問252-253 20歳女性。統合失調症と診断され、3ヶ月間、薬物治療が継続されていた。副作用は特にみられなかったが症状が改善されないため、主治医はクロルプロマジン塩酸塩錠を1日300mgから450mgへ増量した。 (処方) クロルプロマジン塩酸塩錠100mg 1回1錠(1日3錠) クロルプロマジン塩酸塩錠50mg 1回1錠(1日3錠) 1日3回 朝昼夕食後 14日分
問252(実務) この患者において注意すべき副作用の早期発見のために、薬剤師が患者や家族にあらかじめ説明する症状として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
1 強い眠気 2 起床時の立ちくらみ 3 手の震えや体のこわばり 4 歯ぐきの腫れ 5 視野の狭窄や物の見えにくさ
問253(薬理) この処方が引き起こす可能性がある副作用について、その発現機序はどれか。2つ選べ。
1 アンギオテンシンⅡAT1受容体遮断により歯肉肥厚が起こる。 2 アセチルコリンM3受容体遮断により眼圧亢進が起こる。 3 ヒスタミンH1受容体遮断により眠気が起こる。 4 アドレナリンα1受容体遮断により錐体外路障害が起こる。 5 ドパミンD2受容体遮断により起立性低血圧が起こる。
問254-255 68歳女性。脳梗塞で1ヶ月間入院した後退院し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。 (処方) クロピドグレル錠75mg 1回1錠(1日1錠) エナラプリルマレイン酸塩錠5mg 1回1錠(1日1錠) ラベプラゾールNa錠10mg 1回1錠(1日1錠) フェノフィブラート錠80mg 1回2錠(1日2錠) 1日1回 朝食後 28日分
問254(薬理) いずれの処方薬の薬理作用にも該当しないのはどれか。1つ選べ。
1 フリーラジカルを消去し、酸化的ストレスによる神経細胞の障害を抑制する。 2 キニナーゼⅡを阻害し、ブラジキニンの分解を抑制する。 3 H+, K+-ATPaseを阻害し、酸分泌を抑制する。 4 PPARα(ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α)を刺激し、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)を増加させる。 5 活性代謝物が血小板ADP受容体を遮断し、血小板凝集を抑制する。
問255(実務) クロピドグレル錠の使用に関する注意事項として適切なのはどれか。2つ選べ。
1 肝障害や黄痘を起こすことがあるので、観察を十分に行う必要がある。 2 重篤かつ遷延性の低血糖症を起こすことがある。 3 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)が発現する危険があるので、投与開始後2ヶ月間は2週間に1回程度の血液検査を行う。 4 グレープフルーツジュースは本剤の作用を増強するので避ける。 5 出血のリスクが高まるので、OTC医薬品の解熱鎮痛剤を自己判断で服用しない。
問256-257 65歳男性。COPD(慢性閉塞性肺疾患)治療のため、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。 (処方1) インダカテロールマレイン酸塩吸入用カプセル150μg 全28カプセル 1回1カプセル 1日1回 朝吸入 (処方2) チオトロピウム臭化物水和物2.5μg吸入用カートリッジ60吸入 全1本 1回2吸入 1日1回 就寝前吸入
問256(実務) この処方薬で、注意すべき副作用はどれか。2つ選べ。 1 口渇 2 肺炎 3 口腔カンジダ症 4 動悸 5 血清カリウム濃度上昇
問257(薬理) 前問の「注意すべき副作用」の発現機序として誤っているのはどれか。2つ選べ。
1 心臓におけるアドレナリンβ1受容体の刺激 2 傍糸球体細胞におけるアドレナリンβ2受容体の刺激 3 心臓におけるアセチルコリンM2受容体の遮断 4 唾液腺におけるアセチルコリンM3受容体の遮断 5 T細胞でのサイトカイン産生抑制による免疫抑制
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