102-246~251 解説一覧


246-247

53歳男性。尿酸値が高く、3週間前より処方1で治療を開始。その2週間後、尿酸値が改善されなかったので処方2及び処方3が追加となった。

(処方1

フェブキソスタット錠10mg 11錠(11錠)

11回 夕食後 14日分

(処方2

ベンズブロマロン錠25mg 11錠(1l錠)

11回 夕食後 14日分

(処方3

クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合錠 12錠(16錠)

13回 朝昼夕食後 14日分

処方2及び処方3を追加して7日後、患者より「新年会が続き、ビールを飲む量が増えており、足の親指が腫れて激しい痛みが生じてきた。」との訴えがあった。

 

246(実務)

この場合の処置として適切なのはどれか。1つ選べ。

 

1 フェブキソスタットを40mgに増量する。

2 ベンズフロマロンを50mgに増量する。

3 フェブキソスタットを40mgに増量し、ベンズブロマロンを50mgに増量する。

4 フェブキソスタットとベンズブロマロンを中止し、コルヒチンを追加する。

5 処方1、処方2及び処方3はそのままで、インドメタシンを追加する。

 

治療が開始されていた状態で

痛風発作がおきています。

 

本試験時

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」によれば

発作時には

NSAIDsパルス療法

(短時間に比較的多量投与)が

推奨されています。

 

また、痛風発作時に

尿酸値を下げる薬を増量してしまうと

痛風の痛みを悪化させてしまうおそれがあります。

 

※既に治療が開始されていた場合

痛風発作時も、原則、治療薬を継続して服用しつつ

痛み止め等が追加される 

といった対応になります。

 

 

以上をふまえ、各選択肢を検討します。

 

 

選択肢 1 ~3 は

治療薬を増量しています。


尿酸値が発作時に下がり

痛みの悪化につながりかねず

不適切と考えられます。

 

 

選択肢 4 ですが

コルヒチンは

発作前兆期や、予防的に用いられます。


追加してコルヒチンを

投与するのはありえるのですが

その際は、治療薬を継続して服用しつつ

コルヒチンが追加されると考えられます。

 

すなわち

フェブキソスタットと

ベンズブロマロンを中止し 

という点が明らかに誤りと考えられます。

 

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 は、正しい選択肢です。

痛み止めを追加しています。




以上より、正解は 5 です。

 


247(薬理)

処方された薬物及び前問で挙げた薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 プロスタグランジンE2の産生を抑制する。

2 尿酸を酸化してアラントインと過酸化水素に分解する。

3 代謝物のオキシプリノール(アロキサンチン)がキサンチンオキシダーゼを阻害する。

4 腎臓の尿細管において尿酸トランスポーターを阻害する。

5 T細胞のチューブリンに結合し、微小管の脱重合を抑制して安定化する。



選択肢 1 は、正しい選択肢です。

 

PG の産生を抑制する、とは

COX 阻害剤の作用機序です。

インドメタシンが該当します。

 

 

選択肢 2 ですが

尿酸を酸化し

アラントインと過酸化水素に分解する とは

ラスプリカーゼ の作用機序です。

 

ラスプリカーゼは

がん化学療法に伴う高尿酸血症に対して

用いられる、点滴静注剤です。

 

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 ですが

代謝物がキサンチンオキシダーゼを阻害するのは

XO阻害薬の中でも、アロプリノールです。

 

ちなみに

非プリン型の XO 阻害薬であるフェブリクは

非競合的 アロステリック阻害による

「選択的」キサンチンオキシダーゼ阻害薬です。

 

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 は、正しい選択肢です。

尿酸トランスポーターを阻害し

尿酸の再吸収を阻害するのが

ベンズブロマロンです。

 

 

選択肢 5 ですが

チューブリンに結合し

微小管脱重合を抑制して安定化させるのは

コルヒチンです。

 

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

 

以上より、正解は 1,4 です。

 

 






248-249

26歳女性。妊娠30週。妊娠高血圧症候群で経過観察中、切迫早産のため入院し、以下が処方された。

(処方1

リトドリン塩酸塩注射液(50mg/アンプル 1本) 50mg

10%マルトース注射液 500mL

30mL/hで点滴静注

(処方2

メチルドパ錠250mg 11錠(12錠)

12回 朝夕食後 3日分

 

248(実務)

処方薬の副作用として生じる可能性が高いのはどれか。2つ選べ。

 

