問286-287 65歳男性。人間ドックで血中prostate specific antigen(PSA)値の高値(30.3ng/mL)を認めた。
問286(病態・薬物治療) 一般にPSAの上昇を認める泌尿器系疾患はどれか。2つ選べ。
1 セミノーマ 2 腎細胞がん 3 前立腺肥大症 4 前立腺がん 5 膀胱がん
問287(実務) その後、生検の結果、腫瘤が悪性と診断されたため内分泌療法が施行され、PSA値は正常上限値以下を推移していた。しかし、6年後の受診で再度PSA値が高値となった。 このため抗アンドロゲン薬を試みたが、改善が見られず、内分泌療法抵抗性が確認された。そこで、新たな薬物療法を開始することになった。 本患者に適用することになった薬物はどれか。2つ選べ。
1 シロドシン 2 ドセタキセル 3 コハク酸ソリフェナシン 4 プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム 5 クロルマジノン酢酸エステル
問288-289 38歳女性。肺結核と腰痛に対して以下の薬剤を服用していた。今回、同じ薬剤が処方されたが、最近、「新聞が読みにくくなった」などの視力障害を訴えた。 (処方1) リファンピシンカプセル150mg 1回3カプセル(1日3カプセル) 1日1回 朝食前 14日分 (処方2) イソニアジド錠100mg 1回3錠(1日3錠) ピラジナミド原末 1回1.5g(1日1.5g) エタンブトール塩酸塩錠250mg 1回3錠(1日3錠) 1日1回 朝食後 14日分 (処方3) ロキソプロフェンNa錠60mg 1回1錠 腰痛時 5回分(5錠)
問288(実務) この視力障害との関連性が疑われる薬物はどれか。2つ選べ。
1 リファンピシン 2 イソニアジド 3 ピラジナミド 4 エタンブトール塩酸塩 5 ロキソプロフェンNa
問289(病態・薬物治療) 本症例の病態と薬物治療に関する説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 結核菌は接触感染によって伝搬する。 2 血痰の有無により、他の呼吸器感染症と鑑別できる。 3 飲み忘れなど不規則な抗結核薬の服用は、結核菌が薬剤耐性を獲得する原因となる。 4 視力障害の原因薬は、いったん中止し、視力が回復したら再開する。 5 唾液や涙液が橙赤色になることがある。
問290-291 62歳男性。1ヶ月ほど前から息切れ、呼吸困難などの心不全症状が出現し、アルコール性心筋症との診断を受け、以下の処方により加療中である。 薬剤師が現在の症状を確認すると「最近は呼吸が苦しくなることが多く、家の中で座っていれば問題ないが、少し散歩するだけでも息切れがする」との訴えがあった。 既往歴:高血圧 飲酒歴:心不全症状が出現するまで20年間の大量の飲酒歴があり、禁酒を指導されたが、現在も機会飲酒。 検査データ:左室駆出率 23%、下肢浮腫 (+)、Na 140mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl 105mEq/L、SCr 1.0mg/dL、血圧 123/72mmHg、心拍数 62bpm(洞調律) (処方) 1) エナラプリルマレイン酸塩錠10mg 1回1錠(1日1錠) スピロノラクトン錠25mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 朝食後 14日分 2)カルベジロール錠2.5mg 1回1錠(1日2錠) 1日2回 朝夕食後 14日分 3)フロセミド錠40mg 1回1錠(1日2錠) 1日2回 朝昼食後 14日分
問290(病態・薬物治療) この患者の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 適切な治療を施しても生存率が低く予後不良である。 2 NYHA機能分類Ⅲ度(中等度~重症)の心不全症状を呈している。 3 肥大型心筋症の病態を呈している。 4 カリウムの摂取制限が推奨される。 5 治療の基本に断酒がある。
問291(実務) 薬剤師は、現在の病態から、患者の薬物療法に関するアセスメントを行い、今後のプランを考えた。追加を推奨する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1 アロプリノール 2 エポエチンアルファ 3 アテノロール 4 カンデサルタンシレキセチル 5 ジゴキシン
|