静脈から投与すると、静脈炎が起こりやすい。

2 糖とアミノ酸で十分なカロリーを投与できる場合は、脂肪乳剤は投与しない方がよい。

3 調製後の高カロリー輸液を投与するときは、遮光カバーで被覆する。

4 腎機能が低下している場合は、微量元素の添加量を増量する。

5 基本液のブドウ糖濃度は、10%以下に調整されている。

 

選択肢 1 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 2 ですが

必須脂肪酸の補給という意義があるため

脂肪乳剤も原則投与します。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 は、正しい記述です。


総合ビタミンを含有するキット製剤で

かつ、調製後なので

遮光カバーで被覆し、ビタミンの光分解を避けます。

 

 

選択肢 4 ですが

腎機能が低下しているのであれば

ミネラルは減量すると考えられます。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 ですが

末梢からだと10%程度までで

もっと濃いから中心静脈です。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

ちなみに基本液は

17~50%程度の濃度調整されています。




以上より、正解は 1,3 です。



225(物理・化学・生物)

血液中でのグルコースによる糖化反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 グルコースの3位または4位のヒドロキシ基が糖化反応に関与する。

2 グルコースは、ヘモグロビンAの主にC末端カルボキシ基に結合する。

3 グルコースによるヘモグロビンAの糖化反応は、非酵素的に起こる。

4 血中アルブミンは、グルコースにより糖化される。

5 糖化ヘモグロビンAHbA1c)値(%)は、血糖値の急激な変化を知るための指標として、糖尿病が急速に悪化した時の診断に利用される。



選択肢 1 ですが

糖のカルボニル基とアミノ基が反応に関与します。

メイラード反応の一部です。

 

従って

「ヒドロキシ基」が

関与するわけでは、ありません。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2 ですが

アミノ基に結合します。

C 末端カルボキシル基では、ありません。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3,4 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 5 ですが

HbA1cは

1~2ヶ月間の血糖値を反映する検査値です。

急速に悪化した時の診断には利用されません。

 


以上より、正解は 3,4 です。