問111
呼吸器に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1.肺は、右が3葉、左が2葉に分かれている。 2.呼吸筋は、運動神経支配の骨格筋である。 3.胸腔内は、外気圧に比べて陰圧に保たれている。 4.吸息時には、横隔膜が弛緩し、胸腔の容積が増大する。 5.呼息時には、外肋間筋が弛緩し、胸腔の容積が減少する。
問112
図に示す正常ヒト体細胞の細胞周期に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.G1期からS期への移行には、サイクリン依存性キナーゼが関与する。 2.G1期にある細胞は、G0期と比べてDNA量が4倍となっている。 3.DNA合成は、G1期に起こる。 4.G2期に損傷が認められたDNAは、M期に修復される。 5.有糸分裂は、M期に起こる。
問113
図に示すグリコーゲン代謝及び解糖系(一部)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.反応①において、グルコース1-リン酸は、グリコーゲンの加水分解により生じる。 2.反応②によるグルコース6-リン酸の生成では、ATPが消費される。 3.反応③では、ADPからATPが産生される。 4.反応④を触媒する酵素は、肝臓に存在するが、骨格筋には存在しない。 5.反応⑤を触媒する酵素の活性は、細胞内に過剰に蓄積したATPにより阻害される。
問114
ヒトにおけるプリンヌクレオチドの分解過程に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.アデノシンをイノシンに変換する酵素の遺伝的欠損により、免疫不全が生じる。 2.イノシンをヒポキサンチンに変換する過程で、ATPが消費される。 3.グアノシン一リン酸(GMP)は、ヒポキサシチンを経てキサンチンに代謝される。 4.キサンチンが尿酸に変換される過程で、過酸化水素が生成される。 5.尿酸は、二酸化炭素とアンモニアに分解されて排泄される。
問115
あるDNAの塩基配列をジデオキシ法により解析し、図のような実験結果を得た。 また、表(制限酵素一覧)を参照して、その配列中の制限酵素部位の同定を行った。
【ジデオキシ法の原理】 DNAポリメラーゼによる相補鎖DNA合成の際に、その基質である4種類のデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP:NはA、G、C又はT)に加え、4種類のジデオキシリボヌクレオシド三リン酸(ddNTP:NはA、G、C又はT)のうち、それぞれ1種類だけを用いて特異的にDNA合成を停止させる。その結果、A、G、C又はTで特異的に終わる様々な長さのDNA断片が合成され、これら断片をポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離することで、DNAの塩基配列を解読できる。
【実験方法】 鋳型DNA鎖にプライマーDNA断片を結合させ、dATP、dGTP及びdTTPと放射性同位体元素で標識したdCTPを加えた。この反応溶液にddATP、ddGTP、ddCTP又はddTTPを別々に加えて、標識相補鎖DNAを合成した。次にこれら4種類の反応溶液をポリアクリルアミドゲル電気泳動に供じた。泳動後、乾燥したゲルをX線フィルムに密着させ、-80℃で一晩放置した。
【実験結果】 DNA断片は放射標識されていることから、X線フィルム上ではしご階段状の泳動像(オートラジオグラフイー)として検出された(図)。
X線フィルム上で解読したDNA配列及び実験方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.DNA伸長反応を停止させるddNTPには、3'の位置にヒドロキシ(OH)基が存在しない。 2.5'末端から5番目の塩基はチミン(T)である。 3.3'末端から4番目の塩基はグアニン(G)である。 4.EcoRⅠにより認識・切断される配列が存在する。 5.KpnⅠにより認識・切断される配列が存在する。
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