問91 以下の化学反応式における熱力学的パラメータに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。 ただし、この反応における温度をT、平衡定数をK、反応速度定数をk1、k2とする。また、気体定数をRとする。
1 この反応の標準自由エネルギー差ΔG°は、ΔG°=-RTlnKで表すことができる。 2 いくつかの温度で測定した平衡定数から、反応の標準エンタルビー変化(ΔH°)を求めることができる。 3 ΔH°が正のときは吸熱反応となり、温度を上げると平衡が左にずれる。 4 反応速度定数k1は、exp(-Ea/RT)に比例する。なお、Eaは一般に活性化エネルギーといわれる。 5 活性化エネルギーが高いほど反応速度に対する温度の影響は大きい。
問92 金属MとそのイオンMn+からなる半電池の標準電極電位E°に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 E°は、金(Au)の半電池を基準とした相対値として測定される。 2 E°は、イオンMn+の活量が1のときの値である。 3 E°は、負の値をとらない。 4 E°は、温度に依存せず一定である。 5 E°が正の大きな値であるほど、
問93 下図の実線はある純物質の化学ポテンシャルと温度の関係を示したグラフである。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 このグラフの傾きはモルあたりのエントロピーを表す。 2 温度がT2のとき、二相が共存しており、自由度は2である。 3 温度がT3のとき、液相よりも気相の化学ポテンシャルが高いため、この純物質は自発的に気相に変化する。 4 この純物質に不揮発性溶質を溶かしたとき、液相の化学ポテンシャルのグラフは図中のbの方向に移動する。
問94 球状高分子の半径r(m)の逆数r-1と水中での拡散係数D(m2・s-1)の間にグラフのような関係が成り立つとする。いま、半径rの球状高分子Aの拡散係数DAが10.0×10-11m2・s-1であったとき、半径2.5rの球状高分子Bの拡散係数DB(m2・s-1)に最も近いのはどれか。1つ選べ。
1 1.6×10-11 2 4.0×10-11 3 10.0×10-11 4 25.0×10-11 5 62.5×10-11
問95 ある受容体(R)に結合するリガンド(L)があり、LはRと1:1で結合する。この平衡反応の解離定数(Kd)を1μMとする。1μMのRが存在しているところにLの濃度が( ア )μMとなるように添加したとき、平衡状態において全受容体のうちLが結合した受容体の割合は20%となった。 ( ア )にあてはまる数値に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、系の体積変化は無視できるものとする。
1 0.25 2 0.45 3 0.50 4 0.75 5 0.80
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