1 光線過敏

2 血清カルシウム低下

3 高血糖

4 血小板数増加

5 起立性低血圧


249(薬理)

処方2の作用機序に関する記述として正しいのはどれか。1つ選べ。

 

1 アドレナリンβ1受容体を選択的に遮断することにより、心拍出量を減少させる。

2 エンドセリンETA受容体を遮断することにより、血管平滑筋を弛緩させる。

3 アドレナリンα1受容体を選択的に遮断することにより、血管平滑筋を弛緩させる。

4 中枢性のアドレナリンα2受容体を刺激することにより、交感神経活性を低下させる。

5 ドパミンに変換されてドパミンD2受容体を刺激することにより、交感神経活性を低下させる。



問248、249 解説


切迫早産に対し

β2 作動薬で

子宮収縮抑制作用を持つリトドリンが


高血圧に対して 

α2 受容体を刺激する 

中枢性降圧薬であるメチルドパが

それぞれ処方されています。

 

 

リトドリンの代表的な

副作用の 1 つが高血糖です。

妊娠高血糖の状態では

使用がだめな薬です。

 

 

メチルドパが降圧薬なので

下げすぎた際の「起立性低血圧」が

可能性の高い副作用と考えられます。

 

 

冒頭の通り

メチルドパは、「α2 受容体刺激薬」です。

 

 

ちなみに

問249の他の選択肢ですが


1:β1 選択的遮断薬といえば

ビソプロロール(メインテート)などです。


2:ETA 遮断といえば

肺動脈性肺高血圧症に用いられる

アンブリセンタン(ヴォリブリス)です。


3:α1 選択的遮断薬といえば

ドキサゾシン(カルデナリン)などです。


5:ドパミンに変換されて といえば

レボドパです。

 

 

以上より

問248の正解は 3,5

問249の正解は 4 です。






250-251

72歳男性。腎実質性高血圧症で循環器内科を受診し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。

循環器内科

(処方1

エホニジピン塩酸塩エタノール付加物錠20mg 11錠(11錠)

イミダプリル塩酸塩錠5mg 11錠(11錠)

11回 朝食後 28日分

 

お薬手帳で併用薬を確認したところ、他の医療機関(消化器内科)で処方された以下の薬を服用中であった。患者は消化器内科の薬について、循環器内科の医師に伝えていないとのことであった。

薬剤師として処方医(循環器内科)に併用薬の情報提供と処方内容の確認が必要と考えた。

 

消化器内科

(処方2

ラニチジン錠75mg 11錠(12錠)

12回 朝食後、就寝前 28日分

(処方3

テルミサルタン錠40mg 11錠(11錠)

11回 朝食後 28日分

 

250(実務)

処方1、処方2及び処方3が併用投与された場合、生じる可能性が最も高い事象はどれか。1つ選べ。

 

1 イミダプリル塩酸塩とテルミサルタンの併用による血清カリウムの上昇

2 イミダプリル塩酸塩とテルミサルタンの併用による乳房腫脹

3 エホニジピン塩酸塩エタノール付加物とラニチジンの併用による血清カルシウムの低下

4 エホニジピン塩酸塩エタノール付加物とラニチジンの併用による振戦

5 エホニジピン塩酸塩エタノール付加物とテルミサルタンの併用による高血糖

 

251(薬理)

前問の「生じる可能性が最も高い事象」の発現機序として正しいのはどれか。1つ選べ。

 

1 LCa2+チャネル遮断

2 ドパミンD2受容体遮断

3 ヒスタミンH2受容体遮断

4 アルドステロン分泌抑制

5 インスリン分泌抑制




問250,251 解説


72歳男性

Ca 拮抗薬+ACE 阻害薬で降圧

併用薬として

H2 ブロッカー+ATⅡ受容体拮抗薬 

という服用薬がわかった所です。

 

重複している

ACE 阻害薬と、AT受容体Ⅱ受容体拮抗薬 から

「高 K 血症」の可能性が高くなると考えます。

 

この機序ですが

これらの薬はともに

レニン-アンギオテンシン-「アルドステロン」系

(RAA系)の「抑制」を介した降圧薬です。

 

K 保持性利尿薬と同様に 

Na+/K+ 交換の抑制

→K+の排出が少なくなり

K+ 濃度が高くなる。 というメカニズムです。

 

 

以上より

問250 の正解は 1

問251 の正解は 4 です。