102-278~285 解説一覧


278-279

33歳女性。鼻づまりの症状が続いていたため、耳鼻科を受診したところ、花粉症と診断され、以下の処方箋を薬局に持参した。

(処方1

プランルカストカプセル112.5mg 12カプセル(14カプセル)

12回 朝夕食後 14日分

(処方2

エバスチン錠10mg 11錠(11錠)

11回 朝食後 14日分

(処方3

フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液50μg 56噴霧用1

1回各鼻腔に1噴霧 12回 朝夕 噴霧

(処方4

トラマゾリン塩酸塩点鼻液0.118% 10mL

鼻閉時 1回各鼻腔に1噴霧 14回まで

 

278(実務)

患者に説明する内容として適切でないのはどれか。2つ選べ。

 

1 処方1による鼻づまりの解消効果はすぐに現れます。

2 処方2の服用中は、眠気を催すことがあるので注意してください。

3 処方3は、花粉飛散期は使用を継続してください。

4 処方4は、鼻の血管を拡げて症状をやわらげます。

5 来年からは花粉の飛散前に受診するようにしてください。


選択肢 1 ですが

一般的に、プランルカストは

2~4週間程度服用を継続して効果が出てきます。

効果がすぐに現れる というのは

適切でないと考えられます。


よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2 は、正しい記述です。

エバスチンは

第 2 世代抗ヒスタミン薬です。

眠気などの副作用があります。

 

 

選択肢 3 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 4 ですが

トラマゾリンは、血管収縮剤です。

血管を拡げるわけでは、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 は、正しい記述です。

予防的投与で、症状がやわらぐことが

期待されます。

 

 

以上より、正解は 1,4 です。

 

279(薬剤)

処方3の薬剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

なお、本剤には、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、ポリソルベート80、フェニルエチルアルコールなどが添加されている。

 

1 本剤は、無菌試験法に適合する。

2 本剤は、定量噴霧式の点鼻液であり、1噴霧当たりの有効成分含量は約0.9μgである。

3 フルチカゾンプロピオン酸エステルは、投与部位で活性を示した後、その部位で速やかに代謝・不活化されるアンテドラッグである。

4 本剤は、難水溶性のフルチカゾンプロピオン酸エステルが分散した水性懸濁液である。

5 ポリソルベート80は、微生物の発育を阻止する目的で添加されている。



選択肢 1 ですが

点鼻剤は、無菌試験は行いません。

目薬や注射剤が適合します。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2 ですが

1回噴霧中の有効成分が 50 μg です。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3,4 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 5 ですが

ポリソルベート 80 は

非イオン性界面活性剤です。

乳化剤として用いられます。

微生物の発育阻止の目的ではありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 3,4 です。





280-281

68歳男性。慢性閉塞性動脈硬化症における安静時疼痛に対し、アルプロスタジル注射液10μg(リピッドマイクロスフェア製剤)を輸液と混合し、持続投与することになった。病棟の看護師から、本剤の使用上の注意事項について薬剤師に問い合わせがあった。

 

280(薬剤)

本剤の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 リン脂質の二重膜構造からなる閉鎖小胞で、脂溶性のアルプロスタジルはリン脂質二重膜の疎水部に封入されている。

2 植物性油をレシチンで乳化したo/w型エマルションであり、脂溶性のアルプロスタジルは油滴内に封入されている。

3 血中滞留性の向上を目的として、粒子表面がポリエチレングリコールで修飾されている。

4 能動的に炎症部位へ薬物を送達するために、粒子表面が炎症細胞を認識する抗体で修飾されている。

5 受動的ターゲティングにより、炎症部位へ薬物が送達される。



選択肢 1 ですが

これはリポソームについての記述です。

 

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 3 ですが

これは PEG 製剤についての記述です。


よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 ですが

リピッドマイクロスフェアとは

選択肢 2 にあったように

油をレシチンで乳化したエマルジョンです。

表面が抗体で修飾されているわけでは、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 は、正しい記述です。

ちなみに、受動的に対応して

能動的ターゲティングというものもあります。

これは、抗体などを用いたターゲティングのことです。

 


 

以上より、正解は 2,5 です。



281(実務)

本剤を使用するにあたり、薬剤師が看護師に行うべき情報提供として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

