問36 チアマゾールの作用機序はどれか。1つ選べ。
1 甲状腺ホルモン受容体遮断 2 甲状腺ペルオキシダーゼ阻害 3 甲状線刺激ホルモン(TSH)受容体遮断 4 副甲状腺ホルモン(パラトルモン)分泌抑制 5 カルシトニン分泌抑制 チアマゾールは 甲状腺機能亢進症治療薬です。 ペルオキシダーゼを阻害する薬です。 (プロピルチオウラシルも同じメカニズムの薬です。) ペルオキシダーゼは ヨウ素を活性化ヨウ素へと変換する 体内の酸化過程を担う酵素です。 このペルオキシダーゼを阻害することにより T3 ,T4 ホルモンが合成されないようにします。 その結果、甲状腺機能亢進を抑制する作用を示します。 従って正解は 2 です。 問37 シロスタゾールの血小板凝集抑制作用の機序はどれか。1つ選べ。
1 プロスタノイドIP受容体刺激 2 セロトニン5-HT2受容体遮断 3 シクロオキシゲナーゼ阻害 4 ホスホジエステラーゼⅢ阻害 5 トロンボキサン合成酵素阻害 シロスタゾールは ホスホジエステラーゼ阻害により 作用する抗血小板薬です。 従って、正解は 4 です。 類題 99-162(血小板に作用する薬物について) 問38 抗アレルギー薬エピナスチンの作用機序はどれか。1つ選べ。
1 ヒスタミンH1受容体遮断 2 トロンボキサンA2合成阻害 3 プロスタノイドTP受容体遮断 4 プロスタグランジンE2合成阻害 5 プロスタノイドEP受容体遮断 エピナスチン(アレジオン)は抗ヒスタミン剤です。 従って、正解は 1 です。 関連する抗アレルギー薬として トロンボキサン合成酵素阻害薬は オザグレルなどがあります。 プロスタノイドTP受容体とは トロンボキサンA2受容体のことです。 遮断薬としてはセラトロダストやラマトロバンなどがあります。 参考) 問39 ゲンタマイシンの作用機序はどれか。1つ選べ。
1 葉酸合成阻害 2 細胞壁合成阻害 3 タンパク質合成阻害 4 DNA複製阻害 5 DNAからRNAへの転写阻害 ゲンタマイシンは、アミノグリコシド系抗生物質です。 リボソームの30S,50Sサブユニットに結合し タンパク合成阻害により、殺菌的に作用します。 アミノグリコシドといえば 代表的副作用として、難聴等の第8神経障害が知られる薬です。 正解は 3 です。 ちなみに 葉酸合成阻害薬といえばサルファ薬です。 代表例は、ST合剤に含まれるスルファメトキサゾールです。 細胞壁合成阻害といえば、β-ラクタム系です。 代表例は、ペニシリンです。 DNA 複製阻害薬といえば 代表例は、DNA ジャイレースに作用する、キノロン系抗生物質です。 ◯◯フロキサシン(レボフロキサシン、ノルフロキサシンなど)が代表例です。 RNAへの転写阻害といえば RNAポリメラーゼ阻害により効果を示すリファンピシンが代表例です。 問40 抗腫瘍薬パクリタキセルの作用機序はどれか。1つ選べ。
1 DNAアルキル化 2 チューブリン脱重合阻害 3 アロマターゼ阻害 4 トポイソメラーゼⅡ阻害 5 ピリミジン代謝阻害 パクリタキセルは、アルカロイド系抗がん薬です。 微小管の蛋白(チューブリン)と結合して その重合を促進・安定化(言い換えると、脱重合を阻害)します。 その結果、紡錘体の形成や機能を阻害し、 細胞分裂を停止させ抗腫瘍作用を示します。 従って、正解は 2 です。 ちなみに アルキル化剤としては シクロホスファミド、シスプラチンなどがあります。 アロマターゼ阻害薬としては 閉経後乳がんに用いられるアナストロゾールなどがあります。 ちなみに、アロマターゼとは 女性ホルモンと呼ばれるエストロゲンを合成する酵素です。 トポイソメラーゼⅡ阻害薬としては エトポシドなどがあります。 ※ちなみに、トポイソメラーゼ「Ⅰ」阻害薬としては イリノテカンなどがあります。 ピリミジン代謝拮抗薬としては 5-FUなどがあります。 |