102-232~237 解説一覧


232-233

85歳男性。在宅にて要介護度5の寝たきり状態であったが、高熱のため入院した。入院時に患者に触れた看護師等の職員数名が数日後かゆみを伴う皮膚症状を訴えた。その後、患者が重度の角化型疥癬と診断されたため、院内感染対策委員会にて対応策が検討された。

 

232(実務)

角化型疥癬とその対応策に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 肌と肌の直接接触を介してのみ感染し、はがれた角質層の飛散や付着により感染が広まることはない。

2 患者のリネン等を洗濯する際、加熱処理や乾燥を行えば感染を防ぐことができる。

3 高齢者では一旦治癒と診断されても、数ヶ月後に再燃することがあるので注意を要する。

4 患者と接触がなく症状がない職員に対しても、予防の目的でイベルメクチンの内服投与を実施する。

 

疥癬とは

ダニ感染による疾患です。

 

 

選択肢 1 ですが

剥がれた角質層にもダニがいます。

そのため、角質層を介して感染が広まります。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2,3 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 4 ですが

予防目的での内服投与はありません。

 

ちなみに

イベルメクチンは

2015 年ノーベル賞受賞した大村さんが

開発に貢献した物質です。




以上より、正解は 2,3 です。



233(衛生)

院内感染を予防するために、陰圧個室に患者を収容するなど空気感染対策をとる必要がある感染症はどれか。2つ選べ。

1 水痘

2 結核

3 クロストリジウム・ディフィシル感染症

4 マイコプラズマ感染症

5 ノロウイルス感染症



選択肢 1 は、正しい記述です。


水痘とは

水疱瘡(みずぼうそう)のことです。

五類感染症の一つです。空気感染します。

 

 

選択肢 2 は、正しい記述です。

結核は

二類感染症の一つです。空気感染します。

 

 

選択肢 3 ですが

クロストリジウム・ディフィシル感染症は

クロストリジウム・ディフィシルが

空気に非常に弱い嫌気性の菌であり

空気感染はありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 ですが 

病院内でマイコプラズマ肺炎の患者が

発生した場合の院内感染対策としては

患者の病室を隔離したり

消毒、マスク着用の徹底などがあります。


飛沫感染、接触感染対策は必要ですが

陰圧個室への患者収容といった

空気感染対策までは必要ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。


  

選択肢 5 ですが

ノロウイルスは

吐瀉物などの処理が不適切だった場合に

ちりや埃にのってウイルスを取り込んでしまうケースが

一種の空気感染としてまれにおこりえます。


そのため

吐瀉物などの処理を適切に行うことに

注意する必要があります。


空気感染対策をとる必要がある感染症では

ないといえます。

よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,2 です。






234-235

20歳女性。性感染症の薬物治療のため薬局に処方箋を持参した。

 

234(実務)

薬剤師は服薬指導の際、厚生労働省の資料を基に作成したリーフレットを手渡した。下図はリーフレットの一部である。( A )は、陰部に潰瘍ができたり、リンパ節の腫れ、全身の発疹などの症状を呈する。

 A )にあてはまる感染症はどれか。1つ選べ。



1 淋菌感染症

2 性器クラミジア感染症

3 性器ヘルペスウイルス感染症

4 尖圭コンジローマ

5 梅毒


235(衛生)

次の性感染症のうち、感染症発生動向調査において全数把握対象疾患として規定されているのはどれか。1つ選べ。

 

1 淋菌感染症

2 性器クラミジア感染症

3 性器ヘルペスウイルス感染症

4 尖圭コンジローマ

5 梅毒


 

問234、235 解説

 

「近年急激に増えている」 という記述から

梅毒 であると判断することが

期待されている問題であると考えられます。

 

ちなみ

梅毒は、全数把握対象疾患として

指定されています。

 

よって、正解は

問 234,235 共に 5 です。




類題)

97-130

99-128



参考)

衛生薬学まとめ(1) 3-3 5)







