問318-319 87歳女性。寝たきり。この患者に対して発行された処方箋と残薬を、家族が薬局に持参した。 (持参した残薬の一覧) カンデサルタンシレキセチル錠8mg 75錠 シルニジピン錠20mg 135錠 ヒドロクロロチアジド錠25mg 72錠 アトルバスタチン錠10mg 37錠 酸化マグネシウム錠250mg 232錠 (持参した処方箋の内容) (処方1) カンデサルタンシレキセチル錠8mg 1回1錠(1日1錠) シルニジピン錠20mg 1回1錠(1日1錠) ヒドロクロロチアジド錠25mg 1回1錠(1日1錠) タモキシフェン錠20mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 朝食後 30日分 (処方2) アトルバスタチン錠10mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 夕食後 30日分 (処方3) 酸化マグネシウム錠250mg 1回1錠(1日3錠) 1日3回 朝昼夕食後 30日分
問318(実務) 薬剤師の対応として適切でないのはどれか。2つ選べ。
1 残薬のうち品質が保たれている製品で、現在も服用している薬剤については、利用を検討した。 2 残薬の一部を返品扱いとし、使用するため薬局の在庫品にした。 3 シルニジピン錠20mgが多く残っているが、家族からの説明によると症状が安定しているようなので、医師に処方の妥当性を相談した。 4 残っている薬は、なるべく家族など他人に譲渡するなど有効活用するようにアドバイスした。 5 服用状況、体調、服用しにくい薬の有無を確認した。
問319(法規・制度・倫理) その後、この患者の服薬アドヒアランスを向上させるため、処方医の指示により薬剤師が患者宅を訪問した。患者の居宅で行うことができない業務はどれか。2つ選べ。
1 処方箋を受け取ること 2 薬剤を粉砕すること 3 疑義照会をすること 4 薬剤を一包化すること 5 薬剤を交付すること
問320-321 下記の医薬品を卸売販売業者の担当者が納品に来たので、薬剤師が薬局のカウンターにおいて検収を行った。なお、薬局は、向精神薬営業者に関して別段の申し出はしていないものとする。 セレギリン塩酸塩錠2.5mg アムロジピン錠5mg アミオダロン塩酸塩錠100mg メチルフェニデート塩酸塩錠10mg フルニトラゼパム錠2mg ペンタゾシン塩酸塩錠25mg トリメブチンマレイン酸塩100mg(要指導医薬品)
問320(実務) 薬局における検収関連業務のうち、適切でないのはどれか。2つ選べ。
1 伝票に記載されている納品先を確認した。 2 納品された医薬品の使用期限を確認した。 3 同じ医薬品を複数購入時、製造番号が異なるものが含まれていたが受け取った。 4 法律に定められた譲受証を必要とするものはなかったので交付しなかった。 5 納品を終了した医薬品をカウンターの上に置いて、3時間後の昼休みに収納した。
問321(法規・制度・倫理) 検収した医薬品のその後の取扱いに関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。
1 検収した医薬品を、麻薬を保管している金庫に入れた。 2 要指導医薬品を来局者の手に取りやすい場所に陳列した。 3 毒薬に相当する医薬品を無施錠で陳列した。 4 過剰在庫となった向精神薬を向精神薬卸売業者に返品した。 5 親に頼まれて来局した小学生に毒薬を販売した。
問322-323 68歳男性。前立腺がん患者を対象とした治験に参加している。当該患者から担当のCRC(治験コーディネータ)である薬剤師に電話があり「今朝から、お腹のあたりに真っ赤な湿疹ができている。」と連絡があった。湿疹は、この治験薬の代表的な副作用の1つで、参加同意を得る際にも説明していた。
問322(法規・制度・倫理) CRCは、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP省令)に治験協力者として規定されている。治験協力者について正しいのはどれか。1つ選べ。
1 治験実施計画書に氏名を記載しなければならない。 2 治験協力者となっている治験に係る治験審査委員会における審議及び採決に参加することができる。 3 治験協力者に対しては、治験責任医師によって治験内容が十分に説明される。 4 いわゆる医師主導治験の場合は、治験協力者を置くことができない。 5 説明文書を読むことができない被験者となるべき者に対する説明の立会人になることができる。
問323(実務) CRCの対応として誤っているのはどれか。2つ選べ。
1 男性から聴取した情報を記録する。 2 男性が受診すべきかどうかを治験責任医師に相談する。 3 重篤な有害事象と判断した場合、直ちに実施医療機関の長に報告する。 4 有害事象及びその治療が、逸脱や中止基準に該当するかどうか治験責任医師と確認する。 5 治験薬による有害事象と判断された場合、副作用被害救済制度の利用について、男性に情報提供する。
問324-325 70歳男性。高血圧症で処方1を服用していた。ある日胸部不快感を自覚し、かかりつけのクリニックを受診した。心房細動の疑いがあることから、精査目的で市内の総合病院を紹介され受診したところ、心房細動、心不全と診断され、処方2が追加となった。 (処方1) エナラプリルマレイン酸塩錠5mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 朝食後 (処方2) カルベジロール錠2.5mg 1回1錠(1日2錠) ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル126.83mg 1回1カプセル(1日2カプセル) 1日2回 朝夕食後 (本剤はダビガトランエテキシラートとして110mgを含有している。)
問324(実務) 処方2に含まれるダビガトランエテキシラートによる重篤な副作用である出血の回避や投与量の調節のために考慮すべき検査項目はどれか。1つ選べ。
1 血清クレアチニン値 2 AST値 3 白血球数 4 PT-INR値 5 脳性Na利尿ペプチド値
問325(法規・制度・倫理) 重篤な副作用を回避するための確認は行われていたものの、後日、この男性に重大な副作用が発現した。 薬剤師は主治医と相談のうえ、この男性の副作用について、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に基づき報告することを決めた。下図は、記入途中の医薬品安全性情報報告書の一部である。この制度の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 この男性の場合、厚生労働大臣への報告期限は、発生を知った日から30日以内である。 2 添付文書などから予測できない未知の症例についても報告する。 3 患者情報のうち、アに記載された内容は、公開されることはない。 4 イの項目はすべて記入しなければならない。 5 クリニックで処方された(処方1)の薬剤も、ウに記載する。
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