1 すぐに使用しない場合は、凍結させて保存する。

2 ライン内での凝集を防ぐため、必ず単独ラインで投与する。

3 凝集を防ぐため、電解質を含む輸液で希釈しない。

4 輸液フィルターを使用して投与する。

5 ポリ塩化ビニル製の輸液セットの使用を避けることが望ましい。



選択肢 1 ですが

一般的に、注射剤は凍結を避けます。


よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 3 ですが

電解質溶液で凝集といえば

コロイド製剤です。

代表例は、注射用アムホテリシン B です。


本剤においては

適切な情報提供ではないと考えられます。

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 ですが

粒子がフィルター孔径よりも

大きいため、用いません。


よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 は、正しい記述です。

可塑剤溶出のおそれがあるためです。

 

 


以上より、正解は 2,5 です。






282-283

病棟で、患者からある訴えがあり、医師が以下の処方を追加した。

(処方)

リドカインテープ18mg/枚 11枚 10回分 (全10枚)

 

282(実務)

本剤が追加されるに至った患者の訴えとして考えられるのはどれか。1つ選べ。

 

1 穿刺痛

2 褥瘡の痛み

3 動悸

4 腰痛

5 術後痛

 

283(薬剤)

本剤に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。

 

1 支持体に展延された薬物を含む膏体が、ライナーで被覆されている。

2 多くの水を保持した基剤を用いた貼付剤である。

3 皮膚に適用する製剤の放出試験法に適合する。

4 粘着力試験法により、皮膚への粘着性が評価されている。

5 全身作用を期待した製剤である。



問 282,283 解説

リドカインテープは

透析時における静脈留置注射の

穿刺痛などに用いられます。

注射を指す前にテープを貼っておきます。


従って

問 282 の正解は 1 です。

 

 

問283 ですが

選択肢 1 は、正しい記述です。

リドカインテープや

ロキソニンテープなどについての記述です。

 

 

選択肢 2 ですが

これはテープ剤ではなく

パップ剤についての

記述であると考えられます。

 

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3,4 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 5 ですが

局所作用を期待した製剤です。

 

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より

問 283 の正解は 2,5 です。






284-285

65歳男性。2型糖尿病。インスリン導入目的で入院となった。入院後は、看護師が13回インスリンを注射し、血糖コントロールは良好となった。退院に向け、以下のインスリンカートリッジ製剤が処方され、自己注射の指導に薬剤師が加わることになった。

(処方)

レベミル注 ペンフィル* 1本(3mL

16単位(16単位) 11回 就寝前

*:成分名:インスリン デテミル(遺伝子組換え) (100単位/mL)]

 

284(実務)

薬剤師が患者に伝えるべき内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

1 上腕部、大腿部、腹部、臀部等に皮下注射する。

2 使用開始後は、冷蔵庫に保管する。

3 食事を摂らなかった場合は注射しない。

4 この製剤は、入院中に使用していたインスリンよりも夜間に低血糖となるリスクが低い。

 


選択肢 1 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 2 ですが

使用前は冷蔵庫に保管し

使用中は、室温で保管します。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 ですが

インスリン デテミルは

持効型のインスリン注射剤です。

 

24時間 一定量が分泌される

基礎分泌の補充目的で用いられます。

投与は食事と関係ありません。

 

※食事が不規則といった場合に

低血糖により注意が必要である 

ということには留意が必要です。

 

 

選択肢 4 は、正しい記述です。




以上より、正解は 1,4 です。


285(薬剤)

今回処方されたインスリンカートリッジ製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、本製剤中には、酢酸亜鉛、フェノール、濃グリセリン、塩酸、水酸化ナトリウムなどが添加されている。

 

1 酢酸亜鉛は、インスリンの安定性を向上させる目的で添加されている。

2 フェノールは、pHを調節するために添加されている。

3 質量偏差試験により有効成分の均一性が保証されている。

4 カートリッジ製剤は、薬液調製時若しくは投与時の細菌汚染や異物混入の防止を目的としている。

5 本製剤中のインスリンは安定性が高いため、承認申請時の長期保存試験が免除されている。



選択肢 1 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 2 ですが

フェノールは保存剤として用いられます。

pH 調整剤としては

リン酸塩などが用いられます。

 

選択肢 3 ですが

質量偏差試験の必要があるのは

注射剤であれば

「用時溶解 又は 懸濁して用いる注射剤」です。


カートリッジ製剤なので

質量偏差試験は適用されていないと考えられます。




選択肢 4 は、正しい記述です。



選択肢 5 ですが
長期保存試験は実施されています。


以上より、正解は 1,4 です。