236-237

ある病院において、予防接種の頻度が上がり、患者からの薬剤部への問い合わせ件数も増加したため、ワクチンの接種法及び接種時期について確認作業を行った。

 

236(実務)

予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 複数のワクチンを同時に接種する場合には、上腕と大腿など穿刺部位を離してから注射する。

2 不活化ワクチンの接種後に別の疾患に対するワクチンを接種する場合は、生ワクチンの接種後に比べ接種間隔を長くあける必要がある。

3 生ワクチンには有効期間が定められているが、不活化ワクチンには定められていない。

4 生ワクチン、不活化ワクチンのいずれの場合も、接種後に副反応が生じることがあるので30分程度様子を見ることが必要である。

 

生ワクチンは

生きた菌やウイルスの毒性を弱めたものです。

 

不活化ワクチンは

菌やウイルスを殺した上で

免疫に必要な成分を取り出したものです。

 

 

選択肢 1 は、正しい記述です。

接種部位の局所反応が出た時に

重ならないように、穿刺部位を離して注射します。

 

 

選択肢 2 ですが

 

原則 

生ワクチンは4週開けて

不活化ワクチンは1週間開ける。

 

同一ワクチンの複数回摂取については

それぞれのワクチン毎に違うことがある 

となっています。

 

「不活化ワクチン」と

「生ワクチン」が逆です。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 


※ 補足。同時接種について。


ワクチンの「同時接種」はOKです。

複数摂取により

それぞれのワクチンの効果は減弱しないし

副作用の頻度は上がらない とされています。



つまり

1回のワクチン接種では

何種類同時にやってもよく


その中に生ワクチンが入っていれば

次の予防接種は4週間あける。

不活化ワクチンのみの予防接種であれば

次の予防接種は1週間あける。

というスケジュールをとります。



ワクチンの接種すべき時期があるので

あらゆるワクチンを

一度に接種することはできないのですが


同時期に接種すべきワクチンについては

忘れずに、かつできるだけ早くに免疫を獲得するために

同時接種が行われています。


※ 補足 終わり。

 

 

選択肢 3 ですが

有効期間とは

ワクチンによる免疫が有効である期間です。

一般的に生ワクチンの方が長いです。

不活化ワクチンにも、有効期間はあります。

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 は、正しい記述です。

 

 

以上より、正解は 1,4 です。



237(衛生)

予防接種法に基づく定期の予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 高齢者の肺炎球菌感染症は予防接種法におけるB類疾病に含まれ、65歳以上になると、肺炎球菌ワクチンは毎年度1回ずつ接種することができる。

2 ポリオ(急性灰白髄炎)のワクチンは、ジフテリア、百日咳、破傷風のワクチンとともに、4種混合ワクチンとして接種される。

3 麻しん・風しん混合ワクチンは、免疫効果が強い生ワクチンなので、生後1224ヶ月の間に1回のみ接種される。

4 水痘は予防接種法におけるA類疾病に分類され、そのワクチンとしては弱毒生ワクチンが用いられる。

5 インフルエンザ菌b型(Hib)に対するワクチンは、インフルエンザウイルスに対しても効果を示す。



選択肢 1 ですが

予防接種法に基づく A 類疾病とは

集団感染を予防するために

予防接種を行う疾病のことです。

 

一方、 B 類疾病とは

個人感染を予防するために

予防接種を行う疾病のことです。

 

高齢者の肺炎球菌感染症は

B 類疾病に含まれます。

5年ごとに接種対象となります。

「毎年1回ずつ」では、ありません。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 3 ですが

麻しん・風しん混合ワクチン(MR)は

生ワクチンです。

 

1歳の誕生日 及び 小学校就学前の1年間に

2回接種します。

「1回のみ」では、ありません。

 

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 は、正しい記述です。

 

 

 

選択肢 5 ですが

インフルエンザ菌とウイルスは別ものです。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 2,4 です。