国試103回 解説107



107

 

図は、ある化合物の1HNMRスペクトル(300MHzCDCl3、基準物質はテトラメチルシラン(TMS))である。この化合物の構造式はどれか。1つ選べ。

なお、イのシグナルは一重線であり、エのシグナルはヒドロキシ基のプロトンに由来する。

 

 

 

正解 (2)

 

NMRスペクトルの問題はどこからアプローチしてもよいのですが、わかりやすいのはイの3Hです。

選択肢を見ると、1には-CH3がないので不適、45は-CH32つあるのでこれらも不適です。

23は-CH31つで、かつ、隣接炭素には水素が付いていないのでイのシグナルがシングレットであることに矛盾しません。

 

よって、答えは23なので、これらで違うところに注目します。

23では上記で注目した-CH3の場所が異なり、2ではエーテルの隣、3ではアリル位(アルケンの二重結合の1つ隣)です。

エーテルのシグナルは34ppm、アリル位のシグナルは1.52ppmくらいに出るはずですが、イのシグナルは3.9ppmなので、これはエーテルの隣が正しいと判断できます。

 

以上から、正解は2となります。

 

一応、2で正しいかをほかのシグナルから確認しておきます。

芳香環に直接付いている水素のシグナルは69ppmくらいに見られるので、カとキの計3H分がこれに当たります。

アルケンに付いている水素のシグナルは4.56ppmくらいに見られるので、ウの2Hがアルケンの末端側、オの1Hがアルケンの他方側に対応します。

エのシグナルは問題文に記載された通りヒドロキシル基で、残るアのシグナルがメチレン基の2Hということになります。