102-260261 解説


260-261

38歳男性。急性リンパ性白血病と診断され、以下の化学療法が開始された。

(処方1

注射用シクロホスファミド水和物1,200mg/m2(無水物換算) 3時間で点滴静注 Day 1

(処方2

注射用ダウノルビシン塩酸塩60mg/m2 1時間で点滴静注 Day 13

(処方3

注射用ビンクリスチン硫酸塩1.3mg/m2 静注 Day 1, 8, 15, 22

(処方4

注射用アスパラギナーゼ3000U/m2 3時間で点滴静注 Day 9, 11, 13, 16, 18, 20

(処方5

プレドニゾロン錠60mg/m2 分2 経口 Day 121

 

260(実務)

上記化学療法に対して、支持療法が必要である。支持療法として使用する薬物として優先順位が最も低いのはどれか。1つ選べ。

 

1 フィルグラスチム

2 グラニセトロン

3 アロプリノール

4 ピタバスタチン

5 メロペネム

 


急性リンパ性白血病(ALL)

に対し、化学療法が行われています。


支持療法とは

抗がん剤の副作用を予防、軽減するための治療です。

 

具体的には

・白血球細胞を増やす薬の投与

・吐き気どめの投与

・予防、治療のための抗菌薬の投与

・腫瘍が崩壊することにより

高尿酸血症になることを防ぐために投与される

アロプリノールやラスブリカーゼの使用 等の処置のことです。



選択肢 1 ですが
フィルグラスチムは、G-CSF 製剤です。
白血球等を増やす効果があります。


選択肢 2 ですが
グラニセトロンは、吐き気どめです。


選択肢 3 ですが
アロプリノールは、XO 阻害薬です。


選択肢 4 ですが
ピタバスタチンは、スタチン系です。
コレステロールを低下させます。


選択肢 5 ですが
メロペネムは、カルバペネム系抗菌薬です。
β-ラクタム系の一種です。
細胞壁合成阻害薬です。


これらの中では
スタチンが最も優先順位が低いと考えられます。
よって、正解は 4 です。


261(薬理)

前問の支持療法に用いる薬物の作用機序で、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 尿酸トランスポーターを阻害する。

2 DNAをアルキル化し、DNA合成を阻害する。

3 セロトニン5 -HT3受容体を遮断する。

4 G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)受容体を刺激する。

5 PPARγ(ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ)を阻害する。



選択肢 1 ですが
尿酸トランスポーターを阻害するのは

プロベネシドやベンズブロマロンです。

よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが

アルキル化剤は、支持療法ではなく

メインの抗がん治療薬の作用機序です。

よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい記述です。

グラニセトロンの作用機序です。



選択肢 4 は、正しい記述です。

フィルグラスチムの作用機序です。



選択肢 5 ですが

PPARγ の「活性化」 or 「刺激」 であれば

ピオグリタゾン等についての記述であると考えられます。

支持療法に用いる薬物の作用機序としては

不適切であると考えられます。



以上より、正解は 3,4 です。