102-31~35 解説まとめ


31

Ca2+チャネル遮断作用により効果を示す抗不整脈薬はどれか。1つ選べ。

 

1 ソタロール

2 ベラパミル

3 リドカイン

4 ニフェカラント

5 ピルシカイニド




選択肢 1 ですが

ソタロールは

クラス III 群の抗不整脈薬です。

K+チャネルを遮断します。

Ca2+ チャネル遮断ではありません。




選択肢 2 は、正しい選択肢です。

同じ分類の抗不整脈薬としては

ジルチアゼム、ベプリジルなどがあります。


選択肢 3 ですが

リドカインはクラス I 薬です。

Na+ 遮断作用により

活動電位の立ち上がりを遅くすることで

抗不整脈薬として働きます。

Ca2+ チャネル遮断ではありません。



選択肢 4 ですが

ニフェカラントは、ソタロールと同じ

クラス III 群の抗不整脈薬です。

Ca2+ チャネル遮断ではありません。



選択肢 5 ですが

ピルシカイニドは、リドカインと同じく

クラス I 薬です。

Ca2+ チャネル遮断ではありません。




以上より、正解は 2 です。



類題
97-157


参考)薬理学まとめ 2-4 1)




32

K+チャネル開口作用と分子内からの一酸化窒素(NO)遊離作用を併せもつ狭心症治療薬はどれか。1つ選べ。

 

1 ニコランジル

2 べプリジル

3 ミノキシジル

4 グリべンクラミド

5 硝酸イソソルビド



選択肢 1 は、正しい選択肢です。



選択肢 2 ですが

ベプリジルは、クラスⅣ抗不整脈薬の一つです。

Ca チャネルだけでなく

非特異的に、様々なチャネル遮断作用を示します。

遮断なので、K+チャネル開口ではありませんし

NO遊離作用もありません。



選択肢 3 ですが

ミノキシジルは、リアップの有効成分です。

発毛用外用薬です。

狭心症治療薬では、ありません。



選択肢 4 ですが

グリベンクラミドは、SU(sulfonylurea:スルホニル尿素)薬です。

膵臓のβ細胞膜のSU受容体に結合します。


SU受容体結合の後、ATP依存性K+チャネルが閉じる

→膜の脱分極

→膜電位依存性Ca2+チャネルが開く

→細胞内Ca2+濃度が上昇

→インスリン分泌が促進という流れを経ます。



選択肢 5 ですが

硝酸イソソルビドは狭心症治療薬です。

分子内からのNO遊離作用を持ちます。

しかし、Kチャネル開口作用はありません。



以上より、正解は 1 です。



類題

96-218

97-33

97-151

97-160

99-161

99-254

101-151




33

トリクロルメチアジドにより血中濃度が低下するのはどれか。1つ選べ。

 

1 Ca2+

2 Na+

3 低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C

4 尿酸

5 グルコース



トリクロルメチアジドは

チアジド系利尿薬です。


この薬の特徴は

近位尿細管腔に分泌され遠位尿細管前半部に

作用するという点です。

Na+-Cl- 共輸送系を抑制することにより

利尿作用を示します。



尿の担う重要な機能の1つが

血中のNa+調節、排出です。


利尿薬なので、体外にどんどん尿と共にNa+を排出します。

その結果、血中のNa+濃度は低下すると考えられます。



以上より、正解は 2 です。




34

カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害し、Oddi括約筋を弛緩させる排胆薬はどれか。1つ選べ。

 

1 ポリエンホスファチジルコリン

2 グリチルリチン

3 ウルソデオキシコール酸

4 パパベリン

5 フロプロピオン



選択肢 1 ですが

ポリエンホスファチジルコリンは

大豆抽出物であるリノール酸系のリン脂質です。

高脂質血症改善薬の一種です。

胆汁排泄を促進させる排胆薬ではありません。



選択肢 2 ですが

グリチルリチンは、甘草などに含まれる成分です。

炎症抑制作用があります。肝機能改善等に用いられます。

排胆薬ではありません。



選択肢 3 ですが

ウルソデオキシコール酸は

催胆薬の一種です。つまり、肝臓からの胆汁「分泌」を促進します。

排胆薬ではありません。



選択肢 4 ですが

パパベリンは、注射剤で用いられる

血管拡張、鎮痙剤です。

アセチルコリン受容体に対して

非競合的拮抗薬として働くことが知られています。


(つまり、パパベリン存在下だと

どんなにアセチルコリン濃度をあげても

100%の反応が見られないということです。)


従って、排胆薬ではありません。



以上より、正解は 5 です。




35

ビルダグリプチンの血糖降下作用の機序はどれか。1つ選べ。

 

1 α-グルコシダーゼ阻害

2 ATP感受性K+チャネル遮断

3 アルドース還元酵素阻害

4 ジペプチジルぺプチダーゼ-4DPP-4)阻害

5 グリコーゲン合成静素阻害



ビルダクリプチンは、DPP-4阻害薬です。


DPP-4 は、腸管ホルモンである

インクレチンというホルモンを

不活化するような酵素(セリンプロテアーゼ)です。


この DPP-4 を阻害することにより

インクレチンの働きを間接的に助けることで

インスリン分泌が促進されます。


この薬の特徴として

インスリン分泌の調節が、グルコース濃度依存的に行われる

という点が上げられます。


すなわち

高血糖の時のみ、この薬は作用するのです。


糖尿病治療薬につきものであった副作用である

低血糖が起こりにくい薬として

DPP-4 阻害薬は知られています。



以上より、正解は 4 です。



参考)薬理学まとめ 3-5-1)

(糖尿病治療薬)