102-341~345 解説一覧


341

48歳女性。非小細胞肺がん。以下の処方箋をかかりつけ薬局に持参した。

(処方1

エルロチニブ塩酸塩錠150mg 11錠(11錠)

11回 朝食の2時間後 14日分

薬歴からこれまでは処方2の薬剤が3週間毎に処方されており、処方1は初めての処方であることを確認した。

(処方2

ジフェンヒドラミン塩酸塩錠10mg 15

必要時 1回分(5錠)

レボフロキサシン錠500mg 11錠(11錠)

11回 朝食後 発熱時開始 5日分

ロキソプロフェンNa60mg 11

38℃以上の熱が出た時 5回分(5錠)

この患者の処方箋と薬歴情報について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 今回の処方薬は、他の化学療法施行後に開始された薬剤である。

2 血小板減少による発熱が出現していた可能性がある。

3 息切れ、咳などのかぜの様な症状がでても自然におさまることを伝える。

4 発疹、皮膚の乾燥やかゆみが出現する可能性があることを伝える。



選択肢 1 は、正しい記述です。

エルロチニブ(タルセバ)は

切除不能な再発、進行性の

非小細胞肺がん に効能があります。


そして

・がん化学療法後増悪した場合 か

・EGFR遺伝子陽性かつ化学療法未治療

の場合に用いられます。


また、処方2が

3週間ごとに処方されていたという点から

化学療法の副作用の予防的投与を

受けていたと考えられるため

本症例において、エルロチニブは

化学療法「後」に開始された薬剤と思われます。




選択肢 2 ですが

「血小板」減少であれば、出血傾向であり

発熱とは関係ないと考えられます。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが

白血球減少により易感染性が表れている可能性があり

自然におさまることを伝えるのではなく

すぐに知らせるよう注意してもらう

副作用の初期症状と考えられます。


よって、選択肢 3  は誤りです。.



選択肢 4 は、正しい記述です。




以上より、正解は 1,4 です。






342

23ヶ月女児。体重12kg。湿性咳嗽に対して以下の処方箋が発行され、母親が薬局に持参した。当該薬局の調剤内規では「1回の服用量が整数値となるように精製水を最小量加える」となっている。

(処方)

カルボシステインシロップ5% 1120mg1360mg)【原薬量】

プロカテロール塩酸塩シロップ0.0005% 115μg145μg)【原薬量】

上記を混合して1剤とする。

13回 朝昼夕食後 3日分

1回の服用量として正しいのはどれか。1つ選べ。

 

1 4mL

2 6mL

3 8mL

4 10mL

5 12mL



カルボシステインシロップは

「原薬量」 1日分 360mg なので

3日分で 360 × 3 = 1080mg = 1.08g 必要です。


5%シロップなので、20 倍することで

必要な「製剤量」を得ることができます。


1.08 × 20 = 21.6g なので

「21.6 ml」 を秤量します。



プロカテロールシロップは

原薬量 1日分 45 μg なので

3日分で 45 × 3 = 135 μg 必要です。


0.0005 % シロップとは

5 × 10-4 % = 5 × 10-6 です。

つまり、1mL で、5 μgの原薬を含みます。

※ 10-6 = μ です。


従って

135 ÷ 5 = 「27 ml」 が、必要な製剤量です。



合計すると

21.6 + 27 = 48.6 となります。



9 回分なので、問題文の指示により

9 の整数倍になるまで精製水を加えるので

9 × 6 = 54 ml になるまで精製水を加えます。


従って、1 回の服用量は 6 ml です。



以上より、正解は 2 です。







343

ある医薬品について患者向け説明文書を作成するため、承認時の審査報告書を調べたところ、次のような記載が見つかった。

Ⅳ.総合評価

高用量(125mg/日)ではあるものの本剤単独投与で汎血球減少症による死亡例が発現しており、肝機能障害、胃腸障害等も高頻度に発現していること(-中略-)等を踏まえると、本剤の臨床使用に当たっては十分な安全対策を講じる必要があり、製造販売後調査において本剤の安全性を引き続き慎重に検討する必要があると考える。

(一部抜粋)

患者向け説明文書中「このような症状が現れたときには、すぐに医師または薬剤師に連絡してください」の項目に記載する必要があるのはどれか。1つ選べ。

 

1 手足がしびれる、手足の皮膚が硬くなる、爪が変形する。

2 息が切れる、めまいがする、のどが痛い、鼻血がでる、青あざができる。

3 尿が少なくなる、尿がでない、むくみがある、体がだるい、発疹。

4 のどがかわく、水分をたくさん摂ってしまう、尿の量が多い、体重が減る。

5 ぼんやりする、手足がふるえる、日がちらつく、ふらつく、冷や汗がでる。



汎血球減少症が見られるため

赤血球減少の初期症状として

息が切れたり、貧血症状として

めまいがすることが考えられます。


また、白血球減少により

易感染性となり、のどが痛いなどの初期症状がありえます。


さらに、血小板減少により

出血傾向が見られる場合があります。



以上をふまえると

正解は 2 と考えられます。







344

63歳男性。青緑色の吐物を嘔吐し、救急病院に搬送された。医師が家族から状況を聞くと、この男性は認知症であり、買い置きしておいたホウ酸団子をお菓子と間違えて3個食べてしまったという。この男性がホウ酸団子を食べてから5時間以上が経っている。

ホウ酸団子とは、ホウ酸にタマネギ、小麦粉、砂糖、牛乳を加えてつくるゴキブリ駆除剤であり、1個あたり、約3gのホウ酸を含有している。

担当医師から薬剤師に解毒方法を急いで調べてほしいとの連絡があった。

薬剤師が調べたホウ酸についての情報は以下の通りである。

【中毒量・致死量】

中毒量:成人13g

経口致死量:成人1530g

【体内動態】

ホウ酸は、経口摂取後消化管から1時間以内にほとんどが吸収される。吸収後24時間で約50%が、96時間で90%以上が未変化体として尿中に排泄される。分布容積は小さく、血漿タンパク質にほとんど結合しない。

この男性に最も有効と考えられる処置法はどれか。1つ選べ。

 

1 胃洗浄

2 活性炭の投与

3 プラリドキシムヨウ化物(PAM)の投与

4 クエン酸マグネシウムの投与

5 血液透析




5時間以上経過しているという点から

もはや胃洗浄や活性炭投与では

ホウ酸を除去できません。



PAM は、有機リン剤の解毒剤です。

ホウ酸には意味がありません。



クエン酸マグネシウムは下剤なので

これも吸収されている以上意味がありません。



以上より、正解は 5 です。

血液内の小分子除去 の方法として

血液透析は妥当であると考えられます。






345

病棟において薬剤師が看護師よりメナテトレノン静注製剤の保管取扱いについて注意事項を教えてほしいと依頼された。医薬品インタビューフォームを調べたところ、表に示す安定性試験のデータが記載されていた。


メナテトレノン静注製剤の保管取扱いについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 LPEを開封しない状態で保管する。

2 褐色アンプルのみの状態では、光分解による含量低下は起こらない。

3 シリンジを用いて静注する場合は、採取後3時間以内に行う。

4 点滴静注により持続投与を行う場合は、遮光カバーを用いる。



選択肢 1 は、正しい記述です。

LPE開封後、含量低下が見られることから

開封せず保管することが適切です。



選択肢 2 ですが

下から2段目の右端と矛盾する記述です。

よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3  ですが

2時間で規格外となっており

「3時間以内」では不適切です。

よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい記述です。



以上より、正解は 1,4 です。