問146
向精神薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.向精神薬は、第一種及び第二種向精神薬の2種類に分類される。 2.向精神薬取扱者が、向精神薬を廃棄する場合には、届出は不要である。 3.向精神薬卸売業者は、免許を受けた業務所が所在する都道府県外の向精神薬小売業者に向精神薬を譲り渡すことができない。 4.向精神薬を調剤する際には、都道府県知事の免許を受けた医師の処方箋であることの確認が必要である。 5.薬局開設者は、辞退を申し出ない限り、向精神薬卸売販売業及び向精神薬小売業の免許を受けた者とみなされる。
正解 (2)、(5)
選択肢 1 ですが 向精神薬は 医療上の有益性・濫用の危険をふまえ 第 1 種向精神薬から 第 3 種向精神薬に分類されています。 よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、正しい記述です。 ちなみに 向精神薬の廃棄における注意点としては 回収困難な方法で行う必要があります。
選択肢 3 ですが 卸売業者としてスズケンさんなどを 想像するとイメージしやすいと思います。 向精神薬小売業者とは 薬局と考えればよいです。
すると県をまたぐチェーン薬局に対し 同じ卸さんが薬を届けていることが 思い浮かぶのではないでしょうか。 よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが 記述は麻薬処方せんについてと 考えられます。 向精神薬の調剤については 県知事の免許は不要です。 よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい記述です。
以上より、正解は 2,5 です。
参考 法規まとめ 1-3 1)
問147
特定毒物の取扱いに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.毒物劇物営業者は、特定毒物を所持できない。 2.特定毒物研究者になるには、都道府県知事(又は政令指定都市の市長)の許可が必要である。 3.特定毒物使用者は、特定毒物の用途に制限を受けない。 4.特定毒物研究者は、特定毒物を貯蔵する場所に「特定毒物」の文字を表示しなければならない。 5.毒物劇物輸入業者は、特定毒物を輸入できる。
正解 (2)、(5)
毒物の中で、特に毒性が高いものは 「特定毒物」として指定されています。 代表的な特定毒物は四アルキル鉛です。
選択肢 1 ですが 毒物劇物営業者 特定毒物研究者、特定毒物使用者 「以外」が 特定毒物を所持することは禁止です。 (毒物及び劇物取締法第3条の2第10項)
従って、毒物劇物営業者は 特定毒物を所持できます。 よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、正しい記述です。
選択肢 3 ですが 特定毒物使用者は 特定毒物を品目ごとに政令で定める用途 以外の用途に供してはなりません。 (毒物及び劇物取締法第3条の2第5項) よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが 毒物劇物の容器、被包 及び貯蔵・陳列場所に 「医薬用外毒物」「医薬用外劇物」の 表示が必要です。 「特定毒物」の文字は必要ありません。 (毒物及び劇物取締法第12条第3項)
よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい記述です。
以上より、正解は 2,5 です。
参考 法規まとめ 1-3 4)
問148
新薬Aと既存薬Bの費用と効果に関する調査を行い、表に示す結果を得た。 費用効用分析により求められる既存薬Bに対する新薬Aの増分費用効果比(ICER)として、正しい値(万円/QALY)はどれか。1つ選べ。
1.100 2.200 3.250 4.300 5.500
正解 (5)
ICERの定義を知らなかった場合は 単位に注目します。
QARYを2増加させるために 費用の増加が 1000 万円と表から 読み取ることができます。
従って、万円/QALY 、つまり 1QALY 当たり何万円か といえば 500 万円/QALY です。 よって、正解は 5 です。
問149
治験審査委員会が満たすべき要件として、誤っているのはどれか。2つ選べ。
1.治験について、倫理的及び科学的観点から十分審議できること。 2.委員はすべて、医療又は臨床試験の専門的知識を有する者であること。 3.5名以上の委員からなること。 4.委員には、治験実施医療機関と利害関係を有しない者を加えること。 5.治験に係る審議及び採決には、治験実施医療機関の長を参加させること。
正解 (2)、(5)
治験審査委員会は、IRB (Institutional review board)と略されます。
選択肢 1,3,4 は、正しい記述です。
選択肢 2 ですが IRB メンバー構成の特徴として
治験の被依頼者(病院)と 利害関係のない人や 医薬専門外の人が加えられる点が あげられます。 よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 5 ですが 医療機関の長は 当該医療機関の IRB に出席はできるのですが 委員になったり、審議・採決に参加することは できません。 よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,5 です。
類題 99-150,101-149
問150
60歳男性。会社の健康診断で胃にポリープが見つかり、近くの総合病院で精密検査したところ悪性との診断を受け、胃の全摘手術を受けた。 退院2週間後に外来を受診したところ、「食欲もなく、なかなか体力が戻らない。休職して自宅で療養している。治療にお金がかかり経済的にも厳しい。」と落ち込んだ様子だった。 この男性の体験を表す言葉として最も適しているのはどれか。1つ選べ。
1.代償体験 2.受容体験 3.否認体験 4.喪失体験 5.退行体験
正解 (4)
選択肢 1 ですが 代償とは 欲求が満たされない場合 それを別の形で満たそうとすることです。
何か別の形で欲求を満たそうとしている といった体験と読み取ることはできません。 よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが 受容とは 状況をありのまま受け入れる ということです。
なかなか体力が戻らない 厳しい といった発言から 状況をありのまま受け入れている といった体験と読み取ることはできません。 よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが 否認とは ある事実を認めない ということです。 何かを否定している発言は見られず 否認体験と読み取ることはできません。
選択肢 4 は、正しい記述です。 喪失体験とは 何かを失う経験です。 健康を失い、気持ちが落ち込んでおり 適切な記述と考えられます。
選択肢 5 ですが 退行とは、幼い段階に戻ることです。 発言にそのような傾向は見られません。 よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
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